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積温mini: 用語
【 積算温度 】

 毎日の平均気温を一定の日数分合計したものを「積算温度」といい、農作物の栽培管理と害虫対策に広く利用されています。単位は正確には「℃日」ですが、単に「℃」で表すことのほうが多いようです。

 さらに予測精度を上げるため、平均気温から成長下限温度(基準温度)を差し引いて計算したものを「有効積算温度」といいます。

 農作物等では主に単純な「積算温度」が、害虫では「有効積算温度」が使われています。積算miniでは、区別する必要があるときのみ「有効積算温度」と記述します。


 生命活動は根本的には細胞内の化学反応であり、温度で成長が左右されます。特に植物は変温のため外部気温の影響が大きいので、積算温度を計測することで成長の予測ができます。

 変温である害虫も、積算温度による予測が有効です。ただし、他地域からの飛来、年間の発生回数や越冬形態の変化などにより、専門家でも予測が困難なケースも多いです。
 積算温度は生物の種類、生育段階によって異なり、農業関係の研究機関から、多くの植物・害虫のデータが公表されています。

 なお、植物の成長には日照量・降水量も重要な役割を果たします。実際の栽培では、その地域の種まき・植え付けの「適期」を厳守することが重要です。

例)ダイズ(リュウホウ)
・播種→開花まで積算温度・508℃

 ※基準温度を10.9℃とした有効積算温度(農研機構


【 積算温度を知るには 】


【 基準温度 】
 植物や害虫では、一定の気温以下では生理活動がほとんど止まり成長できません。この温度を「基準温度」といいます(成長ゼロ点、成長下限温度ともいう)。

 平均気温がこの基準温度を上回った部分だけを積算したものが「有効積算温度」です。 研究結果に基準温度の設定がある場合のみ、積温度miniにも入力してください。

 また、逆に高温で成長が停止する温度を成長上限温度といい、主に害虫の成長調査で使われます。積温miniでは「作物別データ」でのみ設定が可能です。


【 平均気温 】

 積算温度で使用する「一日の平均気温」は、気象庁の計算方法で、午前1時から24時まで毎時0分に計測した気温を合計し、24で割ったものです。
 なお、平均気温を用いた積算温度(平均法)では生物が実際に受ける温度量と誤差が生じることから、三角法、正弦法、修正余弦法などの手法が考案されていますが複雑なため一般的ではありません。


  

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