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新たな地方公会計 統一的な基準 |
これまでの経緯平成26年4月以前 |
急げ情報開示!早ければ傷は浅い (1999年の提言が10年を超えて遅々として進まぬ日本の公会計改革) |
相次ぐ自治体の不祥事は、「内部統制の整備・充実」で防げ! |
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はじめに
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財務書類の作成目的 |
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財務情報の利用者 |
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報告主体 |
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比較可能性の原則 |
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財務書類の体系 |
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会計処理 |
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作成基準日 |
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財務諸表の様式 |
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未解決事項 |
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同じ公会計の国の財務諸表との比較・相違点 ・・縦割り行政は止め、公会計は国も地方も統一基準とすべきだ ・・国も地方も財務諸表の名称は同じにすべきだ ・・国も地方も会計監査人の監査により正確性を担保すべきだ ・・独立した設定主体による会計基準及び監査基準が必要だ ・・手書き算盤時代の「出納整理期間」はICT時代に相応しくすべきだ ・・財源は、資本取引と損益取引を混同して先人の教えを無視したもの |
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国際公会計基準(IPSAS)との相違点 ・・IPSASは開示期間を6か月以内と規定、日本は規定なし ・・税金はIPSASでは財務業績計算書に収益として表示、日本は財源で表示 |
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「地方公共団体の会計に関する提言」by日本公認会計士協会(2008年10月7日) ・・会計専門家の意見が反映されることが望まれる。 |
総務省は、平成26年4月、「今般、総務省モデル等における取組実績を基本として、すべての地方公共団体を対象とした新たな財務書類の作成基準を示すものである」として、「今後の新地方公会計の推進に関する研究会報告書(70ページ)」を公表した。「今後の地方公会計の整備促進について」に記載されている平成26年4月30日「統一的な基準の公表」とはこの研究会報告書を言うのだという。つまり、2014年(平成26年)4月30日に「統一的な基準」を公表し平成27年1月ごろまでに、①統一的な基準の周知、②財務書類等のマニュアルの作成を提供して、地方公共団体に対し統一的な基準による財務書類等の作成を要請する、としている。「移行期間は概ね3年間(やむを得ない理由がある場合に限り概ね5年間)」
平成26年 4月 |
平成27年 1月頃 |
平成30年 3月 |
平成32年 3月 |
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今後の新地方 公会計の推進 に関する研究会 |
統 一 的 な 基 準 の 公 表 |
統一的な基準の周知 財務書類等の マニュアルの作成 |
地 方 公 共 団 体 に 要 請 |
統一的な基準による財務書類等の作成 (地方公共団体) |
地方公共団体における財務書類等の作成に係る統一的な基準を設定することで、①発生主義・複式簿記の導入、②固定資産台帳の整備、③比較可能性の確保
を促進する。
平成26年 4月 |
今後 | |
①発生主義・複式簿記の導入 | 統 一 的 な 基 準 の 公 表 |
発生の都度又は期末一括で複式仕訳 (決算統計データの活用からの脱却) |
②ICTを活用した固定資産台帳の整備 | 固定資産台帳の整備を前提とすることで公共施設等のマネジメントにも活用可能 | |
③比較可能性の確保 | 統一的な基準による財務書類等によって団体間での比較可能性を確保 |
平成26年5月23日、総務大臣 新藤 義孝名で各地方自治体の首長宛て要請で、「今後の新地方公会計の推進に関する研究会」を開催して議論を進めてきましたが、平成26年4月30日に報告書を取りまとめております。この中で、固定資産台帳の整備と複式簿記の導入を前提とした財務書類の作成に関する統一的な基準を示したところです。今後、平成27年1月頃までに具体的なマニュアルを作成した上で、原則として平成27年度から平成29年度までの3年間で全ての地方公共団体において統一的な基準による財務書類等を作成するよう要請する予定であります」としている。
・今後の新地方公会計の推進に関する研究会報告書概要等 ⇒今後の地方公会計の整備促進について(平成26年5月22日)
・地方公会計システムの構築について(イメージ)
・今後の新地方公会計の推進に関する実務研究会 ・・開催要綱
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主に以下の要領等の作成に係る実務的な検討を行う。
(1)財務書類作成要領
(2)固定資産台帳整備の手引き
(3)資産評価の手引き
(4)連結財務書類作成の手引き
(5)財務書類等活用の手引き
(6)Q&A集
2014年9月5日、総務省の基準モデルが出る以前から、複式簿記による財務諸表を公表してきた東京都や東京都方式を支持する自治体(新公会計制度普及促進連絡会議、東京都、大阪府、新潟県、愛知県、東京都町田市、大阪市、東京都江戸川区、大阪府吹田市)が、総務省に対して「統一的な基準に対する要望」を公表して、以下のとおり要望している。
1 | 平成27年1月に予定している、地方公共団体に対する統一的な基準による財務書類等作成の要請に当たっては、連絡会議構成団体等先行自治体が財務諸表を従前と同様に作成・公表することについて、これを妨げるものではないと改めて明示するなど、先行自治体の創意と工夫を制約することのないよう、十分に配慮すること。 | |
2 | 特に、固定資産の評価については、先行自治体の先駆的な取組を尊重し、特定時期以前に取得した道路等の敷地についても、他の資産と同様、合理的かつ客観的な基準によって評価されたものであれば、当該評価額によることを許容すること。 また、今後、より正確な財務諸表の作成を目指す、意欲ある自治体に対しても、先行自治体と同様の取扱いを許容するものとし、報告書が重視する自治体間の比較可能性の確保についても、可能な限り評価の正確性が担保されていることを前提とすること。 |
要望書には、次のような大きな違いを指摘している。重要な視点である。
しかし、行政コスト計算書に税収を計上していないことや、純資産変動計算書に固定資産等の変動という純資産の増減に影響を及ぼさない項目を記載していることなど、企業会計や国際公会計基準の取扱いとは異なり、住民等にも理解されにくい考え方が残っている。また、開始時に取得原価が不明な資産について、道路等の土地は備忘価額1円で計上する場合もあるなど、計上価額と実際の取得価額が掛け離れてしまうことが懸念される。
一方、現在、先行自治体が作成している財務諸表は、税収を行政コスト計算書に計上することで、収支のバランスが一見して明らかになるなど、マネジメントへの活用や住民等への説明責任の充実に大きく寄与しており、また、複数年度にわたり同一基準による財務諸表を作成してきたことによる経年比較など、この間、価値ある実績を蓄積してきている。
報告書では、「各地方公共団体がそれぞれの創意と工夫により、住民等への説明責任や行政経営に資する財務書類を作成することを妨げるものではない」としているが、仮に、今後この基準の取扱いを先行自治体にも一律に適用した場合、これまで各自治体において先駆的に取り組んできた創意や工夫が財務諸表に反映されなくなるだけでなく、できるだけ正確な財務諸表を作成するという、本来の趣旨からも乖離してしまう懸念がある。さらに、多大な実務上の手戻りや新たな経費負担が発生することにもなる。
全く同感である。会計に携わった経験を持つものであれば当然の見解である。まず驚かされるのは、総務省は「統一的な基準」の(草案)を公表して広く意見を聴取した痕跡がなく、一方的に「通達」のようにして出しものだ。基準と言えない。総務省が責任を負うべき通達というべきだ。
平成26年7月、大阪府知事 松井 一郎氏は、同要望書と同様の趣旨で「平成27年度 国の施策に関する提案・要望(財務会計制度関連)」を公表している。
Ⅲ 財務書類の作成目的
29. 地方公共団体において財務書類を作成する目的は、経済的または政治的意思決定を行う上記の情報利用者に対し、意思決定に有用な情報をわかりやすく開示することによる説明責任の履行と、資産・債務管理や予算編成、行政評価等に有効に活用することで、マネジメントを強化し、財政の効率化・適正化を図ることにある。具体的には、地方公共団体の①「財政状態」、②「発生主義による一会計期間における費用・収益」、③「純資産の変動」及び④「資金収支の状態」に関する情報の提供を意味する。
Ⅱ 情報利用者及びそのニーズ
27. この財務書類の利用者としては、①住民、②地方債等への投資者、③その他外部の利害関係者(取引先、国、格付け機関等)及び④地方公共団体の内部者(首長、議会、補助機関等)等が挙げられる。
Ⅰ 報告主体
26. 地方公共団体は、一般会計及び地方公営事業会計以外の特別会計からなる一般会計等(地方公共団体の財政の健全化に関する法律第2条第1号に規定する「一般会計等」に同じ。)を基礎として財務書類を作成する。なお、普通会計との関係を示す観点から、一般会計等と普通会計の対象範囲等の差異に関して注記する。また、公的資金等によって形成された資産の状況、その財源とされた負債・純資産の状況さらには行政サービス提供に要した費用や資金収支の状況等を総合的に明らかにするため、一般会計等に地方公営事業会計を加えた全体財務書類、全体財務書類に地方公共団体の関連団体を加えた連結財務書類をあわせて作成する。なお、全体財務書類と連結財務書類の具体的な取扱いについては、要領等において整理する。
5 比較可能性の原則
35. 比較可能性の原則とは、財務情報が会計期間または他の会計主体との間で比較し得るものかを意味し、このような比較が可能かという点等が考慮されるべきである。
コメント |
財務諸表は複数年度表示することで、増えたのか減少したのか分かることになります。期間比較情報はより有益な情報提供となります。 国際公会計基準は比較情報を求めていますし、東京都及び米国各州、市町村の財務諸表は、比較情報を開示しています。 国が定める統一基準が、東京都の開示より後退したものとなってはならない。比較可能性は、国外との比較可能性により日本の地方財政の位置づけも知り得るのだ。 統一基準の様式1号から4号までは、単年度表示です。比較可能性の原則を謳っているのに、期間比較表示とはなっていません。 国際基準に一致させる時が来ている。放置しておくと、総務省の独立行政法人や文部科学省の国立大学法人の会計基準のように単年度表示となろう。 |
1 財務書類の体系
55. 地方公共団体の財務書類の体系は、貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書及びこれらの財務書類に関連する事項についての附属明細書とする。なお、行政コスト計算書及び純資産変動計算書については、別々の計算書としても、その二つを結合した計算書としても差し支えない。
3 会計処理
57. 財務書類は、公会計に固有の会計処理も含め、総勘定元帳等の会計帳簿から誘導的に作成する。
4 作成基準日
58. 財務書類の作成基準日は、会計年度末(3月31日)とする。ただし、出納整理期間中の現金の受払い等を終了した後の計数をもって会計年度末の計数とする。その場合、その旨及び出納整理期間に係る根拠条文(地方自治法235条の5等)を注記する。
63. 貸借対照表は、様式第1号のとおりとする。
【様式第1号】
貸借対照表 | |||
(平成 年 月 日現在) | |||
(単位: ) | |||
科目 | 金額 | 科目 | 金額 |
【資産の部】 固定資産 有形固定資産 事業用資産 土地 立木竹 建物 建物減価償却累計額 工作物 工作物減価償却累計額 船舶 船舶減価償却累計額 浮標等 浮標等減価償却累計額 航空機 航空機減価償却累計額 その他 その他減価償却累計額 建設仮勘定 インフラ資産 土地 建物 建物減価償却累計額 工作物 工作物減価償却累計額 その他 その他減価償却累計額 建設仮勘定 物品 物品減価償却累計額 |
【負債の部】 固定負債 地方債 長期未払金 退職手当引当金 損失補償等引当金 その他 流動負債 1年内償還予定地方債 未払金 未払費用 前受金 前受収益 賞与等引当金 預り金 その他 |
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無形固定資産 ソフトウェア その他 |
負債合計 |
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投資その他の資産 投資及び出資金 有価証券 出資金 その他 投資損失引当金 長期延滞債権 長期貸付金 基金 減債基金 その他 その他 徴収不能引当金 |
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流動資産 現金預金 未収金 短期貸付金 基金 財政調整基金 減債基金 棚卸資産 その他 徴収不能引当金 |
【純資産の部】 固定資産等形成分 余剰分(不足分) |
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純資産合計 | |||
資産合計 | 負債及び純資産合計 |
固定配列法とする
67. 資産及び負債の科目の配列については固定性配列法によるものとし、資産項目と負債項目の流動・固定分類は1年基準とする。
コメント |
固定配列法に変更している。基準モデル、東京都、米国の各州、市町村、国際公会計基準の貸借対照表は流動配列法である。 日本では固定配列法になじみが薄いのにわざわざ固定配列法にすり替えられたのか分からない。 なじみの少ない固定配列法が分かり易いとは言えない。まして、道路や橋梁、港湾など社会インフラは次世代に引き継ぐ資産で売却可能ではないものを主たる資産として表示するのは読者をミスリードする。統一基準には、”268 今後、財務書類の作成に必要な情報を備えた補助簿として固定資産台帳を整備することが必要である。”として、心もとない数値なのである。 |
【様式第2号】
行政コスト計算書 自 平成 年 月 日 至 平成 年 月 日 |
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(単位: ) | |
科目 | 金額 |
経常費用 業務費用 人件費 職員給与費 賞与等引当金繰入額 退職手当引当金繰入額 その他 物件費等 物件費 維持補修費 減価償却費 その他 その他の業務費用 支払利息 徴収不能引当金繰入額 その他 移転費用 補助金等 社会保障給付 他会計への繰出金 その他 経常収益 使用料及び手数料 その他 |
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純経常行政コスト | |
臨時損失 災害復旧事業費 資産除売却損 投資損失引当金繰入額 損失補償等引当金繰入額 その他 臨時利益 資産売却益 その他 |
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純行政コスト |
152.行政コスト計算書は、会計期間中の地方公共団体の費用・収益の取引高を明らかにすることを目的として作成する。
153.行政コスト計算書は、様式第2号のとおりとする。
税収は収益と考えていない。下記の通り、純資産変動計算書の「財源」に税収等として示される。これは、国際公会計基準の収益とする考えと異なっているので注意すること。
3 財源
198.財源は、「税収等」及び「国県等補助金」に分類して表示する。
199.税収等は、地方税、地方交付税及び地方譲与税等をいう。
200.国県等補助金は、国庫支出金及び都道府県支出金等をいう。
コメント |
税収が行政コストと対比して、行政コスト計算書に表示されないのはおかしい。国際標準が分かり易い。 東京都、米国の各州、市町村、国際公会計基準は、税収は行政コスト計算書に収入として表示される。 比較可能性をいうのであれば国際的な比較可能性も確保すべきだ。 資金収支計算書では、税収は業務収入で表示する。行政コスト計算書では税収は「財源」として表示するのと整合していない。 227.業務収入は、「税収等収入」、「国県等補助金収入」、「使用料及び手数料収入」及び「そ の他の収入」に分類して表示する。 |
【様式第3号】
純資産変動計算書 自 平成 年 月 日 至 平成 年 月 日 |
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(単位: ) | |||
科目 | 合計 | 固定資産等形成分 | 余剰分(不足分) |
前年度末純資産残高 | |||
純行政コスト(△) 財源 税収等 国県等補助金 |
xxxxxxxxxxxxx xxxxxxxxxxxxx xxxxxxxxxxxxx |
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本年度差額 | |||
固定資産等の変動(内部変動) 有形固定資産等の増加 有形固定資産等の減少 貸付金・基金等の増加 貸付金・基金等の減少 資産評価差額 無償所管換等 その他 |
xxxxxxxxxxxx xxxxxxxxxxxx xxxxxxxxxxxx xxxxxxxxxxxx |
xxxxxxxxxxxx xxxxxxxxxxxx |
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本年度純資産変動額 | |||
本年度末純資産残高 |
195.純資産変動計算書は、様式第3号のとおりとする。
税収は収益と考えていない。下記の通り、純資産変動計算書の「財源」に税収等として示される。これは、国際公会計基準の収益とする考えと異なっているので注意すること。
3 財源
198.財源は、「税収等」及び「国県等補助金」に分類して表示する。
199.税収等は、地方税、地方交付税及び地方譲与税等をいう。
200.国県等補助金は、国庫支出金及び都道府県支出金等をいう。
コメント |
税収が財源として純資産変動計算書に表示し、行政コストと対比して行政コスト計算書に表示されないのはおかしい。国際標準が分かり易い。 東京都、米国の各州、市町村、国際公会計基準(IPSAS)は、税収は行政コスト計算書に収入として表示される。 財源に表示される項目のすべては、損益取引であり資本取引として純資産変動計算書に表示されるのは、企業会計で先人の教えの 「損益取引と資本取引とを混同してはならない」とする原則に反する。 資 税収は業務収入で表示する。行政コスト計算書では税収は「財源」として表示するのと整合していない。 税収を財源としたのは、過去財務官僚である桜内文城氏の下記の持論が反映されたものとして知られている。 「一般企業と違うところは資本金が税金になり、売上が公益になっているところです。このように、みなさんから集められた税金は社会資本として、公益を生むための資産をつくるために利用されます。その資本金(税金)を使い、公益を生むためにどのような資産をつくればよいのか?それを考えることが国や自治体の経営(運営)ということになります。それを行っているのが行政で、議員や首長という経営陣と、公務員という社員で組織されています。行政は公益を生むための会社とも言えるのです。」これは、国際的に認められたものではなく単なる彼個人の持論に過ぎない。 「その資本金(税金)を使い」などと主張しているのは彼くらいのものである。しかしながら、国も地方自治体も彼個人の持論に従って財務諸表をつくているのである。 |
【様式第4号】
資金収支計算書 自 平成 年 月 日 至 平成 年 月 日 |
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(単位: ) | |
科目 | 金額 |
【業務活動収支】 業務支出 業務費用支出 人件費支出 物件費等支出 支払利息支出 その他の支出 移転費用支出 補助金等支出 社会保障給付支出 他会計への繰出支出 その他の支出 業務収入 税収等収入 国県等補助金収入 使用料及び手数料収入 その他の収入 臨時支出 災害復旧事業費支出 その他の支出 臨時収入 |
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業務活動収支 | |
【投資活動収支】 投資活動支出 公共施設等整備費支出 基金積立金支出 投資及び出資金支出 貸付金支出 その他の支出 投資活動収入 国県等補助金収入 基金取崩収入 貸付金元金回収収入 資産売却収入 その他の収入 |
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投資活動収支 | |
【財務活動収支】 財務活動支出 地方債償還支出 その他の支出 財務活動収入 地方債発行収入 その他の収入 |
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財務活動収支 | |
本年度資金収支額 | |
前年度末資金残高 | |
本年度末資金残高 | |
前年度末歳計外現金残高 | |
本年度歳計外現金増減額 | |
本年度末歳計外現金残高 | |
本年度末現金預金残高 |
211.資金収支計算書は、様式第4号のとおりとする。
資金収支計算書では、税収は業務収入で表示する。行政コスト計算書では税収は「財源」として表示するのと整合していない。
227.業務収入は、「税収等収入」、「国県等補助金収入」、「使用料及び手数料収入」及び「そ の他の収入」に分類して表示する。
1 財務書類の体系
55. 地方公共団体の財務書類の体系は、貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書及びこれらの財務書類に関連する事項についての附属明細書とする。なお、行政コスト計算書及び純資産変動計算書については、別々の計算書としても、その二つを結合した計算書としても差し支えない。
【様式第5号】附属明細書として、有形固定資産の増減明細投資及び出資金の明細、基金の明細貸付金の明細、長期停滞債権の明細、負債項目の明細などが要求されている。
コメント |
なお、国際公会計基準では、附属明細書なるものはなく、通常、会計基準に注記による開示項目が具体的に示されるのが普通である。日本方式の附属明細書を要求すると、附属明細書の作成に膨大な時間が必要とされる。また、財務諸表は、比較形式で最低二期比較で表示されるので、附属明細書を二期比較で求めることはできないであろう。注記に纏めるような会計基準とすべきであろう。 |
1999年(平成11年)2月26日,経済戦略会議(樋口広太郎議長)は、最終報告を小渕首相に最終答申書を提出した。答申の中に、「健全で創造的な社会」の構築とセーフティネットの整備、と題して「1.「小さな政府」へのイニシアティブの中の(3)公会計制度の改善として次ぎのように書かれている。
2i.1.3 公会計制度の改善公的部門の効率化・スリム化を進めていく上での大前提として、また、政策の事後評価を行う観点から決算はこれまで以上に重視されるべきであり、中央政府(特殊法人等を含む)及び地方公共団体(外郭団体を含む)のいずれにおいても以下のような方向を基本に会計制度等の抜本的改革を進め、会計財務情報基盤を整備する必要がある。 ○ 国民に対して政府及び地方公共団体の財政・資産状況をわかりやすく開示する観点から、企業会計原則の基本的要素を踏まえつつ財務諸表の導入を行うべきである。 ○ 具体的には、複式簿記による貸借対照表を作成し、経常的収支と資本的収支を区分する。 ○ 公的部門全体としての財務状況を明らかにするため、一般会計、特別会計、特殊法人等を含む外郭団体の会計の連結決算を作成する。 ○ 現金主義から発生主義に移行する。 ○ 以上の改善を進めるなかで、地方自治体については、全国統一の基準に基づいて財務諸表を作成・公表することにより、各自治体間の比較・評価を可能とすべきである。 ○ 決算に関しては、外部監査の導入・拡充を行うとともに徹底した情報開示を行う必要がある。 |
日本で,初めて公の文書で公会計の必要性を訴えている。 |
今回の「今後の新地方公会計の推進に関する研究会報告書(70ページ)」は、緒に就いたばかりである。未だに、次の点が明らかになっていないのである。
1.公会計基準の設定主体を独立させるべきである。重複して設定する会計基準は止めるべきだ。
公会計基準は、国、独立行政法人、公営企業など、縦割り行政で重複した会計基準を設定するのではなく、設定主体を独立した機構によって整合性のある統一基準を設定すべきである。公会計として最初に複式簿記で作成された財務諸表は独立行政法人である。独立行政法人の会計基準の設定主体は、所管の総務省の研究会である。平成13年から適用されているが、会計基準の抜本的改正は行われていない。例えば、費用進行基準であれば収支が出ない、期間進行基準であれば、努力による利益か、何もしないで経費の節約で利益を出したのか不明の基準であるにも拘らず10年以上抜本的な改正は行われていない。この「統一的な基準」も研究会の報告書である。設定は、基本的に独立行政法人の時と同じである。
2.監査基準の設定を国際監査基準に準拠して設定すべきだ
財務諸表の信頼性の付与は、監査によるのが普通である。巨大な自治体組織を監査するには、効率的な監査は欠かせない。監査基準の設定は不可欠である。国際監査基準がすでに発行しているように日本でも、国際基準に準拠した基準を設定して監査を開始する必要があろう。いつまでも伸ばすのか不思議でならない。
地方自治体の会計については上記のように主管である総務省自治財政局財務調査課が統一的な基準を作成して地方自治体に作成指示している。一方、国の財務諸表は、財務省主計局 公会計室 で作成して平成15年度から公表している。同じ公会計でありながら、所管ごとに会計に関する財務諸表の作成要領等を作成しているため、重複した基準であったり、同じものを違った表示の仕方(国の貸借対照表は流動性配列法で地方自治体は固定配列法で表示)をしたり、財務諸表の名称が違ったり、同じ公会計でありながら相互に整合していないた。総務省や財務省が意見を統一しない限り、財務情報の有用性や国民の理解可能性は高まらない。役所は、財務諸表を作成すれば説明責任を果たしたと思っているようだが、読者である国民・市民は果たして納得しているとは思えない。より分かり易く透明度の高い公会計基準を開発して国民・市民のガバナンスを高め、税金の有効・効果的な使用に繋げる必要があろう。
国民は、国と地方の連結財務諸表も見てみたいものだ。そのためには、国・地方と統一した公会計基準が必要だ。また、公会計基準を縦割り行政で重複したものを作って作業の重複をするほど無駄なコストは必要ないし、分かり易い財務諸表には整合した完成度の高い会計基準が必要だ。官僚が気まぐれで作る基準が信頼性のあるものとはなり得ない。議論し始めて何年経過したら完成度のある公会計基準で作成した財務諸表を見ることができるのであろうか?放置していれば役人は完成度の高い会計基準を開発する努力を怠るであろう・・嘗ての方が楽だから・・・ 役人が作っただけではなく第三者の独立会計監査人による監査をしてその信頼性を担保すべきだ。また、有用な財務情報とするには、独立した基準設定主体が作成したより完成度の高い会計基準が必要だ。
財務省の作成基準も総務省の作成基準も、いつまでに作成し公表すべきかは規定していない。国の財務諸表は、1年後に公表している。地方の財務諸表はもっと遅い公表だ。国際公会計基準は6か月以内の公表を求めている。タイムリーな情報開示は、当たり前だ。古新聞は価値が半減する。財務情報も新しい情報だからこそPLAN⇒DO⇒CHECK⇒ACTIONが機能するのだ。
国の財務諸表 | 地方自治体の財務諸表 | ||||
基準 | 省庁別財務書類の作成基準 国の財務書類 | 統一的な基準 地方自治体の財務書類 | |||
主管省庁 | 財務省主計局公会計室 | 総務省自治財政局財務調査課 | |||
財務諸表の体系 | 1.体系 省庁別財務書類の体系は、貸借対照表、業務費用計算書、資産・負債差額増減計算書、 区分別収支計算書及びこれらに関連する事項についての附属明細書とする。 |
1 財務書類の体系 55. 地方公共団体の財務書類の体系は、 貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書 及びこれらの財務書類に関連する事項についての附属明細書とする。 |
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会計処理 | 特に規定していない。 | 3 会計処理 57. 財務書類は、公会計に固有の会計処理も含め、 総勘定元帳等の会計帳簿から誘導的に作成する。 |
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作成基準日 | 4.作成基準日 省庁別財務書類の作成基準日は、会計年度末(3 月31 日)とする。ただし、出納整理 期間が設けられていない特別会計を除き、当該出納整理期間中の現金の受払い等を終了 した後の計数をもって会計年度末の計数とする。 なお、出納整理期間中の現金の受払い等を終了した後の計数をもって会計年度末の計 数としている旨及び出納整理期間が設けられていない特別会計がある場合にはその旨 を注記する。 |
4 作成基準日 58. 財務書類の作成基準日は、会計年度末(3月31日)とする。 ただし、出納整理期間中の現金の受払い等を終了した後の計数をもって 会計年度末の計数とする。その場合、その旨及び出納整理期間に係る 根拠条文(地方自治法235条の5等)を注記する。 |
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貸借対照表 | 2.貸借対照表の標準的な様式として、流動性配列法により流動資産から表示している。 | Ⅱ 貸借対照表 70. 資産は、「固定資産」及び「流動資産」に分類して表示する。(固定配列法) |
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行政コスト計算書 | 第3章 業務費用計算書 業務費用計算書を「⑴ 作成目的として、業務費用計算書は、 各省庁の業務実施に伴い発生した費用を明らかにすることを目 的として作成する。」としており税収等は、地方と同様に、資産・負債差額増減計算書 に財源(主管の財源)として表示している。 資産・負債差額増減計算書の標準的な様式の項に、次のように規定している。 (注1)財務省においては、「主管の財源」に代えて「租税及印紙収入」及び「その他の 主管の財源」の科目で表示する。 |
Ⅲ 行政コスト計算書 152.行政コスト計算書は、 会計期間中の地方公共団体の費用・収益の取引高を明らかにす ることを目的として作成する。 (税収等は、行政コスト計算書には表示されず純資産変動計算書の 財源として表示される。 198.財源は、「税収等」及び「国県等補助金」に分類して表示する。) |
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純資産変動計算書 | 第4章 資産・負債差額増減計算書 資産・負債差額増減計算書は、前年度末の貸借対照表の資産・負債差額と本年度末の 貸借対照表の資産・負債差額の増減について、要因別に開示することを目的として 作成する。 Ⅰ 前年度末資産・負債差額 Ⅱ 本年度業務費用合計(A) Ⅲ 財源(B) 主管の財源(注1) 配賦財源(注2) 自己収入 目的税等収入 他会計からの受入(注2) Ⅳ 無償所管換等 Ⅴ 資産評価差額 Ⅵ その他資産・負債差額の増減 Ⅶ 本年度末資産・負債差額 (注1)財務省においては、「主管の財源」に代えて「租税及印紙収入」及び「その他の 主管の財源」の科目で表示する。 (注2)財務省においては、「主管の収納済歳入額」に代えて「租税及印紙収入」、「公債 の発行による収入」及び「その他の主管の収納済歳入額」の科目で表示する。
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Ⅳ 純資産変動計算書 194.純資産変動計算書は、会計期間中の地方公共団体の純資産の変動、 すなわち政策形成上の意思決定またはその他の事象による純資産及び その内部構成の変動(その他の純資産減少原因・財源及びその他の 純資産増加原因の取引高)を明らかにすることを目的として作成する。 198.財源は、「税収等」及び「国県等補助金」に分類して表示する。 199.税収等は、地方税、地方交付税及び地方譲与税等をいう。 200.国県等補助金は、国庫支出金及び都道府県支出金等をいう。
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資金収支計算書 | 第5章 区分別収支計算書 区分別収支計算書は、各省庁の財政資金の流れを区分別に明らかにすることを目的 として作成する。 様式を見ると Ⅰ 業務収支 1 財源(注1) 主管の収納済歳入額(注2) 配賦財源(注3) 自己収入 目的税等収入 他会計からの受入 ・ ・ 財源合計 2 業務支出 ⑴ 業務支出(施設整備支出を除く) 人件費 ○○費 △△費 ・ ・ 業務支出(施設整備支出を除く)合計 ⑵ 施設整備支出 土地に係る支出 建物に係る支出 ・ ・ 施設整備支出合計 業務支出合計 業務収支 Ⅱ 財務収支 公債の発行による収入 公債の償還による支出 政府短期証券の発行による収入 政府短期証券の償還による支出 借入による収入 借入金の返済による支出 利息の支払額 公債(借入金)事務取扱に係る支出 財務収支 本年度収支 資金からの受入(決算処理によるもの) 資金への繰入(決算処理によるもの) 翌年度歳入繰入 収支に関する換算差額 資金本年度末残高 その他歳計外現金・預金本年度末残高 本年度末現金・預金残高 (注1)「主管の収納済歳入額」及び「配賦財源」には一般会計の計数を、「自己収入」、 「目的税等収入」及び「他会計からの受入」には特別会計の計数を、「前年度剰余 金受入」及び「資金からの受入(予算上措置されたもの)」には一般会計及び特別 会計の計数を計上する。 (注2)財務省においては、「主管の収納済歳入額」に代えて「租税及印紙収入」、「公債 の発行による収入」及び「その他の主管の収納済歳入額」の科目で表示する。 (注3)財務省においては、「配賦財源」に代えて他省庁に対する財源の配賦額を「他省 庁への財源の配賦」の科目でマイナス表示する。 |
Ⅴ 資金収支計算書 212.資金収支計算書は、「業務活動収支」、「投資活動収支」及び 「財務活動収支」の三区分により表示する。 214.資金収支計算書の収支尻(会計年度末資金残高)に 会計年度末歳計外現金残高を加えたものは、 貸借対照表の資産の部の現金預金勘定と連動する。 |
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注記 | 第6章 注記 1.重要な会計方針 2.重要な会計方針の変更 3.重要な後発事象 4.偶発債務 5.翌年度以降支出予定額 6.追加情報 |
Ⅵ 注記 1 重要な会計方針 2 重要な会計方針の変更等 3 重要な後発事象 4 偶発債務 5 追加情報 |
加えて、独立行政法人の会計基準が別途、総務省行政管理局独立行政法人総括の「独立行政法人会計基準研究会」から「独立行政法人の会計基準」が公表されている。複式簿記で記録され財務諸表を作成する基準である「独立行政法人の会計基準」は平成13年に公会計として初めて公表された。これも、上記二つの基準とは整合していない。特に、行政の一翼を担う法人であるのに利益を獲得する目的の企業の「損益計算書」と同じ名称を用いていることから、国の予算を配分しているだけの運営費交付金で、受け取り側の独立行政法人は「運営費交付金」として損益計算書の収益のとして表示する。本来は、行政は防衛、福祉、研究など行政コストを表示することになるのに利益を獲得するための民間企業の「損益計算書」の名称は独立行政法人には違和感を覚える。
省庁別財務書類 | 独立行政法人の会計基準 | 相違点 | |
基準設定 | 省庁別財務書類の作成基準 | 「独立行政法人会計基準研究会」 | |
主管 | 財務省主計局公会計室 | 総務省行政管理局独立行政法人総括 | |
ストックの計算書 | 貸借対照表 | 貸借対照表 | 独立行政法人には「資本の部」があるが、 省庁別計算書類では「資産・負債差額の部」 |
フローの計算書 | 業務費用計算書 資産・負債差額増減計算書 |
損益計算書 | 独立行政法人には運営費交付金を収入扱い 省庁別財務書類には業務費用のみ表示し、 交付金は資産・負債差額の財源扱い |
キャッシュ・フローの計算書 | 区分別収支計算書 | キャッシュ・フロー計算書 | 独立行政法人は企業会計と同じ表示 省庁別財務諸表には業務収支、財務収支 業務収支に財源と業務支出を区分表示する。 |
行政サービス実施コスト 計算書 |
業務費用計算書 | 行政サービス実施コスト計算書 | 独立行政法人の行政サービス実施コスト 計算書は複式簿記から導き出されていない 不思議な計算書 |
運営費交付金 及びその他収入の扱い |
財源として 資産・負債差額増減計算書に表示 |
収入として 損益計算書に表示 |
国の業務のために予算として配分される 運営費交付金は片や「財源」として、 独立行政法人は「収入」として取り扱われる。 |
新しい地方自治体の基準作成の過程で、国際公会計基準との整合性も検討している様子なので、出来上がった統一基準と照らし合わせた結果は、下記の通り大きく異なったものとなっていることに気が付く。上記のとおり総務省の自己主張か担当官僚の自己主張か分からないが、財務省の国の基準に一致させるつもりのないことと同じで、国際公会計基準と照らし合わせてみると国際基準に一致させるつもりもないことが分かる。
地方自治体の財務諸表 | 国際公会計基準(IPSAS) | |||
基準 | 統一的な基準 | 国際公会計基準(IPSAS) | ||
主管省庁 | 総務省自治財政局財務調査課 | |||
財務諸表の体系 | 1 財務書類の体系 55. 地方公共団体の財務書類の体系は、 貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書 及びこれらの財務書類に関連する事項についての附属明細書とする。
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21. 財務諸表の完全な一式は以下によって構成される。 (a) 財政状態計算書 (b) 財務業績計算書 (c) 純資産・持分変動計算書 (d) キャッシュ・フロー計算書 (e) 主体が承認された予算を公表している場合、別個の独立した財務諸表による、あるい は財務諸表の中に予算の欄を一列設けることによる予算と実績との比較 (f) 重要な会計方針の要約及びその他の説明を行う注記で構成される注記 |
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適時性の原則 | 規定されていない。 現実は、1年以上も経過して開示している。 |
適時性 69. 利用者が、財務諸表を報告日後の合理的期間内に入手できない場合には、 財務諸表の利用価値は減少する。主体は、その財務諸表を報告日より6 ヵ月以内 には公表する必要がある。主体の事業活動の複雑さなどの経常的要因は、 適時に報告しないことの正当な理由とはならない。多くの国・地域では、 法律や規則によってより具体的な期限が定められている。 |
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比較情報 | 5 比較可能性の原則 35. 比較可能性の原則とは、財務情報が会計期間または他の会計主体との 間で比較し得るものかを意味し、このような比較が可能かという点等が考慮 されるべきである。
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比較情報 53. 国際公会計基準が許容している又は要求していない場合は別として、 財務諸表中の全ての金額について、前期との比較情報を開示しなければならない。 比較情報は、当期の財務諸表を理解する上で適切となる場合には、 文章による説明的情報に含めなければならない。 |
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貸借対照表 | Ⅱ 貸借対照表 70. 資産は、「固定資産」及び「流動資産」に分類して表示する。(固定配列法)
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流動、非流動の区分 70. 主体は、流動性を基にした表示が信頼性のおける、より目的適合となる情報を 提供することになる場合は別として、第76 項から第87 項に従って財政上多報告書 の本体上で、流動資産と非流動資産、流動負債と非流動負債を、別々の区分として 表示しなければならない。流動性基準が適合する例外的な場合には、資産及び負債 をおおむね流動性の順序に従って表示しなければならない。 |
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行政コスト計算書 税金等の表示 |
Ⅲ 行政コスト計算書 152.行政コスト計算書は、 会計期間中の地方公共団体の費用・収益の取引高を明らかにす ることを目的として作成する。
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財務業績計算書 期間余剰又は欠損 99. ある期間に認識される収益と費用の全ての項目は、国際公会計基準が別途規定を している場合を除き、余剰又は欠損として計上されなければならない。 添付の財務業績計算書の例示には、収益は下記の通り税金が含まれている。 収益 税金 X X 料金、科料、罰金及び手数料 X X 交換取引から生じた収益 X X 他の政府からの移転収入 X X その他収益 X X 収益合計 |
税金の取り扱いは、国際基準と根本的に違っている。また、附属明細書の開示については、国際会計基準にはない日本独特のものとなっている。附属明細書は、読者に読み易いとは到底思えない。比較財務情報の規定は、期間比較の例示がなく、様式は単年度表示であるし、報告主体の国の財務諸表とも整合性はない。単なる規定しているだけで実態がない。開示の適時性について、日本では規定がない。1年以上経過して開示しても情報としての価値な半減するし、財政管理上PLAN→DO→CHECK→ACTIONができなく効率的な財政管理ができなくなる。
東京都の場合は、国際公会計基準に準拠した形跡があり統一的基準を適用すると後退した開示となる。官僚の作成した基準は、一度決まると改善せず進化しないことになる。日本の公会計の将来性は悲観的だ。
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