日々是平安
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2006年9月3日(日) 日本の夏 怪談の夏
先日アザラシのナカちゃんの事を書いた所、地元だという方からメイルを頂きました。
くださった方は興味がないと明言していましたが、地元の新聞では
『朝刊1面と後ろから数面目にえらくスペース割いてました』そうです。
たかがアザラシ…等とは言いたくないけれど、もう少し冷静になってもいいんじゃないかなーとは思うですよ。助けなきゃない人間なんて幾らでもいるでしょうに。
この騒ぎようって日本独特なのかしらん? とか、これ書きながら考えていたら、9.11事件に関連する話を思い出しました。
タワービル倒壊時、消防士の方が沢山亡くなりました。とても痛ましい事でした。遺族を助けたいと思うのは当然です。
で、年末のクリスマスで寄付の時期の事。消防士の遺族への寄付金がどっと集まった煽りをくって、その他の障碍を持った方や生活が苦しい方々への寄付が、がくっと減って大変だったそうな。
ナカちゃんとどう繋がるねんって感じですが(書いといて何だけど、自分でもそう思うわー)、目先の目立つ所へどーっと同情が集まって、本当に助けがいる人へ目がいかなくなるという図式が、ちょっとだけ似ているなと思ったです。
まあ、全部を助けるってワケにはいかないんだけどね。自分の目の届く範囲で気がついた分だけでも、手助け出来たらいいよね。
何もしない正義より、手を差し伸べる偽善の方が私は好きです。
重い話だけでは何なので。
先日TVを見ていたら、キャメロン・ディアスやナオミ・キャンベルやらを排出したモデルの国際大会『エリートモデルルック2006』の日本大会で、
14歳の娘が優勝したというのをやっていました。
スーパーモデルといえば、バービー人形のようなエキセントリックな顔立ちの大人の女性って感じですよね。今までの日本大会では『エキゾチック』な要素を重視していたそうな。
しかしリンク先を見てもらえれば分かる通り、グランプリの柳沢実佑さんは、エキゾチックというよりは可愛らしい感じ。それもそのはず、今回は『妹のような女の子』という、モデル界ではあまり見られない雰囲気を持っている点を高く評価されたんですって。いわゆる萌え系。
国際大会の日本代表として出場するのに何故に萌えか? というのは。
今現在、フランスを初め海外でも『moe』に注目が集まっているからだそうな。今世界はバービーちゃんよりローゼンメイデンらしい。
『moe』でググってみたら大量の日本語サイトがヒットしちゃいましたが、Wikipediaの
『Moé』項目が引っかかりました。いやー、萌えですねえ。
しかし、どうして『鉄道萌え』が出ているのだろう。テツは世界中にいるからか?
『See also』の『Moe sangyo』とか『Kawaii』とか『Figure moe zoku』とかの項目にも笑わかせて貰いました。
『Moé anthropomorphism(萌え擬人化)』の下の方にある『冥王星はいらない子』って…。うーむ、moe。
おお、タイトルと全然合っていないではないか。
てなワケで、過ぎる夏を惜しんで今年も
稲川淳二の怪談ナイトに行って来ました。
今回は小ネタ集という感じでしたが、知らない話ばかりで面白かったです。セットの廓もなかなか味わい深かったし。
でも多分音響のせいで、声がいつもより聞き取りにくかったのが残念でした。
もう何年も通っていますが(怪談大好き)、毎年満員御礼です。
稲川さんは恐怖耳袋の著者に盗作云々で訴えられたりもしましたが(でもこれは言いがかりに近いと思った。恐怖耳袋も面白いけどね)、怪談を語らせたらやはり上手い。
桜金造や伊集院光も上手だけれども、やっぱり稲川淳二の語りが好きだなあ。
逆に面白くないのがつまみ枝豆。話自体は面白いのだけれど語りが下手で、ちっとものめりこめない。自分だけが怖がっている感じです。
怪談とか昔話は、語り手と聞き手の言葉のキャッチボールが大事かと。
語り手は(自分は怖がらずに)相手を怖がらせるのに心を砕き、聞き手は恐怖を楽しむ気概が必要だと思うですよ。
やはり日本の夏は怪談を外すワケにはいきませんな。
おまけに9/7までの
稲川淳二の怖い話。皆さまも過ぎ行く夏を惜しみながらゾクゾクして下さいませ。
2006年9月5日(火) なんでかなー?
地下鉄で通勤している時に、常々疑問に思う事があります。
それは、駅に着いて扉が開いているのに、出入り口の前で突っ立ったまま動かない人がいる事です。
一人二人なら『気の利かない人がいるんだなー』と思うだけですが、これが結構見かける。さすがに朝にそんな無謀な事をする人はいませんが、帰りの電車の中では降りるのを邪魔される事も多いです。割合では男性が圧倒的ですね。おじさんだけでなく、若い人も多い。
そういう人に会う度に、仕事で疲れて動くのがおっくうなのかなあとか、どけると何かに負けた気がして癪にさわるのだろうか? 等と考えたりしますが、その時だけですぐに忘れていました。が。
この間、扉の前で陣取って(しかも扉のまん前に荷物を置いていた)動かない若い男性の脇を、邪魔だなーと思いながら通って電車を降りた時に、その男性と目が合いました。
その瞬間の彼は、不思議そうというか、何で自分の側を通られるか分からないと言いたげな表情をしていまして、それが妙に印象的でした。
今まで私は、扉の前を塞いだままの人たちは、後ろに降りる人たちがいる事を分かっていて、尚且つ何らかの理由でどかないのだと思っていました。
でも、もしかしたら、自分が乗り降りの邪魔になっている事自体に気がついていないのではないか、むしろ想像すら出来ていないのではないかと、彼の表情を見た後に考えてしまいました。
あのきょとんとした表情が忘れられません。
それにしても、あの扉の前から動かない人々は不思議です。
何で扉の前に陣取られたら、周りが迷惑するとか考えないのだろう。どうして扉が開いた時くらい、ちょっと横にずれようとか思わないのだろう。
ホント、なんでかなー?
2006年9月6日(水) これだから『自称』良識のある大人はー
『匿名で好きなことを書くことだけが日本人の文化ではない』とか『2chはゴミためとしてあっても仕方ない』などの、鳥越俊太郎氏の発言で、何かとセンセーショナルな登場の仕方をしたオーマイニュース。
『ブログでも2chでもない「市民新聞」とは――オーマイニュース鳥越編集長に聞く』オープン初日のトップアクセス記事が
2ちゃんねらーの釣り記事だったりもしたようです。
鳥越氏のインタビューに関連したこの記事も面白い。
どの情報を信じますか?匿名ではない『だけ』で質の高い記事だとでも言いたげな、既存のマスコミの殻から抜け出せない匂いがして、私は敬遠していました。
そんなオーマイニュースに、とんでもなく酷い記事が載っている事を
インターネットwatchで知りました。
あまりの酷さに目眩がしそうだった記事は
『Mixiも信用できない』コミュニケーションサイトといっても、いわゆる出会い系とは違って、男性からのナンパメールがやまほど届くということもな く、健全な運営が維持されているようだ。mixiに対するこの評からして偏見バリバリでクラクラきちゃいますがー。
先日もその書店のパソコンでMixiのサイトを開けたら、前の客がログアウトしわすれたMixiの画面がでてきた。ここまでは、『公共の場所でmixiなんかを使ったら後始末をちゃんとしなきゃなー』と自戒するきっかけになって良いのですが。気がついたならキャッシュくらい消してあげなよとは思うけれど、PCに疎い人のようなのでそれはいいとして。
翌日、同じく書店のパソコンでMixiのサイトを開けたら、またしても前日の22歳男性N・Yがログインし忘れた画面があらわれた。ところがその男性の 自己紹介だが、「アメリカの大学に在学中」のはずが、今日は「専門学校卒、IT企業に勤務」に書き換わっているのだ。この辺から雲行きが怪しくなります。
後者の「IT企業に勤務」もほんとうかどうか疑わしいが、「アメリカの大学に在学中」というのはあきらかに騙りだったらしい。留学生というかっこのいい 肩書きを使えば、女性をナンパするのに好都合という思惑があったのだろう。何この偏見。何で勝手にこんな失礼な妄想をするんだ? このおばさんは。
その後、こいつはとんでもねーコトをやらかします。
さて、くだんの22歳男性N・Yの自己紹介ページだが、私はそこに「昨日はアメリカの大学に在学中でしたが、今日はIT企業の社員です。肩書きは毎日適 当にくるくると変わります」と書き加えてやってた。キャッシュを残していった人がうかつとはいえ、勝手に他人のプロフィールを改竄して、あまつさえ
いたずら、というか、騙り男に一罰、というわけだが、この程度の改ざんは許されることだろう。人間、どうやったらここまで恥知らずになれるのだろうかと、真面目に目眩がしましたのコトよ。
この記事を書いた方は、とある事件を告発するサイトを運営していたり、ブログでは所謂社会派な文章を発表されているようです。多分、私のような怠け者と違い、正義感に溢れた活動的なご婦人なのでしょう。
社会的弱者の側に立ち、権力に向かって果敢に糾弾しているような人が、悪意に満ち満ちた決めつけと他人の情報を改竄して悪びれない、むしろ制裁を加えてやったと言わんばかりの厚顔無恥さを発揮するんですねえ。
これだから『自称』良識のある大人は嫌いです。無自覚にもほどがある。
こんな近年まれに見る酷い記事を
皆さんの目に触れ、今後大ニュースとして芽吹いてほしいという意味をこめて、「ニュースのたね」のページに掲載しました。なーんてほざいている場所に掲載されているってーのがステキすぎ。どの辺に『芽吹いてほしい』のかしらん? 嘘っぽいプロフィールなら勝手に書き換えてもいいってか。
この
『ニュースのたね』、以前は『この記事にひと言』とコメント欄があったようですが、今はなくなっているようです。
これがまたちょっとおかしくて、
お知らせを見ると、8/29辺りはひと言欄の不具合修正が報告されているのに、8/31になると急に
その記事の性格上「ニュースのたね」には「この記事にひと言」欄は設けていません。何卒ご了承ください。 …と、コメント欄自体がない事になっているんですよね。何でかなー?
上記について訂正。
お知らせページの『この記事にひと言』欄の不具合修正報告は、『ニュースのたね』以外の記事についている分のようでした。
勘違いして、嫌味っぽく書いてしまって正直すまんかった>オーマイニュース 偏見は私もだったわ。反省。 何となーくイヤな感じがしていたオーマイニュースが、決定的に嫌いになった出来事でした。
そして、自称良識ある大人は信用出来ないとも思いましたマル
2006年9月7日(木) ヒーローは“赤”
昨夜の会社の飲み会で行った串揚げ食べ放題のおかげで、未だに胃が重たいです。
新しく入ってきた人が元料理人という経歴を持っているため(他にもツアコンやったりと、色々な職種を経験しているそう)、揚げ具合が最高。
自分たちで揚げる方式なのに、まるで普通の串揚げ屋さんでカウンターに座っている気分でいい気になって食べていたら、串の数がとんでもないコトにー。
ああ、コレストロールがたまってるよー。でも美味しかったー。でも胃が重い…。
Itmediaにこんな記事が載っていました。
『ドラマで使われるケータイたち』ボーダフォンの項にあった『仮面ライダーカブト』の携帯へのコメントの
『ヒーローは“赤”……これは昔から変わらない。』に、思わず納得してしまった私でしたよ。
こんな催しもあったらしいです。
『お化け狩りのお誘い』そのリポート。
『心霊現象とITの関係 』上記のお笑いレポートはともかく、ITと心霊って意外に相性がいいよね。
2006年9月10日(日) バッチリ
録画しました。
手塚先輩が恐竜を絶滅させる、
『劇場版テニスの王子様 二人のサムライThe First Game』を。
予告を見た時から、これは絶対に録らなければと思っていたですよ。忘れなくて良かったー。
これで『AIR』→『テニプリ』の豪華リレーも可能です。いつか実現したいですねv
ちなみに、へちまさんが地味に凹んだ『跡部からの贈り物』も一緒です。
2006年9月11日(月) 総理大臣候補へ聞いてみたい事
今週テストがあるのですよ。仕方がないので、PSUもやらずに問題解いています。
社内の認定試験なので、合格したからといって給料が上がるわけでも昇進するわけでもありません。つーか、そもそも社員じゃないしー。何だか釈然としないですよ。
ぶつぶつ言いながらも過去問を解いてます。……何でこんなに引っかけ問題が多いんだ…っ!!
学生の頃は、社会人になったらテストとおさらば〜♪ とか思っていたものですが。無知は罪ですね。
出来レースと分かっていても言ってはいけない、自民党の総裁選がたけなわですね。たけなわなハズなのに、いまひとつどころか、ふたつもみっつも盛り下がっている…等と、思っていても言わないのが大人の態度です。多分。
それはサテオキ、総裁候補のお一人、麻生太郎氏にぜひとも聞いてみたい事があります。それは
『麻生センセイ。ローゼンメイデンをお迎えするとしたら、どの人形がいいですか?』
マンガ好きで知られる麻生氏が、ローゼンメイデンを読んでいるというのは、ネット上でまことしやかに流れていた噂だそうですが、どうやらマジネタのようです。
実際私は、TVで紹介されていたのでこの事を知りました。
『やっぱりローゼンメイデンを読んでいた麻生外相。公式サイトの記事や演説も話題!』それまでは、申し訳ないけれど『人相の悪い政治家』と思っていましたが、この事実を知ってからは『どうにも憎めないおっさん』になりました。おたくは仲間を見つけると嬉しくなるらしい。
麻生氏がTVに出てくる度に、妹と共に『どの人形が好きか』が話題になります。やはり真紅なのだろうか。意表をついて水銀燈かもしれんのう。
ぜひ知りたいですよ麻生センセイ。質問メイルを出したら答えて貰えるかなー?
ちなみに我が家の一番人気は翠星石。ツンデレは基本です。
2006年9月20日(水) 諸行無常
8月にブライトさんこと
鈴置洋孝さんが亡くなったと聞いた時も相当驚きましたが。
今月17日に、がべさんこと
曽我部和恭さんが亡くなっていたと知りました。
以下
古谷徹さんのサイトの、ご本人による掲示板への書き込み『ガベさんのこと・・・』から転載。
★みなさんへ
曽我部和恭(そがべかずゆき)さんは食道癌のため、
9月17日(日)午後8時ごろ永眠いたしました。
享年58でした。先程、お通夜に行ってきました。
二ヶ月ほど前に癌が見つかった時はすでに手遅れでした。
もともとスリムだったガベさんが、すっかり痩せ細って小さくなっていました。
7,8年前に一身上の都合により業界を引退してから、どうにも連絡が取れなくなり、
みんな、心配していましたが、こんな形で再会するとは・・・・・・。
スラップスティックのメンバーがこの一月あまりで二人も逝ってしまいました。
無念です・・・・・・。
尚、この発言はご遺族の承諾を得て掲載いたしました。掲示板ではその他に、
戸谷公次さんの訃報にもふれていました。999の声はもう聞けないのか…。
がべさんといえば、男の子なら聖闘士星矢のサガ、女の子ならパタリロのバンコラン、年いったお姉さまだとブライガーのアイザック辺りが馴染み深いかと思われます。私はやっぱりアイザック。渋い声が印象的でした。
最近声を聞かないなーと思ったら引退なさっていたのですね。知らなかったよ。
掲示板の文章にもあるけれど、古谷さんはがべさんや鈴置さんと一緒に、声優バンドのさきがけ
『スラップスティック』もやっていましたから、悲しみもひとしおかと思われます。
東京での研修とぶつかってお通夜にいった
塩沢兼人さんといい、
富山敬さんといい、
井上瑤さんといい、子供の頃からわくわくしながら聞いていた声の方々が次々といなくなってしまって、寂しいなんてものではありません。
皆まだ若いのに。これから先も活躍していただろうに。惜しすぎる…!
がべさんの声好きだったんだよなあ。
心よりご冥福をお祈りします。
2006年9月24日(日) 特別な私
けったくそ悪い話なので、第一報の時はスルーしていた話を、その後の報道での言い分があまりにアレでソレだったので、ちょいと蒸し返して語ってみます。
ホントに胸が悪くなる話ですから、イヤンな人はここで引き返して下さい。
その続報とは
『<子猫殺し告白>坂東さんを告発の動き…タヒチの管轄政府』タヒチ在住の直木賞作家、坂東眞砂子氏が、自分の飼い猫が子供を産んだら崖から投げ捨てていると、日経新聞の連載エッセイで告白した話についての続報です。
元々読んでうっひゃーと思った記事はこちら。
『女流作家「子猫殺し」 ネット上で騒然』実際の記事(
まとめブログより)
日経新聞夕刊金曜日連載「プロムナード」生まれたばかりの子猫を投げ捨てるという、猫飼いとしてとうてい許しがたい行為も当然気持ち悪くて腹が立ちました。しかし初めの記事を見た時点では、実際のエッセイも見ていない事だしと、話題にするのは避けたのですがー。
続報の
『生まれたばかりの子猫を殺す時、私は自分も殺している』なんちゅー、あまりにステキすぎて、もう何処からつっこんだらいいのやらな言葉の数々に、とほほな気分になってしまい、つい勢い余って日記のネタにー。
とはいえ、子猫を殺すという行為への生理的嫌悪よりも、より強い気持ち悪さを感じていました。それゆえに、ネタにするのを止めていたとも、今回敢えて、このけったくそ悪い話を持ち出す気になったとも言えます。
実の所、飼い主の責任として子猫を処分するという言い分自体は、感情的に相容れないけれども、理解だけは出来るのです。避妊手術なんて概念がなかった頃は、それが普通だった時期もあった事でしょう。目が開かない内なら呪われないと、子猫を川に流した話なんて幾らでもあったとは母の談。
『人に向かうべき愛情を猫に注ぎ、わずかばかりの愛情世界をなんとか保持している。』と思う気持ちも、自分とは相容れないけれど分からんでもない。猫を飼うのは人間の傲慢で勝手な所作だというのも、耳が痛いほどよく分かる。避妊手術なんて受けたくなかったと、うちのおねこさまだって喋れたら言うかもしれない。
それは分かる。というか、言い分を分かろうと努力する余地がある。
もちろん目の前でそれをされたら、殴ってでも止めるけど。決して理解は出来ないし、したくもないけれどなー。
雄猫はいつかないから仕方なく雌猫を飼い、血統書つきの子猫しか貰い手がないと思っていながら(猫は天下の回り物。買うモンじゃなくて貰うモンだと思っていたのだが。タヒチは雑種の貰い手がホントにいないの?)、避妊手術もせずに可愛がる。そこまで愛情に飢えている…のかもしれない。
ただね。
『他の生き物の「生」に関して、正しいことなぞできるはずはない。
どこかで矛盾や不合理が生じてくる。
人は他の生き物に対して、避妊手術を行う権利などない。
生まれた子を殺す権利もない。
それでも、愛玩のために生き物を飼いたいならば、飼い主としては、自分のより納得できる道を選択するしかない。
私は自分の育ててきた猫の「生」の充実を選び、社会に対する責任として子殺しを選択した。
もちろん、それに伴う殺しの痛み、悲しみも引き受けてのことである。』
『他者による断種、不妊手術の強制を当然とみなす態度は、人による人への断種、不妊手術へと通じる。ペットに避妊手術を施して「これこそ正義」と、晴れ晴れした顔をしている人に私は疑問を呈する。』何だろう。この見下し感。避妊手術をするより、子猫を殺した自分の方が命に責任を持っていると言いたげな(つーか、ぶちゃけそう言っているんだけど)、その他大勢をあざ笑うかのような傲慢な優越感が、気持ち悪くてたまりません。子猫殺しの事実すら凌駕するほどに気持ち悪くて、真面目に吐き気がします。
コトの初めのエッセイで
『こんなことを書いたら、どんなに糾弾されるかわかっている。
世の動物愛護家には、鬼畜のように罵倒されるだろう。
動物愛護管理法に反するといわれるかもしれない。』と書いていたという事は、自分の思想が現在の世界では理解されがたい、少数派のものだと分かっていたはずです。
啓蒙しようと思ったのか、抑えがたい感情をほとばしらせてしまったのかは分かりません。本人にとっては、やむにやまれぬ何かがあったのやもしれません。
それでも。
彼女の紡いだ文章からは、まるで2,3日放っておいた臓物のような腐臭が漂っているように思えてならないのです。
こうやって糾弾される事も、『ああ、やはり私は特別なのだ。この気持ちを世間の人々は理解出来ないのだ』と、自己陶酔している姿すら見えるようです。
猫殺しの嫌悪を差し引いても、本当に気持ち悪い。避妊手術より子猫を投げ捨てる方が高尚なのだと、自分は特別な存在なのだとうっとりした口調で語っているようで、とにかく気持ち悪い。
これが作家らしく作品として昇華されているなら、これほどの嫌悪を抱かなかったように思います。自分が他人と相容れない、孤独な生き物だと思う事は、それこそ、その他大勢のモブである私たちでさえ、一度はそう思う事態に遭遇するのではないでしょうか。
自分が特別だと思うのは構わない。ちょっと青臭いけれど、他人と同調して生きて疑問も持たないなーんて言いきっちゃう人より、よほど気持ちいいです。
でも、自分が特別な人間だと言いたいがために、その他大勢の人々を貶めるのは、とてつもなく醜い。野暮の骨頂に見えます。
私は坂東氏の『避妊手術より子猫を捨てる事を選んで責任を果たしている、世間と違う私』と、大声で喧伝している姿が、どうにも気持ち悪いのです。
いやもう、何度『気持ち悪い』と書いたか分からないくらいに。
『特別な私』を自覚するために他の人々を見下す必要があるのなら、『特別』になんてなりたくありません。
2006年9月29日(金) 初めて知った
今日初めて知りました。
油麩が宮城県の特産品だという事を。
あまつさえ、
仙台麩などと名付けられて売られていたとは…っ!
今の今まで、油麩って全国何処でも売っているありふれた食品だと思っていましたよ。どっひゃー。
どんと祭や秋の芋煮会が全国行事ではなかった事を知った時以来の衝撃です。
ひとの常識とはかくも脆く崩れるものなのですね。
ついでに肉じゃがに麩を入れるのが一般的ではないと知って、それもちょいと驚きましたです。