ノトカクタス属

  株の形は千差万別なのですが、こげ茶色で毛むくじゃらの蕾が出てくることがこの仲間の特徴です。また、メタリックな花色と深紅の雌しべを持つものが多いのも特徴です。

 
青王丸

青王丸
学名:Notocactus viridiflorus
青王丸
  花びらはメタリックの濃い黄色で、大きさも6cm以上にもなります。雌しべは血のように赤い深紅をしており、しかも花のわりに大きいため花びらと雌しべとの対照が大変美しいのが特徴です。写真のものはまだ雌しべが閉じていますが、開くと直径8mmくらいになります。
直径3cmの青王丸に蕾が
以前「胴の直径5cmくらいから蕾を付け始めます。」と記しましたが、自宅で栽培している株で、直径3cmで蕾を付けました。好条件さえ揃えば、この程度からでも蕾を付け始めるようです。
  肌はやや濃いめの緑色をしており、そこに光沢のある黄金虫色の刺が覆い、花のない時も目を楽しませてくれます。

  性質は丈夫で寒さにも強く、夏も直射日光下で元気に育ちます。よく子吹きし、群生します。
  ただ、冬場に充分日光浴をさせてやらないと蕾を付けないようで、冬場の日光浴は欠かせません。ですから冬場の日当たりが得られない方にはちょっと向かないのが残念です。
  もう1つ残念なことは、大変美しい花が咲くのですが、開花日数が2~3日と短いこととスカッと晴れた日でないと花が開かないことです。蕾が充分膨らんでいるのに曇った日が続きますと晴れる日まで咲かず、晴れた日にも半分くらい花びらを開いてそれで終わり、となってしまいます。
  蕾は4月~5月頃につきますので植え替えは早い目にどうぞ。

  初めは球形で成長し、直径が7cm位になると筒状に伸び始め、根本から子を吹いて群生株になります。
 

 
紅小町

紅小町
学名:Notocactus scopa-v.ruberri
紅小町
  やや小振りですが、黄色の花を咲かせます。赤い雌しべの対照が美しいのが特徴です。深緑の肌に白い密生した刺も美しく、直径4cm程度で花を付け始めますので是非コレクションに加えて頂きたいもののひとつです。
  性質は丈夫で寒さにも強く、夏も直射日光も問題ありません。また冬場の日光がやや不足しても蕾を付けてくれますので冬場の日当たりが得られない方にもお薦めできる種類です(無論日光を充分に当てると蕾がより沢山付きます)。
  植え替えですが、蕾が付く時期が割と気まぐれで遅い時も早い時もありますので、3月半ばに蕾を付けていなければすぐに植え替え、もし蕾を付けていれば花後に植え替えたら良いかと思います。
  写真のものは高さ約11cmですが、このサボテンはこの程度までしか大きくならないようです。
 

 
小町

小町
学名:Notocactus scopa

小町
  前述の紅小町の親分格に当たるサボテンです。つまり、紅小町はこのサボテンの変種に当たります。他の変種に白閃小町があります。

  小町と紅小町との違いは外見的なところで、性質、栽培法などは紅小町と同じです。紅小町に比べて一回り大きな花を付けるようです。写真のものは直径4cm強です。他の違いとしてはアレオーレが紅小町に比べると小さく、刺の白さも紅小町ほどではない、というところでしょうか。
紅色の雌しべ
  ということは、花を見るなら小町、姿を見るなら紅小町、となりますが、丸く綺麗に整った形は充分に鑑賞にも耐えるものだと思います。
  右の写真は雌しべを拡大したものです。紅色のひょろっと細長い形をしているます。まるで海辺に1本だけ育つ背の高い椰子の木のようです。他のサボテンでは太くて短く(雄しべよりやや長い程度)、がっしりとしたな感じのものが多いだけにちょっと特徴的です。
 

 
河内丸

河内丸
学名:Notocactus apricus

河内丸
  やや薄い黄色で直径最大8cmにも及ぶ大きな花びら、真っ赤な雌しべ(写真右下参照)、と美しい花を咲かせます。株の直径が6cmくらいから花を付け始めるようです。
体の倍近くもある大きな花を咲かせる河内丸
  実際、右の写真ですが直径5.5cmの株で、処女花を咲かせました。体の倍近くもある立派な花を咲かせました。春先に蕾を付けた訳ですが、その時から一回り大きくなっていますので、4cm台で蕾を付けた感じです。
  因にこれは実生株で、たまたまプランターに落ちた種子が何時とはなく発芽して大きくなったものです。ここまで育つことを想定してなかったため、何時ごろ発芽したのか等、記憶にありませんが、今4、5歳程度だと思います。多くのサボテンは自家受粉しませんので、実ができることは無いのですが、河内丸は実を結びます。実を付けると体力を消耗しますので、私の場合、花が萎れたら早い時期に根元からはさみで切り取っています。前述の実生株の種子ですが、左の写真のサボテンから採れたものです。

  で、花に関してですが、このサボテンも冬場に充分日光浴をさせてやらないと蕾を付けないようで、冬場の日当たりが得られない方には花は望めないのがちょっと残念です。更には、晴れないと開花しないこと、よく晴れていても午後3時頃には閉じてしまうこと、また3日程度しか咲かない、というのも惜しいところです。ですから雨や曇りの日が続くと1日しか開花しないということもあります。

河内丸の真っ赤なビロードのような雌しべ
  肌の色は灰色味がかった若草色をしており、直径10cm程度にまで大きくなります。あまり“美しい”というものではないかもしれませんが、それだけに花が咲いたときの“意外感”があります。
  刺は株全体を覆う細い髭のような生え方をしています。全体的には薄い灰色をしていますが、新しく出てくる刺は深紅の美しい色をしており、薄灰色と色が変わります。

  性質は丈夫で寒さにも強く、夏場も直射日光に当てても大丈夫です。実際、右上の写真のものは屋外のプランタに落ちた種がそのまま発芽し、そのプランタ(こちらのプランタです)に他のサボテンが植わってますのでそのための水やりをしているうちに育ったものです(金盛丸黄裳丸という水やり大好きのサボテンが植わってますので、結構頻繁に、つまり2~3日に1度程度水やりをしています)。 夏は多少軒下の日陰に入りますが、8月には日陰からも脱してほぼかんかん照りの中で過ごし、冬は氷点下であってもそのまま屋外に放置の状態です。用土もサボテン用土ではなく普通の土です。この辺りからも、このサボテンの性質が判るのではと思います。
  このサボテンも蕾は4月頃につきますので植え替え早い目にどうぞ。
  因に、冬場、水やりを控えてよく日光に当てておきますと、株全体が一層灰色っぽくなって一回り小さくなりますが、春になり植え替えを終えるとまた元気に成長を開始しますのでご安心を。
 

 
菫丸

菫丸
学名:Notocactus uebelmannia

菫丸
菫丸の紫色の花
  スミレ色で直径7cmのやや大きめな花びら、山吹色の雄しべ、スミレ色の雌しべ、とカラーコーディネートされた美しい花を咲かせます。花の色の濃さという意味ではこれ以上濃いものは見たことがありません。光沢のある濃い緑色の美しい肌と相まって、花を咲かせる姿の美しさは格別です。
  しかし前述のとおり、肌の色艶もですが、株の形自体も均整のとれた大変に美しいもので、花なしでも充分楽しめるサボテンです。10cm程度にまで大きくなるものと思います。

  株の直径が6cmくらいから花を付け始めるようですが、このサボテンも冬場に充分日光浴をさせてやらないと蕾を付けないようで、冬場の日当たりが得られない方には花は望めないのがちょっと残念です。更に言えば、このサボテンも晴れないと開花しないこと、よく晴れていても午後3時頃には閉じてしまうこと、また3日程度しか咲かない、というのも惜しいところです。

菫丸の紫色の雌しべ
  性質は寒さには強いのですが、直射日光にはやや弱いようで、私は初夏から9月にかけて30%の遮光をしています(直射日光を長時間当てますと日焼けで肌が褐色になって成長が止まってしまうようです。一旦成長を止めてしまった場合どうすればよいかはよく分かりません。ただ、若干水やりを減らし気味にして他と同じように大切に育てていると殆どの場合何かの弾みでまた成長を開始するようです。長いときは半年以上も動かないこともあります。逆に、私の場合、1年を超えたことは記憶にありません)。
  このサボテンも蕾は4月頃につきますので植え替え早い目にどうぞ。
 


 
ヘルテリー

ヘルテリー
学名:Notocactus herteri

ヘルテリー
美しいピンクをしたヘルテリーの花
ヘルテリーの淡いピンク色の雌しべ
  ピンク色というか、所謂ショッキングピンク、直径は6~7cmの大きな花を咲かせるサボテンです。雌しべの色はこのグループ(ノトカクタス属)では少数派となる淡いピンク色です(写真右下)。
  花期は5月下旬頃で、4月上旬辺りから蕾を付け始めます。ですから、植え替えは3月下旬頃、つまり早いめの植え替えが良いかと思います。

  次に形状ですが、やや濃いめの若草色の肌と細長い赤銅色の刺が特徴かと思います。更には、ヒダの形が、ノトカクタス属の多くに見られる型ではなく型となっており、しかも、各ヒダがギザギザになっており、その凹んだ箇所から刺が出る、といった形になっています。ただ、幼体の時はあまりはっきりせず、成球になるに従ってその特徴が顕著になります。

  性質ですが、夏の強光線にも強く、特に遮光などせずに栽培しています。また寒さにも強く、冬場も外で栽培しています(ただ、一応こちらの中に入れていますが)。生育は早い方で夏場もあまり休眠せず新しい刺を出し続けます。

  このサボテンは入手時は大きさが直径約2cmだったのですが、その後概ね順調に成長し、直径が7cmになったときに蕾を付けました。
  一般的にサボテンは一定の大きさになると蕾を付けるといわれますが、ヘルテリーの場合はそのその大きさに達したか否かを見極めるのは比較的判り易くなっています。つまり、下の写真にありますように、蕾を付け始める前(幼体時・写真左側)は天辺の中心付近から新しい刺が出てきますが、蕾を付けられる大きさになる(成球になる)と中心付近がアレオーレで覆われるようになり、刺がその周辺部から出るようになります。このようになると開花が見込めます(写真右側)。

ヘルテリー
 ⇒ 
ヘルテリー
幼体時成球
  大きさに関してですが、2015年現在、直径約12cmです。どこまで大きくなるのかはよく分かりません。ただ、市販品でこれよりも明らかに大きいと思えるものは見かけた記憶がありません。
  どこまで大きくできるか、適宜ご報告させて頂きます。


TOPへ
Site Map
もどる