学習指導要領の改訂 どうなの 本文へジャンプ
 
  改訂の時期

2008年の情報

2月15日改訂案発表にあたっての文科省の説明はつぎのとおりです。

 全面実施=幼稚園09年度、小学校11年度、中学校12年度。

 周知は、夏前に中央研修会、夏休みに各地方で説明会。

 高校と、特別支援教育の、学習指導要領は、4月以降できるだけ早く改訂。

 実施時期、移行措置、解説書などのページ → こちら

 移行措置の進行予想表 → こちら

2007年の段階での情報

算数・数学と理科を2009年度から先行実施

 12月5日 文科省初中局のメルマガが、移行措置について、つぎのように伝えています。


□【速 報】「PISA2006」の結果を受けた
            本日の文部科学大臣の国会答弁について

                             〔教育課程課〕

 昨日、OECD生徒の学習到達度調査(PISA2006)の結果が全世界で同時発表されました。本日の新聞等でも大きく取り上げられています。

 そうした中、本日(12月5日(水))の衆議院・文部科学委員会では、今回のPISAの結果を踏まえた対応に関する質疑に対して、渡海文部科学大臣が次のように答弁しました。

【大臣答弁概要】
・ 率直な印象として順位が下がったのは残念。成績の問題もあるが、1番気になったところは科学に対する子どもの関心が低下しているという結果。

・ 今、中央教育審議会の教育課程部会において新しい学習指導要領の審議をしており、来年1月には取りまとめいただくことになっている。
 その中で指摘されている議論は、(今回のPISAの結果を踏まえた指摘と)同じような傾向と言っていいと思う。

・ 私は学習指導要領が決まれば、できるだけ速やかにやれることからやるべきと申し上げていた。今回のPISAの結果も踏まえ、どこからやれるのか、またどこがやれるのか、しっかりと、スピーディーに検討していきたい。


 新しい学習指導要領の実施時期については、11月9日付け本メルマガ臨時号で既にお知らせしたとおりです。これまでの改訂と同様、教科書の編集・検定・採択・供給には3年程度の時間を要するため、小学校で新しい教科書を使って教育が行われるのは平成23年度からを予定していますが、平成21年度からは「移行措置」に入ることを踏まえ、「先行して実施できるものについては、平成21年度から実施したい」と大臣が発言しています。
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 今回の大臣の答弁は、この「移行措置」期間中の先行実施について改めて述べたものですが、特に、今回のPISAの結果を踏まえると、先行して実施する内容としては、まずは指導内容の増加が見込まれる算数・数学、理科を対象として検討を進めていくことが必要と考えています。
 「移行措置」の具体的内容は、新しい学習指導要領の内容が決まらなければお示しすることができませんが、今後、学習指導要領の改訂と併せてさらに検討を深め、決まり次第お伝えしたいと思います。
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 なお、文部科学省としては、「審議のまとめ」にあるとおり、基礎的・基本的な知識・技能の定着とPISA調査で重視している思考力・判断力・表現力等の育成の双方を車の両輪としてはぐくむことが重要であると考えています。
 今後、新しい学習指導要領の具体的内容を検討する際には、知識・技能の定着とその活用を図る学習活動をバランスよく行うことができるように検討していきます。
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 12月7日には、中央教育審議会の教育課程部会において、今回のPISAの結果を踏まえた審議も行われます。


                                 

 文科省が新しい学習指導要領が決め告示する時期について、文科省、中教審は明確なことは言っていません。しかし、担当者の発言や中教審の審議の動向などから、改訂(新学習指導要領の告示)はことし秋から年末までにある可能性が高いと思われます。

 これまでの改訂の経験からすれば、学習指導要領の改訂は、次のような手順をふみます。

・文科相の諮問
・中教審の中間報告(審議経過報告)
・中教審の答申
・改訂案の公表
・新学習指導要領の告示

 まず、文科省の担当局長の発言です。
 3月16日に開かれた中教審教育課程部会で「時間がない。精力的な審議を」と求めています。全私学新聞3月23日号は、「文部科学省の銭谷初等中等教育局長が、『学習指導要領の改訂は十年周期で行っており(前回の告示は平成十年)、あまり時間的に余裕がない。教育基本法の改正を受けて学習指導要領の改訂に道筋をつけてほしい。精力的な審議を』と要請した」と報じています。
 改訂が従来にない速度ですすむことを予想させます。

 つぎに文科省の担当者の発言です。「6月以降可及的速やかに改訂」と2月に発言しています。
 文科省が2月19,20日に開いた「総合的な学習の時間」研究協議会の講演のなかでのことです。時事通信「内外教育」3月6日号でつぎのように報じています。
 「中教審の指導要領改訂作業について、今後国会に提出される見通しの学校教育法など教育関連三法案の成立を待って、『(通常国会が閉会する)六月以降、可及的速やかに改訂が行われるよう中教審にお願いすることになる』との見通しを語った」。

 教育基本法改定をうけて、学校教育の目的、目標を法定するのが学校教育法改定案。その成立を6月と見て、それが済めば発表を待つ必要がなくなるわけです。

 改訂の審議は、2005年4月に第3期教育課程部会が発足して始められ、2006年2月に中間報告(審議経過報告)を公表し、夏には教科等の専門部会も集中審議し、同年秋の答申へ向け着々と準備していました。
 それが中断、延期となったのは、教育基本法改定が国会にかけられたためです。教育再生会議の発足も影響しましたが、すでにその第1次報告が出て、6月初めには第2次報告が出ます。
 
 これらのことから、第4期中教審(ことし2月発足)の教育課程部会は一気に答申へすすむ条件があります。早ければ、夏前に答申が出て、夏か秋の早い時期に改訂案の公表、その1カ月後の告示、となりそうです。

 その見通しとはちがう報道もあります。3月の教育課程部会を報じた朝日新聞3月17日付記事は、改訂の時期について、「夏ごろに中間まとめをし、年内の答申を目指すことになった」としています。しかし、会議の席上では、文科省と中教審のメンバーから改訂時期にふれた発言はありませんでした。

 教科書会社は、12月までに改訂にならないと教科書編集が間に合わないと文科省にいっているとのことです。

 秋か年内に改訂となれば、小学校の教科書はつぎのようになります。
2008年度 編集
2009年度 検定
2010年度 採択
2011年度 新学習指導要領の実施

前回改訂と同じパターンだと、
中学校は小学校と同時の2011年度実施
高校は2012年度から学年進行で実施


【6月30日追記】

 初中局長は「年度中に改訂」と国会で答弁
 「今後、改正教育基本法、国会での審議を踏まえまして、中央教育審議会での専門的な検討を深めました上で、新しい学校教育の目標が学校現場に実現されますように、平成19年度中の学習指導要領の改訂を目指して作業を進めてまいる所存でございます」銭谷真実初中局長、参議院文教科学委員会、6月19日の答弁

 文科省の事務局は、「年内の告示を目標にしている」といっています。(6月末)

【7月13日追記】

 部会長「10月中間まとめ、12月か1月に答申」
 梶田部会長は7月13日の部会で、10月に中間まとめ、12月か1月に答申を出したい、とのべました。
 会議終了後、事務局は「それは部会長のお考えです」とのべました。


【7月31日追記】

文科省の事務局は「年度内に改訂する」とのべました。


【8月5日追記】

10月中間まとめ、年内答申、2月告示

梶田部会長
「10月には中間的なまとめを出し、年内か遅くとも1月には本答申を出したい。告示は2月になるのではないか」7月26日の日本教育新聞社主催講演会で(日本教育新聞8月6・13日号)

銭谷真美・文部科学事務次官
「骨太の方針では『19年度中に改訂』とされています。私も今年の通常国会で、初等中等教育局長として、『19年度中の改訂をめざす』と答弁してきました」
「かなりタイトな日程になりますが、19年度中の告示をめざします」
(日本教育新聞インタビュー、同号)とのべました。


11月7日の教育課程部会は、中間まとめを決定、公表しました。

答申は、1月、新学習指導要領の告示は年度内(3月末まで)です。

くわしくははトップページにあります。



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