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みかきもりの気ままに小倉百人一首

2017/2/01 願はくは花の下にて春死なむ

西行は「願はくは花の下にて春死なむ その如月の望月の頃」と願ったとおり、
お釈迦様の亡くなった二月十五日の翌日で、西行が愛した桜の花の咲いている季節、
文治六年二月十六日(1190年)に亡くなりました。
定家は西行の歌として「嘆けとて」の歌を百人一首に取り上げています。

No. 作者 コメント
86西行法師嘆けとて月やは物を思はする
かこち顔なるわが涙かな
[みかきもり]
願はくは花の下にて春死なむ その如月の望月の頃

私事になりますが、ある親戚の女性の方が1月25日に突発性の心筋梗塞で入院し、
翌1月26日(仏滅)の朝に亡くなりました。私もそうですが、ピンピンコロリで亡くなりたいと
思う人は多いですがまさにそんな感じでした。
1月27日夜のお通夜、1月28日午前中の告別式に参列するために帰省しました。
下記のことから、最後の最後までこの方から心遣いをいただいた気持ちになりました。
最後はお人柄そのままの穏やかな御顔でこの方は慎み深く新月の日に去って行かれました。
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(1) 1月27日に実家に帰ると、父親が「おくやみ欄に載っている」と北國新聞朝刊(1/27)を
私に見せました。他のページをぺらぺらとめくって新聞を見ていると、そこにはきょうの人
として競技かるた第61期クイーンの鶴田紗恵さんの記事が掲載されていました。
(2) サンレー紫雲閣で行われたお通夜に参列すると、正信偈(しょうしんげ)のリーフレットが
配られ、導師のリードによって参列者全員でうたいました。
リーフレットは正信偈のうたの音程やリズムを初めて見る独特な記号で記しており、
こういう音程やリズムの表現方法があるんだと知ることができました。
(3) 私にとっては、運営に入る1月29日大阪大会直前のギリギリのタイミングでした。
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この経験から、「願はくは」の歌が西行そのものなら、「嘆けとて」の歌は定家の気持ち
そのものなのだろうと感じます。

■参考文献
・百人一首 全訳注                  有吉 保      (講談社学術文庫)
・全訳古語辞典(第二版)               宮腰 賢、桜井 満  (旺文社)

■参考URL
・Wikipedia 西行Wikipedia 藤原定家正信偈全解説東本願寺 正信偈の教え-みんなの偈-

みかきもりの気ままに小倉百人一首
・3. 「なげけとて」


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