古今集No. | 作者 | 歌 | コメント |
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巻第七 賀歌 343 | 詠み人知らず | わが君は 千代に八千代に さざれ石の いはほとなりて 苔のむすまで |
[みかきもり] 古今和歌集(全二十巻)は、巻第一から巻第六は春歌上、春歌下、夏歌、秋歌上、秋歌下、 冬歌で、その次が巻第七の賀歌です。春夏秋冬が終わって新しい年を迎えて(数え年で 1歳増える)のお祝いの歌を感じます。 歌番号 343 という数字は 7をかけあわせた 7の3乗(7 * 7 * 7)です。 七七七(㐂 : 喜の異体字)ですね。 巻第七の七もあり、吉数の七づくしで喜びにあふれた心を感じます。 古今集仮名序を書いた紀貫之の作といわれる「伊勢物語」では九の吉数が意識されましたが、 賀歌の巻頭歌の七づくしは紀貫之のこだわりかもしれませんね。 参考:みかきもりの気ままに小倉百人一首 「ちはやぶる」 日本国国歌は非常に短い32文字の以下の和歌です。 「君が代は 千代に八千代に さざれ石の いはほとなりて 苔のむすまで」 第一句の「わが君は」が「君が代は」になったことで「代」を繰り返すリズムが生まれ、今の代 だけでなく末広がりに発展しながら幾代も積み重なっていく時の流れを感じます。 その時の流れの中で、他でもない今の君(あなた)が主人公であり、さざれ石が巌となるように 一人ひとりが固く結びついて一つの素晴らしいチーム【家族、組織、くに等(「くに」はむらレベル かもしれないし地球レベルかもしれない)】になることが歌われていると感じます。 また厳しい環境の巌のうえに苔が生えるように、今はどれだけ厳しくてもいつか実を結ぶまで 長く生きようという生命を感じます。 |
■参考文献 ・古今和歌集(二) 全訳注 久曾神 昇 (講談社学術文庫) ・百人一首 全訳注 有吉 保 (講談社学術文庫) ・全訳古語辞典(第二版) 宮腰 賢、桜井 満 (旺文社) ■参考URL ・Wikipedia 君が代 ・Wikipedia さざれ石 ・Wikipedia 343 ・ミロール倶楽部/古今和歌集の部屋 巻七 ・あめつちはじめてひらけしとき/蓬莱山 ・Google画像検索「さざれ石」 ・広島大学デジタル自然史博物館/コケの世界へようこそ ・公益財団法人 日本サッカー協会(JFA) ・パーフェクトサッカー