トップ  [目次]  [前に進む]  [次に進む] 

時の波 〜ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず〜

私もすっかりオームの法則しか知らない人になってしまいましたが(^^;;
電気の波を扱う電気工学ではオイラーの公式は空気のように重要で当たり前の公式です。

オイラーの公式


オイラーの公式の幾何学表現



この公式において θ = 0 だけが 1 になるのではなく、θ = 2π も 1 となります。
一般的には θ = 2nπ(n=整数)のときに 1 となります。
θが時間によって進んでいる時、cos(0) と cos(2π) は同じ 1 でも時間が進んでいます。
「歴史は繰り返す」という言葉が思い浮かびます。
これが位相が違う別の世界と解釈するなら「パラレルワールド」の言葉が思い浮かびます。
オイラーの公式を見ると「世界は実と虚でできた波である」ことを示しているように感じられ、
「色即是空、空即是色」「生々流転」などを思ったりします。
なかなかこの公式は奥深いです。

競技かるたの試合をしていると時々、次にこの札が出そうだなと思うと本当にその札が出る
ことがあります。偶然と必然との積み重ねが織りなすタペストリーの中で、時の波とシンクロ
したある種のデジャヴ(既視感)現象かもしれないという仮説を考えています。

競技かるたにおける出札は偶然といっても確率的に必然の事象ですから確率に依存しないで
札を取れるように実力を伸ばすのが本筋です。一方で選択と集中の戦略や個々の局面では
札の選択や取り方の方針の選択の中で勘が当たればなおよいという場面もあります。
特に1-1の運命戦は、試合の流れの中で1-1になった、相手に送られて1-1になった、自分に
選択権があって相手に送って1-1になったなどいろいろな運命戦がありますが、自分の札を
守るのか相手の札を攻めるのかの勝負の行方を左右する運命の選択の場面です。
そうした運命の選択の場面では、勘が当たって出たらいいなあでなく、勝利の女神に微笑んで
もらうために時の波を引き寄せる熱意や信念もまた必要なのかもしれません。


■参考文献
・あかつき第28号(2010年1月)「運・鈍・根(うんどんこん)」

■参考URL
Wikipedia 既視感
故事ことわざ辞典 色即是空、空即是色

みかきもりの本箱/かるたとテクノロジー
オイラーの公式と競技かるた
人己腹心氣(人己心レ腹氣)


トップ  [目次]  [前に進む]  [次に進む]