『カンマを伴う分詞句について』(野島明 著)
第四章 そして不都合が生じた

第2節 発端(その2)…特例が続出した


〔注4−3〕

   このような-ed分詞句については、[1−17]でも引用したCGELの記述がそのまま当てはまる。

文末の位置[final position]にあって、それより前には位置し得ない形容詞句[Adjective phrases]は、普通、その前に位置する名詞句の非制限的後置修飾要素[nonrestrictive postmodifiers]である。そうした形容詞句は文の他の部分から抑揚によって切り離されているとしても[even though]、である。例えば、

The cows contentedly chewed the grass, green and succulent after the rain. ['which was green and succulent ….' ]
〈雌牛たちは満足げに草を食んでおり、草は雨の後、緑鮮やかで瑞々しかった。〉
(CGEL, 15.62 Supplementive clauses in final positions[文末に位置する補足節])
(下線は引用者。「文末に位置するこうした形容詞句は…切り離されているとしても」という記述に関しては、[1−17]参照)

   こうした記述は、CGEL中の以下のような文例にも当てはまることになる。
She glanced with disgust at the cat, stretched out on the rug.(7.27)
〈彼女は胸糞悪そうにその猫を見やったが、猫は敷物の上に長々と寝そべっていた。〉
(下線は引用者)([2−10]にも引用した文例) (更に[5−8]参照)

(〔注4−3〕 了)

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