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 EMT、TSD 15 Nの紹介ページです。

 
前の前ページで紹介しているチューバフォンはXSD−15を入手後処分してしまいました。

 裸のカートリッジは使うのに神経を使うからです。
又、当時は裸よりも箱型のシェルに入っている方が情報量は落ちますがまとまった音がすると感じたからでした。
情報量の多さでは忘れがたい物でした。
ある時、TSD 15 Nがヤフオクに出ていましたのでついつい落札してしまいました。
針は、SFLでしたので、チューバフォンと同じです。
これも落札した理由の1つです。

 但しこのTSD 15 Nはワイヤーが切れているものでした。
うまくすれば、自分で修理できるし、そうでなければ修理に出せばよいと考え落札しました。
もちろん修理代も考慮してのリーズナブルな金額での落札でした。

 コイルから出ている4本のワイヤーの内1本はコイル近くで切れています。
ます、ストリングホルダーを止めているネジをゆるめコイルアッセンブリを外に引き出せるようにします。
次に、センターポールピースを止めているネジをゆるめ、センターポールピースを後ろに引きます。
この時、センターポールピースの端部に開けられている穴が役に立ちます。
ここに細いピンセットを差し入れ、後ろにこじりながら引きます。
そうすると、前ポールピースとコイルの間に空間が出来ます。
その空間にコイルアッセンブリを引出しコイルを巻きほどきます。

 切れたワイヤーは、うまい具合に何重にも巻かれたコイルの一番上の線でした。
但し、ワイヤーは細い上に弱くなっているようで、1回巻きほどく間に3回も線が切れました。
コイルには樹脂がコーティングされており、これを少し緩めるために揮発性の溶剤を塗っての作業です。
2回目は何とかうまくいきました。
この巻き解いた線が接続される端子は前側ですので1回分巻き解けばなんとか配線が出来ます。
この線切れは大変ラッキーな故障で、外側の巻き線でなければ巻き解くことが出来ず、即行修理行きでした。

 さて、その線を端子にはんだ付けして導通を見ますと、全然導通していません。
対となる線も端子側で切れていました。
これをはんだ付けしますと導通がありほっとしました。
反対側も短くは切れてはいませんでしたが、端子からは外れておりこちらも線のハンダ付けが必要でした。

 修理が終わって早速音出しです。

 大変情報量が多く、思わずリズムを取るように体が動く音です。
チューバフォンの時のような低域が置いて行かれているような感じはありません。
おそらく、アンプが換わっているのと、スピーカー線が換わっている為だと思います。

 目視だけでコイルの向き、カンチレバーの向き、コイルボビンのダンパーへの押し付け量、コイルと前側ポールピースとの間隔を合わせましたが、問題は発生していないようです。
修理途中で、線が切れているのが幸いしてパラに付いているコンデンサの容量測定をしました。
それぞれ、340nF、319nFでしたが、ちょっと大きすぎるかもしれません、要確認です。
それ以外にこの中古カートリッジは、基台部分のアルミダイキャストから粉が吹いていました。
かなり劣悪な環境で保存されていたのではないかと思われます。

 以上、何かご参考になれば幸いです。

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