板坂ゼミの卒業論文について
板坂ゼミでは卒業論文を学生時代の勉学の集大成として捉え、先生と卒業生がじっくりと向かい合い、地道な研究空間を一年間持ちます。題材の選択、研究内容の絞り込み、そして膨大な資料収集、そんな長い、苦しい期間を経て完成、提出された卒論・・・。粒ぞろいなのです、たぶん・・・。
対象は幅広く江戸文学・文化。ただし、全面的に江戸に入らなくても、江戸を焦点の中に入れていればOK。また風俗や伝承などはどこかで文学と絡めることになっています。ページ数は400字詰め原稿用紙換算で70枚以上が求められています。100枚、200枚以上の大作も少なくありません。
題材は秋成や西鶴などの文学作品の他、歌舞伎や浄瑠璃などの演劇や、化粧や着物といった生活文化、幽霊や妖怪などの民俗伝承、女性の生き方を問うものや、現代作家や時代小説との比較、さらにはデータベースやアーカイブ、ハイパーテクスト付きなど、まあ、ホントウに、いろいろとアリ・・・の卒論なのです。
2021年度提出
- 羽生善治の将棋考
※羽生将棋の戦法を分析して特徴を読み解き、その魅力を「探究心」「ドラマ性」に見出す。 - 歌舞伎役者と流行
※役者が影響を与えたファッション、文様などを現代のジャニーズアイドルの発信と比較。 - 江戸時代の養生法
※曲直瀬道三『黄素妙論』と貝原益軒『養生法』、師宣『恋のむつごと四十八手』を読む。 - キャラクターから見るアメリカと日本
※「トイ・ストーリー」と「ドラえもん」を比較し、キャラクターから文化の相違を探る。 - 化粧に見る日中韓~歴史とSNS~
※日中韓の化粧の歴史、SNSとの関連から三国の違いと共通性、「化粧とは何か」を考察。 - 刺青考
※刺青の歴史、メカニズム等を通して、否定的なイメージなのになぜ消滅しないかを問う。 - 『刀剣乱舞』の魅力―創作と史実の関係性―
※司馬遼太郎の『新撰組血煙録』『燃えよ剣』の刀と『刀剣乱舞』の魅力から史実を考える。 - 駄菓子攷
※パッケージを大手企業のお菓子と比較し、「人の善意そのもの」である駄菓子を評価。 - 東海道の難所と難工事が人々に与えた影響―江戸と現代―
※薩埵峠や大井川、丹那トンネル工事などを通して江戸と現代の旅の変化と可能性を見る。 - 葛飾北斎の描く「水」
※北斎の描く水の特徴を『北斎漫画』『富嶽三十六景』『千絵の海』他から丹念に考察。 - 月岡芳年作品における画風の変遷
※芳年の画を年代によって追い、最後の大作『月百姿』までの変遷を見ていく。 - 三谷幸喜にみる笑いの構造
※『ザ・マジックアワー』『記憶にございません』から三谷の「人」を用いた笑いを分析。 - 漫才考―王道の漫才とは
※「万歳」から「漫才」へ、笑いの歴史を通して、漫才の王道とは何かを追求する。 - 江戸時代の学問における虫の見方
※増山雪齋『虫豸帖』栗本丹洲『千虫譜』から江戸期の博物学の「虫」への視線を見る。
2020年度提出
- 英雄の書かれ方―古典と現代
※「梵天国」と「ワールドトリガー」から古典と現代の英雄の条件を比較し、「ワールド…」の特徴を出す。 - 江戸と現代の育児書
※江戸期の二つの育児書と、現代の書店に並ぶ育児書から、育児書の内容と役割を比較。 - 日本城郭から見る「石」の文化―日本と西洋の城郭建築からの考察
※日本城郭と西洋城郭に見る木と石の文化の違いを歴史的変遷と石垣、天守の役割から追う。 - 江戸時代と現代の髪飾り考
※髪飾りの歴史とその特徴を、江戸期と現代の職人や店へのインタビューも入れて考察。 - 落語に見る女性像
※落語の女性像を7分類し、男女の描き方・特徴。笑いなどから女性像の働きと意味を問う。 - 「女大学」が与えた影響
※「女大学」『好色五人女』と現代の『サザエさん』から女性の生き方を見て男女平等を考察。 - 火消から見る江戸の男の美学
※「町火消」に焦点を当てて活動を探り、歌舞伎と黄表紙作品、現代ヤクザとを比較する。 - 米文化とパン文化の比較
※米の歴史、江戸期の米の位置や以後の発展をパンと比較し、現在の豊かな米食を勧める。 - 『椿説弓張月』と弓の精神における弓道への変遷
※「弓道」を徹底的に追求。馬琴『椿説弓張月』の為朝から現代まで「真善美」の世界を追う。 - 子ども絵と現代絵本から見る社会の影響を受ける絵
※浮世絵の子ども絵と現代の絵本を比較し、子どもはどのように描かれて来たかを考える。 - 漫画の面白さとは何か
※漫画の江戸以降の歴史と構成要素、キャラクター描写と表現要素を実作図を入れて検証。 - 日本舞踊とバレエにおける小道具
※日本舞踊とバレエの代表作で使われる「扇」と「楽器」から、両者の共通点と相違点を探る。 - 日本人と字数制限の文化―川柳、twitter
※17文字の川柳と140字のtwitterを比較し、文字制限がもたらす共通点や差異を考える。 - 擬人化にみる江戸と現代の猫と人間の関係
※京伝と国芳の『朧月猫の草紙』と現代の『綿の国星』などから猫の擬人化の様相を考察。 - 化粧文化にみるアイメイクの変遷―江戸『都風俗化粧伝』を軸として
※江戸期には目は重要視されなかった。アイメイクを江戸と現代で比較し化粧の意味を問う。
2019年度提出
- 化粧の歴史と化粧法から見る女性にとっての化粧の価値
※化粧の歴史と女性史から、「自分を自由に表現するための化粧」への転換期を探る。 - サブカルの魅惑と闇-「ラブライブ!」考
※「ラブライブ!」三部作を紹介しオタクに対するオタク・社会双方からの問題を考える。 - 『南総里見八犬伝』と『美少女戦士セーラームーン』からみる現代のファンタジー作品におけるアイテムの意義
※八犬士とセーラー戦士の詳細な物語比較を通してアイテムの意味、戦う少女象を追う。 - 祝いの食考
※祝いの食の中で正月と結婚に焦点を当て、江戸と現代の比較と今後の変化を考える。 - 判じ絵から見る江戸の遊び心
※江戸の人々の遊びを判じ絵を中心とした遊び絵と言葉遊びの二面から探る。 - 口承文学における動物-「かちかち山」と「猿蟹合戦」
※二つの昔話の動物や戦法と通して、動物と人間の関係や昔話の効用を見ていく。 - 日本における地獄の変化-『往生要集』から『鬼灯の冷徹』まで-
※源信『往生要集』の詳解とその後の地獄図を現代まで追い、変遷していく理由を考察。 - 琵琶考
※琵琶の歴史と、語や説話に残る琵琶の逸話等から、琵琶という管楽器の特殊性を考える 。 - 異性装から見る江戸と現代
※江戸の歌舞伎者や実在の記録、現代のBLや漫画、人物などから異性装の意味を問う。 - 原作と映画から見る「るろうに剣心」
※和月伸宏作の漫画と大伴啓史監督の映画三部作を比較し、原作の実写化の細部を見る。 - 国語教科書における江戸文学作品の意義
※国語27種、歴史8種の高校教科書に載る古文作品をジャンルと指導要領から検討。 - 「物売り」の形-物売りに代わるCMと物売りの衰退・今後について-
※江戸から明治、そして現代の物売りの形を追い、変化の要因と今後を考える。 - 歌舞伎と現代演劇-2.5次元舞台の可能性
※2.5次元舞台として「アイ★チュウザステージ」とスーパー歌舞伎「ワンピース」の比較。 - 性差別からの解放-『男色大鑑』とBL-
※『男色大鑑』と比較し、BLの読みに潜むミソジニーとホモフォビアからの脱却を探る。
2018年度提出
- 創作における斎藤一像
※新撰組の斎藤一像の変化を子母沢寛、『るろう…』「薄桜鬼」「瞑る…」などから辿る。 - 日本の大道芸の在り方についてー放下芸とジャグリングー
※江戸期の見世物芸と現代の大道芸、ジャグリングの変容と現代への提唱。 - 鉢かづき姫と白雪姫から見る頑張るお姫様のヒロイン性
※御伽草子「鉢かづき姫」とグリム童話「白雪姫」他から両国と現代アニメの姫を考察。 - 乙女ゲームから見る『春色梅児誉美』
※『梅児誉美』を「ときメモ」「薄桜鬼」「うたプリ」と比較し乙女ゲームの世界を提唱。 - 『菅原伝授手習鑑』の桜丸と「清玄桜姫物」の桜姫にある桜のイメージ
※『菅原伝授手習鑑』「一心二河白道」『桜姫全伝曙草紙』から「桜」のイメージを探る。 - 好運を呼ぶ招き猫―招き猫が持つ力とは何か
※「招き猫」はなぜ好運を呼ぶのか、歴史や信仰、類似の縁起物などから探る。 - 春画のなかの動物
※歌麿、国芳、北斎の春画に描かれた動物を通して「笑い」の描き方を比較考証。 - 人魚物語から見る人魚と人間の関係性
※京伝「箱入娘面屋人形」未明「赤いろうそくと人魚」アンデルセン「人魚姫」の比較。 - 江戸時代から現代のフィクション作品における「悪役」の姿
※江戸の黄表紙、浮世絵と歌舞伎、現代のマンガと小説から悪役の特徴的な外観を見る。 - 鼠をめぐる婚姻譚について
※鼠の嫁入」譚を『沙石集』御伽草子、草双紙、ちりめん本、現代絵本と変遷を追う。 - 江戸の音楽における階級と楽器
※身分社会に於ける身分と楽器の強固な結び付きを通して江戸期の箏と三味線を考える。 - 狸とは何かー狸のイメージとその役割―
※「かちかち山」「狸の八畳敷」「平成狸合戦ぽんぽこ」「有頂天家族」から狸像を考える。 - 折り紙の魅力と可能性
※「儀礼折り紙」と「遊戯折り紙」の歴史と未来への幅広い可能性から、紙の世界を探る。 - アニメとドラマから見る時代考証の在り方
※ドラマ「Jin-仁-」とアニメ「忍たま乱太郎」を通して時代考証の在り方と必要性を説く。 - 江戸時代と現代の蕎麦の違い
※蕎麦の歴史、江戸期のもり・ざる蕎麦とかけ蕎麦の冷温二種を現代と比較。
- 近世刺繍考
※日本の刺繍の流れを繍仏と服飾から追い、西鶴作品、現存刺繍から時代と身分、江戸・上方の違いを考察。
2017年度提出
- 江戸と現代のかっこいい男
※EXO、防弾少年団、三代目 J Soul BrotherSのかっこよさを江戸期の色男と比較。 - 創作素材としての「神」考
※神話や宗教における「神」と現代創作物であるクトゥルフ神話を用いて神を考える。 - 鳥山石燕と水木しげるにみる妖怪考
※石燕『画図百鬼夜行』4作と水木『ゲゲゲの鬼太郎』『日本妖怪大全』の比較研究。 - 道化方に見る歌舞伎の本質
※歌舞伎創設期の猿若から道化の変遷、その存在意味を西欧の道化と比較して論じる。 - 今『走れメロス』をどう読むべきか
※研究文献からその評価を追い、現代のキャラ化した太宰から読みの多様性を見る。 - 森島中良考
※幕府公認の蘭学の家・桂川家に生まれた中良の戯作と蘭学の世界を覗く。 - 『極付幡随院長兵衛』に描かれる長兵衛のダンディズム
※河竹黙阿弥『極付幡随院長兵衛』の大侠・長兵衛の実際と侠の歴史、特出性を探る。 - 死を浄化する装置としての自然物の可能性について
※『曾根崎心中』『近松心中物語』『鷺娘』の舞台における雪や星、水などの浄化作用を見る。
2016年度提出
- 化け物屋敷の系譜~異界の家がもたらすもの~
※『稲生物怪録』「マヨイガ(遠野物語)」『妖怪アパートの優雅な日常』の異界比較。 - 鹿女房から見る日本の異類婚姻譚
※アイヌの「鹿女房」民話の特徴を「鹿」の特殊性を踏まえて異類婚姻譚から考える。 - 音声合成のこれまでこれから
※VOICELOIDとVOICELOIDの歴史をテキストとネットから細かく辿り、可能性を探る。 - 師弟武者絵考~国芳・芳年~
※生涯、画風を高めていった国芳と大きく画風を変化させた芳年。師弟の武者絵を考える。 - 歌舞伎の名刀と日本刀
※日本刀の歴史と歌舞伎の中の倶利伽羅丸や波切丸、日吉丸、村雨丸などの名刀を考察。 - 江戸と現代におけるかわいい女性の変遷
※江戸の看板娘と町娘、現代のアイドルとマンガから「かわいい」の特性と問題点を探る。 - 『御存商売物』と比較して見る『アンパンマン』の世界
※登場人物が物品のキャラクターである両作品を比較し、アンパンマンの特殊性を考える。 - 山田流箏曲と始祖山田検校
※箏の歴史と江戸期の当道による箏の発展を詳しく辿り、山田流と生田流演奏のDVD付。 - 「捨石丸」考~秋成にとっての「ますらを」~
※秋成「捨石丸」を源太騒動「ますらお物語」「死首の咲顔」と並べ「ますらを」を論じる。 - 現実と文学から見た商業の姿-『日本永代蔵』と『町人考見録』を通して
※三井家の高平の考える堅実な上人像、西鶴の描く才覚と天運の上人像を比較検討。 - 「男の絆」考~男色とBL~
※男色の歴史とBLの歴史、ミソジニーとの関係、BL界をジェンダー論を駆使して分析。 - 清水次郎長の人間性とその受容
※清水次郎長の一生を辿り、?客としての次郎長の特殊性を探り、関連創作作品と比較。
2015年度提出
- 装置としてのカニバリズム
※「性的倒錯」としてのカニバリズムを、青頭巾、佐川一政事件から読み解く。 - 女性の衣裳にみる花文様の変遷
※日本女性の衣裳の歴史と、そこに見られる花文様の変遷を現代まで辿る。 - 音から見る歌舞伎とオペラ
※「助六所縁江戸桜歌舞伎」と「魔笛」を対象に役者の声、楽器、歌謡、効果音等を見る。 - 現代社会における「ジェンダー」の在り方
※現代社会を日常生活と教育面で、文学を古典日記と現代作品からジェンダーを読む。 - 江戸時代と現代から見るアイドル考
※江戸期の團十郎とお仙、現代の二、三次元の男女を比較しアイドルとは何かを考える。 - 日本の音楽と調弦
※日本の音楽史と日本と西欧の調弦を比較し、変幻自在な日本独特の調弦の理由を考察。 - キャラクターとしての鼠像の変遷…御伽草子から現代まで
※御伽草子の鼠三作、現代「グリとグラ」「ミッキーマウス」から鼠と人間の関係を見る。 - 九相観について
※九相観から近世~現代作品を分析し、朽ちていく死体と観察・描写する意味を考える。 - 史実と派生作品から見る忠臣蔵の魅力
※赤穂事件の史実と歌舞伎「忠臣蔵」の関係、現代のドラマ、映画等から特徴を捉える。 - 吉田松陰の教育方針と現代教育について
※松蔭と『暗殺教室』から理想の教育を考え、現代の学校・家庭における教育問題を考察。 - 「新撰組」とその創作物について
※新撰組の史実と司馬遼太郎作品による定型化、そして現代の多くの新撰組の特徴を見る。 - 『幽霊塔』の変奏~黒岩涙香・江戸川乱歩・ジブリ~
※原作の『灰色の女』、その翻案作である涙香と乱歩の『幽霊塔』、ジブリの展示を比較。 - 『男色大鑑』と現代のBL比較
※西鶴『男色大鑑』前四巻の武家の男色譚と現代BL作品を比較し、描き方の変化を辿る。
2014年度提出
- 日本人の妖怪観
※近世と現代を中心に-その時代の人間の心理を反映して変わる妖怪の変遷を追い、ジブリ妖怪の特性を論じる。 - 「情報」から見る『耳嚢』と『遠野物語』ー二つの説話集
※根岸鎮衛『耳嚢』と柳田國男『遠野物語』を情報という観点から比較し、差異を見る。 - 現代作品に描かれる遊女
※吉原遊女の実体と、「さくらん」「花宵道中」を比較、現代の遊女像とその理由を考察。 - 春画の展示
※春画と現代のエロマンガを比較し、江戸期浮世絵春画の紹介と法令、展示について考察。 - 幕末・明治前期の腐蝕銅版と写真-美術における写実とは何か-
※司馬江漢の腐食銅版画と幕末期からの日本の写真師たちの動きから写実の意味を追う。 - 久米平内という男
※浅草寺境内の平内像は縁結びの江戸の流行神。江戸と近代の平内物語から変遷を探る。 - 女性が読むポルノグラフィ
※女訓書のパロディ春本三作と現代の女性コミック三種の紹介から女性とポルノを論じる。 - 歌舞伎とオペラから見る伝統文化の衰退
※歌舞伎とオペラは発生時期、大規模劇場、女性役者拒否など歴史的に似る。その考察。 - 化ける狐
※妖狐登場の文献を平安期から江戸期の歌舞伎や稲荷信仰、現代の漫画やアニメと辿る。 - 名前の変容と多様性
※上代の氏・姓から現代のキラキラネームまで名前の変遷を辿り、名付けの問題を提議。 - ナンバ考
※日本独自走法・ナンバ。歌舞伎の六方に残る江戸期の日常動作が現代にも影響。 - 外国人から見た江戸・現代の教育
※江戸期と現代の日本の教育を外国人の著作や国内調査から考察し問題点と解決法を探る。 - 日本文学作品から見る「星」の役割
※日本古典、ヨーロッパ・アメリカ、アジア、そして現代日本の作品にみる「星」の特徴。 - 水の文様
※水の文様を雲・霞、流水、波、雪に分け、時代的変遷、日本人と水の関わりを探る。 - 江島考-歴史資料とメディアから見る江島の女性像
※事件後28年間、高遠で穏やかに過ごした絵島像を、明治~平成の脚色化の変遷と対比。 - 米からパンへー日本におけるパン文化についてー
※日本文化における米、パンの歴史。現代のパン屋の在り方と日本のパン食の特徴。 - 江戸幕府と昌平黌
※林家の私塾だった湯島聖堂がどのように幕府と関わり学問所となったのかを徂徠と比較。
2013年度提出
- 歌舞伎衣装の今昔
※衣装の引き抜きや早替り手法を古典と猿之助歌舞伎で比較、魅力を考える。 - 歌舞伎衣装の今昔
※衣装の引き抜きや早替り手法を古典と猿之助歌舞伎で比較、魅力を考える。 - 『西鶴諸国はなし』の中に見る西鶴の宗教観
※『西鶴諸国はなし』全35話を分析し巻1-4「傘の御託宣」主題から西鶴の宗教観を考察。 - 日本における「犬の命」考
※綱吉の生類憐れの令、近代の軍用犬や狂犬病から殺処分問題を追求し犬の命を考える。 - 江戸期の将軍教育と学問
※家康、綱吉、吉宗、定信の儒教を中心とする学問教育とその政策との適合を比較。 - 『日本永代蔵』から見る江戸商人
※『永代蔵』中の成功、衰退する商人と三井家から江戸期の理想の商人像を考える。 - 『東海道中膝栗毛』に見る江戸期の旅籠屋
※『膝栗毛』中の旅籠屋の記事からもてなし,客室,風呂等を現代旅館と比較。 - 江戸期作品と『ちびまる子ちゃん』に見る家族のありかた
※西鶴『世間胸算用』三馬『浮世風呂』、昭和『ちびまる子ちゃん』から家族を論じる。 - 「青砥稿花紅彩画」の魅力
※黙阿弥「青砥稿花紅彩画」を浜松屋の場中心に分析し、非日常の世界の魅力を探る。 - 『東海道中膝栗毛』に描かれる江戸時代の盲人
※江戸期盲人政策や『膝栗毛』盲人譚から現代の障害者への社会的視線との差異を考察。 - 『本朝桜蔭比事』について
※西鶴作『本朝桜蔭比事』と南宋の桂万栄編『棠陰比事』をミステリという観点から比較。 - 是枝作品における子ども像の考察
※是枝裕和監督作品「誰も知らない」「そして父になる」等から子供と家族の関係を考察。 - 日本における動物展示の変遷
※古来の愛玩動物と江戸期の見世物動物、近代以降の動物園の歴史と意義。 - 日本における美人観の変遷
※江戸期からは西鶴と近松品、歌麿と英泉、現代から映画の美人像等を追い、比較。 - 心中情死考
※『曾根崎心中』,天城山心中事件。,現代のストーカー殺人から心中の変遷を分析。 - 厠神信仰の歴史と変遷
※古墳時代から現代までの便所の形態と不浄からリクラレゼーションへの厠神信仰を追う。 - 史実と現代メディアから見た篤姫
※NHK大河「篤姫」中心に小説,エッセイ,マンガ,ドラマの篤姫像を考察。 - 人形の魅力について
※人形の歴史をヒトカタ、雛人形、活人形…、現代のリカちゃんと追い、魅力を探る。
- 芭蕉とアッギェーエ考
※インドの代表的作家・詩人であるアッギェーエの俳句理解、そして紀行文に見られる芭蕉「奥の細道」への芭蕉憧憬等からインドの俳句の歴史等を考察。
2012年度提出
- イサベラ・バード『日本奥地紀行』考
※明治11年の北海道まで巡るバードの大旅行紀をケンペル紀行文と比較。 - イサベラ・バード『日本奥地紀行』考
※明治11年の北海道まで巡るバードの大旅行紀をケンペル紀行文と比較。 - 武井宏之とその魅力
※武井宏之「シャーマンキング」の魅力を分析、武井ワールドの特徴を探る。 - 祐天上人…逸話の真相から見る実像…
※桂昌院の信頼を得て高位に上った累伝説で名高い祐天上人の虚像と実像。 - ヴィジュアル系に見る日本的美学
※ビジュアル系をばさら,男伊達,かぶき者,ヤンキーと比較し過剰性,様式性を論じる。 - 浮世絵と遠近法
※西洋画,日本画に於ける遠近法の違いから浮世絵とゴッホの関係をみる。 - 江戸時代の本屋と読書
※江戸期の書肆の特徴を蔦屋重三郎と鶴屋喜右衛門に見て江戸人の読書を考える。 - 『南総里見八犬伝』犬田小文吾と江戸の相撲について
※『八犬伝』中の小文吾の在り方を現実の力士像と比較し、その魅力を浮き彫りに。 - 江戸の女装文化
※江戸期の女装文化を現実社会,戯作,歌舞伎の中に見、第三の性としての魅力を探る。 - 歌舞伎役者の似顔絵
※写楽,国貞,国芳の役者似顔絵を比較検討し、その魅力と意義を考察。 - 杉本鉞子『武士の娘』から見る杉本鉞子…異文化への姿勢…
※異文化の接触に際してどうあるべきか『武士の娘』から読み解く。 - 寄席から見る落語
※江戸,京,大阪における落語の歴史と寄席と落語の結びつきを見る。 - 広告人としての源内…源内広告の特徴と影響…
※源内の広告活動を引札,プロデュース活動から捉え宣長,京伝らと比較。 - 平仮名本『因果物語』における江戸時代の民衆と仏教
※浅井了意の平仮名本『因果物語』の因果譚の話形から江戸庶民にとっての仏教を考察。
- 京伝『桜姫全伝曙草紙』考-「桜姫」ものの世界-
※京伝読本『曙草紙』を中心に大江文坡『勧善桜姫伝』,京伝合巻『桜ひめ筆の再咲』の三作を人物構想から読み解き、『曙草紙』の独自性を考察。
2011年度提出
- 装幀の力ー江戸時代と現代ー
- 江戸時代の源氏物語
※季吟、真淵、宣長の国学、種彦の『偐紫田舎源氏』の二面から江戸期の『源氏』研究を見る。 - 水から見た大名庭園の魅力
※大名庭園の池泉や滝として取り込まれた水の景から、アミューズメント性と物語性を読み取る。 - 江戸と現代の〝可愛い〟の比較
※江戸期の国芳の描く猫、疱瘡絵のみみづくと現代のリラックマ、ペンギンから可愛さを探る。 - 鈴木春信の魅惑
※錦絵を創出した鈴木春信の表(通常の浮世絵)と裏(春画)の作品を対比しその魅力を探る。 - 近松没後の人形浄瑠璃
※竹本座と豊竹座の近松没後の歴史を通し大坂でなぜ浄瑠璃が発展衰退したかを考察。 - 江戸時代の「和ガラス」
※江戸期の商業的な発展で生まれた種々の吹きガラス製品、薩摩藩のガラス製造を見る。 - 中山道の在り方―地域社会における存在意義―
※歴史と物流、廣重と英泉の浮世絵「木曽街道六拾九次」などから中仙道を様々に見る。 - 高校国語教材としての江戸文学
※教科書に載る古典教材分析し、江戸期の『奥の細道』突出を考え『膝栗毛』採録を提唱する。 - 『北越雪譜』から見る「雪」
※鈴木牧之『北越雪譜』の内容分析と川柳の雪から江戸と雪国の人にとっての「雪」を追う。 - 江戸の菓子と人々の関わり
※江戸人と菓子の関わりを武士・酒井伴四郎と戯作者・曲亭馬琴の日記、浮世絵から探る。 - 『春色梅児誉美』と現代小説における三角関係
※唯川恵『孤独で優しい夜』井上荒野『だりや荘』と『梅児誉美』の男女の三角関係を考察。 - 江戸の生活の中のリサイクル
※馬琴日記の下肥騒動、屎尿を肥料とする野菜栽培から江戸生活システムを現代と比較。 - エリート教育ー江戸時代と現代の比較
※江戸期の武士と現代の中高一貫教育を「文」「武(スポーツ)」の両面から比較考察。 - 「猫又」から見る江戸時代の人々にとっての猫
※古典に見る猫又譚を猫の生理と江戸期の人と猫の関係から読解、猫又譚の変化を見る。 - 落語「皿屋敷」の成立
※「更屋敷」を怪談、芝居、落語から見ていき、「明日休み型」「上人型」の発生を探る。 - 死絵について
※死絵をその描き方、装束や演目、狂歌や文章などから分類し、死後の姿を描く意味を考察。 - 『開帳利益札遊合』は京伝処女作かどうか
※『開帳利益遊合』を装丁、他の京伝作および他作者の黄表紙などと比較検討し京伝作と検証。 - 鯰絵にみる安政期の人々
※安政二年の江戸大地震後に出た鯰絵に籠められた安政期の江戸の人々の思いを読む。 - 「籠釣瓶花街酔醒」考
※歌舞伎「籠釣瓶花街酔醒」の次郎左衛門の痘痕面と見初場での八ツ橋の笑いを深く追う。
- 「国性爺合戦」考…日本・中国・台湾における鄭成功
※近松の浄瑠璃「国性爺合戦」の主人公のモデルである鄭成功を、その史実、中国映画、台湾ドラマで描かれる人物造型と比較し、芸能化の過程から相違と特徴を考察。
2010年度提出
- 装幀の力ー江戸時代と現代ー
※江戸と現代の書物の装幀を考察。装幀を「商品」「芸術品」から在り方と未来を考える。 - 女子教育における教養教育の意味ー近世と現代からー
※江戸期の女子教育を『浮世風呂』と実例から見、現代と比較して女子の教養教育を論じる。 - 江戸における着物と文化
※江戸期の着物を色と柄に注目し浮世絵他から変遷を辿る。現代と江戸の着物への接し方。 - 伊勢参りと膝栗毛に見る江戸庶民の旅
※江戸期に巡礼から娯楽の旅となった伊勢参り、それを題材とした『膝栗毛』の世界を探る。 - 建部綾足ー津軽と南部ー
※津軽、南部、弘前藩の歴史と、弘前藩家老の息子であった綾足から青森県の特性を見る。 - 江戸期の女性にとっての婚姻考ー春日局と馬琴の娘たちー
※あくまでも「家」重視の春日局と、自分の意志を通す曲亭馬琴の娘たちの結婚を比較考証。 - 化政期の歌舞伎役者ー七代目市川団十像ー
※団十郎の代々と、化政期に於ける歌舞伎界、そして七代目団十郎の芸と人物像の特徴。 - 『鉢かづき』の面白さとは何かー中世から近世を中心にー
※御伽草子『鉢かづき』と草双紙『はちかつきひめ』『鉢かつき嫩振袖』『稗史憶説年代記』比較。 - 江戸と現代ー出版流通の歩みー
※江戸期と近現代の出版業流通機構を比較し、現代の問題点、「文化の容れ物としての書物」を語る。 - 江戸花火と中国爆竹考
※日本の花火の歴史と江戸人にとっての花火を中国宋代の爆竹の歴史と使われ方と比較。 - 『学問のすゝめ』とその新しさ
※「なぜ人は学ばなければならないのか」の答を福沢諭吉の生き方と『学問のすゝめ』に探る。 - 大田南畝と天明の狂歌
※天明期に花開いた天明狂歌を丁寧に考察し、時代を代表する南畝にとっての狂歌を考究。 - 日本広告研究ー江戸中心に西洋との比較ー
※江戸期の暖簾、看板、引札・びらを明治から現代、そして西洋の広告と比較、変化と共通点を考察。 - 「名所江戸百景」に描かれた建築物
※広重最晩年の傑作「名所江戸百景」の魅力をその中に描かれた建物の種類や構図などから探る。 - 江戸時代の動物飼育
※江戸期の野生動物と愛玩動物、動物飼育と商売、関わる政策とその影響など、動物と人間の関係。
2009年度提出
- 江戸と現代の都市伝説の比較ー四ッ谷怪談と口裂け女ー
※現代と江戸の都市伝説を、「口裂け女」と「四谷怪談」を中心に考証し、その違いを探る。 - 『浮世風呂』『浮世床』に描かれる江戸の庶民と現実
※江戸期の長屋の人々の実際の生活と、三馬の二作品に見る戯作に描かれた生活を比較。 - 遊び絵に見る江戸時代の遊び意識
※遊び絵の種類と国芳の遊び絵の特徴を通じて、遊び絵享受の変遷から存在理由を考察。 - 『武家義理物語』考
※『武家義理物語』に描かれた武士と現実の元禄期武士を比較し、西鶴の執筆意図を探る。 - 『好色五人女-巻五-』おまん源五兵衛考
※おまん源五兵衛譚の特徴を、演劇の「薩摩唄」「五大力恋緘」「盟三五大切」と比較考察。 - 江戸時代と明治時代における暦と時法ー時の感覚ー
※江戸期以前の太陰太陽暦、明治以降の太陽暦を比較し、人々の時間感覚の変化を考える。 - 伊藤若冲ー樹花鳥獣図屏風の世界ー
※桝目書きで描かれた「樹花鳥獣図屏風」の特質を、円山応挙、長澤芦雪の作品と比較考察。 - 遊びの聖域ーディズニーと吉原比較考
※吉原の実態とその特徴をディズニーと比較し、共通性と異質性を検討し、両者の違いを見る。 - 伊藤仁斎論
※日本の宗教史を辿り、仁斎の人物と著作から人間肯定の古義学の思想内容を捉える。 - 上田秋成と芥川龍之介考ー典拠からつくられた世界ー
※秋成の「浅茅が宿」「蛇性の婬」と龍之介の「杜子春」「酒虫」を用いた翻案法からの比較。 - 和菓子考ー外来菓子の変遷ー
※唐菓子と南蛮菓子の導入を辿り、江戸期の菓子製作の実践から和菓子とは何かを探る。 - 義経像の変遷ー理想化された悲劇のヒーローー
※『吾妻鏡』『平家物語』『義経記』『義経千本桜』から見る原型から理想型への義経像の変遷。 - 伊達とゴシックの比較
※伊達はファッションで、ゴシックは建築物で「権威」を作り上げた。両者の比較考察。 - 「小倉百人一首」と江戸
※成立と変遷、異種百人一首や川柳やもじり歌、現代の教育まで幅広い「百人一首」研究。 - 江戸の商売シンボルの変遷
※江戸の商標や看板と、現代の商標からマスコットキャラクターまでを広く紹介し、比較検討。 - 江戸しぐさと江戸っ子
※越川禮子氏の唱える「江戸しぐさ」と陽明学について、実際の江戸っ子との差異を比較検討。 - 膝栗毛とツツイズムから見る身障者差別表現論
※『膝栗毛』と筒井作品から身障者を扱った箇処を対象に、表現に置ける差別意識を見る。 - 近世教育研究ー現代教育とのつながりー
※江戸期の教育を藩校寺子屋に探り、明治期学制との比較を通じて現代教育の問題点を突く。 - 『日本永代蔵』におけるモデルたち
※『永代蔵』中の二代目譚と実在の富商に材を取った話を対象に、西鶴の意図を探る。 - 怪談小幡小平次考
※京伝や南北、黙阿弥、泉三郎、そして京極夏彦等の小平治怪談ものの世界とその背景を考察。 - 江戸の旅考ー大山・伊勢参りの比較ー
※江戸っ子の近場の旅「大山詣」と長距離旅行「伊勢参」の比較を通じて江戸の旅を考える。
2008年度提出
- 『東海道中膝栗毛』における笑いについて―作品に込められた一九の思い
※『膝栗毛』で詠まれる狂歌に注目し、一九の故郷駿河への思いを探る。 - 江戸の娘と音楽―『浮世風呂』と『宴遊日記』―
※江戸の娘たちのステータスとされた音曲について、歴史と実際を辿る。 - 江戸時代の料理屋―八百善―
※江戸の料理屋の歴史、八百善代々と文人たち、『料理通』の内容について。 - 落語―江戸と上方―
※江戸落語と上方落語の変遷、噺や落ちの種類、それぞれの特徴を考察。 - 『南総里見八犬伝』―信乃・今昔の変化―
※犬塚信乃の描かれ方を、原作と映画・ドラマ・漫画などと詳細に比較。 - 江戸時代の料理本
※『料理物語』などの料理本の概説、変遷を辿り、江戸の食文化に迫る。 - 江戸の時計―和時計―
※和時計の歴史、江戸時代の時刻制度、和時計の描かれ方を丁寧に論述する。 - 江戸の和菓子と庶民
※和菓子の歴史と黄表紙『名代干菓子山殿』に描かれるお菓子たちの考証。 - 西鶴と『好色五人女』
※井原西鶴の生涯と『好色五人女』に描かれる女性たちの生き方の特質を追う。 - 江戸時代の日独交流―ドイツに渡った江戸文学・文化―
※江戸・明治前期の日独交流史とウィーン版『浮世形六枚屏風』の比較考察。
2007年度提出
- 大河ドラマに見る時代考証
※NHK大河ドラマの全作品と時代劇映画にみる時代考証を考える。 - 宮部みゆきと深川
※宮部みゆきの深川を舞台とする小説を考察し、深川と宮部小説の意味を問う。 - 遊女・芸者考
※吉原の遊女と深川の芸者を、歴史とその実態6、文学作品から比較していく。 - 紅と藍の比較考察
※紅と藍という江戸を代表する二色をその作成法、使用法、値段等から比較。 - 随筆や滑稽本にみる江戸の酒
※酒を『江戸買物独案内』『名所図会』『酩酊気質』等の様々な側面から見る。 - 「北斎漫画」における人物画の描かれ方
※『北斎漫画』全15巻を人物の顔や手、着衣、体格、描線に注目して読み解く。 - 少女小説としての『春色梅児誉美』
※『梅児誉美』のお長と米八を近現代の雑誌やマンガの中の少女像と比較考察。 - 『よろずや平四郎活人剣』と藤沢周平の世界
※藤沢周平にとっての天保の改革、小説の意味を『よろずや…』から見る。 - 隆慶一郎研究
※傀儡子をなぜ取り上げるのか、隆慶一郎の小説世界を網野史学等を絡めて考究。 - 烏のイメージの変遷
※上代から近世まで烏のイメージを追い、現代の否定的なイメージとの差を考察。 - 『西鶴諸国ばなし』の中で描かれる女性像
※『西鶴諸国ばなし』から「傘の託宣」「紫女」など四つの女性譚を分析。 - 「樊カイ」考-稿本の比較から-
※文化五年本、富岡本・天理巻子本などの稿本比較から「樊カイ」を考察する。 - 『遠野物語』と江戸戯作における妖怪
※河童と天狗と『遠野物語』『河童尻子玉』『荒山水天狗鼻祖』から考察。 - 「桜姫」と「弥陀次郎」伝承考
※桜姫と弥陀次郎を勧化本、読本『桜姫曙草紙』、合巻『桜ひめ筆の再咲』に考究。 - 初期の異国遍歴小説に見る外夷人物
※『和漢三才図会』『華夷通商考『風流志道軒伝』『和荘兵衛』からの外夷考。 - 女大学~近世・近代・現代の女性訓~
※江戸『女大学宝箱』、明治の諭吉『新女大学』、現代の坂東『女性の品格』論。 - 江戸の広告-引札と戯作者-
※広告の歴史と、源内、京伝、馬琴、宣長など戯作者の引札の特徴を考える。 - 江戸の本屋…日本橋を中心とした江戸の出版文化
鱗形屋孫兵衛、蔦屋重三、鶴屋喜右衛門を取り上げ、日本橋の本屋を見る。
- 長崎黄表紙考…江戸文化と長崎…
※長崎に関連する本文および挿絵を持つ「長崎黄表紙」と、「長崎版画」から見た、江戸の文学文化にみる長崎の描かれ方。「長崎」の持つ表象性とは何か。 - 式亭三馬と十返舎一九の往来物比較考
※三馬の往来物は4種ですべて消息科、対して一九は全57作でジャンルも6科と多岐に亘り、その姿勢は対称的である。往来物に見る二人の特性を探る。
2006年度提出
- 『井関隆子日記』…一女性の見た天保
※井関隆子の日記を分析し、その時代背景や雅文の意味などを考え隆子の生き方を検証する。 - 『男色大鑑』考
※男色の歴史と、『男色大鑑』の武士と町人の描かれ方の違いを考え、男色の在り方を考察。 - 江戸のペット…『誹風柳多留』にみる犬と猫
※『柳多留』の全句から動物句を拾い、なぜ犬に人気がなかったかを猫と比して徹底追求。 - 江戸の猫…猫はなぜ化けるのか?
※猫の歴史を追い、国芳の浮世絵、誹諧や草双紙などから猫がなぜ化けるのかを探る。 - 江戸期の食器…黄表紙から見る庶民と生活
※食器を取り上げ、『江戸買物独案内』『煕代勝覧』『化物小遣帳』等から細かく考察。 - 江戸時代の料理書
※江戸期の料理書から『百珍』ものを中心に考察し、「豆腐百珍」を実践。3年越しの大作。 - 名奉行譚の誕生『大岡政談』
※『大岡政談』を実説と比べてどのように虚構化がなされたかを考え、忠助の魅力を探る。 - 『日本永代蔵』にみられる金儲けのくふう
※『日本永代蔵』の金儲け譚を倹約・智恵・その他に分け、それぞれの工夫を分析。 - 『浮世風呂』と江戸落語
※『浮世風呂』の笑いを分析し、三馬と焉馬の関係を見て、江戸落語の笑いの特徴を考える。 - 江戸期の文具
※文具の歴史、江戸期の『貞丈雑記』『集古十種』等から名器の足跡を辿り、丁寧に解説。 - 『好色五人女』にみる江戸の法制度
※江戸の初期から元禄期までの法制度を丹念に辿り、『五人女』のヒロインへの対処を考える。 - 友禅研究…人物とそれを取り巻くもの
※宮崎友禅の行った事は織物と染色史の中でどう位置づけられるのかを考察。
2005年度提出
- 『椿説弓張月』における主人公像の考察
※史実と物語中の為朝、そして白縫と寧王女の比較から馬琴の主人構像を考察。 - 鶴屋南北作品に見る女の幽霊と鏡…『法懸松成田利剣』『東海道四谷怪談』を中心に
※鏡と女性の関わりを歴史的に探り、南北のお岩と累における意義を考える。 - 絵暦研究…江戸期の暦…
※暦の歴史、絵暦の誕生、江戸期の伊勢暦や江戸暦などの様々な暦を見る。 - かぶきとは何か…江戸芝居小屋から歌舞伎座へ…
※4年間、歌舞伎座に通い詰めた熱意を投入し、芝居小屋の意義を謳う大作。 - 津軽の祭りについて…津軽ねぶた…
※ねぶた祭りを『津軽偏覧日記』や『奥民図彙』から歴史的に見ていく。 - 鶴屋南北と「仮名手本忠臣蔵」
※「忠臣蔵」の歴史を辿り、「四谷怪談」「盟三五大切」から南北の「忠臣蔵」観を見る。 - 江戸期婚礼の実態と創作の世界…『女重宝記』と草双紙…
※『女重宝記』を中心に江戸前期の婚礼作法を見、草双紙の異界の結婚を探る。 - 江戸の火消
※「江戸の火消し」百科。誕生と歴史的変遷、そして戯作上の火消しを見る。 - 非常の人 平賀源内
※源内の生涯を、本草学者の側面から見ていき、その性格の持つ意味を考察。 - 近松門左衛門の心中物
※江戸期の恋愛観を考え、近松作品の心中からさまざまな姿を見る。 - 小千谷縮
※小千谷縮の歴史と製造法、そして鈴木牧之等の描く江戸期の小千谷を考察。 - 「歌舞伎」の中の狐
※「蘆屋道満大内鏡」「義経千本桜」など4作の狐から、狐の意味を問う力作。 - 噺本に見る盗人譚
※咄本の中で盗人譚を中心に、その発展過程や中国の典拠との比較を行う。 - 東海道を扱った近世文学の系譜
※『東海道名所記』『東海道名所図会』『東海道中膝栗毛』を駿河中心に追う。 - すごろく…時代を超える「遊び」への情熱…
※双六の歴史を探り、その遊戯性を現代の人生ゲームと比較しつつ考察。
2004年度提出
- 江戸からくり…竹田一族の存在とからくりの魅力
※見世物と芝居からくりを中心に江戸期の竹田からくりから現在まで追う。 - 『雨月物語』研究…「吉備津の釜」「蛇性の婬」より
※「吉備津の釜」「蛇性の婬」の主人公達の描かれ方を考える。 - 日本の妖怪と西洋の妖精
※黄表紙を中心とした「妖怪」とケルトの「妖精」を視覚面から比較考察。 - 疱瘡絵・疱瘡絵本…「馬琴日記」に見る子どもたち
※疱瘡絵、疱瘡絵本の紹介、曲亭馬琴の孫たちの疱瘡の経過を日記から見る。 - 文化文政期の子供と寺子屋
※『浮世風呂』「川柳」から化政期の子供達の生態を、日常と寺子屋から探る。 - 国貞忠治の実像と虚像
※忠治の実像を同時代の記録類から纏め、講談.小説などの虚像と比較する。 - 日本の遊女とフランスの娼婦の比較
※日本の遊女とフランスのクルティザンヌの生態を比較し、その背景を探る。 - 平田篤胤研究…学ぶことへの情熱
※知の巨人:平田篤胤の膨大な研究対象と研究方法から学ぶことへの情熱を見る。 - 化政美粧…江戸時代の化粧を知るビジュアルブック
※『都風俗化粧伝』を中心に化政期の化粧をさまざまな角度から立体的に考察。 - 森内家の代々
※潮来と牛堀地区の歴史から、森内家の郷土との深い結びつきを辿る。 - 光琳・乾山…尾形家とその周辺
※尾形光琳と乾山という二人の芸術家を生みだした雁金家と琳派を見る。 - 江戸のキリシタン…殉教者と棄教者
※キリシタンの殉教者と棄教者を大名やバテレン、『沈黙』などから見る。 - 落花流水…長崎・丸山遊郭における愛と真実
※鎖国期の日本で、唐人とオランダ人の住居に出入りした遊女達。後半は創作。 - 近世の怪談から…浅井了意にみる怪異譚
※『伽婢子』『狗張子』を中心に『日本霊異記』などと比した精緻な分析。 - 浮世絵にみる江戸の風俗…喜多川歌麿から探る
※歌麿の刊行作品と非刊行作品から、蔦屋との関係、浮世絵の位置を探る。 - 江戸花火…『誹風柳多留』を中心に
※花火の句を『俳風柳多留』から抜き、江戸期の花火を様々な角度から追求。 - 佐竹藩の文化…秋田蘭画
※平賀源内と小田野直武が作り上げた秋田佐竹藩の蘭画の軌跡を辿る。 - 『椿説弓張月』からみる琉球の巫女
※『弓張月』の中の琉球の記事の出典を探り、琉球の巫女の実態を考究。 - 江戸時代の町の色と舞台の色の関係
※江戸期に町人が好んだ色と、歌舞伎が流行らせた色の関係を考察。 - 井原西鶴『世間胸算用』と元禄大坂町人について
※元禄期の大阪の文化や経済などをフィルターに町人の姿を作品から見る。
2003年度提出
- 『男色大鑑』における敵討と殉死
※前半の武士の話に見られる敵討と殉死に焦点を当てて西鶴の男色観を探る。 - 山東京伝黄表紙研究
※京伝黄表紙の代表作を鑑賞し、他の著名な戯作者と比較してその特徴を見る。 - 要石と鯰
※鹿島神宮とそこにある要石について鯰と地震を中心に調べ、茨城を再発見。 - 大田南畝研究ー狂歌・狂詩を中心にー
※南畝の『万載狂歌集』と『寝惚先生文集』から狂歌と教師の特徴を探る。 - 古典落語に見る長屋
※落語の内容による分類、そして長屋という住空間を現代と比較した落語論。 - 『剣客商売』ー田沼時代を生きた剣客ー
※池波正太郎の『剣客商売』ワールドの時代設定を剣客の歴史から考察する。 - 落語ー歴史と三題噺を中心にー
※三題噺、特に「鰍沢」「芝浜」を中心に歴史や寄席、落語家などの落語ワールド。 - 江戸を生きた妻たちーその理想とホンネの部分の比較からー
※理想としての「女大学」、ホンネとしての「川柳」から探る江戸の女性像。 - 少女論ー『春色梅児誉美』より
※お長に中心に、江戸と現代の少女をひらひら型とオスカル型から読み解く。 - 智者楽水ー異彩の犬士毛野ー
※他の犬士や船虫との関係、悪婆、七変化などから毛野を語る、異彩の犬士像。 - 『聖遊郭』にみる孔子像と今に語られる孔子像の違い
※『聖遊郭』の孔子像はなぜ生まれたのかを、当時の教育と絡めて見る。 - 『竜馬がゆく』のおりょう像
※司馬遼太郎の小説『竜馬がゆく』の中のヒロインおりょう像と史実との比較。 - 鈴木春信の表裏世界
※『風流艶色真似ゑもん』を中心に、春信の表の浮世絵と裏の枕絵の世界に迫る。 - 江戸時代の家庭について
※貝原益軒の「女大学」と「童子訓」に見る江戸期の女性と家庭の在り方。 - 『好色一代男』に見る井原西鶴
※『一代男』後半部を占める高名遊女11人を採り上げ、その描写意義を考察。 - 江戸の読書ー『蔵書目録』にみる読書の実態ー
※庄屋、大名家の蔵書目録と貸本屋大惣の蔵書構成から江戸期の読書を捉える。 - 湯屋で働く人々
※湯屋で働く人々の姿を『浮世風呂』等から追い、江戸の湯屋とは何かを考える。
2002年度提出
- 「青砥稿花紅彩画」論…異性装の倒錯美…
※河竹黙阿弥の「五人男」と「三人吉三」を異性装をテーマに読み解く。 - 私的妖怪考
※山姥、ウブメ、雪女と3種の女妖に焦点を当て、歴史的背景や二面性を探る。 - 七福神研究
※室町から江戸期の七福神の変遷を追い、福神たちの活躍を黄表紙に見る。 - 『好色五人女』と『雨月物語』…ヒロインたちの比較…
※『五人女』のヒロイン5名と『雨月』の3名のヒロインを時代背景から考察。 - 江戸歌舞伎と下座音楽
※歌舞伎の歴史と下座音楽のいろいろ、楽器や下座音楽に携わった人を考える。 - 新撰組の描かれ方
※新撰組の史実と史料、子母澤寛と司馬遼太郎の新撰組ものを比較検討。 - 本朝二十不孝』論
※江戸期の孝行、不孝の実例を探り、西鶴『本朝二十不孝』の目的を考察。 - 子供妖怪…一つ目小僧、豆腐小僧、座敷童子…
※地方型妖怪の座敷童子、都市型妖怪の豆腐小僧、兼ねる一つ目小僧の世界。 - 中国文学『三国志演義』と『水滸伝』の日本に与えた影響
※江戸文学における『三国志演義』と『水滸伝』の影響を辿り、特徴を考える。 - 西鶴『好色五人女』における男性の描かれ方
※『五人女』の男性の描かれ方を取り上げ、ヒロインに対するその役割を考察。 - 江戸文学の恋愛描写…近松世話浄瑠璃…
※近松の世話浄瑠璃6作から、人妻と遊女における真心の表し方の表現を考察。 - 江戸の盛り場…火除地と悪所…
※浅草と深川の2つの盛り場を取り上げ、見世物と遊里からその特性を探る。 - 南蛮趣味
※江戸への南蛮、特にオランダからの輸入品の多様性に異国への思いを説く。 - 国学の流れ…本居宣長と塙保己一
※契沖から篤胤、広道に至る国学の流れ。本居宣長と塙保己一の国学と文学。 - 江戸文学に見る江戸期建築物の生活空間
※長屋、髪結床、湯屋、宿屋の4種の建築を通して江戸っ子像を探る。 - 歌舞伎とオペラ
※竹田出雲「義経千本桜」とモーツァルト「魔笛」を音の使い方を中心に比較。
2001年度提出
- 子どもたちのヒーロー-金太郎とアンパンマン-
※江戸期の金太郎の歴史と草双紙の中の姿を追い、現代のアンパンマンと比較。 - 江戸の火事
八百屋お七と大奥に放火したとめの二人の少女を比較し、その差を考える。 - キリシタン文学の意義
※島原の乱をめぐる『切支丹御対治物語』と『四郎乱物語』の庶民の読まれ方。 - 鳥山石燕『画図百鬼夜行』データベース
※『画図百鬼夜行』の中の203体の妖怪の定義と分類、画像データベースを公開。 - 宮本武蔵の虚構と現実~吉川英治論との比較~
※江戸期の資料の中の武蔵像と吉川武蔵を決闘場面や人間像を中心に比較検討。 - 江戸後期の花と文学
※園芸の歴史と江戸期の園芸植物を紹介、朝顔を特に図譜や文学から考察。 - 江戸の髪型の歴史-江戸時代の女髷-
※日本の髪型の歴史を見て、江戸期の女髷の代表例、特に島田髷を考える。 - 作者に与えた社会の影響~西鶴晩年の作品から~
※『西鶴諸国ばなし』『日本永代蔵』『世間胸算用』に見る町人と金の描き方。 - 「万の文反古」論~西鶴が描いた現実社会と人の心~
※書簡体小説『万の文反古』に見られる西鶴の書簡という手法の特徴を探る。 - 雨月物語ハイパーテキスト-「青頭巾」「夢応の鯉魚」-
※『雨月物語』中の2編をテキストと原本、語釈、画像を用いてハイパーテキストに。 - 「好色五人女」のヒロインたち~西鶴の描いた女性像~
※お夏、おせん、おさん、お七、おまんの五人のヒロインを事件の史実と比較。 - 桜姫の系譜
※「一心二河白道」に始まる清玄桜姫の系譜を南北まで丁寧に辿った力作。 - 「水滸伝」の印した巨歩-戯作への影響-
※「水滸伝」の成立と日本への伝播、種々の戯作に与えた影響を考察。 - 「四谷怪談」の世界-その人間関係について-
※「四谷怪談」の登場人物を個別とお岩と伊右衛門などの関係別に見る。 - 各地に伝わる皿屋敷伝説
※各地の皿屋敷伝説を地区別に集め、皿と針の二種類の伝説を丁寧に考察。
2000年度提出
- 庶民における南蛮趣味
※只野真葛『むかしばなし』,森島中良『紅毛雑話』、金唐皮などを巡って。 - 浄瑠璃と仏教ー近松の心中物に見る仏教観ー
※江戸期の仏教と近松の心中物の紹介、仏教が心中の歯止めになる事を願った。 - 『耳嚢』の中の「精神病」
※日本での精神病の理解と治療の歴史、『耳嚢』にみられる乱心と狐憑き。 - 『南総里見八犬伝』~戦いに観る物語の変容~
※『八犬伝』の中の対管領戦を含む戦いの場をエンターティンメントとして見る。 - 『雨月物語』と『夢十夜』
※「約束」をキーワードに『夢』の第一,九夜、『雨月』の菊花の約と浅茅が宿を見る。 - 寺山修司と山東京伝ー「稲妻」をめぐってー
※京伝の「昔話稲妻表紙」と寺山「新釈稲草紙」を見世物、母親探し等から見る。 - 『椿説弓張月』と琉球
※江戸期を中心とした琉球の歴史と為朝伝説、『弓張月』の中の為朝を見る。 - 西鶴と近松ー衣裳風俗に見られる作風の違いー
※西鶴と近松の代表作品から衣装と風俗描写を抜き、二人の作風の違いを考察。 - 京伝『小紋雅話』の世界
※服飾史と小紋の流行、京伝『小紋雅話』中の模様の作り方を見ていく。 - 初期子ども絵本について
※江戸の草双紙と上方子ども絵本との違い、花咲爺、舌切雀等の草双紙の歴史。 - かわら版データベース
※かわら版の歴史と解説。画像(2種類)入りデータベースの作成。
1999年度提出
- 『浮世風呂』に見られる当時の日常
※風呂の歴史、種類、銭湯のいろいろ、『浮世風呂』の男湯と女湯を読む。 - 『誹風柳多留』に見る女性像
※『柳多留』の中の定型化された女たち、娘、女房、母、下女、特に嫁・姑。 - 近世子供絵本について-童話の変遷をめぐって-
※上方絵本と草双紙の紹介、特に桃太郎の変遷を追い、童話の残酷性、子供とは。 - 江戸時代の化粧-男の化粧から女の化粧へ-
※地位のシンボルとしての男の化粧から、美しくなる女の化粧への変遷を追う。 - 江戸時代の酒と酒飲み
※日本酒の歴史と酒類:『本朝食鑑』、年中行事の中の酒、三馬と落語の酒。 - 江戸の流行発信-人気役者による流行-
※歌舞伎役者の流行発信:色,模様,帽子,帯,髪型,仕掛け絵,店,役者合巻。 - 秋成と西鶴の描く執着
※秋成『雨月物語』と西鶴の作品から、「執着」をテーマに比較考察。 - 人物描写から考察する近松・西鶴作品
※『曾根崎心中』と『好色五人女』巻三の人物の外見描写について。 - 近世翻刻資料索引
※1986~1996に出された近世文学の翻刻資料3858件のデータベース。 - 『死霊解脱物語聞書』-祐天上人像と仏教的罪悪感について-
※累と助の除霊成功譚の『死霊解脱物語聞書』とエクソシスト祐天上人について。 - 江戸の能
※江戸時代の能の記録:辻能と勧進能など、を随筆類から丁寧に探る。 - 良寛と江戸時代の子どもたち
※良寛の生涯とその作品、良寛の回りの子供たちと浮世絵の子供との比較。 - 酒呑童子の変遷
※御伽草子『酒呑童子』と江戸期の浄瑠璃、草双紙の酒呑童子、鬼と童子神。 - 江戸時代と疱瘡
※疱瘡の歴史と疱瘡に罹った子供達の姿、紅摺の疱瘡絵本の考察。 - 草双紙にみる表紙絵の変遷
※加賀文庫と東洋文庫所蔵の草双紙の表紙の変遷をカラー図版を多用して辿る。 - 近世女性労働研究文献目録
※近世女性の労働研究文献目録と二人の女性を追う考察。 - 『耳嚢』-宮部みゆきワールド-
※宮部みゆきの江戸随筆『耳嚢』に取材した作品『震える舌』を考える。 - 十返舎一九と狐
※狐のイメージをさまざまに探り、一九の化物を扱う草双紙の中の狐を見る。 - 江戸の老い・我々が江戸に学ぶこと
※江戸人にとっての「生と死」。『養生訓』『日本永代蔵』等と現代の比較。 - 『雲根志』にみる江戸時代
※石収集家の木内石亭の表した『雲根志』を、博物学の流行の中に見る。 - 『耳嚢』論-根岸鎮衛と彼の周辺-
※江戸町奉行・根岸鎮衛の表した『耳嚢』の世界と鎮衛の周辺世界。
1998年度提出
- 『恨の介』と近世初期世相
※仮名草子『恨の介』の成立事情を二つの事件とカブキ者に探る。 - 江戸文学にみるヨーロッパ
※鎖国日本のとっての海外を『増補華夷通商考』『阿蘭陀風説書』等に見る。 - 男色と男性の性
※男性にとっての男色とは女色の代替性であることを、風俗から考察。 - 国芳と芳年-その浮世絵の流れ-
※国芳から芳年への流れを、時代別の代表作を通して見ていく。 - 「仮名手本中心蔵」にみる女性
※おかると戸無瀬を通じて忠臣蔵の女性像を見、江戸の女性像と比較。 - 『日本永代蔵』と商人
※『永代蔵』とモデルとなった実在の長者たちの姿を比べ、流通を見る。 - 江戸の心中-遊女の心中とその死生観
※心中の歴史、遊女を通じて『曽根崎心中』と『心中天の網島』を比較。 - 『英草紙』にみる読本の発生について
※作者:都賀庭鐘と、「三言二拍」や通俗軍談を通じての読本発生の諸問題。 - 斎藤月岑-江戸をルポライティングした男
※江戸末期のマルチ人間である町名主の斎藤月岑の生涯と著作。 - 建部綾足の片歌提唱と『本朝水滸伝』
※建部綾足の生涯と学問、そして『本朝水滸伝』の諸問題を綾足に即して見る。 - 江戸時代の交通手段-『東海道中膝栗毛』を追って
※『東海道中膝栗毛』の中の交通手段を歩行の他に馬、駕籠など見ていく。 - 江戸のネコたち-擬人化の世界-
※山東京山の『朧月猫の草紙』を中心に、猫の歴史、国芳の猫の絵を考える。 - 荻生徂徠の研究
※将軍吉宗のブレーンとなった徂徠の学問と漢詩の世界を見る。 - 蝦夷と日本
※黄表紙『悦贔屓蝦夷押領』を中心に、幕府と松前藩と蝦夷の関係。 - 『風流志道軒伝』の世界
※SFをキーワードに、平賀源内と『風流志道軒伝』の世界を考察。 - かわら版にみる江戸時代の情報
※かわら版の歴史と、現代のジャーナリズムとの目的の違い。 - 化粧における上方と江戸の比較
※『都風俗化粧伝』を中心に、江戸の薄化粧と上方の厚化粧の考察。 - 「近松世話物悲劇について」-大経師昔暦・鑓の権三重帷子
※『大経師昔暦』『鑓の権三重帷子』の二作の実際と浄瑠璃、作中人物論。 - 江戸の食べ物
※すし、そば、てんぷらなどの食べ物の歴史と川柳。
1997年度提出
- 近世初期の仏教-天海大僧正を中心に-
※天海を中心に、祟伝、沢庵を通して、政僧と宗教者の姿を見る。 - 「元禄事件」の虚構と真実
※史実としての「元禄事件」と虚構「仮名手本忠臣蔵」の比較検討。 - 江戸っ子の美学
※洒落本・川柳から粋、いき、野暮の言葉を広い、江戸っ子の美意識を探る。 - 「四谷怪談」-その人間模様
※四谷怪談の主筋を担うお岩と伊右衛門、副筋のお袖・直助・与茂七を論じる。 - 『都名所図会』を巡って
※旅の歴史、名所図会の歴史、『都名所図会』の現代のガイドブックの比較。 - 江戸時代の唐話-岡島冠山を中心に-
※唐通事の姿と、冠山の仕事を『唐話纂要』を中心に、徂徠学と絡めて見る。 - 歌舞伎における類型
※歌舞伎の歴史と型について、扮装、演出、楽屋、衣装、道具方など。 - 江戸時代の女性の生き方
※お洒落、旅、女大学、そして遊女の生活を中心に女性の暗い実相を考える。 - 大岡越前守忠相-名奉行への格付け-
※大岡忠相の歴史的事跡と『大岡政談』に見る虚像化との相違を探る。 - 江戸における桃太郎噺-草双紙を通して-
※草双紙の中での桃太郎の変遷を五つの作を代表に見ていき、その魅力を探る。 - 異国趣味の魅力-その影響-
※田沼時代を中心に異国趣味を見、森島中良の「紅毛雑話」の内容、影響を見る。 - 『伊曾保物語』にみる人々の意志
※天草本と古活字本伊曽保物語。伊曽保の生涯を中心に動物譚などを考える。 - 「樊カイ論」
※上田秋成の『春雨物語』の各話の紹介とハンカイの生き方について。 - 『偽紫田舎源氏』筆禍事件についての考察
※『偽紫田舎源氏』の時代背景、種彦の作品紹介、そして筆禍事件一件。 - 江戸時代の菓子
※和菓子の歴史と馬琴日記に見る記事を通しての江戸庶民と和菓子。 - 近世における男色と現代の同性愛の比較
※江戸の男色を文学に見、近代の薩摩、現代の美少年ブームと比較する。 - 江戸の芝居空間
※歌舞伎の歴史と、芝居小屋と役者の側面から歌舞伎を考える、力作! - 江戸の情報屋-『藤岡屋日記』
※藤岡屋由蔵の情報データベースとその土台となる江戸の蔵書家の人々。 - 『東海道中膝栗毛』における宿場町の名所案内
※膝栗毛に出る宿場町からいくつか選んで、その旅行ガイド。
1996年度提出
- 江戸の風呂
※湯屋の歴史と風俗、道具など湯屋の総合研究。 - 江戸の文様ー流行と洒落ー
※着物、縞や役者模様の流行、京伝の手拭い合せ。 - 「鬼界が島」にみる近松の俊寛像
※平家物語、源平盛衰記、謡曲、近松の俊寛の変遷。 - 江戸文化と煙草
※煙草の歴史、道具、歌舞伎と煙草、『えん録』など総合研究。 - 江戸の出版
※京都と江戸の書肆三つの比較(出雲寺和泉掾、蔦屋重三郎、須原屋茂兵衛。 - 歌舞伎の大道具・小道具ーその役割ー
※大道具と小道具のいろいろを解説。 - 月岡芳年の思想について
※芳年がなぜ血みどろ絵を書いたのか。 - 井原西鶴における江戸の金融とお金
※世間胸算用と永代蔵から江戸の金融を考える。 - 江戸時代における『伊勢物語』の研究と享受
※江戸時代に出た伊勢物語の研究所の歴史。 - 西鶴・海音が描いた「八百屋お七」
※お七の事実と物語を西鶴と海音の作で比較。 - 洒落本・人情本に見る人間像
※理想の男女像を古契三笑や傾城買四十八手や梅暦に探る。 - 近世庶民教育の展開
※寺子屋を中心に、江戸期の教育の在り方を見る。 - 天狗の歴史と修験道
※天狗の歴史を追い、種類を探り、修験道との関わりを考える。 - 美人の変遷ー中世から近世へー
※お伽草紙から西鶴、洒落本、人情本にみる美人の形容。 - 『西鶴諸国ばなし』にみる妖怪
※『西鶴諸国ばなし』の中の天狗や姥が火、紫女などの妖怪。 - The・川柳ー類型表現にみる「柳多留」の世界ー
※柳多留の世界の説明。 - 江戸時代における民衆教育の発達ー寺子屋を中心としてー
※寺子屋の教育と現代の義務教育とを比較する。 - 隆慶一郎研究ー時代小説の史実と虚実ー
※『吉原御免状』を通した隆慶一郎研究。 - 「龍とドラゴン」について
※西洋とオリエント、中国の龍の歴史。 - 江戸の刑罰ーその詳細、機能と役割
※江戸の刑罰のいろいろと、現代日本の死刑について考える。 - 『雨月物語』における上田秋成の「怪異」論
※雨月物語のおける中国白話の使い方を通して怪異を探る。 - 『北斎漫画』論
※『北斎漫画』の総合研究。 - 西鶴私論ー町人物にみる笑いー
※笑いの分析を『世間胸算用』と『永代蔵』に試みる。 - 黄表紙ー山東京伝ー
※京伝の黄表紙の研究。 - 極私的・馬場文耕論
※馬場文耕の生涯とその執筆動機を探る、台本仕立の文耕の生活も! - 歌麿と写楽ー蔦屋重三郎の世界ー
※歌麿と写楽の売り出し方を比較して書肆蔦屋重三郎の世界を考える。 - 漂流者 大黒屋光太夫
※『北槎聞略』の著者の光太夫の生涯を通じて幸福を考える。 - 「仮名手本忠臣蔵」に見る忠義
※「忠臣蔵」を追って、登場人物の忠義を考える。
1995年度提出
- 草双紙の挿絵の変遷 ー『稗史億説年代記』をもとにー
※三馬『稗史億説年代記』に登場する浮世絵師を追って、浮世絵の変遷を考察する。 - 洒落本・人情本と女性
※洒落本『古契三笑』『傾城買四十八手』と人情本『春色梅自誉美』からの女性の描きかた。 - 十八大通についての考察
※札差という職業から通という理念を考え、助六と『江戸生艶気樺焼』を比較する。 - 黄表紙の題材としての昔話
※昔話を題材とした草双紙の流れを考察し、とくに桃太郎を取上げた。 - 越後屋呉服店
※三井家資料集を元に越後屋の奉公人の生活や犯罪、川柳などを見る。 - 東海道四谷怪談の怖さ
※四谷怪談を怖さを、音や光、舞台の趣向などから考える。 - 妖怪 鳥居耀蔵
※鳥居耀蔵がなぜ妖怪なのか、川路聖謨、矢部定謙、水野忠邦を用いて考察。 - 遊女の歴史
※発生から売春禁止法までの遊女の歴史を辿り、遊女という存在を考える。 - 長屋における江戸庶民の生活
※長屋の歴史、作りと住人、かれらの生活など、長屋百科。 - 井原西鶴研究ー『好色五人女』にみる西鶴の描いた女性像ー
※『五人女』からおさん、おせん、お七の三人の比較。 - 東海道中膝栗毛論
※十返舎一九の生涯を中心とした『膝栗毛』の弥次北論。 - 江戸の食文化ー蕎麦にみる江戸っ子気質ー
※蕎麦の歴史と江戸の蕎麦屋、そして江戸文芸における蕎麦…。 - 『春色梅児誉美』にみる少女小説の特徴
※『梅児誉美』とハーレクイン・ロマンスを比較して少女小説の特徴を考察。 - 歌麿と京伝の遊び絵ー寛政の出版統制令を通してー
※歌麿の謎絵と京伝の引札をメインに、遊び絵を考察する。 - 長谷川平蔵宣以と人足寄場論ー鬼と呼ばれた男ー
※実在の平蔵と池波正太郎の鬼平との比較を人足寄場を中心にみる。 - 日本「風水」漫遊記ー風水と日本のただならぬ関係ー
※中国に発する都市論としての風水が江戸期に屋敷方位論へと変節するまで。 - 河童の研究
※河童の歴史および江戸から近代までの変遷を多くの書物に追う。 - 廓の美談ー落語「紺屋高尾」と「幾代餅」についてー
※売油郎説話を源とする二つの落語「紺屋高尾」と「幾代餅」の発生を探る。
1994年度提出
- 近世の怪異小説に於ける中国文学との比較と交流
※『剪燈新話』「牡丹燈記」と『御伽婢子』『雨月物語』の比較。 - 十返舎一九論 ー『膝栗毛』をめぐってー
※静岡をめぐる『膝栗毛』の弥次郎兵衛と作者一九との重なり論。 - 江戸時代における恋愛観の研究 ー衆道文化ー
※男色の歴史的および江戸時代の文献にみる紹介。 - 江戸外食文化成立考
※江戸時代の外食文化が、下層の町人達を中核に形成された特殊性を論じる。 - 桜田門外の変における状況的必要性と思想的要因
ーサルでもわかる水戸黄門、サルでもわかる尊王攘夷ー
※初期水戸学、藤田幽谷らの後期水戸学、そして桜田門外の変に至るまで。 - 青頭巾研究 ー食人鬼は救われたかー
※食人、鬼、仏への道の三点から見た『雨月』の「青頭巾」論。 - 草双紙の内容にともなう挿絵の変遷
※赤本、青・黒本、黄表紙、合巻の各時期の代表作による挿絵の変遷を見る。 - 北極星と南極星について
※北辰、妙見信仰と北斗七星(北極)と七福神(南極)による日本人と北、南論 。 - 江戸文芸における化粧広告ー「江戸の水」式亭三馬と「仙女香」坂本氏ー
※式亭三馬売出しの「江戸の水」、書肆坂本氏の「仙女香」の売出しを見る。 - 人魚の研究
※日本の近世文学の人魚を中心に、人魚の歴史を中国、西洋を含めて見る。 - 吉原遊廓と深川遊里について
※吉原と深川、二遊廓の比較を歴史、風俗、さらに洒落本を通して探る。 - 田沼時代から寛政の改革にかけての文学の変遷 ー文人達を通してー
※田沼時代の源内・中良・東作、寛政時代の春町・喜三二・京伝論。 - 近世文学における女性像 ー西鶴と近松ー
※『好色五人女』のおさんと『心中天網島』の小春、おさん論。 - 「吉備津の釜」と女性の嫉妬
※「吉備津の釜」を嫉妬の観点から、日本文学の女性の嫉妬の歴史を考える。 - 江戸時代における風俗描写ー西鶴・京伝・春水についてー
※『好色五人女」「一代女』、『通言総籬』『傾城買四十八手』、『春色梅暦』
1993年度提出
- 狒々および猩々についての研究
※想像上の猿にちかい動物の狒々と猩々についての博物学的考察。 - 『椿説弓張月』と琉球王朝史との関わりー江戸時代の為朝伝説を中心にー
※薩摩藩の琉球政策に乗った作品としての『弓張月』論。
1992年度提出
- 雨月物語論 ー青頭巾と人肉嗜食ー
※上田秋成『雨月物語』中の「青頭巾」を通して、人肉嗜食とは何かを考える。 - 西鶴と近松の悲劇
※『五人女』のお七と「曽根崎心中」を、死の場面を中心に考察。 - 西鶴諸国ばなし論ー「面影の焼残り」の中の蘇りについてー
※西鶴の『諸国ばなし』中の一編から中国と日本の蘇生譚を考察。 - 「仮名手本忠臣蔵」と死
※塩谷判官、早野勘平、斧九太夫の三つの死の比較。