ダイビングビジネスとPL法


スクーバダイビングを行う時、そこには必ず"本来生存不可能な水中において、生命を維持しながら活動を可能とする"器材が、どうしても必要になってきます。
そして、この器材の故障は、ただちに"死"に直結してしまうために、その製造者の製造責任の問題が発生してきます。

臨床スポーツ医学」誌1994.9 (Vol.11 No.9)で後藤與四之氏はこのように書いています。

「減圧証とその予防対策」
ダイビングコンピューター
 減圧症にかかるのは個人差や身体のコンディションの影響が想像以上に大きい
 機種によって減圧症の予防効果が異なるのが実情
 ダイブコンピューターの指示通りに行ったダイビングで減圧症にかかった症例が実際に報告されている

さらに、同誌で石黒信雄氏は「潜水器の安全性」の中で以下の事故の発生のパターンをまとめています。
潜水事故と潜水器具

  1. レギュレータ不良(フリーフロー、吸入時の抵抗大、排気抵抗大、吸入時の空気供給量不足、故障による大量後期損失、エアー切れ等々)→パニック→溺れ→事故
  2. フィンのトラブル(ストラップ外れ、破損、選択ミスによる推進力低下、片足フィン流失等々)→漂流→溺れ→事故
  3. BCのトラブル(破裂、給気不能、排気不能、その他)→事故
  4. マスクのトラブル(ガラス破損、マスクカート不良による大量な海水侵入、ストラップ切断によるマスク顔面保持不能、マスク不良により耳抜き不能その他)→パニック→事故
  5. スノーケルのトラブル(ストラップ破損による流失、整備不良による給排気不能、選択ミスによる給廃棄呼吸の不調、その他)→パニック→事故
  6. ウェットスーツのトラブル(破損、不適合スーツ選択、その他)→急激な体温損失→運動能力の急激な低下→事故
  7. スキューバ用シリンダーバルブ故障→大量空気損失→エアー切れ→事故
  8. スキューバ用シリンダ爆発→事故
  9. スキューバ用レギュレーター注圧ホース切断→事故

    *このホームページでは「スキューバ」は「スクーバ」という用語に統一しています。

上記の潜水器具が関連した事故にはPL法がかかわってくるのは自明です。これらを背景として、この章では、私のアンケートに答えて下さったダイビングの器材製造メーカーの意識の紹介と、ダイビングとは関係ないですが、企業は製造物責任をどう捉えて、その責任を果たすためにどう対処しているかについて、富士ゼロックス株式会社の多大なるご理解と協力により、その社内の取り組みと、PL法そのものについてご紹介いたします。
なお、日本鋼管株式会社がこの度発売した本格的ダイビング用プールについて、そのご協力により資料の紹介をさせていただいております。そちらのページもご覧下さい。
また、陸上のダイビング施設と、自然水域に設置するダイビング施設(三井造船など)についても資料を用意しました。

★現在、公開できるPL法関連の項目は以下の通りです。
大手CカードブランドNAUIにおけるPL法
ダイビング器材メーカーの意識(アンケートへの回答から)


home.gif (2588 バイト)