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LM12(4558)型パワーアンプ と QS/SQエンコーダ 小高@練馬
◎ LM12(4558)型パワーアンプに付いて
参考にした LM12パワーオペアンプの等価回路 と 4558系オペアンプの等価回路。
これまで、製作ご協力頂いた方々からのご指摘として以下がありました。
1) 数10kの大振幅を入力すると非対称になり、結果DC検出で切れる。
2) 矩形波の立ち上がり時、アンダーシュートが発生する。
3) フルスイング時、耐圧を若干超える部品がある。
4) 一部の電解コンデンサが温まる。
これら 1)から4)の対策は、
1) の非対称と2)のアンダーシュートは、何れも初段差動回路が要因と判明し、
差動回路のカレントミラー R503、R508、R303、R308を(10kから)3.9k に変更。
定電流ドライブ段の抵抗 R315、R515 を(150オームから)100オーム に変更。
にて 1)、2)はほぼ解消し、更に、
差動回路の位相補正 R306、R506、C301、C501 を削除、
該差動回路の Q301/Q306、Q501/Q506 のそれぞれのベース同士間に、
上記位相補正と同じ定数の R330、R530、C312、C512 をP板に裏付け。
これにより 1)、2)の現象は完全に解消。
3) の耐圧不足は、部品交換。(但し、通常使用では問題なし)
定電流ドライブ段の Q508/Q509 の 2SA1015GR/2SC1815GR を A970GR/C2240GR に変更。
ドライブ回路の Q512/Q513 の 2SC2655Y/2SA1020Y を TTC015B/TTA008B に変更。
これにより 3)の問題が解消。
4) 3端子レギュレータからの基板を介しての熱伝導が要因。(熱的には問題なし)
放熱器なしの3端子レギュレータの放熱は殆どリード線が担い、
プリント板のパターンを通し近くの部品が温まりますが、
電解コンデンサは特にリード線が太い為、影響を受け易い様です。
今後のP板設計に反映したいと思います。
補足ですが、ディスクリート部品が入手困難になりつつある中、
パワートランジスタ 2SC2837P/2SA1186P は、2SC5100P/2SA1908P、
2SC5198-O/2SA1941-O、2SC3519AP/2SA1386AP
に代替できます。
◎ QS/SQエンコーダに付いて
一見、ラジコンのコントローラの様ですが、QS/SQエンコーダです。
山水QS方式では4.0チャネルだけではなく、5.1チャネル音源のエンコードも考慮。
又、(余興で)サブ基板にてパンポット機能も付けて見ました。
但し、ソニーSQ方式(を始め、シャイバー、ダイナコ、エレボイ、ドルビー方式等)
は再生系を含め、理論上、周囲壁際しか移動/定位できない(伝送できない)故、
(自由に音を飛ばす事や残響等の表現/伝送は困難故 )
パンポットの機能/操作にも制約が付きます。
発表資料(回路図)
関連資料
パワーアンプ V1.3
パワーアンプ
V2.0(DCサーボなしバージョン)
回路図、部品表、アンプ基板実体図、電源基板実体図、マニュアル。
パワーアンプ
V2.1(DCサーボなしバージョン)
回路図、部品表、アンプ基板実体図、電源基板実体図、マニュアル。