ウッドデッキに屋根を付ける
兵庫県のS.T様から燻煙木材で屋根を付けられたパーゴラ仕様のウッドデッキ作品をご紹介いたします。
間口は2730mm×奥行き2100mmの広さがあります。屋根部分はそれよりも450mmずつ軒が出るように小屋伏せの軸組構造になっています。
長柱は躯体についているサッシBOXよりも桁材が上につくように長柱長さ2400mmの高さがあります。
長柱の上に桁材を廻して、母屋束を建てて、母屋材を付けてタルキ、野縁材、ポリカ波板を葺いたパーゴラ作品です。
オプション製品のステップを1台設けられています。
ウッドデッキのカラーはチークカラーです。
ウッドデッキの組み立て工程
土台に土台束を付ける
ブルーシートの包まれているのが燻煙グレードのウッドデッキ部材群です。
土台に土台束を差し込むところの作業をしているところです。土台を逆さまにしているので根太掘りが下になっているのが分かります。
土台束は端のところは半ホゾ差しで中に来る土台束は全(4面胴付き)ホゾ差しの作りになっています。
◆ウッドデッキの伝統軸組工法
土台に土台束を付けられたところです。
間口が2730mmですので土台束間隔は910mm間隔ですので土台1本分には4本の土台束が付かります。
端の部分には土台同士をつなげる蟻仕口の加工が見られます。
◆ウッドデッキの技術工法
土台の組み付け
廻り土台に大引も取り付けられています。この写真の状態が廻り土台と大引、土台束が取りつかった下廻りの出来上がりです。
土台部分には、柱ホゾ穴と根太掘りも見られます。
地面には防湿シートを敷いて湿気対策をされています。この作業はシロアリ対策にも効果がありますね。
ピンコロの束石を12か所設置いたしてウッドデッキを支えます。
床伏せ軸組の完成
土台と大引に根太を付けられて下廻りの完成です。いわゆる、床伏せ軸組の完成というところです。
防湿シートに小砂利敷いてシートを抑えと美観の2点の効果が期待されます。
長柱に桁材を取り付ける
4隅に長柱を建てられて桁材を廻されました。4方を桁材で廻してから母屋材を組み付けて屋根勾配を付ける構造です。
長柱には中間部分に笠木が取りつく切込み加工が見られます。
長柱の間に建っているのがいわゆる管柱です。桁材の長柱からの出は450mmの軒出を確保しています。
桁材の端部は斜め加工のデザインがされています。
垂直を測る
長柱を下げふりで垂直を測られています。大切な作業ですね。この仕方次第で作品の出来に雲泥の差がでます。
仮筋違を付けられて垂直を測りながら仮筋違で調整しながら良しとなったところで仮固定します。
たくさんの仮筋違がありますね。4隅の長柱を一本一本確実に垂直を測っていきます。
前後と左右の2面を測りますので仮筋違も多くなります。
クロスフェンスを作る
両側にクロスフェンスを付けられます。クロスは一辺が長くなっていますので現場にあわせてカットしてビスで止めていきます。
笠木を笠木切込みに差し込んで笠木を納めることによりクロスフェンスが出来上がります。
クロスフェンスを付けることによりクロスが筋違の役目も果たしますのでパーゴラの揺れ止め効果も果たします。
フェンスは美観と安全対策及び耐震材の三役を果たしますね。
小屋伏せ軸組の完成
桁材も廻されて、躯体側には母屋束を3箇所建てて母屋材も取り付けられています。更にタルキを取り付けてタルキの上に野縁材を付けられてこれにより
小屋伏せ軸組が完成したことになります。
◆パーゴラの製作
タルキは75mm×45mmの部材を採用しました。垂木間隔は基準間隔の600mm以内に納めています。
野縁材は39mm×36mmの部材で野縁間隔は500mm以内に納めるようにしています。
充分な小屋伏せ構造ですので大雪が積もっても問題ありません。
桁材にタルキを止めるのにタルキは75mmの背があるので下穴をあけて付属のビスで止めていきます。
野縁材はそのまま上から付属ビスで止めて行っていいでしょう。
塗装済みの製品ですのですべて万遍なく塗装されていますのでポリカ波板を張っても塗り残しがでないのが良いですね。
野縁材をタルキよりも少し出した感じが理想です。写真のように少し出すことによりポリカ波板を張って行くことにより
野縁材の出とポリカ波板の出を出すことによりタルキに雨水が直接かからないようになります。
基本的に柱や桁材などは90mm角材を採用します。90mmの厚みのある木材であれば座屈係数は充分な値ですので例えば大雪などが積もっても
折れることは無い安全な太さです。
ウッドデッキの完成
ポリカ波板を張ってウッドデッキが完成しました
ポリカ波板を張られて完成されました。仮筋違も取られて綺麗になりました。
デッキ部分と屋根部分の広さの対比もいいので雨除けとして充分ではないでしょうか。
綺麗に出来上がりました。
出入り口部分に昇降用のステップも見られますね。ステップの地面には砕石が敷かれていますので、
雨落ち対策とステップの脚の保護などに効果があると思います。
床板もきれいに張られました。床板は120mm×40mmの厚みのある部材ですので少々のことでは割れたり壊れたりしません。
根太間隔も303mm間隔があるので過分な配置なくらいです。右手にメーターが見られますがほんとにピッタリの丁度いい大きさなのですね。
躯体側の桁材の上にあるのが母屋材で、母屋束3本で母屋を支えます。桁材と母屋材の取り付け方がいわゆる真束(しんづか)小屋組みと呼ばれる和風小屋組みの代表です。
桁材と母屋束を通して母屋材と共同して耐荷重を支えることができます。
綺麗に出来上がりました。カラーはチークカラーになります。
燻煙木材で作られましたので耐久性も抜群に高くシロアリなどの害虫にも対抗性があり末永くお使いいただけるウッドデッキになっていると思います。
◆ウッドデッキの燻煙木材