東日本大震災のあと、たびたび思い返すことがあるんだよ。あの地震で大切な人を失ったみなさんの中で、今夜また会える、明日また会えると思っていた人と二度と会えなくなることを誰が想像しただろうって・・・。亡くなられた方々もそれは同じで、今際の際に頭をかすめたのはきっと家族のことであり、愛する人のことだったと思うんだよ。大抵のことは後もあるし次もあるのだけれど、後も次もないこともあるわけで・・・。地震ではないけれど私も似たような経験があって、とても悔しい思いをした。そのとき思ったのは、確かなのは今だけ、この今を本音で生きなくてどうするって・・・。幸せの尺度をどこに置くかは人それぞれだけれど、好きな人と過ごしたり、寄り添ったりする時間ってかけがえのないものだと思うんだよ。一番つまらないのは、世間体かな。世界には70億もの人がいるのに一生に出会える人の数って、意外なほど少ないよね?それでも、その中に時々ものすごく波長が合う人が現れるのはなぜだろう。私はやっぱり出会うべくして出会ったと思うんだよ。それでもそんな相手でも、時代や状況が許さずに添い遂げられない男女が山ほどいることを思うとき、よりハードルが高い同性愛者は如何ばかりかと思ってしまう。TOMOKOとIちゃんを見ていると、もしかしたら、遠い昔に添えなかった二人が、もう一度この世で引き合わされたんじゃないかなんて・・・。幸いなことにTOMOKOのまわりには同性愛に温かい眼差しを向けてくれている人たちがたくさんいる。自分を信じて幸せになりなさい、TOMOKO。人は行動した後悔よりも行動しなかったときの後悔の方が大きいという言葉があることも添えておくよ。 |