【コウタ・メール12】『コウタパパ、ラジオ出演!』
平成15年1月17日

前回で緊急連絡させて頂いた「コウタパパ、ラジオ出演!」のニュースですが、急で早朝でしたので、お聞き逃しされた方も多いと思います。内容を記録しましたので、ご紹介します。

●下村 「〜現在、登録したドナー全部の人と骨髄の型がマッチングしなくて移植してもらえない患者さんが2000人ほどいます。
今日は、その2000人の一人である6才のコウタ君のケースをご紹介します。コウタ君のお父さんと電話がつながっています。おはようございます」
○名川 「おはようございます、名川と申します」
●下村 「コウタ君の病気はどのような経過をたどって来たのですか?」
○名川 「昨年の8月から風邪のような症状を何回も繰り返しました。脚が痛いとか、熱っぽいとか、一ヶ月くらい繰り返し、病院で血液検査をしたところ、すぐ急性リンパ性白血病という診断されるくらい病状が進んでいました。」
●下村 「もともと病気がちということはなかったのですか?」
○名川 「いたって丈夫な子だったので、まさかと言う思いでした。」
●下村 「9月に診断されて、まだ4ヶ月しか経っていないのですね。現状はどうですか?」
○名川 「まだというか、もうというか、、、。いまは抗がん剤が上手く効いて状態はとてもいいです。薬の副作用(脱毛や吐き気)はありますが、食欲も元気もあります。点滴がつなぎっぱなしで動きは制限されています。」
●下村 「ところで、2000人の中には、病気が進行して行って、移植のリミットが近づいてきている人もいる訳ですね。これ以上待つと、ドナーが見つかっても手術ができない、、、。コウタ君も間近とか?」
○名川 「そうです。白血病には急性と慢性があって、コウタの場合は急性です。しかも、染色体に異常を起こしてしまったタイプで、非常に再発率が高い白血病だそうです。そういう白血病は、コウタ自身の血液をつくる細胞を破壊して新しい細胞を入れるという、いわゆる骨髄移植を早い段階でするべきだそうです。長く抗がん剤で引き伸ばすのが難しいタイプ、というのがタイムリミットにつながっています。」
●下村 「お医者さんからは、いつごろと言われているのですか?」
○名川 「3月ごろの骨髄移植と言われています」
●下村 「逆算すると、ドナーを見つけるリミットはいつなのですか?」
○名川 「個別検査で今月いっぱい、2月半ばが限界です。」
●下村 「ご友人とか、どのくらいの方を(個別)検査されたのですか?」
○名川 「200人ちょっとです。」
●下村 「それまで、骨髄バンクに登録された16万人も含め、その方々も全部合わなかった訳ですね。」
○名川 「はい。海外の骨髄バンクも合いませんでした。」
●下村 「それでも、骨髄バンクに登録して下さい。と、先月頃からHPを立ち上げて呼びかけている訳ですが、反響の方はどうですか?」
○名川 「思わぬ方から、『骨髄バンクに登録してきたよ』とか『個別検査をしてきたよ』とか言われ、反響はとてもいいと私は思っています。本当に有り難くて、皆さんに支えられていることがよく分かりました。子供の病気を通じて分かったと言うのが辛いですが、ひとりでは生きていけないと言うことが本当によく分かりました。」
●下村 「骨髄バンクの登録は、具体的に何をしたらいいのですか?」
○名川 「最寄の献血センターや保健所で採血を10ccして頂くことで登録は出来ます。でも、後の骨髄移植のことをよく認識して頂いてから登録してもらわなければいけません。」
●下村 「私も骨髄バンクのスタートの頃報道したことがあるのですが、川におぼれている人に跳び込んで助けに行くようなものだと聞いたことがあります。跳び込んだ後の自分の責任の部分も腹を決めて跳び込んでね、という感じです。
骨髄バンクの方でも制度の改良に努めているようです。今月から適性検査の基準を変えて、ドナーの健康チェックなどの安全性をより高めるとか、14日から、待っている2000人の方がマッチング作業の進捗状況を電話で問合せできる情報公開などを始めたようです。でも、なかなか目標人数(30万人)に達しないそうです。
新しい登録数の月別データでは、日本全国で毎月1500人から多い月で2500人ほどです。ところで、コウタ君は自分の病気のことを知っているのですか?」
○名川 「病名をストレートには話していませんが、体の中の血液が悪くなってしまったと説明しています。レンジャーものに喩えて、悪の血液軍団がコウタの体をいじめているからやっつけようと話しています。骨髄移植に関しては、血液を造る工場を破壊して新しい工場を立て直すんだ、と話しました。本人も頑張って戦うと認識していると思います。負けると死んじゃうんだよね、と言われ言葉がなくなりましたが、そうだ、負けると死ぬんだよ、と話しました。いま、コウタがどう理解し頑張っているのか分かりませんが、その話しの後は逆に両親を励ましてくれる時があるので、そんな時はウルウルときちゃいますね。」
●下村 「10cc登録して、ある程度型が合った後、検査があるのですね。
○名川 「そうです。提供者の健康チェックが第一になるので、念入りにやって頂く期間を考えるとリミットが出てきます。」
●下村 「お父さんがコウタ君へのダイレクトな個別検査をお願いするのは、親の気持ちとしてよく分かるのですが、それを越えて、手間と時間がかかる骨髄バンクドナー登録を呼びかけるのは、どういうお気持ちからですか?」
○名川 「骨髄バンクのドナー登録が増えることは、まわりまわって必ずコウタに救いの手が差し伸べられていくことだと思います。それと、他にもコウタと同じ病気で頑張っている子供も大人もいることを考えると、まわるようでも早道なのはバンク登録だと思います。骨髄バンクも大変なことはあるのでしょうが、骨髄バンクが出来てたくさん救われた方もあるようですし、皆さんの善意に頼ることになりますが、早道だという気がします。
今から登録して頂いても、今回のコウタの最初の移植には間に合いませんが、コウタが一年でも二年でも頑張ってくれれば、必ずマッチングする人が現れてくれるのではないかという気持ちがあります。2000人近く白血病と闘っている人がいるので、皆さんのご理解を得たいと思っています。」
●下村 「今年のお正月はどう過ごされたのですか?」
○名川 「コウタの病院で家族で過ごしました。」
●下村 「二人のお兄さんも一緒に、昨年のお正月は発病8ヶ月前で、コウタ君は全く元気だったのですよね。」
○名川 「まったく、平和なお正月でした。」 
●下村 「抗がん剤が効いて元気な状態でいる間に、一刻も早く提供者が現れることを祈るばかりです。
ここで、骨髄バンクの問合せ先をお伝えします。
フリーダイヤル0120-445-445
 これは骨髄移植財団の問い合わせ番号です。いますぐ登録してもコウタ君には間に合わないかも知れないのですが、2000人の待っている人にマッチングする可能性もありますしね。2000人の待っている人の一人、名川晃太君のお父さんにお話を伺いました。コウタ君にもよろしくお伝え下さい。今日はどうもありがとうございました。」
○名川 「ありがとうございました。」
   
   
以上、です。
省略できるところがなくて長くなってしまいました。打ちっぱなしですので、誤字脱字すみません。最後まで読んで下さってありがとうございました。下村さんはコウタのHPをご覧になって、ご自分からコウタパパに取材に来て下さったとのこと、HPにリンクを貼って下さって下さった方々にも心から感謝します。ネットや口コミで広がっているコウタの支援を、もしも目で見ることが出来たら、どこまで広がっているのでしょう。コウタも頑張っていますので、皆さんも寒さに負けず、頑張って下さい。

…………TBSラジオ【AM 954kHz】土曜 6:05〜6:25 am
「下村健一の眼のツケドコロ」リポーター
⇒ http://www.tbs.co.jp/radio/np/eye/eye_frame.htm