The fairy of
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三国峠・軍刀利神社元社

軍刀利神社の桂

桂の大木との出会い

桂の木霊

軍刀利神社元社

大桂・焦砂糖の匂い

猿の群れ〜ホタルを探して


2002年5月25日(土)
朝は本当に苦手なのだが、珍しくスッキリと目覚める。何となく気がみなぎっている感じがする。昨夜
から大桂に逢いに行くイメージが出来上がっていたせいだろうか?心体の赴くままに行動。
08:00
高円寺を出発。いつも通り中央高速経由で上野原を目指そうとしたが、すでに高速は20KM近い大渋滞。諦めようとも思ったが、雲一つ無い快晴、気持ちのいい日差しの中、とりあえず青梅街道を西へ走る。街道は、なかなか空いている。一般道を走って五日市経由で北側から回りこんで軍刀利神社を目指すことにした。(以前、帰路に利用したことがある)青梅から秋川街道に入る。
09:30
なかなか順調。’かやくぼ’あたりのセブンイレブンで用を足し、昼食のオニギリを買う。このあたりに’つるつる温泉’なんてのがある。五日市を通り越し、檜原街道へ。檜原村役場付近で’ゴスペルビレッジ’を発見。ゴスペル習ってみたいんだよなあと思いつつ山道に入る。8KMほどで上野原方面へ左折。
10:13
甲武トンネル(954M)を抜けると山梨県に入る。川を渡ると上野原方面からのいつもの道に合流。10:30軍刀利神社の駐車場に入った。神社の入り口、川沿いの道は工事中だが、綺麗になりつつあった。車を降りて、さあ登るぞと思ったが、何かがおかしい。車のキーを抜いても警告音が鳴っている。危ない危ない、車幅灯がつけっぱなしだ。以前、恐山で車幅灯をつけっぱなしにしてバッテリーがあがり四苦八苦したことを思い出し胸を撫で下ろした。遠くから見る大桂は、3月に来た時には赤かったが今日は青々している。周りの緑に溶け込んでいるがやはり大桂だけ浮き上がって見える。大桂の木の下で笠をかぶったおじさんとおばさんが見える。それにしても、何時来ても圧倒する大桂だ。ハート型の葉はとても大きくなっている。元気そうだ。晴天なのだが、ここだけは異様に葉が生い茂り、影の中に包まれた空間は何とも言えない緑の世界でとても美しい。そこに木霊がいても全く違和感のない別世界のような空間。また、木霊が写るだろうか。写真を写していると、さっきのおじさんが富士山が見えると教えてくれた。右上部の川から確かに富士山が見える。少し雲に隠れているが、富士山を入れた大桂の写真がとれた。さらにおじさんは、その川でムカシトンボだと指をさしカメラをかまえて追いかけている。(ムカシトンボは、水の綺麗なこのような源流の川にいるようだ)
昆虫などを撮り続けている写真家のようだ。しばらくすると、おばさんが何かの巣?(昆虫?)を見つけたようで、おじさんはトンボどころじゃないと一目散に山道に消えていった。しばらく大桂の写真を撮る。
11:00
おじさんから三国(さんごく)峠までは、本によると60分位と書いてあるが、おじさんの足で90分位かかると脅かされたが、なかなかチャンスもないだろうと登ることにした。途中、川上部でカメラをかまえているおじさんに会ったがその真剣な様子に声はかけられずにそのまま登り続けた。(一体、何を狙っていたのだろう・・?おじさんのキラキラした子供のような瞳が印象的だった)登り始めると思ったよりも結構きつい。直登コースの植物帯のジグザグの山道は勾配がきつくすぐに息が切れる。日頃鍛えていないし、デスクワークが増えているし、久々の登山でなお更こたえる。これで60〜90分かかるんじゃと諦めかけるが、もう二度と来れないかもしれないと思いとどまった。山登りは、人生と同じだ。距離をベースにおいて考えれば、行き急いで・・・時間をベースにおいて考えれば、生き急いで・・・考えがまとまらないまま何度となくバクバクいう心臓を休めながらやっとペースが掴めてきた頃、約40分で尾根道に合流した。どうりでペースが早すぎたわけだ。平らに近い尾根道・・何て楽なんだろう。そこから三国峠までは約5分足らずで着いた。それまで誰一人として出くわさなかったが山頂には3人程いる。雲に霞んではいるが富士山が見えていい眺めだ。そこから熊倉山方面と生藤山に道が分岐している。どちらに行ったらいいか分からず、休んでいる人に聞いてみる。運良く熊倉山方面から来たらしく、途中で鳥居を通過していた。彼がいなければ迷っていたはずだ。山道をダウン。ホーホケキョ・・沢山の鳥たちが合唱している。そして勾配のきつい階段状の道を登りきるとまだ真新しい軍刀利神社元社の鳥居があった。
12:00
ついに目指す鳥居にたどり着いた。こんな所に建てたのかと感動する。眼下に東相模ゴルフ場、正面には富士山が見える。汗まみれのポロシャツを脱いで、紫外線の強そうな強烈な日差しの中、しばし休憩。2羽のクロアゲハが絡まりながら空を舞っている。落ち着いたところでお参りをして写真を撮る。鳥居の置くには、軍刀利大明神の御札が祭られており、錆付いた短刀が置かれている。その奥には軍刀利神社元社跡と書かれた標柱が見える。裏側から鳥居を見ると富士山がすっぽりと入る。この地で日本武尊がご休憩され軍を調えたそうだがその時にも富士山は見えたのだろうか・・?ここで昼食をとり、横になり、心体の赴くままに時を過ごした。
13:00
たっぷりとエネルギーを頂きこの地を後にする。甘草水へ行こうと思ったが、下りとなり、途中で引き返す。尾根から、勾配のきつい登ってきた道を下る。拾った枝を杖代わりにしながら下る。途中で、2M以上はある蛇に出くわす。下り始めて20分足らずで大桂まで戻ってこれた。途中の沢でペットボトルに水を汲む。(以前、神社でご利益があると汲んでいる人がいたもので)やはり・・大きい。見慣れた大桂ではあるが、やはり大きい。威風堂々、とにかくデカイ。しばらくの休憩の後、また来る事を大桂に約束して帰路に着いた。
14:20
駐車場を出発。いつもと違い、藤野方面へ。途中、陣馬山の麓にある陣馬の湯’陣谷温泉’で温泉に浸かる。1000円はちょっと高かったが露天のような檜風呂はなかなか良かった。ジェットで足をほぐし、のんびり湯に浸かる。15:30相模湖インターから中央高速を上る。予想通りまだ空いている。一時間足らずで都内まで帰ってこれた。次回は、秋にでも逢いに行きたいものだ。砂糖をこがしたような匂いを振りまいている頃に・・・。