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大桂・焦砂糖の匂い

軍刀利神社の桂

桂の大木との出会い

桂の木霊

軍刀利神社元社

大桂・焦砂糖の匂い

猿の群れ〜ホタルを探して


2002年11月22日(金)

朝から曇っている。日中でも気温は上がらず10℃位。この冬一番の寒さだ。紅葉の時期に来たかったのだが、体調を崩したのと、思うように時間が取れなかった為今日になってしまった。少し、紅葉には遅いかと思われたが、どうしてもあの’砂糖を焦がしたような匂い’を嗅いでみたかったのである。11時30分、中央道は、今日まで集中工事で渋滞が予想されたが、新宿から一時間かからずにやって来れた。途中、相模湖の辺りで紅葉はピーク。綺麗に色づいていた。

軍刀利神社へ分岐している川沿いの道は、すっかり工事も終わり綺麗に斑模様の舗装がされていた。いつものようにサイカチの木のある鳥居をくぐり勾配のある道を登る。参拝者用の駐車場に車を入れて、その先の社務所の軒下に下がっているノートを拝見。前回5月に来た時には、真っ白だったノートには軍刀利神社の御利益にあやかれればと6ページ程の書き込みがあった。

銀杏の落ち葉を踏みながら階段を登る。更に桂へと続く道へ。砂防ダムを超え見えてきた大桂は、すでにすっかり葉を落としていた。周りに緑の杉が多いだけに寂しげだ。川の水は少なめだ。見上げると、二箇所程、枝が折れていて痛々しい。今シーズンの台風でやられたのだろうか・・・。多少でも葉を残しているのではないかと期待していたのだが・・残念だ。いつものように桂を一回りして写真を
撮る。明日が新嘗祭(にいなめさい)の為か大桂には真新しい紙垂(しで)が巻かれている。

(勤労感謝の日は祝日と定められた際(1948)に「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」という趣旨で定められたようだがこの11月23日は明らかに新嘗祭を意識して定められたもののようだ。新嘗祭(にいなめさい)は古くからの国家の重要な行事であり天皇が国民を代表して、農作物の恵みに感謝する式典だった。「新嘗」とはその年収穫された新しい穀物。)

そして・・砂糖を焦がしたような匂いが・・している。僅かに、ほのかに香ってきたその匂いを初めは幻臭かと思った。しかし、階段の上まで上がると益々強く匂って来た。間違いなく、桂の落葉から匂っている。もう少し早く来ていれば、もっと匂いを振り撒いていたことだろう。

今まで気がつかなかったのだが、この大桂の内部を覗き込むと、そこには大きな石があった。石を取り囲むように成長していったのだろうか?そして、石の脇に緑色の勾玉を発見。誰かが入れていったのだろうか・・。風水で言う龍穴と呼ばれるエネルギーの集約するこの場所に立つ大桂。妖精さえも見せてくれたこの大桂が、この世に生きる人々にどのようなエネルギーを与えるのだろうか・・?

右の小川を渡り、初めての地点で桂を見ると、その根の這い方には目を見張った。桂を挟んだ左右の川に向かって、まるで生き物のように根を走らせている。その力強さには圧倒された。

大桂を離れ、坂を少し下り振り替えると、何かが視界の中で揺れた。それは、初めてここへ来た時に見たモンシロチョウが飛んでいた風の無いゆったりと流れる時間の中のスローモーションのような空間だった。