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 DV−20X H の改造について(その5)です。

これで終わりです。

 固め技を2ヶ所にかけました。
本当は、1ヶ所ずつ順に行い変化を調べたかったのですが、同時になってしまいました。

 エポキシ接着剤を塗って補強する場所は、カンチレバーとコイルボビンの付け根、とコイルそのものです。
始めにカンチレバーとコイルボビンの付け根にエポキシを塗ろうとしましたが、コイルの方にも付いてしまい、一度に両方に塗ってしまいました。

  

 さて、試聴ですが、この改造の前にオルトフォンのMC1ターボを購入し、改造を開始したり、他のカートリッジも改造を始め、試聴をしていましたので、今回の改造前の20Xがどう鳴っていたか良くわからなくなりました。
しかし、前回までで感じていたもったりとしたリズムはさらに薄らいでいるようです。
但し、鳴り方がモニター的になってきている様です。
今までの音は、カートリッジの内部での振動音が付随して鳴っていたような感じです。
それで、高い方の音が少し落ちて物足りなく感じることがあります。
レコードによっては高い弱音が弱くざらついて聞こえますが、トレースしていないのかどうか良くわかりません。
しかし、本当の響きが出てきているようで、例えば、教会録音の物は、教会内部が目の前に出現します。
又、英語のアナウンスで、thの発音が確かに舌で口(歯)をふさいで行っているのがわかりますし、ソプラノの声が機械的だったものが人間っぽくなって聞こえます。
生録物は、余計なノイズ(生活雑音)がさらに良く聞こえるようになりました。

結果は、良好と言いたいところですが、困った面もあります。
それは、今までの音のイメージからちょっとずれているところです。
この方が本物の音、という感じはするのですが、今まで感じていた音の荒れからくる熱気が少し薄れます。
又、聴感上のダイナミックレンジが広がり、ボリュームの位置に困ることがあります。
つまり、弱い音が良く聞こえるようにボリュームを上げると急に大きな音が出てきて慌てるという事があります。
そして、曲間のノイズが減りました。
CD並みとはいきませんが、途中の曲でも最後だと勘違いし、席を立とうとしてしまいます。

 これは良いカートリッジになった、と自己満足はしています。
ただ、聞き方によってカートリッジを替えないとならなくなる面倒が発生しました。
すなわち、まじめに聞くときは、このカートリッジ、ながらで聞くか気休めに聞くような時(これはCDになってしまう事が多いと思います)は、他のカートリッジを使用することになるでしょう。

 最後に試聴機器によって異なる結果が出るかもしれません。
追試される方は十分に注意されてください。

 10X3 の改造については、ここをクリックして下さい。

 DV XX−1 H の改造については、ここをクリックして下さい。
このカートリッジは、20Xの改造の原点です。

 メールは、ita2-yas@hi-ho.ne.jp まで、お寄せ下さい。
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