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 DV XX−1 H の改造について、です。

これが、DV 20Xを改造するきっかけとなったカートリッジです。

 始めは、普通に使用していました。
それまで使用していた10X−2がいつまで使用できるかわからなかったので、これが最後のアナログカートリッジと思い購入したものです。

 このカートリッジには、コイルが磁気回路に巻いてあり、このコイルをSWでO/OFFする事で音質の調整をしています。
SWは、スライドSWで、コイルの前についており、針より先の本体部分が異常に長いカートリッジになっています。
従って、盤面に針を落とす際に針が見づらく、大変使い勝手が悪くなっていました。
SWをON/OFFして聞いてみると、私にとってはOFF時の方が良かったので、このSWを取り、ケースも切り落とし、普通のカートリッジの大きさにしました。

 
”xx”というモデル名の間の部分から切り落としています。
その上の文字は、Flux ”Dumper”です。

正面の丸みを帯びた部分は、ボール紙にエポキシ接着剤を塗った前蓋です。
正面上側の角張った部分は、カートリッジの基台の部分が貫通して出ています。
この先にスライドSWが付いていたと記憶しています。

 又、これは、カンチレバーがボロンですが、購入の際、ボロンは、堅いがもろいので、盤面に落としてしまうとボロっと割れることがある、と注意を受けました。
ある時、アームをアームレストに戻した時、うっかりシェルの指掛けに再び指を当ててしまいました。
不運にもそのとき、アームはアームレストにきちんと戻っていず、アームは、ターンテーブル側に一度上下にジャンプして逆戻りしてしまい、カートリッジは、盤面に強く落とされました。
全く注意を受けた状況と同じになり、カートリッジの針先部分は、割れて飛んでしまったのでした。
そして、どうしようかといじっているうちに残りのカンチレバーが、根本のスリーブからはずれていまいました。

  

 このカートリッジは、メーカーに直接購入に行きましたが、その際に、ルビーカンチレバーアッセンブリーの取り外し品を頂いてきていました。
そこで、ルビーカンチレバーをボロンの壊れたカンチレバーに接ぎ木する事にしました。
それは、10X2で経験済みです。
10X2では、針先が飛んでしまったので、壊れたDVカラット・ルビーのカンチレバーを接ぎ木して使用していました。
今回の修理は、上図右のような感じになります。
実際には、両方のカンチレバーをテープで固定し、エポキシボンドで接着します。
それを元のスリーブに戻して接着するのですが、このスリーブもはずれかけており、カンチレバーはぐらぐらの状態でした。
そこで、スリーブの固定を兼ねて、コイルにもエポキシ接着剤を塗りました。
以下が実際の状態です。白い色は、エポキシ接着剤です。

    

しばらくこれで聞いていたのですが、ある時、針先が飛んで(取れて)しまいました。
接ぎ木の部分には、ストレスがかからずに針に一番ストレスがかかるようです。
仕方なしに、20Xを購入し、同じ様な変更を施し聞いていたのですが、やっとXX−1の修理をする気が起き、再修理をしました。
再修理は、ボロンのカンチレバー部分がはずれていないので、少々やりずらかたのですが、同じように接ぎ木をしました。

接着剤が固まってから聞くと、きちんと高域が伸びていますし、音の立ち上がりが早く、スピード感があります。
ヘッドシェルとシェルリードが異なりますので、厳密な比較は出来ませんが、こちらの方が20Xよりも良いと思います。
又、接ぎ木の悪影響は無さそうに思えます。
但し、又、針先が再び飛ぶのは困るので、普段は、20Xを使うようにします。

 

 以上が、針先を飛ばす等で、カンチレバーを壊された方には、修理のヒントになれば良いと思います。
それでは、 2000.5.21 ita2。

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