寄りみち(VOL.76, 99年10月号)

栗 おいしい日本酒のヘルシー効果!!

 「酒は百薬の長」と言われます。
 先だっては、健康ブームで赤ワインが騒がれましたが、日本酒の健康への効果は沢山あるんですよ。

 清酒中にはガン細胞の増殖を阻止する物質が含まれており、酒粕抽出液にはガン細胞を殺すナチュラルキラー活性を増加させる働きがある(ガンを抑制してくれる)。
 酒粕抽出液には脂肪の分解を抑制するインシュリン様の物質が存在し、成人病、糖尿病の予防や治療に役立つ。
 高血圧の要因であるアンギオテンシン変換酵素を阻害するペプチドが清酒中に3種、酒粕に6種類含まれており高血圧の抑制の効果がある。
 また健忘症への効果や骨粗しょう症の防止、などなど他にも沢山が確認されています。

 そしてストレス解消です。
 お酒の飲めない友人からは「楽しそうでいいね」などと言われ、自分でも日本酒好きで良かったなあと思います。
 しかし、この良薬は「おいしすぎる」のがたまにキズ、良薬も適量ですね。(この適量というのが酒好きにはむずかしいのだ)自分の適量をゆっくりと健康的に楽しみたい。
 これから、どんどんと寒くなってきます。おいしい日本酒で心も芯から温めたいですね。

※ 女性の方々へ。美白効果のコウジ酸や補湿作用などの美白効果もバッチリですヨ。

戸隠さんご夫妻より 吟醸寺子屋 湯島酒堂 体験記(1)

 9月11日土曜日、湯島ハイタウンにて吟醸寺子屋湯島酒堂が開講しました。この寺子屋は真の日本酒の姿とその周辺を、楽しみながら学習しましょうというものです。
 今回、初めて飲み会ではない本部の催しに参加しました(心細いのでうちの奥さんも一緒に)。

 湯島酒堂は3部構成の全6回で1部は篠田先生で、2部は各講師の方が担当され、3部はきき酒となっています。
 第1回目の11日は、1部が篠田先生の「日本の酒の小史」で日本酒の歴史を戦国時代まで聴きました(本当は明治までの予定が時間がなく途中で終了)。
 色々な説や言い伝えに先生自身の考えも入り、とても面白くて聴きやすい、ためになる話でした。

 2部は、高瀬先生の「きき酒について」と栃木で行われた「酒、米サミット」の話で少々固い感じのする内容で、今一度、日本酒に対する認識を考えさせられる話でした。

 3部は、きき酒で今回は「田酒・純米大吟醸」「蔵之主・萬寿鏡大吟醸原酒」「楽最真・真澄大吟醸」「開運・大吟醸」「エクセル・千代の園大吟醸」以上の5種類をきき酒しました。
 さすがに勉強会なだけあって、上立香、含み香、残り香とさまざまな項目をチェックし、それを自分なりの言葉で表現する。これがボキャ貧困で酒歴のない私たちには大変な作業で、またこの表現を提出用紙に文章にするのが一苦労。
 40分のうち25分をも費やし、お酒を楽しむ暇が全然ありませんでした。

 しかし、3部の終わりのほうで篠田先生がボソッと「きき酒が終わって飲む酒はウマイ」と言われたのが印象的でした。

<日本酒の酒造り唄>

 先日、CDde「日本の酒造り唄」が発売になりました。
 機械化が進んで現在ではほとんど唄われなくなった「酒造り唄」聴いてみたい。まあ、お店のBGMになればいいやと思って購入しましたが、BGMにはもったいなかった。ゆっくりと聴いている酒造りの作業の音が入っていたり、それぞれの杜氏集団(〜流)の個性もあり、力強い唄声に圧倒されます。
 興味のある方は聴いてみて下さいねっ。お店でも流せればと思っています。

 CD・BOOK(チクマ秀版社) 坂田美枝(著) 4760円

<写真が届いています>

 7月14日(水)、川崎モアーズ「みさき亭」での第36回木陰浮月粋人盃「菊姫特集」の時の集合写真が二宮さんより届いています。「写っているぞ」と思われる方は当店へ。二宮さんのご好意で無料です。会った時にお礼を言ってねっ。

第37回木陰浮月粋人盃の様子

日本酒のことば(1)

日本酒のこと知ってる?(1)

 日本酒をいろいろと楽しみたいんだけれど、同じ銘柄のお酒も何種類もあって、どれにしたらいいのか、よくわからない。そんな時、自分にあったおいしい日本酒に出会うためにちょぴり知っておきたいこと。(リンク先を見て下さい)

今月の酒・味だより

 昨日は冷やっこ、今日は湯どうふが食べたい・・・。
 それぐらいの気温の差、疲れましたね。これでやっと秋の到来でしょうか・・・。ほっとして落ち着いた気持ちになります。日本酒を心ゆくまで楽しめる季節・・・ゆっくり一杯やりたいな。

富久長吟醸山田ひやおろし

 広島の富久長のお酒。山田錦(酒米)を50%まで磨いて造られた吟醸酒のひやおろしです。
 香りがお酒の中にとけこんだよう、香り華やかでフルーティ、やさしい口当たりのやや辛口タイプ。香りもタップリありますが、酒のふくらみもしっかりあるお酒です。毎年、酒質が良くなっているのがよーくわかる1本だと思います。
 1.8リットルのみ・・・3,000円

渡舟純米吟醸(生)と原酒(生)

 茨城の府中酒造の渡舟(わたりぶね)という酒米で醸されるお酒です。
 春に春酒で出荷されるお酒。春だけの楽しみではちょっと寂しいな!とお蔵元に秋まで預かっていただいたお酒です。春の若々しい青りんごの様な香りも、やさしく熟し、やわらかく味ものってきて旨いですヨ。ほっとやさしい気持ちになる1本です。
 純米吟醸無濾過(生) 1.8リットル・・・3,900円、720ml・・・2,050円
 純米吟醸無濾過(生)原酒 1.8リットルのみ・・・4,600円

西山居(せいざんきょ)ひやおろし

 丹波の酒、小鼓を醸す西山酒造場のお酒です。春は新酒の生酒で、秋には生詰のひやおろしで出されるお酒。

 居純米吟醸(黒ラベル)・・・きめ細かく、やわらかな口当たり、すっきりと楽しめる辛口の酒です。刺身などで一杯やりたい。
 1.8リットル・・・2,700円、720ml・・・1,400円
 純米酒(白ラベル)・・・すっきりと感じるけれど、ちゃんと純米酒らしいふくらみもある。少し温度が上がってくると旨味がグッと広がってきます。こっちは鍋料理で一杯やりたいな。
 1.8リットルのみ・・・2,200円

能登誉特醸八反錦(特別本醸造)

 するするとのどに落ちてゆく感じがとてもここちよいです。
 きき酒会でも上のランクの酒質をも上まわるほど光っていました。冷たい時は骨格のしっかりした酒質ですが、少し温まってくるとぐっと味にまろやかさが出てきます。いくらでも飲める辛口の酒。
 1.8リットル・・・2,429円、720ml・・・1,171円


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