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LM12型パワーアンプ 小高@練馬
LM12パワーオペアンプの等価回路を参考に、ディスクリート化した本パワーアンプは、以前、本三土会にても既に発表しましたが、先日、配布生P板にて製作して頂いた方から、
1)数10kの大振幅を入力すると非対称になり、結果DC検出が働き、切れる。
2)矩形波の立ち上がり時、アンダーシュートが発生する。
という御指摘を頂き不具合発覚に至り、
検討にて、1)の非対称と2)のアンダーシュート双方共、初段差動回路の位相補正コンデンサの残留チャージが主要因と判明し、該差動回路のカレントミラー部の定数変更にてほぼ解消しました。
これに依り、回路フィックスと言う事で、今回、三土会の皆様に音質確認をして頂きました。
以下、今回の参考資料です。
上記の対策の為の、旧回路図/部品表からの当初の変更点は、
カレントミラーの抵抗 R503、R508、R303、R308を(10kから)3.9k に変更。
(等価回路は4kなので素直に踏襲すれば良かった)
その他、R315、R515
を(150オームから)100オーム の変更で若干改善。
その他、C305、C505
の 0.1uは、その有無にて特性/音質変化が認められず、好みとします。
この発表後、検討を続けた所、最終の変更点として、
前記の、
1)非対称性と、2)矩形波のアンダーシュート
の不具合に関し、
位相補正回路の位置の変更
が解決策として効果が大きい事が分かり、
その方法は、
R306、R506、C301、C501 の削除。
そして、
入力差動トランジスタ Q301/Q306、Q501/Q506 のそれぞれのベース同士間に、同じCR定数の
R330、R530、C312、C512 をP板に裏付け。
これに依り、上記不具合が解消される事が確認できました。
更に補足ですが、パワートランジスタ 2SC2837P/2SA1186P が入手困難となった場合、2SC5100P/2SA1908P、2SC5198-O/2SA1941-O、2SC3519AP/2SA1386AP、等、が代替可能と思われます。
又、フルスイング時に耐圧を若干超えるトランジスタがある事が分かり、寿命が気になる場合、Q508/Q509 の 2SA1015GR/2SC1815GR を A970GR/C2240GR に、Q512/Q513 の
2SC2655Y/2SA1020Y を TTC015B/TTA008B に交換して下さい。 (それ以外の汎用トランジスタは A970GR/C2240GR への交換はしないで下さい)
修正後の、
パワーアンプ V1.3(量産バージョン)
注意)
パワーアンプ V2.0(DCサーボなしバージョン)
回路図、部品表、アンプ基板実体図、電源基板実体図、マニュアル。
注意)