美術館見てある記・その4〜日本編

2001年5月5日


 その1・アメリカ編、その2・ドイツ編、その3・フランス編で、海外の美術館ばかり見てきました。では、日本国内では美術館に行ってないのか、というと、確かにあまり行ってはいません。あまり見に行きたいところがないこと、日本の美術館又は美術展は、ガラスの向こうにいかにも偉そうに鎮座した美術品を、人混みの中でありがたく拝見しなければならないので、あまり好きではないのです。どうも、ガラス越しというのが好きになれない最大の原因のような気がします。
 そうは言っても、日本にも美術館はありますので、行ったことのある範囲でのぶらり見てある記です。

<その他の美術館見てある記>
  その1・アメリカ編
  その2・ドイツ編
  その3・フランス編
  その5・美術館2007


1.大原美術館
 岡山県倉敷市にある有名な美術館です。ここには、仕事で四国・高松に行った際、帰りに本四連絡橋を渡る倉敷行きのバスに乗り、ちょっと寄ってきました。
 運河と白壁の歴史的景観の中の、落ち着いた雰囲気の美術館でした。正直言って、これほど充実したコレクションとは思っていませんでした。エル・グレコ「受胎告知」、モネ、セザンヌ、ゴーギャン、ロートレック、ルソー、マティス、ルオー、ユトリロ、モディリアーニ、シャガール、ムンク、ピカソ、ビュッフェ、・・・。民間の美術館にこれほどの充実した美術品が集められているとは、正直言って驚きでした。
 「ついで」に寄っただけなので、ほとんど時間がありませんでしたが、いつかゆっくり再び訪れてみたいと思いました。こんな美術品と隣り合わせに住んでいる倉敷の人がうらやましい。

大原美術館パンフレット 大原美術館パンフレット

2.ボストン美術館
 たまたま、横浜のそごうでボストン美術館展があったので、見に行きました。従って、「日本で見たボストン美術館」という意味でここに挙げておきます。
 この時の目玉は、ボストン美術館所蔵のミレー「種蒔く人」。この「種蒔く人」は、同じ構図のものが日本の山梨県美術館にもありますが、こちらは残念ながらまだ見たことがありません。ミレーは、何故か日本人には受けるようで、「種蒔く人」以外にも、「晩鐘」「落ち穂拾い」(いずれもオルセー美術館)など、日本人にはお馴染みです。このボストン美術館の展示でも、他に何枚かのミレーがありました。
 それ以外には、マネ、モネ、ドガ、ルノアールなどが含まれていた。
 このうち、ルノアール「ブージバルの踊り」は、オルセー美術館にあった「都会の踊り」「田舎の踊り」と対をなすもの。(下記のパンフレットの表紙にもなっていた)

ボストン美術館のパンフレット ボストン美術館のパンフレット

3.MOA美術館
 これは、熱海の山の上にある、某宗教団体の美術館ですが、別に宗教とは関係なく、純粋に美術館として鑑賞すればよいのでしょう。
 でも、どうも熱海でまじめに美術鑑賞、などという雰囲気にもなれず、「天気が悪くて他にすることもないので」程度の動機で見に行っても、結局はあまり感動や強い印象が残らないまま終わってしまいます。ということで、内容についてはあまり詳しく書くほどの記憶がない、というのが正直なところ。
 有名どころでは尾形光琳の「紅白梅図屏風」(国宝、NHKの大河ドラマ「葵三代」のタイトルバックのCGの元絵)もありますが、日本の絵画、仏像、書跡、陶芸などが中心であり、ミーハー的美術ファンには今一つピンと来ないのでありました。

MOA美術館のガイド MOA美術館のガイド

4.山中湖美術館、山中湖高村美術館
 山中湖畔には、魅力的な美術館があります。一つは森の中の小さな小さな美術館である山中湖美術館。小さな展示室に、個人コレクションを展示しており、特に大作はありませんが、シャガール、マティス、ピカソといった逸品が並び、館長の趣味の良さが光ります。今一つ入口が分かりづらいのですが、逆にあまり目立たなくてすいているのが良いところなのでしょう。
 もう一つ、山中湖畔に建つ山中湖高村美術館。クラシックカー、横山大観らの日本画もあるが、何といってもエミール・ガレをはじめとするアールヌーボーのガラス工芸品が見所。また、ミュシャ、ルイ・イカールらのアールヌーボーの美人画コレクションもあり、その妖しい魅力に惹きつけられます。

山中湖高村美術館のガイド 山中湖高村美術館のアールヌーヴォー ガラス工芸のパンフレット


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