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はじめての例規データベース(2) 前のページ  次のページ

3 例規DBに必要な機能は何?

 

 では、例規DBにはどんな機能が必要なのでしょうか。ベンダーのパンフレットにはさまざまな機能が満載されています。しかし、実際に運用してみると、頻繁に使う機能は限られていて、極論すれば、次の機能があれば十分といえます。

 

@ Webアプリケーションとして、イントラネット上で共同使用

A 目次順のリンク機能(あたりまえ)

B ある単語を含む例規を検索する、全文検索機能

C 例規単位での印刷・ファイル出力機能

D ワープロで使える形式での、「様式」のファイル出力

 

 このほか、新旧対照表作成機能(註1)や、履歴管理機能(註2)、原議管理機能(註3)などがありますが、あまり使用頻度は高くありません。

 今後はむしろ、Webアプリケーション化された法令集や判例集とのリンクと、その価格が重要なポイントとなってきそうです。

 

4 Webアプリケーションで決まり

 

 例規DBを構築する方法は、ひとつではありません。一太郎で入力してパソコンに入れただけのもの(実例があります。)や、CD-ROMにPDFで焼き込んだものまでさまざまです。

 しかし、2003年度からの電子政府が間近に迫り、各自治体で必ずイントラネットが構築されることとなった今、例規DBの形態はWebアプリケーションで決まりでしょう。CD-ROMや紙の例規集は、その補助となっていくでしょう。

 

5 全文検索機能は例規DBのキモだ!

 

 上記の機能の中でも、例規DBのキモともえるのが、全文検索機能です。インターネット上の例規集はほとんどが目次検索のみの簡易版ですが、静岡県滋賀県は、全文検索機能も公開していますので、使い勝手を試してください。

 この全文検索機能の良し悪しが、例規DBの評価のカギを握る、といっても過言ではないでしょう。

 

6 印刷・ファイル出力機能

 

 当面の間、どうしても必要となるのが印刷です。いちいち一太郎に貼り付けて編集しなくてはならないようでは、面倒です。

 ワープロで即使える形式(RTFなど)でファイル出力できる機能があると便利です。

 後で述べるPDF形式は、ワープロで作ったレイアウトがそのまま保たれ、印刷も美しいので、印刷用途には有利といえます。

 特に帳票や申請書などの「様式」は、いずれにしろ現物のレイアウトのまま出力できないと、使い物になりません。

 

7 データの形式

 

 上記で述べたように、使い勝手を決める要因に、例規を見るクライアントに届くデータの形式があります。全文検索ができるWebアプリケーションを前提とした場合、現在のところ選択できるデータの形式は、次の二つがあります。

● HTML
 普通のホームページ用のデータの形式で、多くの例規DBで使われています。ファイルのサイズが小さく、ブラウザ以外にソフトがいらないので動きが軽快なのが特徴です。
 しかし、印刷レイアウト指定に限界があり、様式等の印刷物は実用に耐えません。このため印刷を考慮すると、様式等は、RTFやPDFなど、別の形式で二重に持つ必要があります。
 またCD-ROM化した場合、全文検索機能を持たせることはむずかしいです。

● PDF   (例:小樽市
 もともと印刷データの配布用として開発されたフォーマットなので、美しい画面表示と印刷が可能で、CD-ROM化した場合も全文検索が可能なソフトとセットで配布することができます。
 また、パスワードを設けて改ざんを防止することもできます。
 ただし、ブラウザの他にAdbe社のAcrobat Readerというソフトウェアを使うため、柔軟性がHTMLに比べて低く、新旧対照表作成や他のデータとのリンクの面で限界があります。
 また、画面が小さいディスプレイでは、横幅が足りなくなったり文字がつぶれて見にくくなることがあります。

 参考:PDF:画面上での閲覧には不向き


 このように、一長一短がありますが、
●ディスプレイ上で軽快に検索しながら見たい。 …HTML
●レイアウト重視。印刷の原稿としても使いたい …PDF
 という区分けができそうです。
 今後はどちらの形式も機能をアップしてくるはずで、機能上の差はなくなってくるかもしれません。


 このほか、電子政府の標準データ形式として採用が決まっている、XMLというデータ形式があり、今後国・地方自治体共通のデータ形式となるはずで、要注目です。(註4)

 

 

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(註1)現在の条文を新旧対照表形式で出力し、新の側を加工することで、簡単に新旧対照表が作れる機能。でも、ワープロに貼り付けたほうが簡単かもしれない。

(註2)改正履歴を蓄積し、時期を指定すると、その当時の条文を再現することができる機能。見れるのは当然データベース構築後の分だけです。

(註3)条文から、過去の原議(改正文)を呼び出す機能。改正を担当する職員には便利かも。



































































(註4) 最も期待されるのは、国と自治体の法令DBのデータ仕様が統一されることですが、国の法令データ提供システムがようやくできたようですので、今後に期待したいと思います。

Index

(1) はじめに

(2) 例規DBに本当に必要な機能は何?

(3) 例規DBのベンダーは?

(4)構築費用はどれくらい? 

(5)インターネット版に検索機能と自治体トップページへのリンクを付けよう