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『ビジネス技術 実用英和大辞典』
『ビジネス技術 実用和英大辞典』序文 |
はじめに ■『ビジネス技術実用英語大辞典V5』について この辞典は,実務翻訳に携わる私たち二人が自らのために蓄積した英語表現集をもとに,辞典として必要な部分を補いながら発展させてきたものです.収録した英語表現はすべて,英語圏で作成された文書や印刷物などから拾った,生きた実例です.仕事にそのまま使えるような有用な用例を,英語または日本語のキーワード(英和または和英)で引けるように整理しました. ・英和 ― 見出し22,583語+副見出し1,342語 用例のべ105,588件 ・付録] 「用例ファイル」― 用例106,033件 見出し数は第4版の10%ほど,用例は第4版の25%ほど増えました. この辞典を有効に活用していいただけるように,特徴をもう少しご説明します. 1) 他の辞典と併用する二冊目の辞典 本書は,「これ一冊で大方用が足りるように」との意図で作られたものではありません.メインに普通の英和/和英辞典を用意していただき,二冊目として補助的に使用されることを想定しています.というのも,この辞典づくりの発端は,既存の辞典が,知りたいことすべてには答えてくれないという不満から,それを補う情報を収集し始めたことだったのです. 私たちは二人とも日英方向の翻訳をしていましたし,仕事を離れているときも,もっと自在に英語で表現できるようになりたいという思いがあり「この日本語を英語で何と表現するのだろう」という疑問を常に持っていました.辞典では調べがつかなくても,英語国で作成された文書をいろいろと見ていると,その中に答えが見つかることがあります.なるほど,こう言えばいいのか,と.そうして集めた実例が,自然発生的にこの辞典になったのです.和英方向の問題意識を持って用例を収集したことが,和英編ではそのまま役立つはずですし,英和編においても他の辞典とは異なる観点で編集されたことになり,ひとつの特徴になっているのではないかと思っています. 十分に網羅的ではありませんが,ほかの辞典を補う情報が豊富ですので,お手持ちの辞典の代わりにではなく,相互に補い合うものとしてお使いいただければ幸いです. 2) 受け身の英語ではなく英語での発信に 英和編と和英編を,単に前者は英語を読むためで後者は英語を書くため,というふうには捉えないでください.上の 1) で述べたように,英文を理解することよりは英語で表現することに重きを置いて編集してあります.英語を読むには英和編を,英語を書いたり話したりするには和英編と英和編の両方を役立てていただけたらと思います. 英和編は,見出し語がどのような意味で用いられるかを示すだけでなく,見出し語の使い回しを示すことも目的としています.名詞については,可算か不可算かの情報をできるだけ示しました.また,どんな前置詞,動詞,形容詞と連語を成すか(コロケーション)がわかる用例を示すようにしました.英文を組み立てるにあたって,どの英単語を使えばよいかをまず和英編で見当をつけ,それから英和編でその単語を引いて実際の組み立て方を調べるといった使い方をお勧めします. 英和編については,用例を示すだけでなく,見出し語自体の意味の説明にも,ある程度力を注いで編集しました.一方,和英編は,集まった用例をどれかの日本語見出しの下に配して整理しただけであり,他の辞典で調べがつく重要な基本的表現は必ずしも含まれていません. 3) 用例は,ネイティブによる自然な英語から取材 用例は,英語圏(主に米国,その他カナダや英国など)で作成された文書からとったものです.インターネット上の文書からもとりましたが,非英語国のサイト,ネイティブでない人によって書かれたと思われる文書,あるいは入力ミスや誤用と思われるものを,できるだけ排除するよう心がけたつもりです.なお,抽出するにあたっては,用例として不要な部分を削ったり,指示語を具体的なものの名に変えたり,固有名詞を架空の名にするといった程度の加工は施しました. 各用例には和訳をつけました.英和編に限らず和英編においても,和訳を英語の後に配置しましたが,これは,英語表現が先に存在したのであり,和訳はそれの理解を助けるために私たちが付けたものだからです. 和訳は,翻訳のお手本になるような性格のものではありません.用例を拾うときに前後の文脈が断ち切られてしまうため,実際に翻訳するときとは異なった言い回しになることがあります.あるいは,意図せずして文脈に引っ張られ,特定の場合にしか当てはまらない訳し方になっている箇所も一部あるかもしれません.それから,普通は訳さない the を,くどいほどにまで「その」とか「それらの」と明示的に訳しましたので,自然な日本語として好ましくない面もあるかと思います.これは,日本人は不定冠詞 a を使うべき時にまで the を使ってしまうきらいがあるために,この辞典では a と the の違いを際立たせようと意図したものです.辞典という性質上,英文と和文の対応が取りやすい直訳に近い訳し方をした場合も少しはありますが,学習辞典ではないので,全体の傾向としてはためらわず意訳を入れるようにしました.((意訳))と断らないで意訳してあることもありますのでご了承ください. 4) 実際に即した生きた用例 5) 豊富な言い替え 6) 今の時代を反映 以上を踏まえて,状況によってこの辞典と他の辞典をうまく使い分けていただけたらと思います.それでは,お急ぎの方は以降の序文を読み飛ばして,本書とどうぞよろしくお付き合いください. お使いになって,内容についてお気づきの点などございましたら,インターネットでお知らせください.次に示す海野のウェブサイトの辞典コーナーに「誤植・間違い・ご提案 送信フォーム」を用意してあります.どうぞお手柔らかにお願いします. 辞典の内容以外の,本製品に関するお問い合わせは,発行元である合同会社プロジェクトポトス http://project-pothos.com/ までお願いします. 2010年7月 海野文男(うんのふみお) |
2010年8月発行 『ビジネス技術実用英語大辞典V5』の謝辞 ■謝辞 この『ビジネス技術実用英語大辞典V5 英和編&和英編』は前版の増補改訂版であり,V5は第5版を意味します.1994年の初版以来,辞典タイトル表記が少しだけ変わったりしながら版を重ねて,ここに至りました.その間,辞典づくりでお世話になったすべての方々に感謝いたします.その意味で,2002年末発行の前版『ビジネス技術実用英語大辞典第4版』の謝辞と,1994年に発表の初版『最新ビジネス・技術実用英語辞典 英和・和英』の謝辞も,この文の下に併せて掲載させていただきます. V5は,7年半ぶりの増補改訂となります.諸般の事情により改訂版をなかなか出せないでいたため,かなり間があきましたが,なんとか発行までこぎつけました.改訂できたのは,それを望んでくださる声や励ましてくださる声があったからです.ただ,私どもとしては,原稿ボリュームが大きいだけに内容を隅々まで吟味できていない感じが残っていまして,この改訂版がそういう方々の期待にかろうじて応える内容になっていることを祈るばかりです. V5では,辞典原稿からCD-ROMオーサリングまですべての工程を自分たちの手で行いました.初めてのことでよけいに時間がかかりましたが,それによってデータ処理の最終段階までの全容を把握できたことは,自分たちにとっては良いことだったと思っています.慣れないデータ処理を手がけるにあたり,須田隆久氏と深井裕美子氏,ならびに海野和子の兄である山田周司から,アドバイスや情報提供をいただきました.また,私たちがWindows パソコンしか持っていなかったことから,Macintosh をお持ちのヤマサキセイヤ氏にご協力を仰いだところ,Mac,iPhone/iPod Touch,Linux 用の各種辞書検索ソフトについて多くの情報をいただき,強力にサポートしていただきました.ありがとうございました. これを書いている時点では,印刷作業はまだ本格的に開始していませんが,丸中印刷株式会社の嶋村氏にも打ち合わせ段階からご助言いただきお世話になっています.氏のメールのひと言で入稿スケジュールに余裕を持たせられて,その余裕のおかげで,辞典データにまだ残っていた問題に気付き最後の修正を入れることができたことは,命拾いでした. この辞典にこれまでご支援,ご協力,ご支持くださったすべての方々に,心より感謝いたします. 2010年7月 海野文男 |
2002年発行第4版の謝辞 このような大きな辞典をまとめることができたのは,何よりまず,土台となる初版をなんとか世に出すことができたからです.名称が今と異なり『最新ビジネス・技術実用英語辞典 英和・和英』でしたが,1994年にこの名で刊行されたものが事実上の初版と言えます.これを出すまでに,各方面から大きなご支援を賜りました.改めて感謝する意味で,初版の謝辞を次のページ(※書籍版の文だったため)に掲載させていただきます.一部の方々には,その後の改訂でも引き続きお世話になりました.厚く御礼申し上げます. 加えて,改訂を重ねることのできた今だから言えることですが,初版を出すにあたっていい出版社に巡り会えてここまで辞典を発展させることができたのは,たいへんな幸運でした.出版社探しをしていた当時,特定の分野に絞った用語辞典などと違って,このような辞典は,それまでなかっただけにひと言で特徴を説明しにくく,何の権威も名声もない個人が発表するというのは,それまでの出版界の常識ではおそらく無謀に見えるようなことでした.ページ数の多い辞典は,製作コストがかかるだけに,刊行するかどうかの見極めは厳しくなります.英語を仕事などで使った経験のある個々人にはある程度ご理解いただけても,出版社が企業として刊行を決定するには非常に難しいものがあることを,外部の人間ながら肌で感じていました.原稿内容を見て刊行とそのための援助を申し出てくださった日外アソシエーツ株式会社の英断に,いまさらながら敬服し,感謝いたします. また,今回,この改訂版を発表することができたのは,これまでの版を支持してくださる方々がいたおかげです.読者カードや手紙やインターネットで励ましの言葉もいただき,元気づけられました.また,@nifty 翻訳フォーラムの皆様,お一人お一人のお名前をあげられませんが,いろいろとたいへんお世話になりました.ほかに,ご指摘やご要望なども寄せていただきました.産業翻訳者で『英語屋さん ― ソニー創業者・井深大に仕えた四年半』,『英語屋さんの虎ノ巻』他著者の浦出善文氏からは貴重な情報とご提案をいただきました.産業翻訳者の加藤隆太郎氏,ならびにその他の方々からも種々のご指摘をいただき,ありがとうございました. 初版以来,辞典データを修正・変更・削除などしながら内容を少しずつ増やしてきました.データが増えた分,新たな不備が生じているかもしれませんが,総じて前より良くなったのではなかろうかと思っています.支持してくださった皆様のおかげで,再び版を改めるチャンスを与えられたことに感謝いたします. 新規に追加した用例の一部は,日外アソシエーツ提供,NICHIGAI/WEBサービス「コンピュータ/技術用語辞書ファイル」の毎月の新規用例としてアップするときに,星野氏や松本氏にデータ書式上の問題も併せて内容をチェックしていただきました.その際に貴重なご指摘をいただくことも多く,本書にそれを反映させることができました.いつもお世話になり,ありがとうございます. この改訂版を編集するにあたって,今回も日外アソシエーツ株式会社から様々な面で強力なバックアップをいただきました.深く感謝申し上げます. 改訂版の制作では,日外アソシエーツ編集局の和田氏と星野氏にたいへんお世話になりました.これまでの長年の連絡により,当方の辞典データベース上での編集と,後工程である編集局での作業がよりスムーズにつながったこともあって,校正は体力的にきつい夏のさなかではありましたが,前回改訂時より一段と能率的に進めることができました.便宜を図っていただけて,ありがたいことと思っています.また,いつもながら星野氏には最後の最後まで五月雨式の追加修正のお願いをしてしまいましたが,それに応えてくださってありがとうございました. 2002年9月中旬 海野文男 |
初版 『最新ビジネス・技術実用英語辞典 英和・和英』
1993年11月初旬 |