マミラリア属

 マミラリアとは「疣(イボ)がある」の意味で、刺が疣のてっぺんから生えており、疣サボテンとも呼ばれています。刺の色・形、花の色・形・大きさ、疣間の綿毛の有無、なども色々違いがあり、400種類を越す大グループです。集め出すとキリがない、といった感じです。
 種類が多いだけに管理の方も千差万別、とまではいかないまでもそれぞれで異なっており、簡単に花の咲くもの、なかなか咲かせられないものと色々です。


 
白珠丸

白珠丸
学名:Mammillaria geminispina
白珠丸
 所謂“白系マミラリア”と言われ、白く長い刺が特徴のサボテンです。他に白神丸、白竜丸、等があります。いずれも株元から次々と子を吹き群生します。原産地には直径1mにもなるものがある、という話を聞いたことがあります。
 純白の刺と純白で綿毛がフサフサとした刺座(アレオーレ)、疣の間の綿毛も純白で非常に美しいものです。花はピンク色。小輪ですが、純白刺と綿の中に点々と咲き、株全体としての妙が楽しめます。
 写真のものは直径約7cmですが、どの程度の大きさから花を付け始めるのかは分かりません。ただ花が小さいことから、直径5cmくらいから花を付けるのではと思いますが、下の猩々丸同様、イボとイボの間の綿毛が充実してくると開花株になるものと思います。

 性質は丈夫で寒さにも強く栽培は容易。ただ、純白の刺を保つのは素人園芸では難しく、根本の方はどうしても灰色になってしまいます。これは成長が遅く、刺の交代が不充分なためです。
 しかし原産地では業者のような速さでは成長しないので、その意味では素人園芸の方が原産地の味を出している、ともいえるのかも。(^^)ゞ
 丈夫で寒さにも強いので1年を通じて良く日光に当て、3月半ばに植え替えれば(多少遅くなっても大丈夫ですが...)元気に育ち、秋から冬にかけて花が咲き続けます。ちょうど花の少ない時期に当たりますので嬉しい限りです。
 



 
満月

満月
学名:Mammillaria candida
満月
同心円状に花を咲かせる満月
 真っ白く短い刺が殆ど地肌が見えないくらいに刺が密生しており、アレオーレも真っ白でこれも美しいサボテンです。株元あたりから小吹きし群生しますが、特に単頭の時は正に名前が示すとおり“満月”でまん丸です。ただ、ある程度の大きさ(直径7~8cm)になると子吹きを始めるようで、群生株となります。どこまで大きくなるのか分かりませんが、全体の直径が30cm程度にはなるのでは、と思います。
 花は縦縞の入った薄いベージュ色の可愛い小輪を同心円状に咲かせます(写真右。こちらにもあります)。 我が家では株の直径が5cm程度から花を付け始めました。ただ、これだけ綺麗に開いた花にはなかなかお目にかかれず、朝一からスカッと晴れたときだけのようです。大概の場合は写真右下のように“半開き”の状態です。

 性質は丈夫で、乾燥や寒さにも強い。成長期と休眠期がはっきりしており、水のやり方が分かり易いのが嬉しいです。ただ、蕾がつき難いのが悩みの種だったのですが、このところ2年連続で満開の花を付けました。基本的には、元気に育ってなかった、ということのようです。この5年間(2005年~2009年)を振り返りますと、毎年一回りずつ大きくなっているような気がします。特に2005年から2006年にかけてはは見違えるように大きくなり、ひょっとしたら、と思っていましたら、春に満開の花を咲かせました。\(^^)/
満月の花

 なぜ一昨年に急に元気になったのかは分かりませんが、“病気持ち”だったということがあったのかもしれません。以前、形が歪になり(本来の“まん丸”な形が大きく波打ったようになりました)、鉢から抜き取ってみましたら表皮と芯の間に空間ができていたことがありました。枯れるのを覚悟で大きく切り取って(2/3くらい切り捨てたと思います)挿し木しましたところ、何とか枯らさずに、過ごしてきました。毎年少しずつ回復してきた、というか、ほんの少しずつ大きくなってきましたが、それが2005年になって大ブレークした、といった感じでしょうか。

 さて、寒さにも強いですので、冬場もたっぷりと日光浴をさせて下さい。花は3月下旬から4月上旬にかけて咲きますので、植え替えはそのあとでよいと思います。
 



 
猩々丸

猩々丸
学名:Mammillaria spinosissima-v.
猩々丸
 光沢のある赤褐色の刺と白色の刺が混じり合って生えており、刺だけでも充分楽しめるサボテンです。玉サボテンと柱サボテンの中間的な形をしています。
猩々丸
 花はピンク色の小輪ですが、丁度花の少ない冬場に次々と咲かせるのが嬉しいところです。高さが約6cmの時に入手しましたが、高さが8cm位になった時から花を付け始めました。この頃から上部のイボの間に綿毛が密生するようになります。というか、イボ間の綿毛が充実してくると花を付けるようになる、というのが正しいかと思います。
 冬場に室内のよく日の当たるところに置いても蕾を付けてくれますが、性質が丈夫で寒さにも強いので、是非屋外で栽培したいところです。夏の直射日光に当てても大丈夫です。

 どの程度まで大きくなるのかは分かりませんが、高さ30cmくらいまで大きくなるようです。春先まで花を咲かせますので、植え替えは花が終わってから1ヶ月後くらいが良いかと思います。
 



 
月影丸

月影丸
学名:Mammillaria zeilmanniana
月影丸
 刺が鉤針状になっているのでちょっと扱いにくいところがありますが、親指の先程度の小さな株でも、また、日照時間が少なくてもよく開花します。花は紫がかったピンク色で、直径は2cm弱。猩々丸よりやや大きめです。特に夕方近くになると地肌の色に対して花色が際だってくるようで大変綺麗です。
 大変多花性で3月頃から開花し始め5月頃まで次々と花をつけます。最盛期には地肌を覆い隠してしまうほどになります。
 成長は早く、よく子吹きをし、群生してすぐに植木鉢いっぱいにまで大きくなります。茎1本の大きさは15cm程度までですが、子吹きして横に広がっていきます。30cm×40cmくらいの大きな角形の植木鉢(盆栽用の鉢)にぎっしりと生育しているものを見たことがあります。
 栽培が楽で花を咲かせ易く、しかも沢山花が咲き、成長も早い等、絶対お薦めのサボテンです。

 性質は丈夫で寒さにも強く、また根の張りも良く、挿し木をしても他のサボテンよりも早く発根します。ただ、夏場の直射日光を当てると肌がややがかった灰色に変色してしまいますので、初夏から秋口にかけては30%~50%の遮光をした方がよいでしょう。こうすることによってこのサボテンの本来の肌色である深緑色を保持することができます。
 植え替えは、花期が5月頃までと長いので、花後の6月頃で良いでしょう。因みに、私はよく8月下旬に植え替えていますが特に問題はないようです。
 



 
豊明丸

豊明丸
学名:Mammillaria bonbycina
豊明丸
 真っ白の綿毛に覆われ、赤褐色の鉤針との対比が大変美しいサボテンです。花は直径約15mm、ピンク色白い縁取りがあり、1月頃が開花時期です。花が少ない時期ですので嬉しい限りです。5月初旬くらいまで花をつけます。
 しかしそれ以上に嬉しいのは、他のサボテンと異なり夜も花が咲き続けるということです。
豊明丸の可愛らしいピンク色の花。直径は15mm程度
 どの程度の大きさで花をつけるのか、ですが、我が家のでは高さ3cm弱で花を付けました。

 性質は丈夫で、寒さにも強く、夏の直射日光に当てても大丈夫です。というより、全身を綿毛に覆われているので充分に日光に当てた方が良いでしょう。大きさは、初めは縦方向に成長し、12~13cmくらいになると横方向、つまり、子吹きをして群生します。

 植え替えについては、花が終わって2~3週間後で良いのではないでしょうか。ただ、そうしますと5月下旬になりますので、まだ少し花が残っていますが5月の連休中でも良いかと思います。



 
雲峯

雲峯
学名:Mammillaria longiflorae
雲峯
 写真のものはまん丸の形をしていますが、そのうちに円筒形になるようです。株全体の形や刺の形は月影丸に似ていますが、こちらの方がやや株全体の色合いがやや明るいか、と思います。が、最大の違いは、何と言っても花が大きい!ことです。マミラリアの仲間は小振りの花のものが多いのですが、その中にあって花径が約4cm、と標準的なものの2~4倍あります。恐らくマミラリアの中でも最大級ではないでしょうか。
 さてその花ですが、メタリックなピンク色で花びらの淵の部分が少し淡くなっています。マミラリアとしては花数はやや少なめ、花期はやや短めですが、1個辺りの花が大きいですので結構楽しめます。その他の特徴は、残念ながらよく晴れた日でないと充分に開花しない、というのがあります。

雲峯の花
 さて、性質の方ですが、「丈夫で普通に栽培すればよい」とのことでしたので、屋外で冬過しさせてみましたところ 無事開花に至りましたので、寒さにはそれなりに強そうです。ただ、花を咲かせたあと、どうも元気が良くないので鉢から抜いてみると茎が腐っていました。で、購入元にお伺いしましたところ、次の3点を指摘されました。

(1) 基本的にこのサボテンは根から腐りやすい。
(2) 太い根があるので、水やりは控えめに。
(3) 花が大きく、体力を消耗するのであまり花を咲かせ過ぎない方がよい。
 (1)、(2)は要は根腐れし易い、ということですが、太い根があるので、植え替えの時などで根に傷が付くとそこからばい菌が入り、腐ってしまうことが多い、とのことでした。これに関連して言えば、用土は水はけの良いものを用いた方が良い、とのことで、例えば粒子の細かな砂(海砂とか、左上の写真のような砂)を主体とするような用土は避けた方が良いようです。
 また、水やりは控えめに、とは、1回あたりの水やりにおける水の量を減らすのではなく、1回あたりの水の量は同じで、水やりの回数を減らす、ということです。花を咲かせないように、とは蕾のうちに取り去るようにします。

 次に夏場の直射日光ですが、月影丸に比べると丈夫なようで、特に遮光無しでは日焼けをしてしまう、ということはないようです。植え替えですが、花が4月末頃に終わりますので、少し間を空けた6月上旬頃に行なうのが良いかと思います。



 
ブーリィ

ブーリィ
学名:Mammillaria boolii
ブーリィ (桜富士)
 何といっても、体に似合わないほどの大きな花が特徴のサボテンです。マミラリア属の仲間は小降りの花を沢山付けるものが多いのですが、このサボテンの花は直径4cmにもなります。右の写真をご覧になってもおわかりのとおり、株全体を覆うほどです。
ブーリィの花。緑色の雌しべが印象的
 さて、その花ですが、特徴的なのは、マミラリア属としては珍しい緑色の雌しべがあります(緑色の雌しべというと、エキノケレウス属の“専売特許”の感じもしますが他にもあったんですね)。そして、パステルピンクの花びらでしょうか。特に花びらの形が独特で、大変細長く、ちょっと他のサボテンには見られないものです。
 緑色の雌しべとパステルピンクの花びらに山吹色の雄しべと相まって大変美しいコントラストを出しています。(^^)
 ただ、個々の花は2~3日しか咲かず、しかも、少なくとも薄日が差す日中しか開花しないので、私のようなサラリーマンにとってはなかなか開花にお目にかかれないのがちょっと残念です...(i_i)。

 で、花付きですが、わりと良い方で、特に冬場の日照に気を付ける必要は無いようです。7月下旬から9月末あたりまで、次々と蕾を付けてくれます。ただ、宝山のように満開の花がサボテンを覆うように咲く、というのではなく、写真のように数輪ずつ咲かせるタイプです。写真のものは株の直径が約4cmですが、どの程度の大きさから花を付け始めるのかはまだよくわかりません。もしご存じの方がおられましたらこちらまでお願いします。

 次に、株としての特徴ですが、鶯色の肌を細身の白い刺が覆っています。鉤針状になった中刺があり、注意が必要ですが、月影丸ほどの強い反り返りではありませんので、衣服等が引っかかった場合でも、刺を痛めることなく比較的楽に取り外すことができると思います。

 性質は丈夫で寒さにも強く、私は冬も屋外で栽培しています(冬用のフレームに入れてます)。夏も直射日光に当てても大丈夫です(私もガンガン当てています)。成長は遅いようで、もう購入後4年経ちますが殆ど大きくなっていないような気がします。Webで調べてみても、これよりも大きそうなものは見あたりませんので、ひょっとしたらこのあたりが限界なのかもしれませんが、もう少し様子を見てまた報告させて頂きます。
 水やりですが、太い根があります(地上部と同じくらいの地下茎があります)ので、また、前述のように成長も遅めですので、水やりはやや少なめ(*)が良いかと思います。新しい刺を出していたり、蕾を付けていたりしていれば、週1回、そうでなければ2週に1回で良いでしょう。無論、冬場は水やりを控えます。

 最後に植え替えについてですが、花の時期が7月からですので、3月末~4月の間が良いでしょう。多少遅くなっても問題ありません。前述のように、太い地下茎がありますので、鉢から取り出すときは太い根に傷を付けないよう注意してください。



 
グロボーサ (蓬莱宮の球形変種)

グロボーサ
学名:Mammillaria Shumannii
var. globosa
グロボーサ(蓬莱宮変種)
グロボーサの花
 このサボテンもマミラリア属としてはやや大きめの花を咲かせるのが特徴です。直径は約3cmあります。また、色にも特徴があり(右の写真ではうまく表現されていないのが残念ですが)、サボテンとしては珍しいやや濃いめの紫色をしています。山吹色の雄しべとの対比が魅力的です。写真からもおわかり頂けますとおり、株の大きさが3cmくらいで花を付け始めるようです。
 因に、これを購入したときは、もっと大きめの花(直径4cmくらいあったでしょうか...)で色がやや薄めのものとが並んでいましたが、色の方で選びました。ということで、同じ色でもう少し大きな花のものもあるのかも知れません。
 さて、右上の写真では単頭の花を付けていますが、これはまだ株が小さいからで、左の写真程度の大きさ(直径約4cm)になりますと右下に示すように環状に花を咲かせるようになります。このあたり、やっぱりマミラリア属やなぁ、と感じる次第です。
 花期は晩夏から初冬あたりで、花付きも良いほうですが、ぱっと環状に花を咲かせると次の蕾が膨らむまでは花の無い時期があり、またぱっと環状に花を咲かせては...ということを繰り返します。開花の時間帯は朝やや遅め(10時頃でしょうか..)から夕刻までで、2~3日間開花させます。

 その他の特徴としては、鶯色の肌と太く短い白い刺。先端は小豆色になっています。中刺は鉤針状になっており、絡まって取れなくなる...というほどではありませんが、服を引っかけることもあり得ますので、一応、ご注意下さい。
冠状に花を咲かせたグロボーサ

 性質は丈夫で、暑さ寒さにも強く、私も冬は屋外で(但し、冬用のフレームには入れてますが)、そして夏も特に遮光などせずに栽培しています(2010年の記録的猛暑にも耐えました)。成長はややゆっくり目で、どこまで大きくなるのかは今のところ不明ですが、年々少しずつ大きくなっているようです。
 で、最後に植え替えですが、秋に花期が来ますので、春に植え替えることをお勧めします。特に早めに、とか言うことはありませんが、成長が始まる前に植え替える、という意味では早い目に植え替える方が良いでしょう。



 
ペレスデラロサエ

ペレスデラロサエ
学名:Mammillaria perezdelarosae
ペレスデラロサエ
ペレスデラロサエの花
 ただ今作成中です。もう暫くお待ち下さい。

 
モルガンアエ

モルガンアエ
学名:???
モルガンアエ
 ただ今作成中です。もう暫くお待ち下さい。


(*) やや少なめ、とは(他の草花に対してもそうですが)、回数を少なめにしますが、水やりを行うときはたっぷりと(少なくとも鉢底の穴から水が出る程度は)与えます。

TOPへ
Site Map
もどる