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5 | 猿丸大夫 | 奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ秋は悲しき |
[みかきもり] 百人一首で「しか」(濁点ありを含む)を調べると、11首ありました。 萩尾望都「11人いる!」ならぬ「11頭いる!」でした。 鹿の子、辰巳(風水で良縁の方角)の鹿、浮気心の鹿、恋している鹿、しがらみのある鹿、 雌の鹿、雄の鹿、月見の鹿、禿の鹿などいろいろな鹿がいますね(笑) 鹿のようなツノが生えている女の子 鹿乃子のこの声は潘めぐみさんがしています。 潘めぐみさんはTVアニメ「推しの子」の有馬かなの声もしています。 奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ秋は悲しき(猿丸大夫) 有馬山猪名の笹原風吹けば いでそよ人を忘れやはする(大弐三位) 何か百人一首に関係することはないか検索してみると、2012年に放送されたTVアニメ 「超訳百人一首 うた恋い。」の「第7話 義孝と源保光の娘 藤原義孝、高内侍と道隆 儀同三司母」で、源保光の娘の声を潘めぐみさんがしています。 君がため惜しからざりし命さへ 長くもがなと思ひけるかな(藤原義孝) 藤原義孝の歌は、「をしか」で鹿乃子のこ(雄の鹿がツノが生える)、「をし」「かな」で 有馬かな、につながっているように感じます。これも縁(えにし)かもしれませんね。 ちなみに藤原義孝と源保光の娘の子が藤原行成です。藤原行成は一条天皇の蔵人頭です。 ちょうどNHK大河ドラマ「光る君へ/第28回 一帝二后」では中宮彰子実現のために、 行成にしかできない大きな働きをしていましたね。 |
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8 | 喜撰法師 | わが庵は都のたつみしかぞ住む 世をうぢ山と人はいふなり |
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19 | 伊勢 | 難波潟短き蘆のふしの間も 逢はでこのよを過ぐしてよとや |
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27 | 藤原兼輔 | みかの原わきて流るるいづみ川 いつ見きとてか恋しかるらむ |
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32 | 春道列樹 | 山川に風のかけたるしがらみは 流れもあへぬ紅葉なりけり |
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41 | 壬生忠見 | 恋すてふ我が名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思ひそめしか |
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50 | 藤原義孝 | 君がため惜しからざりし命さへ 長くもがなと思ひけるかな |
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59 | 赤染衛門 | やすらはで寝なましものを小夜更けて かたぶくまでの月を見しかな |
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68 | 三条院 | 心にもあらでうき世にながらへば 恋しかるべき夜半の月かな |
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74 | 源俊頼 | 憂かりける人を初瀬の山おろしよ はげしかれとは祈らぬものを |
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83 | 藤原俊成 | 世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる |
[2024/8/3] 2024年の今年は、1904年(明治37年)に競技かるたの最初の大会が開催されてから 120年になります。また1204年に藤原俊成が亡くなってから820年です。 そうした節目の年に競技かるたとして初めての旭日雙光章受章は大きな出来事です。 世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる(藤原俊成) 藤原俊成「世の中よ」歌は、松下幸之助氏の随筆「道」や「詩経(小雅)鹿鳴」を 思い起こします。 ・ みかきもりの気ままに小倉百人一首/2. 「世の中よ」 ・ コトバンク/小雅 ・ コトバンク/鹿鳴 「詩経(小雅)鹿鳴」は祖霊を迎える歌です。百人一首を編纂した藤原定家の父が 俊成ですが、もっと遡ると藤原道長になり、藤原道長と源明子(高松殿)の子の 長家からの血筋になります。 道長 - 長家 - 忠家 - 俊忠 - 俊成 - 定家 奈良の春日大社は藤原氏の氏神です。鹿は神の使いとして大切にされました。 NHK大河ドラマ「光る君へ」、アニメ「しかのこのこのここしたんたん」、 競技かるたでの出来事など、2024年は記憶に残る年になりそうです。 |
[2024/9/2] 8/31, 9/1開催の第106回全国競技かるた大阪大会(DE級)はコマのように迷走する 台風10号接近でギリギリまで開催が危ぶまれましたが台風10号は四国に移動し、 会場の兵庫県立総合体育館(西宮市)へアクセスする最寄りの交通機関にも影響が なく、幸運にも開催することができました。 最寄り駅は阪神本線甲子園駅になり、言わずと知れた阪神タイガースの本拠地 阪神甲子園球場があります。阪神甲子園球場は1924年竣工で今年は100周年です。 「六甲おろしに~颯爽と~♪」、かなり以前に書いた「みかきもりの気ままに 小倉百人一首」の内容を思い起こしました。 ・ みかきもりの気ままに小倉百人一首/9. 晩秋の風「吹くからに」「白露に」 ・ みかきもりの気ままに小倉百人一首/12. 「ちはやぶる」Part2 吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山風をあらしといふらむ(文屋康秀) 白露に風の吹きしく秋の野は つらぬきとめぬ玉ぞ散りける(文屋朝康) ちはやぶる神代も聞かず龍田川 からくれなゐに水くくるとは(在原業平) ----- 神代にも聞いたことがないくらい荒々しかった龍神のような龍田川が、 川面を紅葉でこれほど鮮やかな紅に染めて流れているとは。 (永遠にこの屏風絵のようにあってほしいものだ) ----- 西宮市のお酒に辰馬本家酒造「白鹿」があります。感謝を込めて「白鹿」を 飲みたい気持ちになりました。 #関西には奈良の今西清兵衛商店「春鹿」、能勢(大阪府)の秋鹿酒造「秋鹿」も #あります。 |
■参考文献 ・百人一首 全訳注 有吉 保 (講談社学術文庫) ■参考URL ・アニメ「しかのこのこのここしたんたん」公式サイト ・YouTube/「しかのこのこのここしたんたん 」 OPテーマイントロ耐久 ・YouTube/TVアニメ「しかのこのこのここしたんたん」ノンクレジットオープニング映像『シカ色デイズ』 ・YouTube/TVアニメ「しかのこのこのここしたんたん」ノンクレジットエンディング映像『シカせんべいのうた』 ・Wikipedia しかのこのこのここしたんたん ・Wikipedia 11人いる! ・Wikipedia 潘めぐみ ・Wikipedia 超訳百人一首 うた恋い。 ・Wikipedia 藤原義孝 ・Wikipedia 藤原行成 ・Dr.コパの風水相談所/方位の持つ意味について ・古典の改め/伊勢物語 113段:短き心 あらすじ・原文・現代語訳 ・アニメ『【推しの子】』公式サイト ・NHK大河ドラマ「光る君へ」(28)一帝二后 ・春日大社/春日大社について ・Wikipedia 阪神甲子園球場 ・辰馬本家酒造/白鹿の歩み