本病型は、Walton と Nattrass(1954)によって確立されたものである。
Duchenne 型や顔面肩甲上腕型に比較して、疾患としての特徴が少ない(前2者以外のものを、この病型に入れこんでしまった傾向があり、1つの waste basket ともいわれている)。
1)発病年齢は、極めて不定である。10~20歳台から、遅れて30~50歳台で発症するものもある。
2)筋萎縮と筋脱力は肩甲帯から始まる例と腰帯筋から始まる例がある。しかし多くは腰帯筋(腸腰筋、大殿筋、大腿四頭筋、大腿内転筋など)に始まりこの部に強い。
顔面筋は一般に侵されない。Duchenne 型ほどではないが、仮性肥大をみることがある。
3)経過は一般に症例により幅がある。
4)血清CPK値は、中等度に上昇している。保因者では、CPK値の上昇はない。
5)遺伝様式は常染色体劣性である。両親の近親婚が多く、男女ほぼ同数に発症する。