翌日開票で投票率アップを

1998.1.20

たぶん、選挙のときに、より多くの人が投票できるようにすることを目的に、投票終了時刻の繰下げ、 延長を計画している。
投票日は、日曜日が通例だが、勤務がある人は、仕事が終わってから、居住地に戻って投票する場合、 投票終了時刻が遅い方が投票しやすい。
また、休みの場合でも、行楽に出掛けたりすると、やはり夕方に家に戻ってから投票する場合がある。
投票終了時刻の繰下げ、延長は、これらの場合に、投票率を上げる効果がいくらかはあるだろう。

しかし、実務的には、開票開始時刻も順に遅くなるために、解決しなければならない具体的な課題もあるという。
例えば、早朝に始まる投票管理から、翌日未明に及ぶ作業による疲れ、開票ミス。 最近は過半数になる女性職員が深夜業務をできないこと。作業終了後の、帰宅の足や仮眠場所の確保。 深夜作業のため割り増しになる人件費の予算化。深夜業務明けの、翌日の通常業務のための人員体制の確保。
自治省は、これまで当日開票を進めてきた経緯から、これを「後退」させないため、各自治体に、 努力して当日開票を維持するように働き掛けている。

さて、ここで立ち止まって今の当日開票の実態を振り返ってみよう。やはり開票は深夜に及ぶことが多く、 結果を早く知りたければ、起きていてテレビの速報を見る。しかし、最近は、そこまで熱心に注目する人も少なくなっている。 翌朝には、結果は全て確定して、それに対する感想も各自の中では、整理が付いている。 つまり、職場に出勤する頃には、もう冷めていて、同僚と選挙結果を話題にすることもない。

そこで、発想を変えて、全てを翌日開票にして、結果の大勢は昼から夕方の終業時刻前頃に判明するように、 開票の山場を設定する。そうすると、職場の事情が許すところでは、テレビの開票速報をつけっぱなしにして、 時々刻々と公表される当落結果に注目し、職場の話題になるかもしれない。政党の消長があるときは、 その意味を、同僚と色々解釈してみたりもするだろう。普段は政治の話をしない人が、意外な見識を示して、 その人となりを見直すこともある。

つまり、開票の速報番組を広報イベントとして、位置づけて、最も多くの人が話題にしやすい ゴ−ルデンタイムの昼から夕方の終業時刻前頃に開票の山場を、敢えて設定するということだ。
最も安価で効果的なパブリシティである。
副次的には、前述の深夜勤務等も解消する。

ここも見てね[随想]中選挙区比例代表併用制の検討を!!民意を反映する選挙制度を求める

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