タグ別アーカイブ: サーボ

新型シャーシの製作

今年も残すところ2週間となりましたが、ついに新型シャーシの製作に着手しました。 素材はアルミ、自力での加工を選択しました。 タイヤやサーボも新調し、細部もバージョンアップです。

IMG_0361 IMG_0362

事前に作成した段ボールでの試作により、基本構造部分は比較的スムーズに進みましたが、まともな曲げ工具が無い為、細かな隙間などができ、精度は最悪です。 元々、所有していた工具は、電気ドリルとミニバイス。 曲げ幅が10センチ以上となる箇所の工作には苦労しました。 今回新たに購入した工具がハンドニブラです。 大きな穴あけが必要だったので準備したのですが、切り込みを入れる際などにも利用でき、予想を上回る使いやすさにびっくり。 作業時間も大幅に短縮できました。

ベースユニット

ベースユニット

八角ユニットとの接続

八角ユニットとの接続

基本構造

基本構造

コーナー部分には、LEDを埋め込みます。 フロントには前照灯用の白色LEDとアラート表示用の赤色LEDを、リヤは赤色LEDのみです。 赤色LEDは個別に制御できるようにし、点滅や順次点灯などで異常を表現するものにする予定です。

フロントの白色LED

フロントの白色LED

パン・チルト機構のサーボをSG90の新型となるSG92Rへ交換しました。 スペックではトルクがアップしていますが、実際に使用してみると駆動速度も向上しているように感じました。

新型サーボSG92R

新型サーボSG92R

ところが、パン側で特定箇所に停止させる場合、振動が止まらない現象が発生しました。 高速で回転し、急激に停止する制御の為、ユニット自体の慣性が働き、それを戻そうとするサーボの動きが振動を生み出しているようです。 ユニットの重量や重心の修正で改善可能かもしれませんが、今回はパン側のみ従来のSG90にもどすことにしました。 残念ですが、このパン・チルト機構自体の変更も行いたいと思っているので、その時に考えるとしましょう。

現在の検討事項はシャーシの塗装です。 このままでも良いのですが、何らかの塗装をするか、或いはアルマイト処理にも挑戦してみたいとも思っているのです。 パン・チルト機構も新しくしたいし・・・。 しばらく、シャーシ工作から抜け出せそうもありません。

 

 

pigpioでPWM制御する

PWMによる速度制御は「WiringPiでPWM制御する」で実験しましたが、致命的な問題により実用とはなりませんでした。 他に良い方法はないものかと探していると、pigpioというライブラリを発見! 実験してみました。

wave

pigpioは、サーボの制御やPWM信号の出力、またパルスの計測などの機能を提供するライブラリで、C言語やPython、コマンドラインなどから使用することができ、デーモンとしての動作も可能な為、非常に幅広く利用可能です。

インストール

wget abyz.co.uk/rpi/pigpio/pigpio.zip
unzip pigpio.zip
cd PIGPIO
make
make install

デーモンの起動

sudo pigpiod -a 1        #DMAメモリアロケーションモードをPMAPに指定

コマンドラインからの利用

pigs s 17 500          #GPIO17へ接続したサーボへ500ms幅のパルス出力 (500-2500)
pigs p 22 128         #GPIO22へデューティー比50%のPWM信号出力 (0-255)

C言語からの利用

ヘッダファイルとして pigpiod_if.h をインクルード
set_PWM_range(22, 255)                #GPIO22へ最大値を設定
set_PWM_dutycycle(22,128)          #GPIO22へデューティー比50%のPWM信号出力
gcc example.c -o example -lpigpiod_if -lpthread -lrt          #-lpigpiod_if を指定してコンパイル
コマンド一覧はこちらです

ダウンロードアーカイブにはサンプルプログラムも含まれていますので参考になります。

ServoBlasterとの共用は不具合を生じましたので、サーボ制御とPWM制御はpigpioに置き換えました。

今のところ問題なく動作していますので、このまま利用を継続し、他の機能についても検証してみたいと思います。

※2016.1.28追記

pigpioの使用方法についてコメントを頂きましたので、モーターの速度制御に使用しているコードを掲載いたします。

例えば、コンパイルしたmotor_pigpioを使用し、 sudo ./motor_pigpio f 128 と、実行することにより、50%の速度(デューティー比)で前進します。 この時、GPIO23,25に信号が出力されていますので、LEDを接続すると50%の明るさで点灯します。 128の数値を変えることでデューティー比が変化します。

//motor pigpio.c v1.00 20150810
//コンパイルは以下のコマンドを実行
//gcc motor_pigpio.c -o motor_pigpio -lpigpiod_if -lpthread -lrt

#include <stdio.h>
#include <pigpiod_if.h>


#define MOTOR1 22			// GPIO22
#define MOTOR2 23			// GPIO23
#define MOTOR3 24			// GPIO24
#define MOTOR4 25			// GPIO25
#define RANGE 255			//PWM最大値
#define LEFT_STR "l"
#define RIGHT_STR "r"
#define FWRD_STR "f"
#define BACK_STR "b"
#define STOP_STR "s"

int main(int argc, char **argv)
{
	int pwm,status;

	// 速度を設定
	if ( argc < 3 ){ pwm = 0; } else { pwm = atoi(argv[2]); } if ( pwm > RANGE ){ pwm = RANGE; }

	// pigpiod接続
	status = pigpio_start(0, 0);
	//if (status < 0){ return 1; }

	// softPWM設定
	set_PWM_range(MOTOR1, RANGE);
	set_PWM_range(MOTOR2, RANGE);
	set_PWM_range(MOTOR3, RANGE);
	set_PWM_range(MOTOR4, RANGE);

	//停止
	set_PWM_dutycycle(MOTOR1, 0);
	set_PWM_dutycycle(MOTOR4, 0);
	set_PWM_dutycycle(MOTOR2, 0);
	set_PWM_dutycycle(MOTOR3, 0);

	if ( strcmp( argv[1], FWRD_STR ) == 0 ){
		//前進
		set_PWM_dutycycle(MOTOR2,pwm);
		set_PWM_dutycycle(MOTOR4,pwm);
		return 0;
	} else if ( strcmp( argv[1], BACK_STR ) == 0 ){
		//後退
		set_PWM_dutycycle(MOTOR1,pwm);
		set_PWM_dutycycle(MOTOR3,pwm);
		return 0;
	} else if ( strcmp( argv[1], LEFT_STR ) == 0 ){
		//左ターン
		set_PWM_dutycycle(MOTOR1,pwm);
		set_PWM_dutycycle(MOTOR4,pwm);
		return 0;
	} else if ( strcmp( argv[1], RIGHT_STR ) == 0 ){
		//右ターン
		set_PWM_dutycycle(MOTOR2,pwm);
		set_PWM_dutycycle(MOTOR3,pwm);
		return 0;
	}

	//ブレーキ
	set_PWM_dutycycle(MOTOR1, RANGE);
	set_PWM_dutycycle(MOTOR4, RANGE);
	set_PWM_dutycycle(MOTOR2, RANGE);
	set_PWM_dutycycle(MOTOR3, RANGE);
	time_sleep(0.5);
	//停止
	set_PWM_dutycycle(MOTOR1, 0);
	set_PWM_dutycycle(MOTOR4, 0);
	set_PWM_dutycycle(MOTOR2, 0);
	set_PWM_dutycycle(MOTOR3, 0);

	return 0;
}