「Puppy Linux 日本語版」サイトは 2014年以来更新されていないのが残念ですが、 4系では 431JP2012 が最新、5系では前述の 571JP が最新と紹介されています。 571JP は
2014年にリリースされました。 この2種類については Windows 用インストーラーが付属したものがあり、Windows
上でインストールを実行できるので簡単にデュアルブートにすることができます。
ただし、比較的新しいパソコンでは「セキュアブート」といって
Windows 以外の OSの起動を阻む仕組みが備わっているものがあるので注意が必要です。 Puppy
のインストーラの中にはセキュアブートに対応したものもありますが、できれば PC
の設定で無効にしておくほうが無難です。また、セキュアブートが登場する少し前から、従来の BIOS に代わって UEFI (これも BIOS
の一種) が搭載されるようになっています。grub4dos というブートローダでは UEFI に対応できません。grub2 なら対応できます。
571JP は Windows XP
を置き換えるのに最適でした。 571JP は 2012年リリースの Ubuntu Precise がベースとなっているので、概ね
2012年以前のパソコンに適合します。 Windows Vista 以降の世代の PC には、Puppy
6系以降のほうが適切かもしれません。古い PC
の中には 4系でないと動かないものもあると思いますが、そのような PC
を現在のインターネット環境に適合させるのはほとんど不可能です。571JP でも現在の環境に適合させるには、相当手を加えないといけません。
いずれにしても、試してみないと分からない部分があります。幸い、Puppy は CD から起動して (または Windows
上でインストールして) 動作するので、試用は簡単です。
frugal インストールと個人保存ファイル
ISO イメージを CD に焼いて CD から起動することもできますし、ハードディスクや
USB メモリにインストールすることもできます。 そのためのインストーラーも付属しています。
一般にインストールと言えば、ハードディスクにシステムファイルをコピーすること (full インストール) を意味しますが、
Puppy は frugal (質素な) インストールといって、sfs 形式の圧縮ファイルをハードディスクに置くのが基本です。
OS 本体は読み取り専用の sfs に格納されており、設定の追加・変更等は、差分として個人保存ファイル (save ファイル) に保存されます。
full インストールも可能ですが、frugal インストールが推奨されています。
この方式のメリットは、Windows と同じ区画に共存できることと、個人保存ファイルのバックアップから簡単にリカバリーできることです。
何らかの原因で正常に動かなくなった場合に助かります。(バックアップの時点に戻すことができます。)