| No. | 作者 | 歌 | コメント |
|---|---|---|---|
| 1 | 天智天皇 | 秋の田のかりほの庵のとまをあらみ わがころもでは露にぬれつつ |
[みかきもり] 「やすらぎハムエッグ」の章で、成瀬あかりは京都大学入学式の日に出会った坪井さくらと 友達になり、坪井が「失恋したの」と話すのに対して、成瀬は「ほかのことに打ち込んで 気を紛らわすほかないだろうな」と「料理はどうだ」と提案します。 「食べることは生きること」「ごはんは笑顔」などといった言葉が思い浮かびます。 坪井は成瀬に食べに来ないか誘って好きな食べ物を聞きますが、成瀬は「白いごはんだ」と 答えます(笑) 「そういう子なので」の章で、成瀬の両親がアルバムを見ている中に、おうみ日報の記事の 写真「食育かるたをする成瀬あかりちゃん(2)」があります。 成瀬はこういう食育の背景もあって、坪井さくらに「料理はどうだ」と提案したのかなと 思いました。 一言で「料理をする」といっても、単なる調理作業ではありません。 献立の立案から食材の調達、下ごしらえ、調理、盛り付け、後片付けまで、考えることや 集中して作業することが多くあります。また、アレルギーや疾患に対応した健康管理、 刃物や火気・薬品(漂白剤等)を適切に扱う安全確保、食中毒予防やゴミ処理などの衛生管理、 予算や食品ロスを抑える経済性への配慮も必要です。 森見登美彦作品をはじめとする京大小説を語り合う(?)達磨研究会で料理が得意なイケメン 大曽根隼人は、各章で初対面の人にごはんを提供する時に食べ物のアレルギーが大丈夫かを 必ず確認しています。ただ料理が得意というだけでない相手への気遣いができる優秀さを 感じます。 「琵琶湖の水は絶えずして」の章で、びわ湖疏水船が琵琶湖疏水の第二トンネルを通過し 天智天皇陵のある御陵(みささぎ)にさしかかると成瀬あかり(びわ湖大津観光大使)は 百人一首「秋の田の」について話し始めます。 説明途中で、簿記YouTuber 田中ののか(「ぼきののか」の章)と競技かるた高校選手権で 出会って以降文通している西浦航一郎(「親愛なるあなたへ」の章)が遊歩道にいるのを 見つけ、話が急にそちらに変わります。成瀬はめちゃくちゃ自由過ぎます(笑) 成瀬あかりの好きな食べ物「白いごはん」という言葉からは、黄金色に輝く秋の田の情景や 秋の収穫に対する感謝も伝わってくる感じがします。 そして、炊き立てのごはんの輝きや実った稲穂の輝きは、まわりを明るく照らす子になる ようにと名付けられた「あかり」の名前を表しているかのようです。 成瀬三部作はとてもキラキラと輝く良い作品です。 |
■参考文献 ・百人一首 全訳注 有吉 保 (講談社学術文庫) ■参考URL ・Wikipedia 成瀬は都を駆け抜ける ・近畿農政局/食育かるた
みかきもりの気ままに小倉百人一首 ・60. 成瀬は天下を取りにいく 以下は「秋の田の」を含むページ ・4. 8人の天皇 ・5. 天智・持統天皇 ・22. 伊勢神宮式年遷宮 ・28. 薔薇の本数と百人一首 ・30. 歴史的仮名遣 ・63. もものふ