消費者の極端な価格重視

おかしいな点

アメリカは世界でもトップクラスのお金持ち国家なのだが、アメリカの消費者自体は世界トップクラスのケチである。

とにかく、極端な価格重視で、機能が同じなら安いほうがよいというぐらいならいいのだが、機能が多少劣っていても安いほうがよいという人が主流なのだ。

結果

そういった消費者の志向性に沿った結果、とにかく物は安いが品質は最悪である。とても先進国とは言えない。

例えば文房具。ボールペンはまとめ売りが主流で、 10 本で $2.99- なんていうのが普通である。アメリカでホテルのフロントなどで使わされる、軸が妙に細くて持ちにくく、そのくせ字を書くと線が太すぎて細かい字は書けないというボールペン、あれである。よく経済の専門家とか言う人々が「アメリカでは消費者に選択の余地があって、そういうそこそこの品質で安い商品と、高品質だが高い商品が選べるが、日本では高品質だが高価なものしか選べない」というような全く間違った批判をするのをテレビなどで目にするが、これは嘘。アメリカでは普通の生活をしている限り消費者は選択の余地なく、「低価格だが低品質のもの」を買うしかないのだ。日本から HI-TECH C ボールペンを持って行って見るとよい。年収 $200,000.00- (2,000 万円ぐらい) を超す金持ちが「こんなスムーズなペンは初めて見た」と驚き、そしてそれ以上に、そのペンが 1 本で $1.00- 以上することに驚いてこう言う。「これはすごくいいペンだけど、そんなに高価なら私は買わない」

この極端な価格重視はアメリカ産業を苦しめている。例えば自動車産業。アメリカの自動車産業は、世界最大の自国市場と、世界を騙す詐欺師集団である自国金融市場に支えられてなんとか生き残っているが、実情は産業としては終わっている。多少高くなるが、がんばって新技術を導入したちゃんとした車を作るより、鋳鉄エンジンを、使い古しの設計をそのまま使ったシャーシに載せて、見た目だけ新しい安い車を作った方が売れるから、そうする。燃料電池やハイブリッドは独立会社の技術を買ってお茶を濁しているが、自社で新技術への対応をするのを止めてしまった会社の未来なんて知れているだろう。

家電はもっと重症だ。日本では DV の登場によって既に過去のものとなっている 8mm ビデオカメラだが、アメリカでは「これから普及するもの」であったりする。既に DV も上陸しているが、アメリカではほとんど見かけない。価格差のおかげで 8mm がバンバン売れているのだ。しかも、さすがにマイナーな存在にはなったが、フルサイズ VHS のカメラも未だに売っている。理由はテープが安くてランニングコストが押さえられるから... 音楽用の MD もアメリカではほとんど見かけない。機械もメディアも高すぎるというのが理由である。

他にも、ドアがきちんと閉まらないなんて当たり前の住宅の品質の低さ、カラー図版や写真が色ずれしていて当たり前の新聞、単色で文字ばかりの書籍、簡単に解れるいい加減な縫製の衣類など、いずれも先進国というレベルに達していない。

ところがアメリカ人のほとんどはこういう事態に気付いていない。理由はアメリカへの移民にある。アメリカへ移民してくる人は、もともとかなり貧しい国から来ることが多い。そういった人にとって 8mm ビデオカメラでも、ポータブル CD プレーヤーでも「さすがアメリカ。こんなすごいものがあるなんて」というような新しいものなのである。アメリカ人はそういった反応を見て「アメリカは新しいものがあふれる世界でも類稀な国」とか、「アメリカは軍事、経済などで世界一なだけでなく、一般生活の諸分野でも世界一」とか誤解しているのだ。可哀相なものである。

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このサイトに掲載されている写真は主に CASIO EXILIM で撮影し、 ViX で加工されています。

かつて初代 EXILIM EX-S1 を使っていました。 Y シャツの胸ポケットに入るほど軽く、常用カメラとして優れていますが、パンフォーカスのため画質がいまいちでした。 2004 年末に EX-S100 に変更、大きさ、重さともわずかな変更で、オートフォーカス付になり、メガピクセルを生かせる画質になりました。さらに 2006 年に入って EX-S600 に変更し、動画がかなり綺麗になりました。お勧めですが、すでに売ってないので、後継機の紹介リンクです