最近β-ジケトンで安定化を行った金属アルコキシドにさらに「感光性」があることが報告されました。光を当てることで薄膜が形成でき、これを利用すると特定の薄膜にパターンを刻むことができます。これは薄膜を微細加工できるため、半導体素子の作成に応用が期待できると思われます。
しかし、なぜ感光性を示すのか、またβ-ジケトンの種類と吸収波長にはどのような関係があるのかまだよくわかっていません。そこでこのような金属アルコキシドの電子状態を知り、吸収スペクトルの予想ができれば、酸化物薄膜の作成に対して、重要な役割を持つと思われます。
そこで本研究は、β-ジケトンで安定化された金属アルコキシドの電子状態と紫外可視吸収スペクトルの理論的計算法を確立し、β-ジケトンの種類が光の吸収にどう影響するかを調べました。また計算値を実測値と比較し、さらに吸収スペクトルの予想をしました。
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