マニュアルに挑戦(M)
というわけで、すぐにマニュアルモードで撮影するようになってしまいました。
とはいえ、露出を決めるというのはと〜っても奥が深いものなので、これといった答えがあるわけではありません。
とりあえず、これからはじめる初心者の人の参考になる程度に私の経験談を書いておきます。
マニュアルモードで設定を変更するためには、「*」ボタンと「AV +/-」ボタンが押せると便利です。
【まずはf5.6 1/90】
マニュアルモードと言っても、最初はその場面場面でいちいち絞りやシャッタースピードを設定して、なんて初心者が出来るわけありません。というわけで、最初はデータを固定してしまい、それでどんな感じに撮れるのかを掴んだ方がいいように思ったのです。
で、何故 f5.6 1/90 かというと、手ブレをしないためになるべくシャッタースピードを早く(EOS-Kissではストロボを使う場合、これ以上シャッタースピードは早くできません)、なおかつなるべく背景も明るく撮りたいので絞りは開けてということで、決めました。
ストロボに300EZを使う場合、ストロボの制御はカメラに任せるしか無い(TTLと言います)のですが、このTTL、なかなかの優れもので、ストロボが届く範囲の被写体は割と適正露出にしてくれます。
![]() EOS-Kiss SIGMA90mmMacro 300EZ f5.6 1/90 |
![]() EOS-Kiss SIGMA90mmMacro 300EZ f5.6 1/90 |
上の写真はどちらもf5.6 1/90で撮ったものですが、左はシパダンの明るい海、右は暗いときのIOPです。
どちらの写真もメインの被写体は適正露出で、背景は、左の明るい海は青く、右の暗い海は黒く写っています。暗めの海で潜ることが多いなら、メインの組み合わせはf5.6 1/60でもいいかもしれません。
【背景を適正露出で】
上記のように絞りとシャッタースピードをあらかじめ決めて撮る方法でもそこそこの写真は撮れるのですが、やはり背景の色まで気を配った写真を撮りたいものです。
慣れてくると、そのときの明るさで何となく適当な組み合わせが分かるのですが、それまではその都度明るさを計るのがいいと思います。
ここで登場するのが実はあまり使えなかった「絞り優先モード(Av)」です。

EOS-Kiss SIGMA90mmMacro
プロクサー 300EZ f5.6 1/15
まず、エントリーしたら他の人が潜行してくる間や移動中に、絞り優先モードでこれから使う絞りにして沖の方に水平方向にカメラを向け、半押ししてファインダー内に表示されるシャッタースピードを確認します。
これでその方向の背景の適正露出が取れたことになるので、「マニュアルモード(M)」にして、その絞り値とシャッタースピードに設定すればOKです。あまりにシャッタースピードが遅くブレそうなときはブレない範囲で設定します。2段位のアンダーなら真っ黒でない程度には青く写ります。深いところでは水面をあおって撮るなどの工夫をすれば、場面毎に設定を変えなくても、これで案外撮れるものです。
この写真は、9月の富戸で透明度は10m位とあまり良くなく、水深は28m位と結構暗い条件でしたが、背景の露出を計ってから撮影しました。淡いピンクのトサカと乳白色のスケロクウミタケハゼにパステルっぽいグリーンと、美しい配色に仕上がり大満足です。
ただし、暗いときはこの写真のように1/15などとスローシャッターになりやすいので手ブレや被写体ブレには注意が必要です。
背景を黒く落とし被写体をシャープに

EOS-Kiss SIGMA90mmMacro
プロクサー 300EZ f11 1/60
今度は、メインのスケロクウミタケハゼに注目して細部まできっちりピントが合うように絞りをf11にしてみました。この絞りで背景を明るくするのは無理があるため、中途半端は避けてシャッタースピードを1/60にして背景を黒く落としました。(1/90でも良かったかも)
メインのスケロクウミタケハゼの透明感が出て、こういうのもアリかもって感じです。
そして挑戦は続く。。。
【教訓】
- まずは基本の組み合わせを決めて撮ってみる。
- 背景の露出のはかり方をマスターし、それをもとにいろいろなデータで撮ってみる。
- どんな絵にしたいのか明確なビジョンを持って撮ろう。
- 結局、数をこなすのが一番。。。