ここでは、芹沢文学を愛する皆様による作品の読後感、芹沢文学との出会い、芹沢氏に関する思い出など、皆様と芹沢文学の触れ合いをお寄せ頂いています。芹沢文学はこころの文学。皆様方一人一人のこころの交流の場となれば幸いです(投稿は新着順です)。原稿募集中です。投稿フォームより、芹沢氏、芹沢文学との思い出をお送りください。

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[60] 「人間の運命」お譲りします     2004.10.23

前回56の投書で書いた「人間の運命」を希望者に譲りたいと思います。
 第1部の2巻が抜けております。
 森次郎が大好きな方であれば、誰でも結構です。直送します。

(千葉県千葉市 駿河の生まれ様)

(すでに希望者がいらっしゃいました。ありがとうございました。管理人)


[59] 天災続き     2004.10.23

昼食の準備をしながら、ラジオの1時のニュースを聞き、地震について知りました。
 こちらのマスコミでは、新潟も東京も地理感覚がないようで、まるで東京都心の災害のように報告されており、慌ててテレヴィをつけたり、ヤフージャパンのページを開いたりいたしました。
 大型台風の被害から、すっかり立ち直れないでいる地方もあるようですが、皆様、お元気でしょうか。
 特に新潟のXX様、お見舞い申し上げます。

(フランスパリ 野沢尚子様)


[58] ひとまず見つかりました     2004.9.13

先日お願いいたしました「神の慈愛」ですが、希望者はひとまず古書オークションで落札されたそうです。定価より高かったそうですが、ひとまずご報告いたします。

 とはいえ、いろいろな作品の入手事情はあまりよくないようです。ねむっている作品があればご提供情報だけでも登録をお願いいたします。

(大阪市都島区 稲生恵道様)


[57] 「神の慈愛」を複数おもちですか?     2004.9.9

大阪の読書会の稲生恵道です。

 「神の慈愛」を複数もっておられて、ゆずってもよい、という方はおられませんか?

 じつは、その作品を探しているという方からご連絡をいただきました。

 私もウェブページ上では古本の交換ひろばを開設し、いく人かの方にご協力をいただいておりますが、もう何人もの方にもらわれていって、ちょうど「神の慈愛」がありません。

 どなたかいらっしゃいましたら、ご連絡をお願いいたします。

(大阪市都島区 稲生恵道様)


[56] 本の価値     2004.6.7

ご無沙汰しております。お元気ですか?

 先日古本屋に立ち寄ったら、何と「人間の運命」が、まとめて売られていました。
 新潮社の箱入り、一部パラフィン紙カバー付き、1部5巻、2部6巻、3部2巻:全13冊……無くなると思いすぐに買いました。残念ながら、1部第2巻の「友情」だけは抜けておりましたが、価格はびっくりするような安さで、13冊全部でインターネット検索販売の1冊分くらいでした。
 いつも、文庫の7冊を読んでいるので置き場所がないのですが、とりあえず手元に置いてあります。引越しや子供の成長に合わせて部屋を取られたので、殆どの本は処分しましたが、スタインベック、ハイム ポトクの好きな2冊は同じものを2冊持って大事にしています。本の価値は読む人が決めるものですよね。私のところにあるよりも、初めての人に読んで貰った方がいいかも知れません。

 5月の連休には図書館から9冊まとめて借りて読んでいました。
 今でも、殆ど毎日、通勤の電車や昼休みに「神の微笑」を読んでおります。
 桜や欅の木々と話が出来るようになりたいものです。

(千葉県千葉市 駿河の生まれ様)


[55] 生きることを学んだ     2004.5.3

ある日に突然、到来するのがパリの春。1年で最も美しい、気持ちの弾む季節でしょうか。
 私が芹沢先生の「人間の運命」に出会ったのは確か22歳(昭和46年)頃だったと思います。当時の自分の小遣いが3千円程度で、残りの給料は家に送金しておりました。少ない小遣いで1冊1冊買って読みふけました。小さな町だったので本屋さんに予約して購入しました。それまで本を読むという習慣があまり無かったのですが、先生のこの本を偶々本屋さんで立ち読みしたのが、この本との出会いでした。この日から自分の生き方が全く変わりました。本当に変わりました。

 高校時代に父親と死別したのと、子供時代から貧乏生活で成人しても、私の心は何か暗い、晴れた日は無かった。しかし、森次郎と出会ってから違った。読み進めば進むほど自分の生きる道が見えた。そして、泣きながら読んだ夢中になって読んだ。今まで本なんか読んだことが無い自分なのに、森次郎を追いかけるように夢中で読んだ。
 お陰さまで、今年で55歳になりますが、会社でも管理職社員まで頑張れたし、子供夫婦と小さな幸せを感じながら、孫(4歳)中心の生活を楽しんでおります。

 子供(娘)が大学に入ったとき記念に、先生の本全部渡し読ませました。2年後に全部読んだというので又自分の本棚に納めてあります。孫が今年幼稚園です。中学校か高校に入ったら、今度は孫に先生の本を全部読んでもらおうと思っております。先生の本は「我が家の宝」として大切にしております。孫に手渡す前に、私が退職して、フリータイム時代に入ったら、また森次郎の生き様を追って見たいと思っております。

 先生がお亡くなる2年くらい前だったと思いますが、どうしても先生にお会いしたくてアポイントを頂きたいと思い電話しました。そうしたら直接、先生が電話に出ていただき5分間ぐらい、お話していただきました。そして、優しいお言葉を賜り、受話器を持ったまま、泣き出してしまいました。いつかきっとお会いしたいと言って終わりましたが、その後お会いしないまま、お亡くなってしまい本当に残念です。

 いつか、きっと森次郎が生まれ育った町を散策したいと思う。そして、次郎が走ったあの道を自分も走ってみたい。それが森次郎に対して恩返しだと思っております。

(宮城県塩釜市 鈴徳様)


[54] パリよりの御挨拶     2004.4.29

ある日に突然、到来するのがパリの春。1年で最も美しい、気持ちの弾む季節でしょうか。
 白い、そして稀には赤いマロニエの花が満開。泰山木の花を「ロウソクの様な」と表現なさった方がおられましたが、立錐形のマロニエの花こそ、ロウソクの趣です。近くで観賞するなら、平凡な小さな花が集まって房の如く、大した印象は与えられませんが、街路樹として重量感のある眺めに、色づく花が一杯咲いているのは、パリの春の景色でもあります。
 5月1日になれば、街角の至る所にスズラン売りが立ち、幸福を運ぶ花として、フランス人はプレゼント交換。憂鬱な長い冬が終わったという象徴でもあります。人々の表情も明るくなったように見受けます。

(フランス国パリ ラロイア尚子様)


[53] 十二指腸潰瘍―神の計らいのもとに―     2004.4.15

当診療所の広報誌(ふくろう通信2003年10月号より)
 もう亡くなられて少したちますが、芹沢光冶良という偉大な作家をご存知でしょうか。西洋的な骨格のしっかりした作品を書く、日本の文壇からやや離れたところに位置する作家です。戦前の若い頃、経済学を勉強にフランスに留学し、その国の精神に深く影響され、また学問だけでなく文化、芸術などあらゆることを吸収されたようです。
 氏の代表作の一つに「巴里に死す」があります。私が高校生の頃、そう今から30年以上も前のことになりますが、まだ存命していた頃の祖父が、この作家は極めて良心的で立派であるから、是非読んだらいい、といってこの作品を勧めたことを思い出します。両親はこの本を読んで感銘を受けたことを覚えているようですが、私は読んだ記憶はありません。ところが最近あるきっかけでこの作家の作品を読むようになり、もちろん「巴里に死す」も読んで、大変驚き、かつ魅了されました。この作品はなんと戦時中に書かれた作品ですが、気品があり、その構成はたくみで、高い精神性を感じ、読後に深い感動をもたらす立派な作品でした。戦後、日本のみならず、フランス、ベルギー、スイスなどでも翻訳されて絶賛されました。多くの国で賞を受けたのも十分納得いくことです。戦後間もない当時、野蛮な日本にこんな立派な作家がいたか、と大きな驚きをもって迎えられたと思われます。
 芹沢は97歳まで生き、死ぬ当日まで著作活動を続けました。90歳からは毎年1作以上、長編小説を発表し、旺盛な作家活動を続け、多くの愛読者を獲得しました。しかし一般にいわれるところの流行作家とも少し違い、愛読者は深い精神的結びつきをこの作家に感じるようです。90歳以降の晩年の作品は、宗教的というか、大自然の力、神の存在、そしてその深い愛を説きましたが、氏自身はいかなる宗教にも属してはおらず、むしろ新興宗教家の偽善に対しては、強い調子で排撃されていました。残念なことに氏の著作はかなりの部分が絶版となり、今の若い方にはなじみが少ないかもしれません。その晩年の初期の作品、神のシリーズに「神の微笑」、「神の慈愛」、そして「神の計画」の3部作がありますが、来年文庫化されると聞いています。そのうちの「神の計画」をちょうど熟読中の時のことでした。
 2003年9月17日、胃十二指腸の内視鏡検査を受けました。内科診療所を開業して4年もたつのに、一度も検査をしたことがなかったので、家内からやんやせっつかれてしたのでした。検査1週間前に予約していたときには特別何も症状はなかったのですが、施行当日の3日前ころから心窩部のあたりにしくしくする不快感や鈍い痛みを感じ、しかも検査前日には大量の血便もあり、出血性潰瘍、最悪の場合はがんではなかろうか、と脳裏を横切りました。福田ゆたか外科の神谷先生にお願いして検査を行なってもらいました。のちほど大腸ファイバーも施行していただきましたが、両者とも大変お上手、快適でびっくりしたくらいでした。案の定、十二指腸に大きなふかぼれ潰瘍があり、出血したあとがありました(幸い大腸はOK)。先生からは、あと少しで穿孔するところでした。良かったですね、といわれ少しぞっとしました。また貧血が進行していることが血液検査で確認され、その値からかなりの出血があったことが分かりました。注意深い患者さんからはその時、顔色が悪いですねといわれていましたが、本当にフラフラして気分が悪く、何とか頑張って診療を行なっていました。すぐにプロトンポンプインヒビターを服用し、また点滴を数日間行ない、やっと落ちついてきたわけです。
 上にも述べたとおり私は芹沢光冶良に心酔し、神の計画を熟読中でした。神様はいかに深く人間のことを思われているか、ウソのような本当のことが描かれており、感心しつつもなんともいえぬ不思議な思いで本を読んでいたのです。今度はまさに私の健康を心配され、胃内視鏡検査を受けるよう、神がちょうどとり計らっていただいたように思えてなりませんでした。
 ところでもし検査をやらず放置していたなら、その潰瘍の程度からして穿孔して、腹膜炎を起こし手術になっていたことは間違いありません。不思議なことに検査して間もない、9月21日の日曜日のことですが、腹痛の患者さんが急患で当院にこられました。この方は何と以前に十二指腸潰瘍で穿孔し、腹膜炎で入院手術されていた方でした。穿孔したときには痛くて指一本も動かせないほどだったとおっしゃいました。今回は腹痛、下痢、嘔吐、発熱でこられ、感染性腸炎と判断し、適切な処置を施し症状もよくなり安心しましたが。以上からこのたびは、神様が、十二指腸潰瘍はじめとしたいろいろな病気を考えて、自己管理をもっとしっかりするように、と私に指示されたように思えたのです。
 皆様におかれましても、念のためそろそろ検査しておこうかな、とか何かちょっとおかしい気がする、医者にいったほうがいいのかな、といったことがありましたら、神の計画(はからい)かもしれません。このような時はためらわず是非、医者のところに行って相談され、しかるべき検査を受けられることをお勧めします。

(長崎県長崎市 隆杉正和様)


[52] 素晴らしい世界     2004.3.28

はじめまして。
 そもそも文学というものには縁のない生活をしてきましたので、こういうところに投稿するのには氣が引けるのですが、「神の微笑」の売れ行きが悪いという投稿を拝見して思わず、ペン(?)を取りました。
 私は、2月に新潮文庫から出た「神の微笑」を拝読して、初めて芹沢先生をお名前を知りました。文学に縁のない自分が恥ずかしいと思いますが、「神の微笑」に書かれていたことは、まさに私の心を打つもので、もっと芹沢先生の話を聴きたいという思いになり、図書館などから借りて、これまでずっと神シリーズ8冊に、巴里に死す、教祖様を読み続けてきた次第です。
 このような世界をなぜ今まで知らなかったのか、不思議なくらいですが、芹沢先生のおっしゃることを広く伝えるのも私の役割だろうとも思い、自分のホームページにも紹介させていただきました。
 自分自身まだまだその入口に立ったばかりですが、今後、深く読んでいきたいと思うのに、図書館から借りるのでは困ります。新潮文庫から、どんどん出されること祈っております。

(千葉県千葉市 TOM様)


[51] 我入道の浜辺にて     2004.3.21

今日21日(日)、沼津に行ってきました。
 バスを降りて歩き始めたら、もう涙もろくなってどうしようもありませんでした。
 浜辺を歩いているとき近所の人に話しかけられました。私より上の方で母親が光治良と同じ年位でよく知っていたと話しておられました。藤村と同じように地元の貧困とか知って欲しくないことが書かれたので、地元民はそれなりに苦労したという話を聞かされました。
 私はのんびりと海を見ながら、時間を過ごすことが出来ました。
 ――静かなる 春の駿河の この海辺 かの事思い 涙止まらず――

(千葉県千葉市 駿河の生まれ様)

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