VT250 SPADA チェーン520サイズコンバート

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チェーンサイズ520コンバート









520 Chain & Sprockets
コンバート用の部品。性能より価格重視のセレクト。
それでもスプロケは薄くなるので、軽量化されます。
Offset Front Sprocket
サンスターのスプロケはさすがに仕上がりがきれい。
幅が狭くなるので車体中心側へオフセットされます。
Sunstar Front Sprocket 15T
装着したところ。520サイズだと、15Tがぎりぎり。
チェーンを引掛けてスプロケを装着しないと、カバー
に干渉して後からは掛けられないので、要注意。
Pre-measurement
作業にはノギス必須。あらかじめピン径を測り、 測定誤差を見ておきます。絶対値はあまり信用できなかったため、 カシメ後の値との差で確認しました。
Chain Tool
格安チェーンツール。カットは428も一番太いピンで。 無理しなければ何回も使えそう。使用前、ネジにモリブデングリスを 塗布してから作業しました。
Chain Tool Parts
圧入用プレートとアンビルピン。
はじめ両側からプレートで押し込み、最後はアンビルピンで 片方ずつ交互に押し、仕上げ寸法まで圧入。
Chain Tool Parts
押し出しピン(上)とカシメピン(下)。
どちらもちょっとだけ頭を出すようにして作業しました。 ピンを長く出すと曲がりの原因に。締込みボルトと接する面にもグリス塗布。
Sunstar Front Sprocket 15T
カシメたところ。圧入ボルトは30〜45度くらい回して圧入、 外して確認を何度か繰り返し完成。
Sunstar Front Sprocket 15T
チェーン張り状態。520サイズ106リンクだと、合わせ位置シールでは 交換時期一歩手前。新品のスタート位置を覚えておかないといけませんね。


スパーダ純正428チェーンを520にコンバートします。通常、大きい物からサイズダウンしますが、今回はピンのピッチは広がるものの、幅は28→20サイズへ狭くなるのでスプロケ厚が減り、軽量化にもなります。

250ccクラスも標準は520で、もはや428は採用車種も少なく、ラインナップが少なく割高かつ入手性も悪くなってきているので、520用部品をセール時に少しずつ揃えておきました。ついでにファイナルを変え、ツーリング仕様寄りの減速比に。また、格安チェーンツールを手に入れたのでDIYで交換してみました。


用意したもの

  1. チェーンツール(田中商会 \4,428)
  2. ノギス(カシメ量測定用)
  3. ソケットレンチ 8,12,14,17,24mm等
  4. ヘキサゴンレンチ 5mm
  5. 1/2ロングスピンナーハンドル(SK-11 SFH4L \1,639)

使用部品 品番 サイズ等 重量
(g)
ドライブチェーン(※) EK520SRX2 QXリング 106リンク 1640
フロントスプロケ(520コンバート用) SUNSTAR 36715 15T 210
リアスプロケ(純正品相当流用) NTB SPH-050R 42T 700
※ EKには1リンク違いのラインナップがありカット不要です。

高コスパのEKメッキチェーンと、リアスプロケはNTBの JADE/NSR250R用(純正品番41201-KV3-000相当)。フロントは、信頼のサンスターで。コンバート用のためチェーン幅が狭くなる分、車体内側へオフセットしています。なので、装着の向きには要注意。軸の長い方が外側、刻印が見えるようセットします。NTB製はメッキの見た目がちょっと安っぽい。

なお、EK(江沼)チェーン公式情報では、カシメ量(カシメ後のピン外径)は、5.6〜5.8mm(元ピン径5.38mm)になっています。



作業手順

作業のキモは、固着ボルト等の外しと、チェーンツールでのカシメです。

1.ボルト緩め

リアスプロケは六角穴ボルトのトルク(4.0kg/m)がサービスマニュアルに明示されていますが、本来、裏側のナットを緩めるべきでは? ですがスプロケのフランジをホイールから外さないと、レンチハンドルが使えない…。

そこでリヤホイールを外し、部品単体で作業します。回り止めとしてダンパー側突起にスピンナーハンドルを差し込み作業。ナットのトルクは大したことない(3.6kg/m)ので、ちょっと力を込めれば外すことができます。


フロントはチェーンカット前にギアを3速あたりに入れ、フロント&リアブレーキをかけつつスピンナーでグイっと緩めます。ここは14mmですが、駆動で締まり方向に力がかかりキツくなっているので、大トルクが必要。

スピンナー(特にこうした超ロング)のメーカ物は\5〜6,000位と高いですが、SK-11は実売\1,700ほどで、長め(505mm)。持ち手のローレットや早回し棒用の穴を省略したりと、価格を抑える努力は見られますが、メッキの仕上りも良くお勧めです。管理人のように腕力ない人は是非。


2.チェーンカット・カシメ

購入した格安チェーンツールには、日本語説明書が付いてました。少しずつ確認しながら注意して使えば、全然壊れる感じはなかったです。中華製品にありがちな、個々のばらつきはある筈なので話半分で。

使用前、ネジにモリブデングリスを塗布。カット用ピンは、428も一番太いもの(3.8mm 写真上・黒色)を使用。本体ネジ先端の部品は細ピン用ガイドなので外し、バネを通したピンを入れ押し出し用ボルトをねじ込み。

わずかにピン頭を出した状態でチェーンにあて、押し出し用ボルトを締めます。頭は14mmなのでラチェットを使用。428はピン頭を削らずそのまま使います。作業中はチェーンツールが斜めにならないよう、何度も確認。


ジョイントプレート圧入は、四角い圧入用プレートを使います。はじめに両側に四角いプレートをセット、ピンの頭が出てくるくらいまで軽く圧入し、以降は片側ずつ、圧入プレート+アンビルピンの組み合わせで徐々に締め込みました。他のリンクと比較して目視でだいたい圧入できたかわかりますが、いちおうノギスで寸法確認。


カシメには専用のカシメピン(写真下・銀色)を。これだけ材質が違います。カット用ピンと同様にセットし、押し出し用ボルトの締め込みがきつくなってから、45度くらいずつ締め込み、外して状態確認、また45度締め込みして確認、と何度も繰り返し、目標値(+0.2〜0.4mm)にします。

手持ちのノギスが絶対値を正確に測れないっぽいので、新品ピン径を測っておき、そこからの変形量を計測する形でチェックしました。



作業結果

リアホイールを手で回すと、交換前よりかなり軽く回ります。スプロケットの軽量化、新品チェーンの抵抗のなさが効いているようです。

ちなみに車種別純正と、今回の仕様の減速比を比較すると。
車種 フロント リア 減速比 備考
Balius 14 48 3.43 市販車最高クラスの
超高回転型エンジン
SPADA(MC20) 17 54 3.18 スパーダ純正428サイズ
かなりショートなギヤ比。
VT250F/Z(MC08) 14 44 3.14 打倒RZ(2st)スポーツ。
高回転域重視のギヤ比
XELVIS(MC25) 14 43 3.07 ツアラーだが車重あ
るのでショート寄り?
VTZ/VTR250 15 44 2.93 街乗り向け
今回の仕様 15 42 2.80 ツーリング向け

今回、ギア比を純正からかなりロングに振っているので当然加速は鈍ります。でも思ったほどではなく、逆に1速で引っ張れる速度域が増え、慣れればストップ&ゴーの街中ならこちらの方が使いやすい感じ。常用回転域が下がることによる燃費アップにも期待してます。高速巡行もエンジン回転が下がるので、長距離走ったら結構違うのでは。

(2020.3)


カット & カシメ に必須。
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信頼のDID製#50
系チェーン用フルセット。
スマホをナビに。
安心のミノウラ製。