新 居  昭 乃


あらい あきの




 製作日1997.06.15/最終更新日2017.07.15
 ミュージシャン 新居昭乃...
彼女ほど、私を魅了した人は他にいません。
 本来のこのホームページの趣旨(他で公開されていない内容を!)からすると、
ここに掲載の情報は、ほとんど他のホームページで網羅されているので
あまり意味はありません。
 でも、デモ、どうしても昭乃さんのホームページを造らないわけに
いられなかった...。これが、素直な気持ちなんです...。

 ♪ 人生は そ ん な ものぉー (^_^;)

  掲示板 [たかが歌、されど唄]

(特報)
2012年08月10日「新居昭乃ディスコグラフィ2012」(初 版)発行!!(完売御礼)
2012年10月28日「新居昭乃ディスコグラフィ2012」(第2版)発行!!(コミケ、M3で頒布中)


詳しくは、ここをクリック!! (ライブ情報)  本情報は、不確定情報も含みますので、利用は個人の責任範囲で行って下さい。  新居昭乃 弾き語り LIVE TOUR 2017 “Planet Piano Tour 2017” (雑誌とか) (シングル&アルバム情報) (ラジオ情報)

 トップページに戻る  更新来歴に戻る

☆ アルバム ☆


1stアルバム

 懐かしい未来

  ビクター音楽産業 VDR-1284 (86.10.21) \3200 (CD) [初回]
  ビクター音楽産業 VDR-1284 (86.10.21) \3008 (CD)
  ビクター音楽産業 SJX-30311 (86.10.21) \2800 (LP) [廃盤]
  ビクター音楽産業 VCH-10364 (86.10.21) \2800 (CT) [廃盤]
   Ring Ring   (戸沢暢美/新居昭乃/清水信之) [4'30"]
   月よ凍れ   (川村真澄/新居昭乃/門倉 聡) [4'55"]
   金色の目   (新居昭乃/新居昭乃/門倉 聡) [4'30"]
   地図ををゆく雲(青木景子/新居昭乃/門倉 聡) [4'49"]
   美しい星   (新居昭乃/新居昭乃/清水信之) [4'53"]
   1999   (新居昭乃/新居昭乃/門倉 聡) [3'56"]
   約束     (川村真澄/加藤和彦/清水信之) [4'47"]
   ロゼ・ルージュ(新居昭乃/新居昭乃/門倉 聡) [4'29"]
   Sky Lounge  (新居昭乃/新居昭乃/清水信之) [5'19"]
 発売当時のプレス用昭乃さんご自身によるライナーノーツから引用及び後日の
 ご本人のコメントです。またラジオ等で語られた内容より曲解説をします。
 -----------------------------------------------------------------------
 Ring Ring
  戸沢暢美さんの可愛らしい詩のおかげでとてもPOPな歌になりました。
  明るくて、ちょっとせつない真夜中の長距離電話のおはなしから、
  このLPがはじまるのです。

 月よ凍れ
  「ああ、もうどうしようも無く好き」になってしまった人とふたり、
  ほんとうに煌いていられるのはほんのひととき。
  その一瞬を『つきよ凍れ』という言葉に託しました。
  川村真澄さんの、不思議でセクシーな詩と、エキゾチックなアレンジで、
  聴く人のまわりに、そっとまとわりつくように漂ってくる曲です。
  後奏では、妖精”パン”がフルートを吹いてくれました。

  [解説]
   福岡アマチュア時代の曲です。アルバムに収録されている曲の歌詞は、
   アルバム制作に合わせて新たに創られたものです。

 金色の目
  結婚する友達に贈った歌です。フランス語を使ったのは、もうひとりの仲の
  良い友達のアイデアでした。思いもかけず、POPCONの本選会、
  世界歌謡祭にまでこの曲で出場しました。そのあと、私はピアノを弾いて、
  はじめて人前で歌うようになった、というすべてのきっかけをつくってくれた
  曲です。アレンジは、ノスタルジックでスリリング。
  これ以上せつないバイオリンはないくらいのソロを聞いて下さい。

  [解説]
   言わずと知れた昭乃さんの出世作。
   歌詞のフランス語は九州大学の教授に指導を受けたそうです。
   昭乃さんが大学生の頃、女の子3人で生活していて、一人は昭乃さんと似た
   マイペースでゆっくり生きている子、もう一人は、ものすごい勢いで
   テンションの高い生き方をしている子でした。
   このテンションの高い子は、毎朝一番に起きては、マリア・マルダー
   (カントリー畑の女性ボーカリスト)の「Midnight at the oasis」収録の
   アルバム(おそらく「オールド・タイム・レディ」)をかけていて、
   昭乃さんともう一人は「朝か...」と思って起きる生活をしていた。
   (それで、この曲は、昭乃さんにとっては、朝のイメージが定着)
   そのテンションの高い子が、卒業する前に結婚することが決まって、
   その結婚パーティで、昭乃さんともう一人のマイペースな友人といっしょに
   踊ろうと思い創った曲です。
   ちなみに世界歌謡祭出場の映像を昭乃さんご自身が所有しており、
   「もう15〜6年経つのに、まだ直視できない髪型だ...」との事。

 地図をゆく雲
  恋人が横に居ても、夢を追いかける男の人の心は、いつもでも旅行中。
  寂しいけどだからこそよけい、魅かれてしまう。同年代の青木景子さんが、
  そんな気持ちを、とても素直に描いて下さっています。
  個人的に好きな”70年代”ポップス”を感じるサウンド、のびのび歌うことが
  できました。空の色や、風の感触が伝わってくると思います。

  [解説]
   歌詞は、アルバム制作に合わせて創られた作品。
   作詞の青木さんの語るところによると、当時の昭乃さん担当ディレクターの
   「長距離電話の歌詞と、旅立って行く恋人への詞、どっちがいい?」
   というオーダーで歌詞は創られたようです

 美しい星
  日常の平和の中に居ると、何の危機感もなく済んでしまうものです。
  でも宇宙の広さ、地球の小ささ、もっと小さな人間、ひとつひとつの命、
  等々に思いを馳せると、ふと、何かこのままじゃいけないような気持に
  なりました。もうずいぶん前につくった曲ですが、ずっと歌っていきたい
  テーマのひとつです。

  歌い方が強すぎて、発売されてから14年間、自分から聴きたいと思ったことの
  ないテイクですが、良く解釈すれば「遠い宇宙まで願いが届きますように」
  って感じにも聞こえて新鮮でした。(五島プラネタリウムにて)

  [解説]
   昭乃さんのプロ・デビューのキッカケとなった名曲。
   福岡時代の昭乃さんの友人が、ビクター宣伝部に就職した時に約束した
   「僕が動けるようになったら、真っ先に昭乃ちゃんのテープを、誰か良い
   ディレクターに聞かせるけんね。」の言葉通りに、友人がディレクターに
   この曲のデモテープを持ち込みプロ・デビューの話がトントン拍子に進みました。
   ちなみにその友人は、今はCOCCOのディレクターだそうです。

 1999
  あと10年ちょっとで地球が破滅するんですってよ!!!
  毎秒毎分悔い無く生きている人なら、そんなこと聞いてもあわてません。
  特に、愛で充たされている恋人同士、手を取り合って
  「死ぬときはいっしょ。」なんて誓い合ったりして・・・。
  「1999」これは、カッコイイ、と思います。

  もちろん、あの予言からインスパイアされて作った歌詞です。
  「自分たちは死んでいくけど愛は永遠」と歌っています。
  それ自体は決して否定しないけど、今となっては、躍らされた
  自分がちょっとイヤ。そんなものなど気にせず、前向きに、タフに、
  普通に、生きていきたい。と、実際1999年を迎えたら、そう思いました。

 約束
  アニメーション映画「ウインダリアの主題歌。私のデビュー曲です。
  子供の頃、憧れていた加藤和彦さんの曲・・・・・・///
  何はともあれ、この曲を通じて知り合えた人達をずっと私の宝物にします●
                             ハートマーク↑

 ロゼ・ルージュ
  やわらかい光と風のテラスで、ごいっしょに、
  お茶の時間をすごしましょう・・・・・・。

  [解説]
   昭乃さんが実際に経験した失恋話がベースに創られた秀作。
   時は、福岡時代。20歳の頃の昭乃さんは、決して"かなわぬ恋"をしていた。
   ある夜、天神(福岡の繁華街)にある夜景が見えるホテルのレストランで
   食事をともにした時に、相手から「ごめんね...」と一言。そして
   別れ際にホテルのお花屋さんで、大きな"赤い薔薇"の花束を渡された。
   喫茶店(*1)をしているご実家には当時、ピアノが置いてあり、帰宅した
   昭乃さんは苦々しい想いをしながら、バンバン…とピアノを弾いていた。
   すると、お母さんは"赤い薔薇"を花瓶に活けながら、何もかも悟った様に
   「昭乃ちゃん。世の中にはね、どーしても諦めなきゃいけない事が
   あるのよ……」と語りかけた。その時、昭乃さんは、
   「えー、どうして(失恋したのが)分かっちゃったのー?」とドッキリ。
   そして、あらためて「さすが母親ってすごい!」と感じたそうです。
   この曲は、そんな時にできた、切ない人生歌です。

   (*1)カナディアンコーヒー琲珈里(ひかり) 2002年2月閉店

 Sky Lounge
  高い高いガラス窓から見降ろせば、街は夢とうつつの間に揺らめいて見える。
  明日からまた仕事だけど、今だけは何もかも忘れさせてね・・・・・・。
  ドラマティックに、このLPはおわるのです。
 -----------------------------------------------------------------------


ベストアルバム

 空の森

 ビクターエンタテインメント VICL-60042 (97.8.21) \3045 (CD)
   星の雨       (新居昭乃/新居昭乃/新居昭乃、保刈久明)  [4'17"]
   遥かなロンド    (工藤順子/菅野よう子/菅野よう子)     [4'13"]
   Moon Light Anthem 〜槐1991〜
             (新居昭乃/新居昭乃/門倉 聡)       [4'12"]
   三日月の寝台    (新居昭乃/新居昭乃/寺嶋民哉)       [4'05"]
   凍る砂       (新居昭乃/新居昭乃/萩田光男)       [5'23"]
   風と鳥と空 〜reincarnation〜
             (新居昭乃/新居昭乃/萩田光男)       [4'14"]
   Adesso e fortuna 〜炎と永遠〜
             (新居昭乃/新居昭乃/新居昭乃)       [4'40"]
   VOICES       (覚 和歌子/菅野よう子/菅野よう子)    [3'54"]
   金色の時 流れて  (新居昭乃/菅野よう子/菅野よう子)     [5'09"]
   Licao do Vento   (Osny Melo /大島ミチル/大島ミチル)    [4'27"]
   歌わないうた    (新居昭乃、ARION /新居昭乃/新居昭乃)   [4'44"]
   月からの祈りと共に (−/菅野よう子/菅野よう子)        [4'42"]
   Siva〜佇む人〜   (MIKAN CHANG /門倉 聡/門倉 聡)     [3'04"]
   三日月と私     (滋田美佳世/新居昭乃/新居昭乃、保刈久明) [4'47"]
   WANNA BE AN ANGEL  (Gabriela Robin/菅野よう子/菅野よう子)  [5'32"]

 ビクターレーベルで、いままでに昭乃さんが関わってきた楽曲の中から
 本人が選んだセルフカバー3曲(「星の雨」「Adesso e Fortuna〜炎と永遠〜」
 「三日月と私」)を含む全15曲収録のベストアルバムです。
 尚、「金色の時 流れて」は「Prologue〜金色の時 流れて」と同じ内容です。
 また「Licao do Vento」は、曲の最後のフェードアウトが早い、若干のショート
 バージョンです。

2ndアルバム

 そらの庭

 ビクターエンタテインメント VICL-60043 (97.10.22) \3045 (CD)
   Reincarnation  (新居昭乃/新居昭乃/寺嶋民哉)      [4'25"]
   小鳥の巣    (新居昭乃/新居昭乃/菅野よう子)     [4'23"]
   空から吹く風  (新居昭乃/新居昭乃/保刈久明)      [3'59"]
   仔猫の心臓   (新居昭乃/新居昭乃/新居昭乃、保刈久明) [3'56"]
   OMATSURI    (新居昭乃/新居昭乃/新居昭乃、保刈久明) [3'58"]
   アトムの光   (新居昭乃/新居昭乃/新居昭乃、保刈久明) [4'38"]
   Black Shell   (新居昭乃/新居昭乃/保刈久明     ) [4'07"]
   Solitude    (新居昭乃/新居昭乃/新居昭乃)      [3'16"]
   妖精の死    (新居昭乃/新居昭乃/寺嶋民哉)      [4'14"]
   人間の子供   (新居昭乃/新居昭乃/菅野よう子)     [5'11"]
   Little Edie   (新居昭乃/新居昭乃/新居昭乃)      [2'19"]

 11年ぶりのセルフ・プロデュースによるオリジナル2ndアルバムです。
 プライベートな自分の生活を題材に、ほとんどが実際に起こった出来事を
 曲にまとめた作品です。尚、このアルバムは、オリコンアルバムチャート
 (97.11.03付)に71位にランクインしました。
 カバーアートに、昭乃さんが美術から音楽に転向したきっかけとなった
 画家の落田洋子さんの作品「棄てられた季節」を使用しています。
 「超時空要塞マクロス15周年記念コンサート」で会場先行予約があり、
 特典に新居昭乃直筆サイン入り撮り下ろし「そら」の写真が付きました。
 尚、生産ロットの違いで若干の違いがあり、
  ・紙が違う(テカテカ度が落ち、紙質も柔らかくなっている)
  ・印刷が濃くなった
 との情報も寄せられています。
  また97年12月14日のON AIR EASTでのライブ会場で、このアルバム用の
 手作りジャケットが100セット限定(シリアル番号付き¥1000)で
 販売されました。内容は、A4の封筒にて黒い丘の上から撮った空の風景に
 アルバムタイトル&曲目が書かれたジャケットと昭乃さんのイラストに
 ライブタイトル&当日のセットリスト&メンバーが記入されたジャケットの
 2種類のプリントアウトした紙ジャケットが入ったものでした。

 新居昭乃さんのコメント(ビクターのホームページより引用)
 -----------------------------------------------------------------------
 『そらの庭』は精神的なものがすごく強いアルバムなんです。
 良い景色を見たりして、自分が一瞬どこにいるのか忘れたりするような
 瞬間とか、非日常的な部分で感じたことが歌たちになった……
 そんな感じです。1枚のアルバムの中で、初めて自分のことを自分で認めて、
 世界を作っていって、皆さんにお聴かせできるものができたので、
 是非聴いて頂きたいです。
 -----------------------------------------------------------------------

 ラジオ雑誌等で語られた内容より曲解説します。
 -----------------------------------------------------------------------
 Reincarnation
  Goddess in the the Morningとは別アレンジの作品で、曲を創った当時に
  本来意図していたアレンジに仕上げ直した。
  この曲は、元々ロードス島戦記の挿入歌のオーダーの時に、最初に書かれた
  曲ですが、「暗い」と言うことで「ボツ」になった作品です。
  (その時に新たに創られた作品が「風と鳥と空 〜reincarnation〜」です)

 小鳥の巣
  心が、ひとりで勝手に飛んで行ってしまうのを、
  自分自身で止めることができない気持ちを唄った作品。

 仔猫の心臓
  自宅のマンション近くで、小さい黒い猫が倒れたのを見て、拾って
  帰ってきた時の体験を唄った。その黒い猫は、もう目が見えなく
  自分で立てない状態で、二晩看病したが駄目だった。
  歌詞の「バラの花輪をつくろうよ」は、マザーグースからとっている。

 アトムの光
  フランスの核実験のテレビニュース映像を見て創られた作品。
  特に反核のために書いたのでなく、「なんてことをしてしまったの?」
  という生理的に湧き出た拒否反応を、そのまま素直に書き上げた作品。

 妖精の死
  昭乃さんの「歌い手としての自分」が「創り手としての自分」に
  発注して−こんな曲が唄いたいと思って−創った初めての作品です。
  歌詞では、妖精の話となっていますが、少女として育ってきて、
  ある日突然女として目覚めていく頃を比喩的に唄っています。
  曲を盛り上げるEvil Voicesとして吉良さんが参加しています。

 人間の子供
  今、子供がすごく酷い目にあってる−いろんな意味で。
  昔からあった事がメディアが発達した事により、大げさに捉えられ過ぎて、
  それが子供に大きく跳ね返って、子供達が辛い事のように感じてしまう。
  子供は本来1人1人別々で、1人1人それぞれの考え方を持っていて、
  誰にもあわせなくてもいいはず...。そんな気持ちを込めて創った作品。
  菅野よう子さんが、初めて昭乃さんの曲をアレンジしている。

 Little Edie
  古くからの友人である「種ともこ」の子供(イーディちゃん)に捧げた歌。
 -----------------------------------------------------------------------


3ndアルバム

 降るプラチナ

 ビクターエンタテインメント  VICL-60549 (00.5.24) \3045 (CD)
   スプートニク (新居昭乃/新居昭乃、保刈久明/保刈久明) [4'59"]
   願い事    (新居昭乃/新居昭乃/松林正志、保刈久明) [4'54"]
   ガレキの楽園 (新居昭乃/新居昭乃/保刈久明、新居昭乃) [5'13"]
   Flower    (新居昭乃/新居昭乃/保刈久明)      [5'09"]
   Orange Noel  (新居昭乃/新居昭乃/保刈久明)      [4'20"]
   愛の温度   (新居昭乃/新居昭乃/保刈久明、新居昭乃) [3'53"]
   Reve     (Passiflore Baldassari/新居昭乃/
           松林正志、保刈久明、新居昭乃)      [4'10"]
   音叉     (新居昭乃/新居昭乃/保刈久明、新居昭乃) [5'07"]
   赤い砂白い花 (新居昭乃/新居昭乃/新居昭乃)      [1'05"]
   降るプラチナ (新居昭乃/新居昭乃/保刈久明)      [5'51"]
   メロディ   (新居昭乃/新居昭乃、保刈久明/保刈久明) [3'53"]
 オリジナル3rdアルバムです。本アルバムに関しては、たくさんの情報が
 メディア(ホームページ、ラジオ、雑誌など)を通して流されましたので、
 個々にまとめておきます。

 [概説・コンセプト]
 当初は、「ドラキュラ(仮題)」「ラプンツェル(仮題)」といった曲を
 収録するような漠然としたイメージで語られていたアルバムでしたが、
 本人談「明るい雨。小高い丘。足もとからクリーム色のれんががちょっとした
 植物園までつづいていて、その奥には少女がしゃがみこんでいる。
 って感じの絵です」と初めて重要なキーワード「明るい雨」が披露された。

 ここに至るには、いきさつが存在する。98年春頃、アルバム製作の具体的な
 話をはじめた時、ディレクターから「なにか核になるコンセプトってある?」と
 聞かれた時には、昭乃さん自身全く何もなく、ただ漠然と曲がそろいはじめても
 決まっていなかった。ただ曲を創っていく過程で昭乃さん自身が気がついた事が
 あった。それが今回一番重要なテーマとなる「浄化」である。
 「自分と向き合う」と言うか「悲しみとかに、めげないで、ちゃんと向き合って
 いずれはそれを昇華させて、体の中から浄化していこう」と言う想いである。
 そして決定的な出来事に昭乃さんは遭遇する。夕日がまぶしく明るすぎて何にも
 見えないような、見慣れた景色が別のものになって見えるような、暑い夏の日の
 夕方、公園の森の中を散歩していた時である。急に天気雨が降ってきて、
 それは見事に無数の雨の粒が一斉にきらめいて、ばらく呆けたように昭乃さんは
 見とれていた。それこそこの世のすべてを浄化してくれるような光であった。
 まもなく土砂降りになって、あわてて屋根のある所に雨宿りしてながら、
 感慨にふけっている間にアルバムのタイトルが浮かんだ。早速その夜、
 プロデューサの保刈さん、エンジニアの松林さん、ディレクタ井上さんを
 集め立ち上がって発表した、「降るプラチナ」と。

 今回、音の責任者プロデューサとして昭乃さんが絶対的な信頼を寄せる
 保刈さんに依頼している。昭乃さんが曲を創って「この曲は、聴いてると
 こういう風な気持ちになれるようにしたい」みたいな抽象的なオーダーに
 対して、保刈さんは、「絵を描くよう気持ちで、創った音を足していった」
 そうである。ある程度出来たところで昭乃さんが聴いてみると「あーこれ、
 こんな感じ」と思い通りだった。こういうやり方で昭乃さんは、自分の曲を
 イメージ通りにアレンジしてもらう事が今まで無かったが「今回は、かなり
 イメージ通りに出来た」と言う満足感、達成感を感じており、「保刈君には
 感謝をしてる」と述べられている。 

 本人談「今回のアルバムには、自分の好きなものを、とにかく詰め込んで
 みたいと思ってます。透きとおってるもの、きらきらするもの、SF、
 古い映画、工業地帯...etc。そういったものを通して、純粋であること
 などを歌にできたらすごくいいなって考えています。そして全体を通して
 表現したかったことは、物事を「浄化」または「昇華」させていく心の
 過程です。そしてごく一部の人にしか理解できない抽象画ではなく、
 誰にでも風景が見えてくるものにしたい、質の高いファンタジー小説のように、
 人から人へ伝わっていくようなアルバムにしたいと、一貫して考えて
 創りました」

 [レコーディング]
 今回のレコーディングは、ドラムに佐野康夫さん、ベースに渡辺等さん、
 シンセに坂元俊介さん ギターに保刈久明さん、堀越信泰さん等、気心しれた
 安心メンバーで行われました。そして坂元さんのお友達の、アーティストであり
 キーボーディストでもある細海魚さんが初参加で1曲弾いている。
 昭乃さん自身は「なんだかとっても世界が広がりました。今回のレコーディングの
 大収穫です」とコメントされている。「鍵盤」というと、菅野よう子さんに
 頼りきっていた昭乃さんでしたが、今回は殆どご自身で弾かれました。
 細海さんが持ってきたかわいいシンセ(オムニコード)がとってもいい音で、
 「スプートニク」の中で昭乃さん自身も使わせてもらったそうです。
 その「スプートニク」では、イントロにいれるロシア語のセリフが欲しくて
 千葉大学外国語センターでロシア語を教えていらっしゃるワジムシローコフさん
 (NHKロシア語講座に出演)に依頼、ワジムさんは昭乃さんのオーダーに
 あわせて、ちょっと悲しいトーンにしたり、宇宙通信ぽいトーンにしたり
 絶妙な演技をご披露されたようです。
 2000年1月末にニューヨークに行ってマスタリングを実施しました。
 昭乃さんが99年一年間通して一番好きだったトリッキーのアルバムを
 マスタリングしたエンジニアがいるニューヨークのステアリングサウンドです。
 昭乃さんが「今、もしかして世界で一番マスタリングがうまいスタジオ
 なのかなぁ」思っているところのようです。ニューヨークでマスタリングする
 ことはレコーディングの前からエンジニアの人と決めていたようで、
 昭乃さんはなるべく予算を切り詰めるようにして、声は殆ど自宅のいつも
 デモテープを作っている設備で録音されたりしています。

 [ジャケットについて]
 「共産圏の古いSF映画のようなジャケットにしたい」との希望より
 ソビエトSF映画(惑星ソラリス)をイメージして製作されました。
 本人談「映画のパンフレット見てるみたいなジャケットになるといいな」

 ジャケット写真撮影は、ジャケットデザインプロデュースを手掛けるNRS516の
 よしださん(「だ」にアクセントがポイント!)と、りえさんが担当しました。
 二人と昭乃さんはGoddess in the Morningからのお知り合いで、「空の森」
 「そらの庭」も彼らの作品です。

 撮影には、一泊二日のロケを慣行。ロケ場所は、自然と工場等の
 メタルな感じが不思議な共存をみせる茨城県(鹿島)の海岸です。
 撮影当日は、ニューヨークのマスタリングに引き続き
 「極寒」そして「ニオイ地獄」。
 本人談「私は暑いのも(「空の森」では灼熱地獄だった)ケミカルな匂いも
 耐えられるけど、寒いのが全くダメ。「もうダメだ...」って
 何度思ったでしょう。たぶん、ジャケットにも温度の低さが充分出てると
 思います。でも、一番寒くて気が遠くなりながら撮ったシーンは
 使われなかった...。そういうものなのね」

 裏ジャケットに写ってるカプセルの中にある植物の名前は「チランジア」と言い
 一般に「エアプランツ」と呼ばれている、空気中の水分を吸って生きていく
 植物で、土や水とかに入れなくて良い植物です。

 [曲解説]
 (主にアニメディックパーク及びビクターホームページより引用編集)
 -------------------------------------------------------------------------
 スプートニク

  毛利さんも2度目の宇宙で活躍され、スペースシャトルの打ち上げシーンも
  見慣れたはずなのに、地球の重力に逆らって空を目指す姿には今でも鳥肌が
  たちます。ラジオでは話しましたが、スプートニクというのはご存知の
  とおり、旧ソ連のロケットです。私の敬愛するビクターのディレクターと、
  二人でご飯を食べて、帰りにおうちの近くに行った時の事です。
  ロシアがソ連だった頃のロケット宇宙計画というんでしょうか?
  アメリカとすごい競っていた時代があって、ソ連の一番最初のスプートニク
  っていうロケットにライカ犬が乗せられていたっていう話を聞いたらしく...
  私も、そういう話は何か聞いたことがあるし、そういうなんかヘルメットを
  かぶったライカ犬の写真を見た事あるぞ。とか思ったんだけど...
  それで、そのライカ犬ってもう帰ってこれないって分かっているのに、
  1週間分の食糧とかだけを積んで打ち上げられて、宇宙の遠くに消えて
  いったんだと思うと...って泣いてるわけです。
  私は「あぁ確かに...」と思ったけど...
  「ある意味、本当の意味で星になっちゃったりするわけですよね」とか言って、
  「そうだよね」って思って、どこかの軌道を回ってたりもするのかも
  しれないと思ったりするうちにですね、私もなんかスプートニクという響きと
  ライカ犬という響きと、宇宙とか「帰って来れない」とかそういうものが
  合わさって歌詞ができました。その後、本屋さんで探したら荒俣宏さんの
  「スプートニク」という本まで見つけてしまいました。ソ連のロケット基地の
  写真、ライカ犬が宇宙服を着せられている写真だの、久々に大きく心が
  動きました。歌の中に出ている「クローカー」っていう犬の名前とか、 
  ヒントをもらったんですけれど。この本は、よーく見ると、いっちばん最後に
  物凄いちっちゃい字で、「フィクションです」って書いてあるんですが...。

  スプートニクという人類初のロケットに、それも帰ってくる予定のない
  ロケットに乗せられたライカ犬が、自分ではどうすることもできない運命の
  ようなものに、どんなに望んでも手の届かないものに、たぶん、どんなに
  絶望しただろうと思って、創った曲なんです。そしてロケットに乗せられて
  宇宙に飛ばされたライカ犬のことを、恋人が去っていくシーンと重ねて歌詞に
  してみたんです。

  イントロでのロシア語は、ロシア人のエフトゥシェンコの詩の世界を、
  (日本語でしか私持ってなかったんだけど)それをロシア語に訳して
  セリフにして言ってもらったんです。ちょっと寂しい内容の詩なんだけど
  想像してみて下さい。「そして一人の男が死ぬ時 彼の最初の雪も死ぬ
  最初の口づけも 最初の喧嘩も」

  詞の中にでてくる「クローカ」は後にソユーズ2号に宇宙飛行士と共に
  乗せられたライカ犬の名前です。最初に「スプートニク」に乗せられた
  ライカ犬(グドリャフカ)から「クローカ」へ「きっと帰って、君だけは
  地球に帰ってくれ」みたいな、なんかそういう気持ちを、込めて
  「クローカ、クローカ」と作ったわけです。 

  この曲は、先に歌詞ができて、保刈君が考えてくれたコードの流れの上で、
  殆どアドリブで作りました。 

 願い事

  種明かしって言うか、買ってくれた人は、気が付いたと思うんですけれども、
  「この「ビリジアンハウスのテーマ(2000.4.2〜)」ってこんな所から
  来ていたのね」っていう、 ある人に言わせれば「死霊の盆踊り」なんて
  いう副題もついていますが(笑)...。打ち込み中心でイントロを
  あさちゃん(ASA-CHNG:朝倉さん元スカパラ、Charaのツアーでご一緒)って
  いうパーカッションの人に、その場で急にお願いしたら、「楽器がない、
  持ってきてないよー」って言って、その辺を探してごみ箱持って来てくれて
  叩いてくれたりとか...。

  恋をするといつでも、自由に心を遊ばせることができるし、勇気も湧いてくる。
  人々の眠る窓を全部たたいて、この人を愛してるといってまわりたい。
  例え思うようにいかなくてもただ単純にまっしろい気持ちで人を愛したい。
  それが私の願い事。葛生千夏(昔からファンだったんですよ...
  声出ただけで違う世界につれてってもらえるんで)さんのコーラスと
  エンジニアの松林さんのデジタル民族系(?)のリズムが、この曲を私の
  目指していた「奇麗なだけじゃないファンタジー」にしてくれました。

 ガレキの楽園

  「松本大洋」という人「鉄コン筋クリート」っていう漫画があるんですけど、
  「太陽は眠っている」(「はちみつ白書」収録)ていう詞をあげた時に、
  吉良君がなんかその漫画を思い出して、それで「あの、世界だね」って
  言ってくれたんです。私はその時知らなくって、早速本屋に行って読んでみて、
  凄く引き込まれちゃって、ずーっと心の中に残ってて、こういう歌が
  出来たって感じなんです。基本的に「私」って自分の事を歌うのが、
  信条だったんですけど、これに関しては、インスパイアされて創った曲なので、
  もう「僕」と唄わざるを得ない気持ちになって唄ったんです。
  漫画を知らない人は、これを純粋に聴いてほしいんです。なんかひとことで
  言っちゃうと「友情の歌」です。

  友達は純粋で、人が考えているだけのことにさえ傷ついてしまう。
  鏡のように、透明なガラスのように物事をみせてくれる。
  この友達のためなら、自分はどんな目にあってもいいと思える。
  そういうことを歌いたくて書いた曲です。
  このアルバムの中で一番力強い曲だと思います。 

 Flower

  「本当の気持ち」とか「想い」とか、あまり外に出せずに、もうホントに
  優し過ぎちゃって、 人の事とか、いろんな人の立場に立って考えちゃって、
  「なかなか自分の思う事が出来ない」っていう女の子を見てて、
  「何か、こういう感じなのかなぁ」と思いながら、彼女を励ます気持ちも
  込めて創った曲です。 

  まわりの女の子たちを見ていると案外本当の気持ちはしまい込んでしまって、
  傷つくよりは何ごとも起こらないで欲しいと思う人が多いように感じます。
  一生涯ヒミツにするような思いを、女の子は誰でも胸に抱いているに違い
  ありません。それは、太陽がふたつ見えるどこか遠い惑星の風景のように
  神秘的。そして男の子たちは、それを知っていて黙っているような気がして
  なりません。ずるくて優しい、そんな繊細な心と、細見魚君が演奏する
  ウーリッツアの音がとってもぴったり。

 Orange Noel

  三重野瞳ちゃんのアルバム「23.4」を作った時に書いた「ビーシュ」と
  いう曲に新たに歌詞を書いてセルフカバーです。その詩を書いている時に
  「ノルウェーの森」(The Beatlesの曲)が頭の中で鳴っていたっていう
  感じでした。この曲は、全部人でやってるんです。一応自分でギター弾いて
  創ったです。(普通は、頭の中でできるのが一番多くて、あとは鍵盤の方が
  自由になるんで、鍵盤で創るのですが...)

  行き違いになってしまった男女は、森ではぐれた子供のよう。
  もう一度出逢えるおまじないは?それとも動かずにじっと待っている方が
  いいのでしょうか? 

 愛の温度

  このタイトルを考えた時は、ちょっとね「温度」が「(お祭りの)音頭」と
  思われるのがコワかったんですけど...(笑)、 案の定そう思われることも
  あったんですね。

  人は死んでしまっても、愛の温度だけはこの世に存在し続けるような
  気がします。この曲はオケができあがって、海の底に沈んだ船が
  軋んでいる音に聞こえる部分からイメージして歌詞ができました。 

 Reve

  これはフランス語で「夢」と言う意味のタイトル。
  地下鉄のザジが、そのまま大人になって、自由奔放になり振り構わず
  生きている雰囲気をイメージしています。そうした歌詞の主人公は自分を
  信じて奔放に生きる少女です。
  10年以上も前にフランス語の仮の歌詞をつけてて、この曲を一応完成させて
  アルバムに入れたいって思ったんですけど、日本語でどうしても歌詞つけられ
  なくて、モチーフのまま眠っていた曲を「ホントに自由に縛られずに、
  規則とか法律とか道徳などに縛られずに生きたらどうなるんだろう」と
  言うな事をテーマでフランスパリ在住の女性作詩家の方にお願いして
  やっと完成しました。

  私は、だいたい風景とかも、ヨーロッパの暗い風景とかが大好きで、
  南国系とか天国系は、余り惹かれるものが無くて、曲も結局そう言う風景の、
  ちょっとくらい恐ろしい、どんよりした様な風景が見えてくる曲を
  創ってしまうことが多いんです。エンジニアの松林さんがアルバムの他の曲を
  聴く前に、純粋にこの曲に一番似合うリズムトラックをつけてくれて、
  この曲だけは、ハウスみたいなリズムになっちゃったのは、とっても偶然で、
  もう他のいろんなリズム試したんですけども、この一番この曲をあらわす
  可愛い可愛いリズムが「これだったのかなぁ」と思って。
  そして「60年代のフレンチポップスのカバー」のようになると
  おもしろいかな?と言いながら、保刈君が可愛らしく仕上げてくれました。
  ちょっと風が吹いて、明るい昼間の歌かな?なんて自分で思っているんです
  けど...。

 音叉

  以前、山中湖のスタジオで何気なくピアノをさわっていて出来た曲です。
  その後、この曲はいったいどんな風景を歌っているのだろうと3日間ずっと
  そればかり考えていたら、草原の上、巨大な音叉がいくつもガラスの
  チューブに入って空に浮かんでいる夢を見ました。ガラスの中では
  共鳴する事もない音叉。でもいつかガラスが無くなり、一斉に共鳴音が
  鳴り響く時がきて欲しい。私は夢の中で、音叉の下をどこまでも歩いて
  行こうとしてました。理由もない閉塞感から「解放されること」を
  表わしたくて、シンプルなアレンジで、広がるようにしたいと思いました。 

  # 歌詞の中の「マグリットの空」とは、ルネ・マグリットという
    画家の絵をイメージしているようです。

 赤い砂白い花

  去年の春、親友がモロッコのマラケッシュで結婚式を挙げることになり、
  総勢20名のちょっとしたツアーに参加しました。私はマラケッシュという
  土地に魅了され、滞在中はずっと夢をみているようでした。これは結婚式の
  前夜に、ホテルの部屋で作った祝婚歌です。ラクダに乗せられたウエディング
  ドレス姿の親友は本当に、アフリカの赤い土に咲いた一輪の凛とした花の
  ようでした。 

  # この結婚式のお話は、99.5.9放送のビリジアンハウスで
    詳しく語られています。

 降るプラチナ

  子供の頃の私の憧れは父でした。8歳の時、父が家に帰らなくなり、
  その頃から私は曲を書き始めました。父が出ていったのは自分のせいだと、
  子供はどこかで思ってしまうものですが、去年の初夏、すべてを浄化し、
  許し、癒してくれるような美しい光景に出会いました。それは公園の中を
  歩いていて、とっても良い天気で、夕日が眩しかったんでけれど、とっても
  気分良く歩いていたら、突然、天気雨が降ってきて、その雨の全部の粒が
  全部光って凄い光景だったんですね。
  それで、なんかこう自分まで洗い流して貰えるような、とっても綺麗に
  なれるような、そんな気持ちになった瞬間だったんですけれども、それで、
  この世全てに、プラチナが降っていると言う感じがして、浮かんだのが
  この曲です。
  チェンバロとピアノとサンプリングで組立てられた音が、その時の情景描写に
  なっています。この曲は、小さい頃、父が帰って来なくなったりとかして、
  それで悲しかった子供時代とか、そう言う物を思い浮かべると、
  眩しかったり、ちょっとフワッとして見えなかったりとか、
  そう言うイメージと、その時の天気雨のイメージと重ねて創った曲です。

 メロディ

  誰かの存在が、私を楽器のようにしてくれて、自然に音楽になってしまう。
  「愛する人は音楽そのもののような存在」という気持ちを込めて、
  このタイトルにしました。ASA-CHNGの繊細なパーカションと、
  今堀恒雄さんのギターがとても素敵な曲です。 


コンセプトアルバム

 鉱石ラジオ

 ビクターエンタテインメント VICL-60721 (01.5.23) \2500 (CD)
   Zincite Trance (新居昭乃/保刈久明/保刈久明)      [1'23"]
   鉱石ラジオ   (新居昭乃/保刈久明、新居昭乃/保刈久明) [3'24"]
   Satellite Song (新居昭乃/保刈久明、新居昭乃/保刈久明) [4'51"]
   エウロパの氷  (新居昭乃/保刈久明、新居昭乃/保刈久明) [3'33"]
   きれいな感情  (新居昭乃/新居昭乃/保刈久明)      [4'18"]
   How about u   (新居昭乃/保刈久明/保刈久明)      [0'31"]
   赤い砂 白い花(marrakech mix)
           (新居昭乃/新居昭乃/細海 魚)      [2'08"]
   Trance Transistor Table Radio
           (新居昭乃/保刈久明、新居昭乃/保刈久明) [4'02"]
   案内マウス   (新居昭乃/保刈久明/保刈久明)      [0'20"]
   Welcome to Riskcaution Corporation
           (新居昭乃/保刈久明/保刈久明)      [4'50"]
   チェコの夢 〜 Fall
           (新居昭乃/保刈久明、新居昭乃/保刈久明) [7'20"]
  昭乃さんご自身のラジオ番組「Viridian House」のテーマ曲をモチーフに、
 新たに創られた楽曲を中心に構成された、初のコンセプト・アルバムです。
  プロデューサの保刈さんは、前回のアルバム「降るプラチナ」の制作過程で
 彼自身の中に副産物のようなものができており、それを形にしたかった事と、
 昭乃さん自身もラジオ番組をリニューアルするってことで、何か形にしたいって
 思ってた事が結びついて、「ラジオ」をコンセプトにアルバムを制作する事に
 なったようです。
  参加ミュージシャンは、堀越信泰さん、田中徹さん、細海魚さんなど、
 エンジニアは松林正志さんとおなじみのメンバーが参加しています。
  そしてマスタリングは「降るプラチナ」に引き続き、ニューヨークの
 TED JENSENさん(マドンナなどの作品を手がけて有名)に依頼されました。
  「きれいな感情」は、アニメ「ノワール」のEDテーマ曲になっています。
 この曲は、同アニメのサウンドトラックにも収録されていますが、こちらに
 収録のものは、ニューヨークでマスタリングされたものとなっています。
 (楽曲自体のバージョンは同じで、マスタリングのみが異なっています)

 [概説・コンセプト](昭乃さんご自身のコメントを編集)
 -------------------------------------------------------------------------
  Viridian Houseを4年間やってきて、ラジオに寄せられたお便りや、
 リスナーの方たちと一緒に体験していったことなどを通して、ラジオで得たもの
 を音楽にして、「発表したいな」と、すごい想って創ったアルバムなんです。
  タイトルは「鉱石ラジオ」といいます。”こうせき”って、あの「ミネラル」
 の鉱石なんですけど、電池が要らなくて、石とコイルをぐるぐる巻いたり、
 抵抗とかあるだけで、「それだけ?こんなでいいんだ(笑)」っていうくらい
 簡単な仕掛けで受信できる、不思議なラジオなんですね。 
  ライブで「”鉱石ラジオ”って知ってますか?」って聞いた時、ほとんどの
 人が知らなかったですけど、小学生の理科の実験とか?で、男の子は作った事が
 ある人が結構いるみたいなんですけど...。
  今回、ラジオのアルバムを創るっていうので、「何かないかな?」って
 捜してた時、保刈くんから「鉱石ラジオ」っていう言葉がでてきたんです。
 名前は知ってたけど実物は見たことなかったんですけど、黒柳徹子さんが、
 カンボジアで子供が作っているラジオ番組に出るっていうのをTVでやっていて
 その中で子供がカセットテープのケースに自分で作った鉱石ラジオを入れて
 黒柳さんに渡していたのを見てイメージがピッタリきて「これにしよう」と。
  「鉱石ラジオ」って言葉だけ聞いて、夢が広がった感じと、−実は、秋葉原に
 捜しに行ったりとかして...。現実はちょっと違ったんですけど(笑)−
 戦前のイギリスやアメリカとか外国の鉱石ラジオを集めた本を見ると、
 デザインもすごく可愛いくて、夢がすごくあって、なんか特別な音が
 聴けるようなイメージがしてしまって、「鉱石ラジオ」ってタイトル曲を
 創りました。
  全部で11トラック入っているんですけど、「ラジオの番組を聴くような、
 雰囲気で聴けるようなアルバムになるといいな」と思って、最初はCMを
 入れようとか、「♪エフエムなっくふぁーいぶ」みたいなジングルも入れよう
 とか思ってたんです。
  でも、もうちょっと音楽寄りに創って、代わりにそういう役割をする
 モノなどや、もうMDでしか残ってなかったViridian Houseのテーマに
 使ってた曲とかをちりばめました。あと詞の内容は、ラジオ番組で得たもの
 (皆さんから頂いたモノ)で創ったという感じなんです。
  4年間で唄いたいことが、沢山たまっていて、それが最初にあったので、
 保刈くんが創ってくれるトラックとほぼ同時進行で歌詞もメロディーも
 できていきました。私には珍しく即興に近いテイクが多かったです。
 人と一緒にセッションするようにして創って行くのも楽しい!って事を
 知りました。
 -------------------------------------------------------------------------

 [ジャケットについて](昭乃さんご自身のコメント)
 -------------------------------------------------------------------------
  不思議な蜂が飛んでいて、鉱石のような石に向かっている雰囲気なんですよ。
 私はそういう風に、とったんですけど...。 
  今回は、デザイナーの角田純一さんという方にお願いして創ったんですが、
 角田さんは凄くアートな方で、いろんな仕事をなさっておられます。
  このアルバムにハマって、ず〜っと聴いてくれて、浮かんだものを
 描いてもらったという状態なんです。
 もう無数といえるぐらい、数多い絵を描いてくださって、その中から、
 一番表紙になる絵を、プロデュースしてくれた保刈くんと、ディレクターの
 井上さんで、とりあえず「これっ!」って選んで、その後、また考えて
 もらう事になりました。
  打ち合わせに行くたびに「あー、またこんなのも創ってみたんだけど」と、
 それから絵がどんどん増えちゃって、「あー、この絵もいい、この絵もいい」
 みたいになって、なんかすごいエキサイティングな作業だったんです。
  最終的に、アルバムを聴きながら絵を選んでいたら、その蜂が、何故か
 とても何か切なく思えてきて「ああ、もうこれしかない」決定したんです。 
  後から聞いてみると、保刈くんと井上さんは、なんか第一印象から
 蜂だったらしく「鋭い二人だなー」って、改めて見直したんですけれども(笑)
  そして角田さんは、ジャケットの印刷が上がって来た後も、なぜか
 ず〜っと絵を描いててくれて、さらに私たちを悩まさせてくれました。
 これについては、ホント嬉しい悩みでした!
 -------------------------------------------------------------------------

 [昭乃さん保刈さんによる曲解説](雑誌及びホームページより引用編集)
 -------------------------------------------------------------------------
 Zincite Trance
 あ:Zincite(ジンサイト)って、電気石の一種。かっこいい名前!
   電波の波形そのもの!みたいなトラック。
    Viridian Houseの最初のテーマが一瞬聞こえたりしてます。
   実は、ノイズの合間にふたつのテーマ曲を使っています。
   でもViridian Houseのテーマ曲をそのまま使ったのは、この曲だけです。

 ほ:子供の頃に作った、鉱石ラジオのことを思い出して創った。
   目に見えない電波が世の中に無数にあるって事。
   電池もいらなくて、ちっぽけな石が電波をキャッチできるって事が
   不思議だった。
    おみやげにもらったポータブルラジオのノイズを、コンピューターに
   取り込んで加工した。この曲は70%位が、そのノイズの音でできてる。

 鉱石ラジオ
 あ:機械が苦手な私にとって、機械に強い人は尊敬すべき存在。
   男の子が作った小さなラジオを、同じ歳くらいの私が受け取るという
   イメージ、丘の上で風がバァーっと吹いて...。
   それまで自分とおんなじと思って一緒に遊んでた男の子が、
   急にすごい人に見えてしまった瞬間の感覚の歌です。 
   出だしは、保刈くんが考えてくれたんです...メロディとか。
   その出だしがあったおかげで、曲を続けて創ることができました。

 ほ:ラジオそのものが自分にとってはノスタルジックなイメージがするから、
   そんな感じでアレンジした。
    細海くんの「ファルフィッツァ」というイタリアのオルガンを、
   彼に弾いてもらってる。モンドでステキな音。
    基本はドラム、ベース、キーボード。
   子供の頃ラジオで聴いていたカーペンターズやバート・バカラックとかの
   シンプルな音楽。ソフトロック。

 Satellite Song
 あ:閉館してしまった五島プラネタリウムに捧げる歌です。
  「音楽と星の夕べ」という企画で、私の歌と共に星を紹介するプログラムを
   組んで頂きました。
   小さい頃遊びに行ってたプラネタリウムで、自分の歌を聞きながら
   地球一周の旅をするなんて、夢のようで、すごく気持ちが良かった。
   その想い出を刻みつけておこうと創ったのが、この曲です。

 ほ:アコギや生のストリングス、電子音が入ってきたり、4つ打ちになったり、
   ひとつひとつのパーツは別ものなんだけど、そういうものがミックスチュア
   されてひとつになる音楽が創りたかった。 

 エウロパの氷
 あ:「エウロパ」っていうのは、木星の衛星のひとつです。
   「星」にハマった延長線上で、氷に覆われたこの衛星のことを知って、
   こんな歌ができました。なんとなく地表じゃなくて、空が氷に覆われてる
   イメージです。
    そんな星に、たったひとり居て、固く心を閉ざしてしまった人の歌です。
   でも希望もあって、明日も自分は、そうやって生きていく、みたいな。
    この曲は、レコーディングの時に保刈くんが、CLAVIA DMI Nord Leadで
   ボロ〜ンと弾いてくれたフレーズからメロディとともに詞が浮かびました。
   そして、このアルバムの中で一番ストリングスをメインに使った曲です。
   氷に覆われた星の上にひとりで居る感じをストリングスで表現して
   みたかったので、バイオリンが2本とビオラとチェロのカルテットで
   アレンジしてみました。

 ほ:音楽は自分にとって、聴いた瞬間にどっかに連れてってもらえるもの
   なんだけど...。だから「鉱石ラジオ」っていうアルバム自体を、
   「どこでもドア」や「タイムマシン」に見立てて、今回創っていた。 
    これはなんか、70年代のヨーロッパのどっかの街に飛んじゃった!
   みたいな感じかな?パラレルワールドといった...。

 きれいな感情
 あ:何も穢(けが)れてない、何も求めていない無償でパーッと
   本当に人を好きになった瞬間の曲です。
    恋をするとからだの細胞が全部生まれ変わるような気がします。
   新鮮で、気高くて、美しくて、すばらしい気持ち。
   それをはじめて味わえる初恋は、ほんとに貴重なもの。
   この世のすべての初恋に捧げます。
    普通レコーディングの時は、リズム、ドラムベース、ギターとかを
   録る時に、ガイドボーカルで、仮に歌を唄うんですけれど、
   みんなの感じが良すぎて、仮歌がそのままOKになってしまったという
   私にしては、珍しいバターンで録れた歌なんです。 

 ほ:仮歌がそのままOKになった理想的なレコーディングで、いわゆる
   「せ〜の」ってヤツ。昭乃ちゃんが弾いてるチェンバロが印象的。
   ちょうどそれを録ってる時、外が大雪で帰れなくなるんじゃないかって
   心配だった。で、ぜんぜん関係ないんだけど(笑)、雪をイメージした
   アンビエントな音を後半フェイドインさせてるんだよね。 

 How about u
 あ:ラジオで時々聞こえてくるステーションロゴみたいな存在。ラジオを
   聞いているような気分になってもらえたらいいなぁと思って創りました。
   保刈くんと魚くんで、いくつもバージョンを創ってくれて、その中で
   アコーディオンが素敵だった、このテイクを選びました。カッコ良すぎず、
   ブッ飛び過ぎず、ちょうどいい「ゆるさ」って気がして...。 

 ほ:ラジオのサウンド・ステッカー(SS)みたいな曲を創ろう
   って事になって、ベーシックを創って、最初はもっとふざけた感じだった。
   細海くんとファイルのやり取りをして行くうちに、いくつもバージョンが
   できたけど、最終的にはこういう、ゆるカッコイイ形になった。

 赤い砂 白い花(marrakesh mix)
 あ:この曲は、モロッコで結婚した友達にあげた歌。
   アカペラで歌ってたトラックを魚くんに預けて音を付けてもらいました。
   あの、マラケシュの赤い街と友達の白いドレス姿を、より強く思い出せる
   ような音になってて、なんだかびっくり。
    自分が思い浮かべていたコード感と全く違っていたので、
   「こんな歌だったんだ」とあらためて思いました。そして不思議な
   コード感が、曲を創ったモロッコの風景により近いので「面白いな」とも。

 ほ:マキシシングル「花のかたち」の時に このリミックスを細海くんに
   創ってもらっていた。その時は入らなかったんだけど、今回の企画に
   ピッタリな感じがしたんで、入れさせてもらいました。
   面白い音作るな〜、この人。

 Trance Transistor Table Radio
 あ:よく「今、○○をしながら聞いています。」っていうお便りをもらいます。
   ラジオで話してる時、私は狭いスタジオの中にいるんだけど、
   受信してくれてる無数の点と点がつながっていって、
   そこには、また別の世界があるような気持ちになります。

 ほ:デモテープみたいな、ゆる〜い感じで創ろうと。
   で、うちのスタジオでアコーディオンやオートハープを細海くんに
   弾いてもらって、歌も仮歌のつもりでコンピューターの近くで
   録ってたんだけど、すごくいい雰囲気だったからそのまま使った。
   だから良く聴くと、ハードディスクの音が聞こえるかも。
   「曲らしいものができたから、ちょっと仮歌でも録っとく?」って
   昭乃ちゃんにトラックを聴かせたら、「ちょっと待って」って言って、
   15分位で、歌詞とメロディーまでできちゃって、びっくりした。

 案内マウス
 あ:ホバークラフトみたいなちょっと不安定な乗り物に乗って、
   次の曲まで連れてってもらうCMのようなイメージなんです。

 ほ:今回は曲順も考えながら創ってったのね。で、これは次の曲につなげる用。
   ディレクターに聴かせたら、ネズミが走ってるようなイメージがするって、
   この曲名になった。自分としては、ディズニーランドのスペースマウンテン
   とかで並んで待ってる時に流れてるガイダンスVTRみたいなつもりだった。

 Welcome to Riskcaution Corporation
 あ:私が一番好きなSF作家、フィリップ・K・ディックの世界。
   自分でも知らない意識下の自分が望む場所へのバーチャルな旅っていう
   設定です。ディック的に、現実と虚構の見分けがつかなくなっていく、
   カオスな感じです。怖いもの見たさで、そんなツアーに行ってみたい。
   (危険がいっぱいの乗り物に乗って宇宙を旅する感じですね。)
    もともとは保刈くんの曲で、仮歌を私が別人になった感じで、
   セクシーなトランジスター・グラマー系の人(金髪でミニスカート
   はいたベティちゃんのような女のコ)が「いらしゃいませ〜」って
   やっているイメージで唄っていたんです。すごく好きな曲だったので
   「ぜひ、ください」て、アルバムに入れさせてもらいました。
    実は当初、タイトルが「Welcome to Distortion Corporation」
   だったんですが、保刈くんに「やだ」って言われて
   「Riskcaution」という造語に変えました。

 ほ:昭乃ちゃんはこういう、モンドでハードなトラックでもカッコ良く
   唄ってくれるっていう確信がありました。ありがう。(笑)
   色っぽいガイドさんみたいな人の役で歌ってもらいました。
   佐野さんのドラムスをコンピューターに取り込んで編集したりしました。
   一番時間をかけた曲かもしれない。

 チェコの夢〜Fall 
 あ:保刈くんが天から降りてきたフレーズを無意識にキーボードで弾いてて、
   それを聴いて私も無意識に唄っているという、即興で創りました。
   即興だと自分の予想しなかった展開が生まれるんですよ。
   そういうのも音楽的かなと思っています。
   自分の内側に向かって唄った感じが、チェコのアニメーションから
   受ける印象と似ていたので、このタイトルをつけました。
   「Fall」の部分は何番目かの番組のテーマがモチーフです。
   そのテーマは秋に創ったから、「Fall」って呼んでいました。
   これも保刈くんが創ったトラックに唄って、その歌を、また保刈くんが
   編集して...というやり方で創りました。
   秋の風と電波に飛ばされて、最後にはとっても心地良い場所に
   行っちゃう感じがします。

 ほ:レコーディングも後半にさしかかり、ヘロヘロな感じで右脳だけで
   弾いたシンセに、昭乃ちゃんが即興で唄って、それが結構良かったんで、
   そのまま。「チェコの夢」から「Fall」に移っていく部分は、薄く曇った
   秋の空のイメージなんだけど、昭乃ちゃんの声を加工して使ってる。
   最後はもう、宇宙の裏側まで電波に乗って行っちゃいました。
 -------------------------------------------------------------------------


コレクションアルバム

 collection album RGB

 ビクターエンタテインメント VICL-60869 (02.4.24) \3045 (CD)
   昼の月       (新居昭乃/新居昭乃/新居昭乃) [3'30"]
   さかさまの虹    (新居昭乃/新居昭乃/保刈久明) [4'53"]
   Little Wing     (新居昭乃/新居昭乃/細海 魚) [5'22"]
   黒い種       (新居昭乃/新居昭乃/新居昭乃) [4'55"]
   月の家       (新居昭乃/新居昭乃/保刈久明) [4'31"]
   ばらの茂み     (新居昭乃/新居昭乃/新居昭乃) [5'42"]
   星の木馬      (一倉 宏/菅野よう子/菅野よう子) [4'39"]
   叶えて       (新居昭乃/新居昭乃/新居昭乃、松林正志、坂本俊介) [6'17"]
   祝祭の前 (RGB mix) (新居昭乃/新居昭乃/保刈久明、新居昭乃) [5'27"]
   花のかたち     (新居昭乃/新居昭乃/保刈久明) [4'14"]
   フォロー・ミー   (新居昭乃/新居昭乃、保刈久明/保刈久明) [4'16"]
   きれいな感情    (新居昭乃/新居昭乃/保刈久明) [4'17"]
   空の青さ      (新居昭乃/新居昭乃/保刈久明) [7'06"]
   白昼夢       (新居昭乃/新居昭乃/細海 魚) [4'38"]
 [概説・コンセプト]
 昭乃さんが「空の森」以降、約5年の間に手がけた楽曲を中心にしたアルバムです。
 昭乃さん自身のためというよりは、オーダーを受けた作品の事や歌う方の事を考え、
 心をこめて創った曲を、ほぼ曲ができた順番に並べたものです。
 当初、2000年にビクターからアニメイトへ、新居昭乃さんからの販売促進用
 ビデオレターが届き、ビデオの中で昭乃さんが「(2001年)2月頃に
 ベストアルバムを出したいと思います。(「昼の月」などのCDSを手にして)
 このあたりのアニメの曲を収録予定です」と語っていたアルバムであり、
 昭乃さんにとっての「ささやかな、私の日々の営み」だそうです。
 昭乃さんが、デザイナーの吉田氏(「降るプラチナ」のジャケット写真担当)と、
 コレクションアルバムのジャケットの話をやり取りした結果、吉田氏から
 「光の三原色(Red Green Blue)」という言葉が出てきました。
 光は色を重ねていくと、どんどん白くなっていく。いろんな出来事や感情が重なり
 あって、光に変えて乗り越えて行けば、最後にはすべて許容できる日が来る...
 という、とっても前向きなイメージを表す記号という意味と、昭乃さん自身の生活も、
 昭乃さんをとりまく世界も、そうであってほしいという願いを込めて、アルバムの
 タイトルを「RGB」としたそうです。

 昭乃さんご自身のコメント(ラジオより)
 -------------------------------------------------------------------------
 「コレクションアルバム」というのは、「集めたアルバム」という意味です。
 今、聴くと、やっぱり「歌がヤダー」と思ったり、アレンジもちょっと
 「うううん?」という、聴いてると「直したい!」みたいな事が、やっぱり
 いっぱい出てくるわけです。でも、そういう労力は、新しい事に回そうと
 いうことで、「もう一切そういうことはやらない」と決めて出しました。 
 一所懸命作った曲ばっかりなのですが、(皆さんの)お耳に届くことが
 少なかったと思うので、ここで一枚に集めたら、もうちょっとたくさんの人に
 「聴いてもらえるかな?」という気持ちで出しました。
 今回は14曲並べて聴くというのを前提に、マスタリング作業をやっていて、
 だから1曲1曲シングルで出たときとは、ちょっと聴こえ方がまた違う
 かもしれないので、その辺もー楽しみにして頂きたいなと思っています。 
 -------------------------------------------------------------------------

 [曲解説](主にビクターホームページより引用)
 -------------------------------------------------------------------------
 昼の月
  14才の少女の歌を、というオーダーで生まれた曲です。
  夜輝く月とは違って、触れたら砂のように崩れてしまいそうな昼の白い月。
  少女がはじめて自覚する不安定な心。

 さかさまの虹
  オリジナルは、「歌うのははじめて」という方が歌っています。
  その方の声だけを頭に響かせて作りました。森の空気のように澄んでいて、
  早朝の水辺のようにウエットで、ところどころ秘密めいて光る世界。

 Little Wing
  白鳥由里さんと一緒に作った何枚かのアルバム中でも思い入れの強い一曲。
  コレクションアルバムの企画が持ち上がった時に、是非入れたいと真っ先に
  思いました。細海魚くんにアレンジをお願いしたら、すでに密かにカバーして
  くれていて、それがとっても曲の気持ちと合っていたので、そのままのトラック
  に歌いました。Viridian Houseのリスナーにも、星を見る人がたくさんいます。

 黒い種
  まだ言葉にもならない、でも確かに自分の中にある何か衝動のようなもの。
  コントロールできるかもしれないし、できないかもしれない、
  畏れはまだ硬い種の形。

 月の家
  「昼の月」から少しだけ成長して、恋する相手を思いやる気持ちを
  知った少女の歌。

 ばらの茂み
  もう長いつきあいの「ロードス島戦記」に書いた曲。幼稚園に通っていた頃、
  尼僧である私の伯母が所属するスペイン系の修道院に遊びに行って、
  はじめて受けたカルチャーショックを思い出して作りました。

 星の木馬
  菅野よう子さんから「子供が歌ってるように歌って」と言われ、
  そのつもりで歌いました。今聞くと、自分の中には大人と子供の境界線が
  ないんだなと、改めて思い知らされます。

 叶えて
  日本的なお話に書いた曲でしたので、和楽器を入れては?との意見があり、
  思い切って木田敦子さんに琴を弾いてもらいました。琴の音は薄いガラスの
  百合の花のイメージです。その後は現場で、オペレーターの坂元俊介くんと
  エンジニアの松林正志さんに色々とアイデアを出してもらったので、
  アレンジが連名になっています。

 祝祭の前
  発売されなかったゲームのエンディング...その(幻の?)ムービーを見て
  メロディーが浮かびました。戦いが終わり、勝敗などに関係なく人々の心には
  悲しみが残る。それでも、その日生きていることを祝いましょう、という気持ち。
  サビを5拍子にしたのは保刈久明くんのアイデアです。

 花のかたち
  仲の悪い家族がいて言い争いばかりしている。でも眠る時だけは全員が静かに
  ひとつ屋根の下で一緒に眠っている。そういった曲を、というお話で、
  ばら星雲が浮かびました。一人称の視点では、孤独な小さな星。
  でも宇宙の視点に立つと、星が集まって花の形にも見えるっていう気持ちです。
  でもホントは星雲って、ガスの集まりなんですけど...。

 フォロー・ミー
  たまたまテレビで見た、ミア・ファロー主演の70年代の映画に、
  勝手につけた主題歌。出会った頃の瑞々しい気持ちを夫に思い出させる為に、
  10日間、口を利かずに自分の後をついてくるか、それとも離婚か...と
  妻が夫に突きつける課題。ギターのカッティングのモチーフを保刈久明くんが
  考えてくれて、そこから広がって曲ができました。

 きれいな感情
  恋をするとからだの細胞が全部生まれ変わるような気がします。
  新鮮で、気高くて、美しくて、すばらしい気持ち。
  それをはじめて味わえる初恋は、ほんとに貴重なもの。
  この世のすべての初恋に捧げます。

 空の青さ
  決して結ばれることのない人への永遠の愛を誓う歌。
  そんな悲しくてストイックなこと私にはできないけれど、
  そういう気持ちになりきって作りました。
  オンド・マルトノのハラダさんとのセッションは、
  とってもあたたかく、楽しく、しかも勉強になりました...。

 白昼夢
  振り向いた時や立ち止まった時に、音のない風景が見えることがあります。
  それは、枯れ木の林であったり白い街並みであったりします。
    〜 86年12月 3日ファースト・ホール・コンサートMCより 〜

  20年近くも前に作った、このアルバムでは唯一の未発表曲です。
  あまりにも空が明るすぎると逆に暗く見える。
  見慣れた町なのに、人影が全くないと、知らない町に思えてくる。
  意識がホワイトアウトして、意識下の風景が浮かび上がってくる感覚。
  細海魚くんの手によって、それが音になりました。 

  (編者注:「白昼夢」は、「金色の目」と並びアマチュア時代に、
   コンテストで賞を取った作品でもあります。)
 -------------------------------------------------------------------------


☆ オムニバス ☆


 第28回ポプコンつま恋本選会ライブ

 ヤマハ音楽振興会 C27A8004 (1984.12.??) \2700 (LP) [廃盤]
    金色の目 (新居昭乃/新居昭乃/山本健司) [4'25"]
  1984年10月7日に静岡県嬬恋で行われたポプコン本選会の入賞曲を
 収録したライブ盤です。発売元はヤマハ音楽振興会ですが、販売元は
 キャニオン・レコードで、普通のレコード店で市販されていました。
  昭乃さんは、九州地区代表で出場し、「金色の目」で入賞・川上賞を
 受賞しました。「金色の目」は、A面2曲目に収録されており、
 「懐かしい未来」に収録の曲と編曲者が異なります。
 演奏陣の記載はありませんが、昭乃さん自身がピアノを担当しているの
 ではないかと思われます。「懐かしい未来」収録のものと比べるとずい
 ぶん素朴な編曲です。
  歌詞カードには、歌詞(「懐かしい未来」では、未掲載の対訳付き)、
 楽譜、ベレー帽(「懐かしい未来」のイメージ)をかぶって弾き語りをする
 昭乃さんのステージ写真、昭乃さんのコメントが書かれています。
 コメントは以下のようなものです(以下原文より引用)
 --------------------------------------------------------------------
 年令・性別を超越して生きてます。ふと女に戻るとき……? それはナイシ
 ョです。音楽は、唯一ヤル気になるものでしょうか…… 人をイヤな気持ち
 にさせないものなら、ほとんど好きです。歌うことが好きで、オリジナルは
 50曲あります。漠然として、とりとめのない世界、生活感の漂わない世界を
 描いています。ピアノの弾き語りで、おとなしい感じのものが多いですね
 友達の結婚式で、もう一人の友達といっしょに踊ろうと思って、この曲を作
 りました。
 --------------------------------------------------------------------


☆ シングル ☆


1st

 約束

 ビクター音楽産業 SV-9146 (86.7.5) \700 (EP) [廃盤]
   約束(SINGLE VERSION) 「ウィンダリア主題歌」 (川村真澄/加藤和彦/清水信之) [4'47"]
   美しい星        「ウィンダリア挿入歌」 (新居昭乃/新居昭乃/門倉 聡) [4'53"]

2nd

 地図をゆく雲

 ビクター音楽産業 SV-9182 (86.10.21) \700 (EP) [廃盤]
   地図ををゆく雲 (青木景子/新居昭乃/清水信之) [4'49"]
   Ring Ring    (戸沢暢美/新居昭乃/清水信之) [4'30"]

MAXIシングル

 花のかたち

 ビクターエンタテインメント VICL-35231 (01.2.21) \1260 (CD)
   花のかたち   (新居昭乃/新居昭乃/保刈久明)      [4'14"]
   フォロー・ミー (新居昭乃/新居昭乃、保刈久明/保刈久明) [4'17"]
   メロディ(moonside ver.)
           (新居昭乃/新居昭乃、保刈久明/細海 魚) [6'16"]
   Reve      (Passiflore Baldassari/新居昭乃/
                 松林正志、保刈久明、新居昭乃) [4'10"]
   花のかたち(without akino)  (−/新居昭乃/保刈久明)   [4'12"]
  昭乃さん名義のアルバムとしては、初めてのマキシシングルです。
 タイトル曲はアニメ「地球防衛家族」のED曲でしたが、シングルは発売されず、
 同オリジナルサウンドトラックには、TVサイズしか収録されていないので
 フルバージョンが聴けるのは、このCDのみとなります。
  カップリング曲の「フォロー・ミー」は、ちょっとシュールな二人を描いた作品で、
 昭乃さんが、TVでお昼頃放送されていた同名の映画(72年製作、
 キャロル・リード監督、主演ミア・ファロー)を見て創られた曲です。
 「メロディ」は、アルバム「降るプラチナ」収録曲を、 細海魚さんが、
 リアレンジしたふ〜し〜ぎ〜なmoonsideバージョンです。

 [ジャケットについて]
  デザイナーさんご自身による手作りの刺繍(ししゅう)です。
 残念ながら、昭乃さんご本人の参加は無かったようですが、昭乃さんが、
 こよなく愛するディレクターの井上さんがお手伝いで一部刺繍しているそうです。

 [曲解説](ラジオなどで語られたご本人による解説)
 -------------------------------------------------------------------------
 花のかたち
  これは、宇宙にある星雲、例えば「バラ星雲」とか...
  星が集まって、光が集まって、お花の形に見える...
  なんかその辺に、「地球防衛家族」っていうタイトル(特に「家族」の
  部分)と重ね合わせて、自分なりに、イメージ広げて創ってみた曲です

 メロディ(moonside ver.)
  「降るプラチナ」に収録してた「メロディー」っていう曲を、
  細海魚(ほそみ さかな)くんに、リミックスしてもらった曲です。
  最初に「出来たよ」って、呼んでもらって聴いたときに、
  本当に宇宙にいるような「月の上から地球を見てる」という内容の歌詞と
  ぴったりな気がしたので、moonside ver.と名づけました。
  ちょっと可愛くて、かなり私なりに気にいっている作品です。 
 -------------------------------------------------------------------------


MAXIシングル

 覚醒都市

 ビクターエンタテインメント VICL-35385 (02.5.22) \1050 (CD)
   覚醒都市        (新居昭乃/新居昭乃/保刈久明) [5'15"]
   黄昏は未来で待つ    (新居昭乃/新居昭乃/保刈久明) [4'02"]
   ポーリーヌ、ポーリーヌ (新居昭乃/新居昭乃/新居昭乃) [3'23"]
   覚醒都市(without akino) (−/新居昭乃/保刈久明) [5'15"]
 02年4月2日(18:30〜)から(9月までを予定)テレビ東京系列
 (テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、テレビ北海道、RVQ)で
 放映のアニメ「東京アンダーグラウンド」のEDテーマに使用されました。
 「覚醒都市」のレコーディングは、昭乃さんの風邪によるダウンで、
 スタジオ予定を変更して行われた。
 「自分の体調で変更してもらった事無かったから、ちょっとショック」との本人談。
 「黄昏は未来で待つ」は、SF作家レイ・ブラッドベリの「10月はたそがれの国」
 (東京創元社 刊)からインスパイアされた作品。「ポーリーヌ、ポーリーヌ」は、
 カップリングの「黄昏は未来で待つ」のレコーディングの朝に完成した
 昭乃さん自身のギター弾き語り曲です。
 ジャケットは、国立天文台(東京都三鷹市)で撮影されました。


アニメ

 オリジナル・ビデオ・アニメ「ロードス島戦記」挿入歌

 風と鳥と空

 ビクター音楽産業 VIDL-87 (92.1.21) \930 (CD Single)

   風と鳥と空 〜reincarnation〜 (新居昭乃/新居昭乃/萩田光男)    [4'15"]
   ETERNITY           (LINDA HENNRICK/新居昭乃/萩田光男) [4'09"]
 OVA「ロードス島戦記」の挿入歌のCDシングルです。
 「風と鳥と空 〜reincarnation〜 」は挿入歌で、OVAのクライマックスの
 シーンで使用されました。昭乃さんは、コーラスアレンジも担当しています。
 この曲は、「(ロードス島戦記の)お話はこれで終わるけど、これから始まる
 ものもあるんだよ」というオーダーで創った作品で、最初に書いた曲は暗いので
 書き直したという経緯があります。その時、昭乃さんが特にこういう風に唄って
 みたいと思って書いためずらしい曲です。ちなみにその時「ボツ」になったのが
 「Reincarnation 」で、後に大幅にアレンジしてGoddess in the the Morningで
 唄われる事になり、さらに「そらの庭」に再アレンジして収録されました。
 「ETERNITY」はOVAでは、「シェリー」という方が唄われて(日本語版
 タイトル:Adesso e Fortuna アデッソ エ フォルチュナ〜炎と永遠〜)
 主題歌として使われました。これは別のCDシングルとして存在します。
 本CDでは、その英語版として新居昭乃さんが唄っています。


アニメ

 凍る砂

 角川映画「風の大陸」CDシネマ・エンディング・テーマ
 ビクター音楽産業 VIDL-115 (92.11.21) \930 (CD Single)


   凍る砂     (新居昭乃/新居昭乃/萩田光男)    [5'24"]
   Licao do Vento (OSNY MELO /大島ミチル/大島ミチル) [4'43"]
 角川映画「風の大陸」のCDシングルです。
 「凍る砂」は、同CDシネマのエンディング・テーマであり、同映画には
 使用されていません。「Licao do Vento」は、同映画のイメージソングであり、
 同映画のオープニングに流れるBGMに歌詞をつけたものです。


アニメ

 少年の羽

 ビクターエンタテインメント VIDL-10765 (96.4.24) \1000 (CD Single)

   少年の羽(オリジナル・バージョン)   (新居昭乃/和田 薫/和田 薫) [3'53"]
   花のおもかげ              (新居昭乃/和田 薫/和田 薫) [4'22"]
    歌:平松晶子
 コミックガンガン連載の「ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章」の劇場用アニメ
 ーションのオリジナル・サウンドトラックからのシングル・カットです。
 「少年の羽」が主題歌で昭乃さんが、「花のおもかげ」がイメージ・ソングで
 平松晶子さんが唄っています。CDSなのでカラオケも収録されています。


アニメ

 テレビ東京 星方武侠アウトロースター エンディングテーマ

 昼の月

 ビクターエンタテインメント VIDL-10765 (96.4.24) \1000 (CD Single)


   昼の月          (新居昭乃/新居昭乃/新居昭乃)  [3'28"]
   人間の子供        (新居昭乃/新居昭乃/菅野よう子) [5'10"]
   昼の月 (Instrumental)  (−/新居昭乃/新居昭乃)     [3'28"]
   人間の子供 (Instrumental)(−/新居昭乃/菅野よう子)    [5'11"]
 98年1月8日(25:15〜)からテレビ東京系列で放映開始したアニメ
 「星方武侠(せいほうぶきょう) OUTLAW STAR」のEDテーマです。
 C/W の「人間の子供」は、「そらの庭」からの収録です。
 原作は、ウルトラジャンプ連載(原作:伊東岳彦)の同作品です。
 この曲は、昭乃さんが、登場人物である12歳から14歳くらいの
 女の子のアンドロイドをイメージして創った曲です。
 98年1月に販促用TVCFがオンエアされました。


アニメ

 テレビ東京アニメーション 「星方武侠 アウトロースター」エンディングテーマ

 月の家

 ビクターエンタテインメント VIDL-10765 (96.4.24) \1000 (CD Single)


   月の家        (新居昭乃/新居昭乃/保刈久明) [4'30"]
   黒い種        (新居昭乃/新居昭乃/新居昭乃) [4'54"]
   月の家 (OFF VOCAL) (−/新居昭乃/保刈久明)    [4'29"]
   黒い種 (OFF VOCAL) (−/新居昭乃/新居昭乃)    [4'54"]
 テレビ東京系列で放映のアニメ「星方武侠(せいほうぶきょう) OUTLAW STAR」
 の新EDテーマです。
 C/W 「黒い種」にマリンバで三沢 泉さんが参加しています。
 98年4月に販促用TVCFがオンエアされました。

 昭乃さんご自身による曲解説(m-Serve R 52号より引用)
 ------------------------------------------------------------------------
 月の家
  月の輝きを心の宿す少女、メルフィナのイメージに、荒野にぽつんと建つ家、
  家の中はあかるく、月がその家を照らしている風景を重ねて、
  『たったひとつ大切なものがあればいい』という気持ちをテーマにしました。
  神秘的で洗練された音にしたかったので、アレンジを保刈久明氏に
  お願いしました。ベースとギター以外はコンピューターでつくっています
  ので、ひとつひとつの『音色』が大きな鍵になっています。
  どこか遠い荒野にある月の家を、いっしょに訪ねてみませんか?
 黒い種
  少しおどけたような、かすかにチャイニーズの香りただよう曲です。
 ------------------------------------------------------------------------

アニメ

 WOWOWアニメーション 人形草紙あやつり左近 エンディングテーマ

 叶えて

 ビクターエンタテインメント VIDL-30458 (99.11.20) \1020 (CD Single)


   叶えて        (新居昭乃/新居昭乃/新居昭乃、松林正志、坂本俊介) [6'16"]
   祝祭の前       (新居昭乃/新居昭乃/保刈久明、新居昭乃)      [5'26"]
   叶えて without akino (−/新居昭乃/新居昭乃、松林正志、坂本俊介)    [6'16"]
 WOWOWで放映のアニメ「人形草紙あやつり左近」の
 エンディングテーマです。
 C/W 「祝祭の前」は、超古代冒険RPG「エターナルチェイン」の
 テーマ曲です。
 99年11月に、販促用TVCF(3バージョン)がオンエアされてました。
 発売第一週目にはオリコンシングルチャート100位にランクインしました。

 昭乃さんご自身による曲解説(ラジオ ビリジアンハウスより引用)
 ------------------------------------------------------------------------
  これはWOWOWアニメーション「からくり草紙あやつり左近」という
 アニメのエンディングテーマという発注があって書いた曲です。
 「もう一度あいたい」っていうキーワードで書いてくれということで、
 ちょうど中学生くらいの思春期、人を好きになるっていうことを知り始めた頃
 というか...その頃の気持ちで創った歌なんです。
 (ちょっと顔が赤くなってしまいますけど)
 男の人は、自分のやることがあって、どんなに好きな女の子とかがいても、
 背中を向けてしまう瞬間とかがあるというか...私は、そういうところが
 無い人にはひかれないんですけれど...男でも女でも、そういう、
 どうにもならない−全ては自分の手には入らない−という気持ちをこめて
 創った曲なんです。それでも思い続ければ、いつかは叶うのかしら、
 届くのかしらというような気持ちで、本当に純粋純真な女の子の気持ちに
 なって書いて唄った歌です。
  これはリュートですか?というような質問があったんですけど、純粋な
 日本の琴です。芸大出身の私の友達(琴座の木田敦子さん)で、こんな曲も
 弾いてくれる人がいて頼んで弾いてもらったんですけど...。
 こういう人形の...浄瑠璃みたいな漫画だから、日本の楽器を入れようって
 言う事で、琴って考えたんだけど...。そういう理由で使ったにもかかわらず、
 結果的には、すごいそれが「よかったな」っていう感じがして...。
  「叶えて」の場合は、割とスタジオでみんなの意見を聞きながらアレンジして
 いった感じです。家で、琴のフレーズとかは打ち込んでいって、一応「書き譜」
 って言って玉譜(おたまじゃくしの譜面)にして弾いてもらったんですけれど。
 ベースの人にはコード譜を渡して、ちょっとだけ練習してもらって、その場で
 弾いてもらうって感じでした。あとはシンセとか、こんな音あったら
 いいんじゃないかって...みんなで...その場にいたのは、いつも手伝って
 もらうエンジニアの松林さん(瞳ちゃんのアルバムも全部やってくれた)と
 マニピュレータの坂本俊介くんと、その時はギターを弾きに来てもらっただけ
 なんだけれど保刈久明くん、あとディレクターの井上さんと...。
 みんなで話しながら作っていったっていう感じです。
  いつもは割りと家で作り込んで完成させて、見えた状態でいくんだけど、
 この「叶えて」に関してはスタジオで作り込こんでいった感じです。
 それでクレジットもアレンジは松林さんと坂本くんの名前を載させてもらった
 というわけです。
 ------------------------------------------------------------------------


Goddess in the Morning

 Goddess in the Morning

  biosphere ZA-0009 (96.3.10) \2300 (CD)
   Reincarnation(リインカーネイション) (新居昭乃)    [4'31"]
   Ucraine(ウクライナ)         (新居昭乃)    [3'59"]
   Goddess in the Morning
    (ゴッデス・イン・ザ・モーニング)  (YAYOI)     [4'26"]
   Flower Crown(花かんむり)       (新居昭乃)    [6'01"]
   Tribute of Jungle (密林) (松林正志、YAYOI、新居昭乃) [5'16"]
   SAGA(サーガ)             (YAYOI)     [5'44"]
   14(14歳)              (YAYOI)     [2'14"]

 「Goddess in the Morning」は、新居昭乃&YAYOIのユニット名です。
   1995年6月3、4日の渋谷On Air Eastで行われた「Songs」発売記念の
 compilationライヴでの共演がユニット結成のきっかけです。
 アレンジに吉良知彦とKARAKの保刈久明、エンジニア&プロデュースには、
 松林正志が担当してます。
 残念ながら、1996年末に昭乃さん本人より活動休止が発表されました。

  販促資料から本人達の曲に対するコメントを引用します。
 ------------------------------------------------------------------------
 [Reincarnation]
  魂は永遠だと信じて作った曲。無駄な音を省きイメージに執着しました。
 風景が見えてくるvisible soundと呼ばせてください。(Akino)
 [Ucraine]
  ウクライナの草原にぽつんと立つ石の家。旅人が訪れたなら友として迎えま
 しょうというような気持ちを、声のコラージュで表現してみました。(Akino)
 [Goddess in the Morning]
  よろこび、喜びと同じぐらいの空しさ、そして冗談。この曲は冗談と真実を
 込めてお送りいたします。すべてこわしてまたつくる。意味なんてない。
 秘密の道を行こう。(YAYOI)
 [Flower Crown]
  「どんなにえらい人か知らないけど、私はただあなたに楽しんでもらいたい、
 私の歌を聞いてね」ささやかな思いではじまる曲が最後には森園ギターと
 あいまって、何にもとらわれずに生きる彼女の美しさというような力強さに
 変わります。(Akino)
 [Tribute of Jungle]
  松林氏のオケで、珍しい7拍子グルーヴの曲。YAYOIがインプロ的に歌った
 ものを新居もまじえ、三人でメロディーに仕上げました。ビリー・コブハム張り
 のドラムも楽しめます。聞き終えた後に「あたらしい」と感じていただける事で
 しょう。(Akino)
  暗い森の奥には、いつも魔物が住んでいる。その得体の知れなさに
 とても強く魅かれてしまう・・・。迷える男のしあわせな物語。(YAYOI)
 [Saga]
  未来少年コナンやナウシカ、そして手塚治虫氏、彼らの見せてくれる未来
 からは、いつも音楽がきこえてくる、それでできたのがこの曲。
 どうやっても歌えなくて苦しかった時、物語の中から実体化して導いてくれた
 灰の末裔のサラに心から感謝します。(YAYOI)
 [14]
  おやすみ14才。何かが起こるのを恐れながら、ずっとずっと待ち焦がれている
 閉ざされた世界は、新しい真珠を抱きしめて、子守歌を歌っている。(YAYOI)
 ------------------------------------------------------------------------


 トップページに戻る  更新来歴に戻る