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インシュレーター加工

フルパワー化の手順です。
国内版CBR600Fは、キャブ・エンジン間のインシュレータが半分くらい塞いであり、当時の自主規制値(69馬力)まで パワーを落とされています。キャブを外す機会があったついでに、これを加工してみました。

CBR600F Water Pomp
冷却水はポンプの後ろ側に位置するボルトを抜くと排出できます。ラジエーターキャップを外しておきます。
CBR600F Carburetor
右の説明で判りづらいホース類の説明を書き込みました。クリックすると開きます。
CBR600F Carburetor
 キャブから外したガソリンチューブはそのままだと垂れるので、 ナットを捩じ込んだボルトで蓋をしておきました。
CBR600F Carburetor Insulator
左が国内ノーマル状態、右が加工後。リューターで削りました。 国内仕様は半分くらい絞ってあるのがわかります。

フルパワー化については、既に多くの媒体でも紹介されていますが、変更する点は

      
  1. インシュレータのアルミ板撤去
  2.   
  3. 二番・三番のメインジェット番手を変更(132→135へ)
  4.   
  5. マフラーを輸出仕様へ変更
  6.   
  7. イグナイターを輸出仕様へ変更(またはノーマルのまま、配線を加工)
  8.   
  9. メーターを海外仕様に変更
  10.   
  11. ドリブンスプロケット及びチェーンを変更

以上を行うと、完全なフルパワーになるようです。厳密に言うと海外仕様はカムシャフトが違って更にパワフルらしいですが、管理人はそこまで要らない。

実際にパワーを出すのは1.〜3.で、4.は速度リミッター解除、5.6.はメーター誤差に主に関係するようです。 とりあえず今回行ったのは1.2.です。

キャブレターを外す手順は、冷却水を抜く→タンク・エアクリボックスを外す→インシュレーターを緩め、キャブを浮かせる →ワイヤー・ハーネス類を外す、の順で取り外せます。



分解準備編

まず左右アンダーカウルを外しておきます。冷却水は、車体左側、ポンプの所のボルトを緩めると排出できます。 ラジエーターキャップを緩めると、勢いよく排出されます。タンク・エアクリボックスについては、スパークプラグ交換の項を参照ください。インシュレーターバンドを緩めるのですが、長〜いプラスドライバが必要です。手持ちのシャンク長200mmのものでは長さが足りず、新たに450mmを購入しました。もう少し短いのがジャストフィットだと思います。

カウルステー付近のフレームに楕円の穴が開いていますが、そこからドライバーを差し込み、バンドスクリューを緩めます。内側2気筒のが、角度があっていないせいで、なめやすいので注意が必要。

キャブを外す際は、エンジン側インシュレーターバンドを緩めているのを確認してから、キャブ全体を左右に揺するような感じで持ち上げると外れます。管理人は車体に跨りつつやりました。インシュレーターをキャブから外す際は、インシュレーターバンド(キャブ側)のネジを取り外し、バンドをインシュレーターの溝から外した上で、嵌め合わせの所を変形させると外せます。バンドが固定位置のままだと出来ないと思います。

あとはスロットルセンサーのカプラーや、チョーク・スロットルケーブル、忘れがちなスロットルストップスクリュの固定を取り外します。キャブ後ろ側のチューブは、太いT字型で2箇所で接続されているのがガソリンチューブ、その下にある少し細めのチューブで、外側二本がキャブの外へ、内側二本がキャブに連結されているものが冷却水ホースです。それぞれ外します。ガソリンチューブは、口をふさぐものを用意しておいたほうが良いです。ぴったりのナットがあったので、ワッシャ、ボルトを捩じ込んで突っ込みました。

単体になれば各フロート室のガソリンを抜くのも楽です。かなり固く締まっているので、プラスネジをなめないよう注意しつつ、真ん中2気筒分のフロートチャンバを開け、マイナスドライバでメインジェットを外し入れ替えました。

メインジェットはNAPSにて\210/個で購入。ネジの頭に当る部分の外周か、天辺に番手が刻印されています。買ったやつはそれぞれ刻印位置が違い、性能には影響なくても不揃いでなんだか嫌な感じ。



加工編

最大の山場・インシュレーター加工のために、ドレメルのリューター(マルチプロ)を導入しました。加工しない場合、輸出仕様インシュレーターを購入することや、リューター自体が他に使い途があることを考えれば、それほど痛い出費ではありません。29点の先端ビット類が付属して、定価\18,000位です。インシュレーターの遮蔽版は少し奥まっているので削りにくいですが、さくっと加工できます。

フルパワー化を行うと、やはりセッティングを変更しないといけません。インシュレーター加工・K&Nフィルタ装着&マフラー改としたら、温まってくると、エンジンが時折苦しく回るようになってしまいました。どうも薄い(焼きつく?)兆候のようなので、スロー系をかなり濃くしてみました。

具体的には国内ノーマルは、パイロットスクリュー1・7/8回転戻しが標準ですが、輸出仕様は3回転戻しです。輸出仕様を参考に戻し回転数を合わせると、上記の症状は消えました。厳密にはジェットも変えないといけないかもしれないのですが、一応、普通に走れます。

なお、しばらく乗ってみましたが、3回転戻しでは濃いようです。プラグにも盛大にカーボンがつきます。なので、少し薄くしました。やっぱりスロットルの中間開度で、パワー感がなさげです。スロージェットとか変えないと駄目なんでしょうか...。



作業結果

まだマフラーが国内仕様で詰まったままで(→ 社外品スリップオンを入れました)、激変というわけではないですが、2000回転位で若干もたつく感じがあり、代わりに4000回転以上は元気になったようです。吸気音も大きくなりました。思ったほど、低速トルクは落ちませんでした(もともと無いから気にならない?)。

やはりもとが高回転型エンジンなので、元気に回して走るのがふさわしく、機械の効率的にも良いようです。
(2005.11)