VT250 SPADA 整備 キャブレター同調

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キャブレターの同調調整




Vacuum Gauge for Carburetor Synchronizing
今回使用の道具一式。測定値の絶対精度は無いと思いますが、同一ゲージなので誤差を考えなくていいのが良いです。
Divergence Valve
分岐部分。ホース接続はタイラップ留め。写真は弁を完全に開いた状態。
VT250SPADA Link Plate
上が前バンク。このプラスねじを外す際、ワッシャ脱落に注意しましょう。下はホースが固着した後バンク側。こちらは計測用チューブを直結します。

今回は、キャブレターの調整を行います。
一応、快調なのですが、どのくらいずれているのか興味本位で.....。何万円もするゲージ(四連)を買う気は無いけれども、単品ゲージでキャブの数だけ切り替えて測定する方法を知って、やってみようと思ったわけです。


用意するもの

  • バキュームゲージ / アストロプロダクツ(AP)製負圧・燃圧テストゲージ(\1,380)。
  • 分岐バルブ / コトブキ工芸叶サ。分岐二方(K-09 \260)。
  • ジョイント、ホース / コトブキ工芸叶サ。(プラスチック製ジョイントK-11 \80/個 、ホース2m K-41 \120/1p)
  • チューブクランプ / AP製の二個セットで \596。あれば可。


ほかに、ホースが抜けないように固定するためタイラップを使用。なおコトブキ工芸鰍フ製品は、ペット売り場で観賞魚(エアポンプ)用として売られているものです。


作業手順

まず下準備となる分岐ホース作成です。
ゲージ、分岐バルブ、キャブと繋がるので、ホースをその順番につなぎます。抜けないよう、タイラップで留めました(写真中)。これを2セット作れば、4気筒にも対応できます。バキュームゲージ接続部はかなり太いため、用意したホース(透明)は入りませんでした。そこでプラジョイントを使い、ゲージに付属のホースを短く切ったものを使って、ゲージ、付属ホース、ジョイント、ホースの順に繋げました。

スパーダのキャブ前バンクは、負圧取り出し口がねじ込み式のジョイントなので、プラスチックジョイントを削った上、二次空気を吸わないようゴムパッキンを作りました。測定は押さえつけながらやればOK。エンジンが動作時は負圧で勝手に吸い付いてくれます。このプラスチックはちょっと使用した(ガソリンが付いた)だけで糸を引くような感じで溶けかけていました。何度も使用できなさそうです。

後バンクの方は、ガソリンコックの負圧チューブに接続されているため、それを外してバキュームゲージのホースを繋ぎます。調整中はアイドリングさせなければいけないため、負圧コックが開くように負圧チューブに注射器をセットして引っ張り負圧を発生させた状態で、チューブクランプで留めておきます。このクランプは留める部分が丸みを帯びており、ホースを痛めません。

使い勝手は、高い工具ですがペンチ型のチューブクランプがベストです。ギュッと握ると閉じた状態でロックしてくれます。ただ実際は、調整のために少々アイドリングをする程度なら、負圧を発生させてコックを作動させなくても、フロート室のガソリンで出来ます。それが切れると死ぬ程クランキングする必要がありますが...。

準備が整ったので測定に入ります。分岐弁の測定する側のみ開いて、ゲージの針を安定させるため、測定時は分岐弁を45度くらいに閉じた状態にします。完全に通る状態だと、負圧計の針が激しく振れてしまい、全く読めません。専用のゲージだと、ダンパーが入っていて針が振れないようになっているそうです。


測定手順です(暖気済みのこと)。

  1. スロットルストップスクリュで、アイドリング回転数を調整(1,300±100rpm)
  2. 各シリンダ間の負圧差を測定(40mmHg以下)
  3. パイロットスクリュが標準戻し回転数であることを確認(2と1/4回転戻し)
  4. フロントシリンダ用同調アジャストスクリュを調整

スロットルストップスクリュは、乗車した状態で言うと車体左側、アクセルワイヤーで回転するプレートの開度を調整できる、プラスチックの頭が付いたネジです。同調アジャストスクリュは、車体右側のちょうど同じ所(もう一方のキャブのアクセルとリンクして動くプレート)の開度を調整するものです。同調の取れたところで、アイドリングが少々上がりました。再度スロットルストップスクリューでアイドリング回転数を調整し、同調は終了です。


作業結果

作業後、試走を行います。あまりずれていなかったので、走行感は変わらず。アイドリングは、軽やかになりました。普通に走る分には問題なかったのですが、若干ずれがあったようです。管理人の使い方だと、キャブをいじる機会(年一回位)には、あわせて見ておいてもいいかな、という感じです。

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