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フロントフォークのオーバーホール
フロントサスペンション部分のメンテナンスです。 定期的に分解整備が必要です。最低2万キロごと、できれば1万キロくらいで実施したい感じです。 基本的にごみが詰まることにより、オイルが漏れてきます。フォークプロテクターがない車種は、2万キロは持たないかも? ブレーキング時に、フロントが「ズボッ」と沈んでしまうため、オーバーホールに挑戦しました。 工具や手順の準備さえしっかりしておけば、割と楽にできるかな?やり方は以下の通りです。 必要な道具
分解手順
まず、ジャッキアップしてフロントをばらします。 トップキャップを外して、オイルを排出します。ストロークさせて、なるべく全部出しておきます。もとは赤いオイルは.....白濁して、古い油粘土のような臭いを発していました。底部のボルトは、本職はインパクトで外すようですが、そんなものはないのでトップキャップをつけ、ばねのテンションを掛けて外します。こうすると中のパーツ(フォークピストン)が空回りしません。急がば回れ、です。 ダストシールを外すと、オイルシールが見えます。これをとめているストップリング(Cクリップ状のもの)を、ドライバなどでこじって外します。アウターチューブに沿わせてドライバを滑らせると、インナーチューブを傷つけず、楽に取れます。あとはアウターとインナーを引っ張り(私はカツンカツンと、勢いをつけて何度か叩いて出しました。良くないかも。)、完全に分解します。インナーチューブの下端についているパイプブッシュは、交換時のみ外すので、そのままにしておきます。新品を調達しておいたのですが、コーティングも綺麗なままでした。結構、丈夫みたいです。 バックアップリングと、ダストシールの鉄芯は真っ赤に錆びていました。ダストシールがひび割れていたため、雨が浸入したのでしょう。オイルが白濁していたのもこのせいか? 部品チェック等外した部品は、綺麗に清掃しておきます。これが一番大変かも知れません。今回は錆び落とし後、全ての部品を中性洗剤で洗って拭き上げた後、インナーチューブ下端など水気を取りきれない所のみ、パーツクリーナーで水分を飛ばしました。なお、オイルロックピース上端、スプリング外周など、作動時にこすれる部分を耐水ペーパーで磨きました。始め800番、仕上げに1000番くらいで磨くと良いです。最後にピカールで磨き上げました。
マニュアルによる部品のチェック項目は、
組み立ていよいよ組み立てです。ダンパーシリンダーをインナーチューブに入れ、下からダンパーの顔が出たら、オイルロックピースを嵌めます。そのままアウターチューブと合体させましょう。ボルトでダンパーをアウターチューブに固定します。これが最もナメやすいボルトです。長い六角レンチを使うので、慎重に作業しましょう。今回はアウターチューブに布を巻き、万力で固定してから作業しました。正直、それでもナメかけたので(反対側は分解前からなっていた)、次回は新品を手配する予定。 あとは上からスライダブッシュ、バックアップリングを入れます。オイルシールのリップを保護するため、インナーチューブ上端に薄いビニールを被せ、グリスを塗ったオイルシールを嵌め込みます(メーカー刻印が上)。このままだとスライダブッシュなどもはまっていないので、上から塩ビパイプ(1mで\200位)をあてがい、ハンマーでオイルシール外周を均等に叩いて、ストップリングを止める溝が完全に見えるまで打ち込みます。その後、ストップリング、ダストシールを装着します。 オイルは値段の安さ(^^)からカワサキの10番を使用(1L入りでKawasaki \1,300、Honda \2,500位?)。同じ番手でもメーカー毎に粘度が多少異なり、カワサキのはホンダ純正より柔らかめのようです。 後で調整するのが嫌なら、しっかり計量して入れましょう(371cc)。それからスプリングなどは入れない最も縮めた状態で、インナーチューブ上端から油面までの距離を測ります。スパーダは 103mmです。ここで多めに入っているオイルを注射器で吸い出します。 あとは基本的に分解の逆です。なお、スプリングは直径の小さい方(巻きの密な方)が下です。
規定トルク
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