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ニッシン・ラジアルマスターのオーバーホール
フロントブレーキのラジアルマスターシリンダーの分解整備です。 中古購入のニッシン製ラジアルマスターを、使用開始前に分解清掃しました。 何といってもどう使われてきたかわからないものですから、中身を確認しておきたいところ。 ゴム部品とかが劣化していなければ、洗浄して組むだけの作業になります。 マスターサイズは、11/16。ミリに直すと17.46mmで、約17mm相当。スパーダノーマルが横置き14mmで、ラジアル化の際は17mmが適当であるということで、ジャストな中古品が手に入りました。しかし、後述しますが問題もあり...。 必要な道具
作業手順レバーのピボットボルトを外したら、縦置き横置きに関わらず、本体はピストン部分をスナップリングで固定してありますから、それを外すだけで分解でき、手順としては大差ありません。 今回は状態の良いマスターで固着している部品もなく、すんなりOHできましたが、長年使用したマスターは、スナップリングが固着気味で、しっかりしたプライヤでないと外れません。
オススメは世界の一流品クニペックスのプライヤー。以前、先端差し替え式の無銘プライヤーを使っていたのですが、使用中、見事に先端が折れました。 洗浄後、部品を組み付けますが、プッシュロッドの頭は角度の差を吸収するため球面になっていて、その面積が大きいので、少しでも滑りをよくするためピカールで磨き上げ、滑りの良さそうなグリスを塗って組みました。
当然、ピストンなど内部部品はフルードに漬け、気泡がまとわり付かないようにしておきます。シールにシリコングリスを塗り、元通りに組み付けました。ホースは規定トルクで取り付けます(3.5kgfm)。 あとはエア抜きですが、車体装着前にシリンダーを傾けながら気泡を抜くと、楽に出来ました。本体のブリードニップルもしっかり活用すれば、手早くエア抜きが完了します。 注意点ニッシンの旧型ラジアルマスターの一部は、条件によってはブレーキが利かなくなる恐れがあるとして、リコール対応されています。対象は北米スズキGSX−Rシリーズ各車。
不具合内容 具体的な対象はここで紹介している、リザーバータンクへのホースが本体横から取り出されているタイプ(旧型)のラジアルマスターで、ホンダCBR等で使用されている、本体上面からホースが出ているものは改良型です。 不具合内容を確認すると、要はフルード交換をしっかり行い、ピストンが腐食するまで放置しなければOKという話なので、管理人の環境では定期メンテをすることで使用できると判断しております。 作業結果鈍い管理人は、ラジアル化してもそれほど変化を感じない(多分、横置きに戻せばはっきり分かると思うがわざわざやりたくない)ので、ほぼ見た目の自己満足。 現状のブレーキシステムは、ラジアルマスター(NISSIN) + メッシュホース(Daytonaニチリン) + ノーマル片押し(ピンスライド)キャリパ(+ピストン入れ替え) の組み合わせ。 通常ラジアル化するような人は、キャリパーも対抗ピストンもの(ブレンボとか)にグレードアップしているようなので、世間的には相当妙ちくりんな仕様と思われる。 ピンスライドキャリパーでそこまで拘って意味があるのかよくわかりませんが、コントロール性は良くなっているはずなので、とりあえず良しとしておきます。 (2019.7)
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