VT250 SPADA 整備 プラグケーブル交換

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プラグケーブル

プラグケーブルの張り替えをします。
今回はキジマのシリコンコード(赤、品番304-401R \1,365/m)を使用。ノーマルの雰囲気で作りたかったので、色は赤にしました。製品は1mパッケージですが、スパーダのケーブルは前後合わせて約90センチなので、余裕を持たせて1台分が作れます。


VT250 SPADA Spark Plug Cap & Plug Wire

プラグキャップ内部構成。プラグに接する金具と、
ゴム?部品の付いた抵抗入り。この金具が錆びて
いれば、要注意です。


VT250 SPADA Plug Wire

上が新しい社外ケーブル、真ん中が硬化した純正
ケーブル。コイル側ねじ式キャップ内にリングが
ついているので、これもお忘れなく。


作業手順

配線はコイル側は一般的なねじ込み式、プラグキャップ側は、金具をハンダ付けしてある形式です。プラグキャップにケーブルをねじ込む形式だと、徐々に緩んだり、水分でリークしたりする可能性がありますが、完全にキャップ内に金具があるこの形式なら、その可能性も殆どないと思います。VTが未だに現役で動いているのも、こうした細かい配慮の積み重ねが大きいのでは? と思います。

まずこの金具を、再使用するため純正ケーブルから外します。
純正の分解方法は、マイナスドライバでプラグキャップ内の金具を外し、抵抗と一緒に抜き取ります。ハイテンションコードをプラグ装着側に引き出すと、コードに取り付けられた金具が出てきます。これは中心に穴の開いた円盤状の金具で、芯線を通して広げた後、ハンダ付けされ(ハンダで半球状に盛り上げられ)ています。そこで、ハンダを熱して吸い取り線などで取り除き、残りはカッターナイフで削りました。この金具を取ると、プラグキャップからコードを抜けます。コイル側は、単純にねじ式のケーブルキャップを外せば、コードも外せます。

最初にノーマルケーブルを引き抜き、コイル側はケーブルに抜け止めの出っ張り部分と、さらに密閉用リングもあるので、外すときに注意します。新ケーブルの先端に金具を通して、純正形状と同じになるようにハンダ付け・ヤスリがけしました(こんな感じ)。エンジンの熱で溶けたりはしないでしょう、多分。

コイル側はノーマルの固定方法と同じようにするために、ホットメルト(グルーガン)を使い、固定のための出っ張りをケーブルに作りました。あらかじめリングとコイル側キャップ、プラグキャップを通しておくのをお忘れなく。金具のハンダ付けは、ケーブルをプラグキャップに通した後にした方が楽です。あとは元通りに組み上げるだけです。

なおケーブルの脱着は、コイル車載のまま行えました。ただしフロント側のプラグケーブルは、エアクリーナーボックスの上半分(プラスチック部分)を取り外さないと、通すことはできないと思います。純正ケーブルは、プラグキャップを外せないので。


作業結果

とりあえず近所を乗ってみると、まず排気音がはっきり力強くなりました。
中古車の純正ケーブルは、基本的に生産時から無交換でしょうから、相当劣化しているはず。またケーブルだけでなく、金具に緑青が発生していれば、かなりの電気損失です。

アクセルの開け具合は確実に少なくなっていますが、燃費に違いが出るほどではありませんでした。良いことに違いはないのですが。あと、シリコンケーブルは大変柔軟なため、プラグ交換の際に取り回しがすごく楽になりました。古いケーブルは何かと気を遣いますからね。

と書いていたのですが、このケーブルを使用していると、何回ケーブルを交換しても、数ヶ月で芯線に緑青が発生して、半年もすればエンジンが不調になります。やはり純正が最も良いようです。と言う訳で、後バンクはVTR用を組み替えて(VTR用はプラグキャップが赤なのですが、純正の黒にしたかった)、前バンクは純正の旧ケーブルを使っています。以降、トラブルは全くありません。


(2008. 7)