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スターターモーターのオーバーホール
スターターモーターの分解整備です。 トラブルが起きない限り、あんまり整備を意識しない部品。 ただ、現在の車両は走行7万キロ近く、6万キロは確実にノーメンテなので、トラブル予防の観点からも、いい加減手を入れることにしました。 基本的には分解してブラシのカス(カーボン粉)を掃除、消耗した部品を交換するだけです。消耗するのは電動工具と同じくカーボンブラシ。あとは防水のOリング類。動作している場合、汚れ落としがやることのほぼ全てです。 必要な道具
用意した部品
※ ブラシホルダーセット(品番:31206-KW1-901 \1210) が VTR250用ですが同部品です。ターミナルセットも同様(こちらは配線の絶縁チューブが省略されていますが同じ部品 VTR250用)。 作業手順1.分解まずはエンジンからの取り外し。配線を外すため端子カバーを開け10mmレンチでターミナルボルトのダブルナット上側を外し、配線の丸端子を抜きます。 クランクケースには、8mmのボルト2本で取り付けてあるだけですが、固着しているはずなので、ボルト取り外し後、モータ軸方向にマイナスドライバで軽くこじって外しました。モータ側もクランクケースもアルミなので、傷を入れないよう優しく。 モーター単体にすれば後は楽です。構造はシンプルで、2本の固定ボルトを外せば分解できます。7mmのレンチが必要です。注意点は、モーター軸には前後ともスペーサー(ワッシャ)が入っているので、順番通りに組み立てられるよう、その順序で保管しておくことです。 軽く拭き掃除して紐やタイラップに通しておくと楽。これはターミナルボルト部分も同じ。金属ワッシャだけでなく絶縁体があるので、順番は守ります。 ターミナルボルトを外すと、ブラシホルダが取れます。 2.清掃とチェック部品を外したら、ひたすら洗浄です。ケース内はブラシの削れたカーボンの粉でいっぱいなので、拭き掃除&パーツクリーナーで流します。 最も重要なのは、ブラシの長さチェック、コンミュテータ部(軸のブラシ接触面)の掃除です。実測すると、ブラシは10.9mm、10.3mm。使用限度8.5mmから余裕があるため、そのまま使います。 コンミュテータはきれいな銅色が出るまで、ボンスター(スチールたわし)で磨きました。溝にたまったカーボンかすは、きれいに掃除します。組む前に接点復活剤を塗布しました。 今回はさらに本体を自家製ブラスト処理。ケース両端はアルミなので、ピカピカに。中央の胴体は鉄製でうっすら錆び。高圧洗浄機のウェットブラストもどきではしょせんパワーがなく、完璧を目指すと時間がかかりすぎます。ある程度落としたら手作業で研磨。その後、塗装仕上げ。
3.組み立て洗浄後、組み立てますが、すべり軸受け、軸のシールリップにグリスを塗布、ワッシャを忘れず順番通りに組みます。 ブラシホルダを取り付け、ターミナルボルトにワッシャを組みます。本体は、両端カバーと胴体に合わせマーク(線)があるので、それを合わせながら組みつけます。 しかしブラシが出っ張って軸が入りにくいので、通常ブラシを抑えながらアーマチュア(モータ軸)を差し込みますが、これはブラシ2個なので、そのままでも何とか入ってくれます。 モータ軸のコンミュテータで押さえ(ブラシを押し込む方向に力を入れ)ながら、組みます。間に入るゴムリング(防水パッキン)を噛み込まないよう注意。 あとは本体を連結する長いボルトを2本取り付け完成です。ボルト首下にプレートがあるので、収まる向きに注意します。Oリングの捩れは、これがあると起きないですね。コストを重視のVTRでは省略されていますが、ほぼ影響ないでしょう。 作業結果今まで快調に使用していたのでほとんど差はわかりませんが、軽やかに回る感じがします。清掃済みなので気分的にも安心して使えますね。 (2022.09)
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