Profile of Amago |
Amago Oncorhynchus masou ishikawae |
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アマゴの特徴は、体側にパーマークと呼ばれるサケ科の幼魚のトレードマークである小判形の斑紋を持ち、背中や体側には大小の黒点が散在し、
さらにアマゴには朱点があり、ヤマメには朱点がない変りに側線に沿ってうすい朱色の帯を持つものがあることなどは、渓流釣りをされる方には良く知られている。
しかし、あまり気づかない、しかも他のサケ科の魚類には無い特徴が、目の周りにある数個の黒点である。
これがアマゴ、ヤマメの表情をよりキュートにしているゆえんだと思う。 |
分類については、サケ亜科 サケ属のサクラマス群に属している。
アマゴとヤマメの関係は、朱点の有無では種を分けないとするアマゴ、ヤマメ一種説が大勢として受け入れられ両者は姉妹亜種とする説、またビワマスは別亜種とする説が現在では有力である。
アマゴ、ヤマメに似るが、パーマークや朱点や黒点がなく、個体によっては側線に沿って暗色の帯を持つものがアマゴ域、ヤマメ域のどちらからも発見されている。イワメと呼ばれ突然変異により生じたとする説が有力である。 |
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Yamame Oncorhynchus masou masou Iwame Oncorhynchus masou |
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アマゴの分布は、神奈川県酒匂川を北限としそれ以西の太平洋側、四国全域、大分県大野川以北の九州瀬戸内海の各河川と沿岸に分布する。
アマゴは西日本および日本特産の魚である。 ヤマメの分布は、北海道全域、酒匂川以北の太平洋側および本州の日本海側全域、九州では熊本県以北の東シナ海側と大分県番匠川以南の太平洋側である。 日本以外には、朝鮮半島東部から沿海州をへてオホーツク海にも分布する。 近年、安易な放流によりこの分布が崩れてきている。 主な生息場所は、冷水性の魚のため通常は川の上流域である。 水温の条件が良い時には瀬のような開けた場所を好み、渕にいる場合も水面近くに定位してエサを待つ。 高水温での適応力が弱く、0度近い低温から20度前後までの間で活動ができるが、適水温は8度から18度くらいである。 活動時間帯は、昼間であるが警戒心が強いため好天の日中にはあまり積極的にエサを追わない。 アマゴ、ヤマメの索餌行動は環境に左右され易く、渇水期には極端に用心深くなって岩の下など物陰に身をひそめてしまう。 |
食性は、完全な肉食であり、主に水棲または陸棲の昆虫類を食べている。
小型の昆虫が主体であるが大型のバッタやセミなどを食べている事もあり、またサワガニなど甲殻類や小魚も捕食する。 |
産卵期は、アマゴ、サツキマスが10月上旬から、11月下旬で水温10度前後のころが盛期である。
ヤマメ、サクラマスが9月から11月で、その地方の紅葉期にほぼ一致している。
浅い砂れきの川底に雌が産卵床を掘り産卵する。アマゴの抱卵数は数百個、サツキマスで千から二千個である。
アマゴの卵は直径4mmから6mmで、水温9度から16度で50日から30日で孵化する。
ヤマメの卵は直径4mmから5mmで、水温6度から15度で90に留まり早春に泳ぎ出す。
ヤマメは卵黄を吸収し終わるまで約50日かかる。
成長は、かなり早く、河川でのアマゴの標準的なサイズは生後1年で13cmから17cm、2年で20cmをこえる。 成熟するのは早いもので1年、通常は2年であり、寿命は3 - 4年である。ヤマメもほぼ同じである。 降海型の成熟年齢はサツキマスで2年、サクラマスで3年、ビワマスは3 - 4年である。 参考資料:
荒賀忠一 (1989). 「アマゴ・ヤマメ学概論」 ,『週間釣りサンデー別冊 新アマゴ・ヤマメのすべて』週間釣りサンデー.
今西錦司 (1996).『イワナとヤマメ』平凡社.
加藤憲司 (1990).『ヤマメ・アマゴ その生態と釣り』つり人社.
川那部浩哉・水野信彦編監修 (1989).『日本の淡水魚』山と渓谷社.
松原弘至 (1981). 「サケ科渓流魚の分類と生態」 ,『別冊フィシング イワナ・ヤマメ』産報出版. |
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発眼卵と孵化仔魚(全長18mm) 12月 |
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産卵床から泳ぎだす直前の仔魚(全長26mm) 1月 |
自然環境をより良い形に保全するために、日本人とイワナの関係を見つめ直し、
あるべき未来像を探るサイエンスドキュメンタリー映画『A TROUT IN THE MILK / ミルクの中のイワナ』に私の渓魚の絵が使われました。
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Paper Craft of Japanese Trout and the World Trout My Best Streams & Japanese Fly Fishing "Tenkara" 「渓魚と山里の四季」の絵をご希望でしたら、こちらをご覧ください。 © 1997 Yoshikazu Fujioka |