Profile of Iwana |
OshorokomaSalvelinus curilus
AmemasuS. leucomaenis leucomaenis
Nikko-iwanaS. l. pluvius
Yamato-iwanaS. l. japonicus
GogiS. l. imbrius
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日本のイワナの分類は、北海道のみに生息するオショロコマ(S. curilus )と北海道、本州に分布するイワナ(S. leucomaenis )の2種に分けるのが現在では一般的である。 イワナ(S. leucomaenis )は、アメマス、ニッコウイワナ、ヤマトイワナ、キリクチ、ゴギなど斑紋の大きさや色彩などで細かく分けられることもあった。 しかし今西錦司博士(1967)は、ハクスレイ(HUXLEY, J. S. 1938; 1940)のクライン(cline)説を適用し、イワナの色彩変化も淡色から濃色につらなる系列的変化を表わしている点でクラインに当たるとして、 それらは同一種内の地方的変異であるとした。 オショロコマは、体側に5から10個のパーマークと赤点が散在する。産卵期には腹部が赤または橙色に変る。 降海型と河川残留型があるが、北海道は分布の南限にあたり河川型がほとんど。体長は30cm程度。 種としては、北極海および北太平洋沿岸域に分布、日本では北海道の中部以北に生息する。 北米のドリーバーデンの亜種とされていたが、2023年には別種とされるようになる。 湖沼型はミヤベイワナと呼ばれ、然別湖とその流入河川に生息する亜種。 オショロコマと外観上の相違点はないが、鰓耙数が多く、湖を回遊し動物プランクトンを食べるための適応と考えられている。 アメマスは、体形は丸太状で暗褐色から暗灰色、銀白色の体色に瞳大かそれより大きい白色斑点を持つ。 最上川、利根川以北、北海道、朝鮮半島北東部、サハリン、沿海州、カムチャツカ半島にかけて分布する。ニッコウイワナとの境界は曖昧。 降海型と河川型があり、降海型では体長は70cmを越えるものもある。 ニッコウイワナは、側線から腹部に瞳大の橙黄色、桃色の斑点が、背部は腹部より小さい白点が散在する。 鳥取県の日野川、山梨県の富士川(または神奈川県の相模川)以北の本州に分布する。アメマスとの境界は曖昧。体長は30から60cm。 |
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ヤマトイワナは、体側の斑点は朱紅色で側線の上下に並ぶ。
ニッコウイワナの斑点は成魚になるに従って色が淡くなるが、ヤマトイワナでは成魚でもその色は確かである。
本州中央の山岳地域、琵琶湖東岸の河川に分布する。体長は25cm程度。 紀伊半島には、キリクチと呼ばれるイワナが生息する。その体側には輪郭のはっきりしない朱紅点が散在し、白点は不鮮明。 現在では、奈良県の十津川上流域の川原樋川、天川の二ヶ所にわずかに生息するのみである。 この川原樋川、天川が、イワナ属の世界最南端の生息地である。 ゴギは、ニッコウイワナに似るが頭部に鮮明な白色斑点を持つ。 中国地方、山陰側では島根県の斐伊川から高津川、山陽側では岡山県の吉井川から広島県の太田川を経て山口県の錦川に分布する。 高津川水系の椛谷川と錦川水系のアゲ谷が日本海側と太平洋側の分布の西限である。体長は20cm程度。 イワナの亜種とする見解もある(今西錦司博士 1967)。 ゴギという呼名は朝鮮語でコギ(魚)を意味する言葉が訛ったとされる。 |
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参考資料:
今西錦司 (1996).『イワナとヤマメ』平凡社.
川那部浩哉・水野信彦編監修 (1989).『日本の淡水魚』山と渓谷社.
白石勝彦・和田悟 (1993).『イワナの顔』山と渓谷社.
松原弘至 (1981).「サケ科渓流魚の分類と生態」,『別冊フィシング イワナ・ヤマメ』産報出版.
「レッドデータブック・レッドリスト」 環境省生物多様性センター いきものログ (参照 2022-1-12). |
自然環境をより良い形に保全するために、日本人とイワナの関係を見つめ直し、
あるべき未来像を探るサイエンスドキュメンタリー映画『A TROUT IN THE MILK / ミルクの中のイワナ』に私の渓魚の絵が使われました。
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Paper Craft of Japanese Trout and the World Trout My Best Streams & Japanese Fly Fishing "Tenkara" 「渓魚と山里の四季」の絵をご希望でしたら、こちらをご覧ください。 © 1997 Yoshikazu Fujioka |