VT250 SPADA ブレーキキャリパー強化

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CB400SFキャリパーピストン流用





VT250SPADA Caliper Piston
上CB400SF用。下SPADA純正品。銀色のところが、ピストン本体より柔らかい材質で出来ています。
How To Stop Brake Fluid
フルード漏れ止めの一例(右)。キャリパーは、綺麗に掃除して組みます(左)。ピストンの違いが見えます。
How To Remove Caliper Piston
ピストンは、空気入れを利用して外しました。結構勢い良く飛び出すので注意。かまぼこ板などで飛ばないようにしておきます。
VT250SPADA Brake Caliper
キャリパーのパーツ一覧。@キャリパ、 ブーツAホースボルト、シーリングワッシャ Bキャリパマウントボルト Cブリーダ、キャップ Dパッドスプリング Eピストンシール、ダストシール Fパッドピン Gパッドピンプラグ Hブラケット Iリテーナ Jブーツ Kブレーキパッド
VT250SPADA Caliper Piston Include Wooden Parts
純正ピストン当たり面を剥がしてみると、木片が! 確かに木は千度位にならないと発火しないですけど。大丈夫なんですか、ホンダさん。 ピストン自体がきれいなら、当たり面を剥がすだけでブレーキタッチは改善しそうです。

ノーマルのスパーダは、フロントブレーキの効きがとても悪いです。止まることは止まるのですが、ブニュッとした感じがして効き味が良くありません。
そこでオーバーホールを兼ねて、純正部品流用の改造をしてみました。

具体的には、スパーダの純正キャリパーピストンは、パッドに当たる面が柔らかい材質で出来ています。初心者が乗ることを想定して、ブレーキをガツンとかけてもフロントがロックしにくいようにしているわけです。今回はこれを初期型CB400SFのピストンに変更します。

ブレーキは重要保安部品です。チャレンジする方は、自己責任でお願いします。


必要な道具

  • レンチ類(8,10,12mm および六角6mm、プラス・マイナスドライバ)
  • フルード受け(ペットボトル等)、ブレーキフルード、耐油性チューブ。
  • あと、バイスプライヤーと薄いゴム片、注射器があると便利です。

用意した部品は、
使用部品 品番 参考価格
シールピストン 43209-MA3-006 \225
ダストシール 43109-MA3-006 \220
フロントキャリパーピストン 45107-ML4-006 \1,050

フロントキャリパーピストンのみ初期型CB400SF用です。



値段は一個当たりですのでこの倍かかります(この組み合わせは、 CLUB SPADAのHPで、 よしや氏に教えていただきました。感謝!!)なお、後期型CBは対向ピストンのキャリパー(つまり別物)になっているので発注時は注意してください。


作業手順


今回はなるべくフルードを抜かずに作業するため、ちょっと手抜きをしました。正しい手順ではないかもしれません。キャリパーのみ外したかったので...。

最初にキャリパーに接続されているブレーキホースボルトを緩めます。うっすらフルードが滲むので一旦締めます(キャリパー単体になっても外れる程度)。パッドピンなども緩めます。フロントをばらすので、細かい分解はフロントフォークのオーバーホールを参照ください。

キャリパーはレバーを操作して、予めピストンを押し出しておきます。すっかり忘れてた管理人は、キャリパー取り外し後、空気入れを利用して外しました。多分ピストンの動きが左右で違うので、片側だけ出てしまわないように、木片などをパッド位置に入れてからピストンを均等に押し出しましょう。

ここまで準備できたら、キャリパーからブレーキホースを外します。ホースのバンジョー(キャリパーに接続する金具部)をゴム片で押さえ、バイスプライヤーで留めます(写真)。フルードは、塗装やプラスチック、ゴムなどを痛めるので、要注意。水で洗い流せます。

あとはお掃除です。動きの悪かった方は、汚れのためダストシールがよじれていました。シールは、先の尖ったツールで外します。キャリパー内部を傷つけないよう慎重に。

特にシールを外した溝の、固まったフルードの結晶を落とします。溝の汚れは、フルード漏れの一因なので丁寧に。ブリーダーボルト側はかなり詰まっていたため、パーツクリーナーで飛ばしました。

掃除が済んだら組み立てです。メタルラバー(フルード可)を塗布しすべりを良くしたシールをセットし、ピストンをゆっくりと押し込みます。車体にキャリパーを付け、ブレーキホースを規定トルクで取り付けます(3.5kgfm)。フルードは、意外に少ない量で済みました。


エア抜き

フルードは、BP SuperDOT4 を使用しました。 管理人は保管時、電気配線に使う自己融着テープを、キャップ合わせ面に巻き付け、吸湿を防止しています。結構いいです(使い切るのがベスト)。

エア抜きとは、文字通りブレーキラインの空気を抜き取る作業です。次の手順で、フルードと一緒に空気も排出してしまいます。古いフルードを交換するときも同じ手順です。

特にオーバーホール時は、フルードがなかなか入っていかないため、工夫が必要です。最強の特殊工具?は、注射器(シリンジ)です。これでブリーダー側に負圧をかけ、ブレーキレバーを操作していくと、あっという間にフルードが入っていきます。コイツのおかげで、管理人はエア抜きで苦労したことがありません。

  1. マスタシリンダの周りを保護の布なとでカバーし、蓋を取る(+ネジ2本)。
  2. ブリーダーにメガネレンチを掛けチューブを繋ぐ。チューブの末端はペットボトルへ。
  3. ブレーキレバーを握ったまま、ブリーダーを緩めフルードを排出。
  4. ブリーダーを締め、手ごたえを感じるまで、ブレーキレバーを操作。
  5. マスター側のフルードが無くなりそうになったら、新しいフルードを泡立てず入れる。
  6. チューブから出るフルードが新品の色になるまで、3〜5を繰り返す。

マスターシリンダーの古いフルードは、あらかじめ抜いておくと、効率的。
マスターの穴からフルードを噴くことがあるので、マスターシリンダーの蓋を乗せながら作業をします。
作業後、ブリーダーに残ったフルードも、吸湿して錆びないよう、パーツクリーナなどで飛ばします。 ブリーダーが食いつくと...最悪キャリパー交換です。


作業結果

まずバネ下の軽量化。2個でスパーダ純正170gCB400用104g。乗っていてもわかりませんが、気分的によろしいかと。
ちなみに純正品は、パッドの当たり面にナント木片が入ってました!!フィーリングが悪いはずですね(写真)。
効き具合は、同じ大きさのピストンなので、効力は変わりません。但し、ぶよぶよした感じがなくなり、握り初めと、握りこんでいった最後の辺りの効き味が良くなりました。 ブレーキが「ギュッ」と効く感じです。これでも思いっきり握らないとロックしないと思うのですが...。

ブロス用マスターシリンダーの流用情報もありましたが、恐らくフロントフォークのスプリングも強化しないとバランスが崩れると思いますので、 ノーマル派の管理人はとりあえず現状の仕様で、しばらく走ってみようと思います。(→この後、フロントフォークに ワッシャーを追加しました。)

    規定トルク
  • ホースボルト / 3.5kgfm
  • ブレーキキャリパマウントボルト / 2.7kgfm
  • ブリーダ(ボルト) / 0.6kgfm

スライドピンには、シリコングリスを塗ります。