今回はスパーダのシートの座面を上げるため、張り替えに合わせてウレタンを追加します。
長時間乗車では少しひざの曲がりがきついのを、ハイシート化することで対処します。
スパーダ純正のシートは初心者でも足つきに不安がないように、かなり低めとなっています。しっかり乗る際には、もう少し高い方がしっくりくるかな? という感じもするし、実際に長時間乗っていると、ひざがつらくなってきます。
そこでハイシート化を図ります。高さを稼ぐために、しっかりとした硬さのチップウレタンで芯を作り、表面は柔らかめで薄手のウレタンで整える方式でいきます。
用意したもの
- チップクッション(WAKI CH402 \1,290税抜) 2000×600×10mm
- ウレタンフォーム(WAKI NUGS-01 \329税抜) 500×500×5mm
- レンチ10mm
- ステープル抜き(モノタロウ \389税抜)
実作業
シートを外し、裏でシートベルトを固定しているナットを外します。かなり固いことが多いので、ボックスレンチを推奨します。今回は金具のさびを落とすため、ドライバーでこじってシートベルトから金具を取り、錆取り作業を行います。
錆落としは定番のサンポールを使用、せっかちなので原液を塗り、ブラシで落としつつ2回ほど繰り返して終了。
錆止めは大昔に処分品を買ったパーマテックスの ジェル。名前の通り、ジェル状のはずが固まりかけていたので、ほじくり出して金具に擦りつけておきました。赤錆の部分は黒く変色し、酸化被膜となってそれ以上の錆の進行を防ぐ薬剤です。酸っぱいにおいがするので、屋外で作業します。
二段階のさび落とし作業が終わると、錆は落ちて、再発の恐れはほぼなくなりました。元通りシートベルトにカシメて、張り替え後、シートに取り付けます。
古いシート表皮を剥がすのに、今回新兵器としてステープル抜きを使用。写真はモノタロウブランドの安いものですが、これが大活躍。今までマイナスドライバーでこじって無理やり外していたのが馬鹿らしくなるくらい、使いやすい工具です。時間もだいぶ短縮できます。シート張替えを考えている方は、ぜひ購入することをお勧めします。
芯材となるチップウレタンは2枚重ねて、狙った高さを作ります。接着はゴム糊を使います。仮留め用の接着力ですが、広い面積なのでズレは生じません。あまり強い接着剤だと、接着面の硬さが座った時に分かり、違和感があります。
形を作るのはおろし金で削ります。ダイソー製の百均商品が大活躍。角の部分を斜めに落とし、シートと一体化するように作っていきます。ある程度形ができたら、シートと合わせて仕上げ削りします。
チップウレタンの成型が終わったら、上から薄手のウレタンをかぶせ、段差を均らします。薄手のウレタンの方は、端をハサミで斜めにカットして馴染ませておきました。これもゴム糊で接着します。シート表皮とシート本体が滑りやすくなるネガもあるため、今回、防水用のビニールシートはかぶせませんでした。
シート素材は自動車用の耐候性の高いものを。伸び方向が決まっているので、良く伸びる方を横向きに裁断します。最初に進行方向に、後ろと前でタッカーで仮留めし、ぴんと張ったのを横から引っ張ってシート表面にピッタリつくようにして、横の部分もタッカーで止めます。
テンションの調整中は、洗濯ばさみを多数使って、全体のバランスを整えつつ作業を繰り返します。タッカーは強力なものでないと完全に打ち込めず、ペンチで押し込む作業が必要になるはずです。(詳しいシート張り替え作業はこちら:VTシートの張替え)
作業結果
今回使ったチップウレタンが、思ったよりも柔らかめだったので、少し当初の目論見と違いましたが、いちおうハイシート化はできました。最近のSSに使用されているような硬めのものなら、よりスポーツ走行に合うシートになると思いますが、とりあえず通常乗車姿勢で2cmほどアップしたので、良しとします。
張り替えたシートは当然水漏れもなく、湿気によるシートウレタンの劣化を気にせず使えるので、また雨天も心配せずに使えるようになりました。ポジション的にも、足元に少し余裕が生まれたので、費用対効果は高いと思います。
(2020.9更新)