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シート座面加工(ハイシート化)

Chip Urethane and Grind Tool
座面を上げるため、腰のあるチップウレタンを
取り付けます。削って形状を作るため、百均の
おろし金を使いました。カッターよりだいぶ楽。
Chip Urethane
シートに取り付けて、仕上げ削りします。
接着はゴム糊で柔らかくかつシッカリと。
Thin Urethane
チップウレタンはガタガタになるので、それを
埋めるため、薄手のウレタンを上から貼ります。
Staple Remover
ステープル抜き工具。専用品でとても使いやすく、
時間短縮できます。何より安い!
Sheet Belt Bracket Rusted
錆びたシートベルト固定金具。カシメを外して
錆取り。サンポール原液を付け錆を落とします。
Parmatex
パーマテックス錆止め処理剤。錆自体に作用し
酸化被膜に変化させて錆の進行をストップ。
酸っぱい臭いがするので、屋外で処理します。
Sheet Belt Bracket After Rust Remove
サンポール処理後、パーマテックスで錆止め。
かなりきれいになりました。
Sheet Before Add Urethane
ウレタン追加前。
へたりもあり、座面は沈んでいます。
Sheet After Add Urethane
ウレタン追加後。
約2cmアップ。かなりきれいになりました。

今回はスパーダのシートの座面を上げるため、張り替えに合わせてウレタンを追加します。 長時間乗車では少しひざの曲がりがきついのを、ハイシート化することで対処します。


スパーダ純正のシートは初心者でも足つきに不安がないように、かなり低めとなっています。しっかり乗る際には、もう少し高い方がしっくりくるかな? という感じもするし、実際に長時間乗っていると、ひざがつらくなってきます。


そこでハイシート化を図ります。高さを稼ぐために、しっかりとした硬さのチップウレタンで芯を作り、表面は柔らかめで薄手のウレタンで整える方式でいきます。


用意したもの

  1. チップクッション(WAKI CH402 \1,290税抜) 2000×600×10mm
  2. ウレタンフォーム(WAKI NUGS-01 \329税抜) 500×500×5mm
  3. レンチ10mm
  4. ステープル抜き(モノタロウ \389税抜)



実作業

シートを外し、裏でシートベルトを固定しているナットを外します。かなり固いことが多いので、ボックスレンチを推奨します。今回は金具のさびを落とすため、ドライバーでこじってシートベルトから金具を取り、錆取り作業を行います。


錆落としは定番のサンポールを使用、せっかちなので原液を塗り、ブラシで落としつつ2回ほど繰り返して終了。

錆止めは大昔に処分品を買ったパーマテックスの ジェル。名前の通り、ジェル状のはずが固まりかけていたので、ほじくり出して金具に擦りつけておきました。赤錆の部分は黒く変色し、酸化被膜となってそれ以上の錆の進行を防ぐ薬剤です。酸っぱいにおいがするので、屋外で作業します。


二段階のさび落とし作業が終わると、錆は落ちて、再発の恐れはほぼなくなりました。元通りシートベルトにカシメて、張り替え後、シートに取り付けます。


古いシート表皮を剥がすのに、今回新兵器としてステープル抜きを使用。写真はモノタロウブランドの安いものですが、これが大活躍。今までマイナスドライバーでこじって無理やり外していたのが馬鹿らしくなるくらい、使いやすい工具です。時間もだいぶ短縮できます。シート張替えを考えている方は、ぜひ購入することをお勧めします。



芯材となるチップウレタンは2枚重ねて、狙った高さを作ります。接着はゴム糊を使います。仮留め用の接着力ですが、広い面積なのでズレは生じません。あまり強い接着剤だと、接着面の硬さが座った時に分かり、違和感があります。


形を作るのはおろし金で削ります。ダイソー製の百均商品が大活躍。角の部分を斜めに落とし、シートと一体化するように作っていきます。ある程度形ができたら、シートと合わせて仕上げ削りします。


チップウレタンの成型が終わったら、上から薄手のウレタンをかぶせ、段差を均らします。薄手のウレタンの方は、端をハサミで斜めにカットして馴染ませておきました。これもゴム糊で接着します。シート表皮とシート本体が滑りやすくなるネガもあるため、今回、防水用のビニールシートはかぶせませんでした。



シート素材は自動車用の耐候性の高いものを。伸び方向が決まっているので、良く伸びる方を横向きに裁断します。最初に進行方向に、後ろと前でタッカーで仮留めし、ぴんと張ったのを横から引っ張ってシート表面にピッタリつくようにして、横の部分もタッカーで止めます。


テンションの調整中は、洗濯ばさみを多数使って、全体のバランスを整えつつ作業を繰り返します。タッカーは強力なものでないと完全に打ち込めず、ペンチで押し込む作業が必要になるはずです。(詳しいシート張り替え作業はこちら:VTシートの張替え)



作業結果

今回使ったチップウレタンが、思ったよりも柔らかめだったので、少し当初の目論見と違いましたが、いちおうハイシート化はできました。最近のSSに使用されているような硬めのものなら、よりスポーツ走行に合うシートになると思いますが、とりあえず通常乗車姿勢で2cmほどアップしたので、良しとします。


張り替えたシートは当然水漏れもなく、湿気によるシートウレタンの劣化を気にせず使えるので、また雨天も心配せずに使えるようになりました。ポジション的にも、足元に少し余裕が生まれたので、費用対効果は高いと思います。


(2020.9更新)


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