VT250 SPADA 整備 ガソリンコック

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ガソリンコック



VT250 SPADA Gasoline Cock
分解したガソリンコック。上がキャブの負圧で作動するダイヤフラム。今回の不調の原因は恐らくこれ。分解するとリセットされるようですが......。
VT250SPADA Gasoline Cock Inside Valve
コック内部の作動。左がOFF時。右がON時。内部でボールがガソリンの通りを止めているのがわかります。ガソリンは画面上部から、中央のボール部分を通って右に流れます。

それは、突然やってきました。
低速でもたつく感じがしだしたのを皮切りに、ついにはアイドリングしなくなったのです。 しかし一定以上のアクセル開度になると、ドッカンと加速します。恐くてとても走れません。

オーバーフローかなと思い、キャブでも見てみようとガソリンタンクを外すべくフューエル チューブを外すと...ナント、OFFにしているはずのコックから大量のガソリンが!

気を取り直して、どこが悪いのかガソリンコックを分解してみることにしました。 タンク内のガソリンをペットボトルに移し替え(後で知ったが静電気の関係で危険とのこと。 金属製の専用容器を推奨)、シートを外して作業開始。


必要な道具

  • レンチ(10mm)
  • ラジオペンチ(先が平らならより良い)
  • シート、布など(タンクを置く場所の養生)

作業手順

タンクの後部の10mmボルトを外し、少し上に持ち上げます。ガソリンチューブ(太)、バキュームチューブ(細)を抜き、フレームに沿わせてタンクをずらすと外れます。

コック自体はボルトでステーと共締めされており、写真のダイヤフラム部もプラスねじで留まっているだけなのですぐに外せます。ガソリン残量が少なければ、タンク前部を下にして壁に立てかけるとガソリンを抜かずにコックを外せます。


特に破損部品も無く、原因がわからず。今回は分解したら症状は消えました。とりあえず、硬化していたガソリンホースを別途購入したものに付け替え作業終了。

後から考えて思い当たる節としては、コックOFFのまま、エンストまで走ってしまうと(ドジ)、その後から発生する気がします。ダイヤフラムに負荷がかかり、張り付いてしまうのでしょうか?・・・・・と書いてましたが、原因はダイヤフラムの消耗でしたので、交換しました。(詳しい内容はこちら:ダイヤフラム交換))


また、キャブレターのフロートにゴミが引っ掛かるなどして、オーバーフローが発生していると、同様の症状が出ます。ゴミならキャブを洗浄すれば治りますが、フロートの円錐ゴム部が劣化していると、要交換です。しかし単品では部品は出ず、フロートセットとして(真鍮の受け側+フロート 1Set \2,500/2009.07現在)販売されます。 古い車両では、交換すると燃費は大きくアップするはず。

  • ガソリンコックOリング 外径28.5mm 内径24.3mm 太さ約2.0mm
  • ガソリンホース 外径13.0mm 内径 9.0mm (この内径だと少し大きいです。ガソリンが滲む....)
  • バキュームチューブ 外径 -mm 内径 -mm

ガソリンホースについて。
東急ハンズで購入しました。耐ガソリンホースとして売っているものは、透明な塩ビベースのもの。黒いNBRゴム(耐油性ゴム)という素材のものは、ガソリンには使えません。

また塩ビベースのものも、表面のコーティングにより耐油性を持たせているので、クリップで固定していると、そこからコーティングが剥げて劣化し易いです。

Oリングについて。
水道管周りの部品として売られているものは、耐油性はない素材です。オイルパッキンなどに使用するものは、必ずNBRゴムで出来ている物にしましょう。

お約束ですが、純正部品以外を使用する場合は、自己責任でお願いします。