個人旅行者向け
タイの上手な旅の仕方の基礎知識

タイの実体験をエッセイ風、レポート風にまとめました

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《SECOND EFFORTの活動》
お暇でしたらこちらもどうぞ

タイの日本人向け新聞「バンコク週報」に掲載しているエッセイを再構成しています。
店主のテレビ屋時代のエピソードを中心に書き綴っているエッセイです。今だから笑える失敗談や、今では信じられないテレビの制作現場のこと。
番組の立ち上げ秘話やタレントとの交流の話など、実際にあったことを一つづつ記憶を紐解きながら、店主の成長記録のように書いています。
不定期ですが、今も書き足していますから時々覗くようにしていただくと嬉しいです。


こちらは今の仕事のページです

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当HPはリンクフリーです。
ただしご連絡だけはくださいね。
タイに関心のある方どんどん情報交換して、タイフリークの輪を広げましょう!

「サバーイ」と「サヌーク」 「マイペンライ」にいらいら
電車マナーにタイ人の本質を見た?! 愛すべきタイ人…嘘のような本当の話
タイ人は制服が好き タイ人は○○人が嫌い!
タイ人の嫌いなものBest3 タイ人の本当に嫌いなもの
おっとビックリ!タイ人の記憶力 タイ人は超マニュアル人間だッて本当?
路地裏のチビッ子ギャングたち タイ式子育てにちょっとだけ異議あり!
「サバーイ」と「サヌーク」
それにしても、タイ人というのは不思議な人たちです。
「サバーイ」と「サヌーク」という言葉を聴いたことありますか。タイ人の性格を端的に表しているといわれることばです。日本語にすると「楽をする」と「楽しく」ということになるのでしょうか。
タイと日本を往き来するようになってから15年以上になりますが、良くこの2つの言葉に出くわします。
例えば、町行く人を見ていると、走っているタイ人をほとんど見ません。スタッフに聞いてみたら、これも「メ・サバーイ(=楽じゃない)」だからといいます。
それから、約束の時間になっても現れない。連絡もない。電話をすると、「メ・サバーイ(=調子悪い)」だから行かない。(だったら連絡くらいしろよ!)
こんなことは日常的にあります。

仕事の打ち合わせに行ったら先方の担当者がお休み。理由は「メ・サバーイ」だからといいやがる(怒)。こちらが2時間もかけて行ったのに、この一言で無駄足となってしまいます。
こんなこともあって、こちらに来て2週間も経つというのになかなか仕事がはかどらない。
《店主注:決して仕事がはかどらない言い訳をしているわけではありません》

そんなタイ人がベンジャロンの細密な彩色をする、絹織物の細かい作業をする。いつまでたっても、矛盾を感じちゃうんですよね…(*_*)。
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「マイペンライ」にいらいら
「マイペンライ(大丈夫)」について…。

仕事のシーンでも、プライベートのシーンでもよく耳にする言葉です。だいたい「ごめんなさい(コー・トートといいます)」に対して出てくる言葉が「マイペンライ」です。
これだけ書くとたいしたことではありません。ところがイライラして殴ってやろうかと思うことが頻繁に起こるのです。

例えば、車が渋滞しているときにタクシーの運転手との会話。
店主「だからこの道はダメだっていったじゃないか。」
運転手「…(無言)」
店主「友達が待っているんだよ!」
運転手「…(無言)」
てな事が続いて、降りるとき、
店主「20分も遅れちゃったじゃないか。」
運転手「マイペンライ・ナ」(大丈夫だよ)

もうひとつ。
店主が新品のドライバーを持ってゴルフに行ったときのこと。キャディー「きれいなクラブね」といって自分で振ってみたりする。と、そのクラブを地面に落としてしまいました。
キャディー「コー・トート」(ごめんなさい)
クラブを見るとヘッドに小さいがはっきりと傷が付いています。キャディー、持っていた雑巾タオルでクルッと拭いて「マイペンライ・ナ」。当然、傷は消えていません(怒!)。
こんなとき「大丈夫だよ」というのはこっちだろ!

こんなシーンは、一日外に出ていると、最低でも2回は出くわします。日本人としてはルーズな方に属するかもしれない店主もマジキレします。
キャディーの例では、まだ謝ったからかわいげがある。普通だとまず謝りませんね、運転手のように。
タイ人は自分が失敗すると、謝るよりまず言い訳をする。それも理由にならない言い訳。そして最後はニッと笑いながら「マイペンライ・ナ」で終わり。こんなときの笑顔は「天国の微笑」でもなんでもないですよ、マジで…。
結局、細かいことや面倒なことにイライラしても「メ・サバーイ(楽じゃない)」ということでしょうか。
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電車マナーにタイ人の本質を見た?!
今回は電車のマナーについて。
日本だと、降りる人が先、乗る人は後というのが当然で、乗り込む人はドアの前を開けて待っているものですよね。タイではこうしたルールはまずありません。
朝夕の混雑時にはドアの前にデモ隊のように乗り込む人たちが並んでいます(整列ではありません)。そしてドアが開くと、さすがにすぐにドカドカと乗り込んではこないものの、ちょっとでも降りる人がマゴマゴしているとその隙を狙って乗り込んできます。降りる方だって、デモ隊のような人垣を避けて降りるのですから、そんなにスムーズには流れません。ということで、降りる人間と、乗り込む人間のせめぎ合いが起こるわけです。目的の駅で降りそこなった人を何人見たことか…。

どうも、タイ人というのは人より少しでも先に行くという姿勢が染み付いているようです。
数年前、今のように自動車の交通マナーが行き渡っていなかった頃のドライバーたちがそうでした。信号が青(こちらでは緑といいます)に変わると、我勝ちにフルスロットルで発進します。その頃はマニュアル車しかありませんでしたが、ほとんどの車がエンジンは4000回転以上で運転していました。もちろん一般道で(!)。
そして、ほとんどの車が車間距離2〜3mというほとんどレース場状態です。理由は、車間距離を開けると横から車が割り込んでくるから。ひどいやつはそんな車間距離でも、隣の車線がちょっとでも早いと割り込んできます。
そして接触事故。
そのために渋滞。
という悪循環でした。
悪評高いバンコクの渋滞はこんな形で起こっていたんです。

今は運転もフルスロットルなどということはなくなり、車間距離も以前よりはとるようになりました。 でも、ちょっとでも隣の車線の進みが速いと即刻車線変更。 この姿勢は変わりません。

電車の話に戻します。 電車を降りると、改札に向かうのにエスカレーターもあります。 人が多いときには当然流れが滞ります。 この時のタイ人が他人より前に出ようとする姿勢がすごい。
男でも女でも、友達とおしゃべりをしながらでも、決して強引にではないのですが、ジワジワと確実に体を入れて前に出ます。 だいたい店主はいつもこの戦いに敗れ、後へ後へと取り残されてしまいます。 エスカレーターのそばの出口から降りたというのに、改札を出るときは最後の方になってしまっています。

では彼らは先を急いでいるのか、というとどうもそうではない。 以前にも書きましたが、タイ人というのは日常ほとんど走りません。 走ってまで速く降りたいというのではないのです。 というのも、誰一人エスカレーターを歩く人がいないんです。 これは空いているときでも同じ。
日本で、東京なら右側は歩く人のために空けておきますね。 タイ人たちは陣取り合戦の後、平然とエスカレーターに乗っています。

どうも、混みあっているときは横の人より前に出たい、それだけのように思えてならないのです。 それがタイ人の性によるものように思えてならないのです。 だって、駅を出ればいつものようにチンタラ歩きで、他人に抜かれても平気な人たちなのですから。

こんな一見マナーなど関係ないと思われるタイ人たちですが、びっくりすることがあります。
それは、妊婦、赤ちゃんを抱いた女性、お年寄りが乗って来ると、我勝ちにスッと立ち上がって席を譲ります。 その素早さは目を見張ります。 話に夢中の女子大生も、でかい声で電話していた青年もスッと立つのです。 やはり敬虔な仏教国ですから、こうした相互扶助の姿勢は強く植えつけられているのかもしれません。 やっぱり優しい人たちなのです。
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愛すべきタイ人…嘘のような本当の話
・エピソード1

これは相当有名な話

貧しいイサーンというタイ東北部で産児制限を行なうべくコンドームの使用を促進することになりました。 衛生士が各村でその使用法を説明する集会を開いて回ったのです。 人差し指にコンドームを装着して、「このようにすれば子供が増えすぎて家計が苦しくなるようなことはなくなりますよ」と説明しました。
この集会に参加していたある男性。 これはよいことを聞いたと早速試供品を持って帰って、衛生士にいわれたとおりに装着してことに励みました。 次の日もその次の日も衛生士にいわれたとおりに装着して、これで案心して楽しめると得意げに言いふらしていた矢先。 彼の妻が妊娠しました。
そんなバカなと思った男は衛生士を尋ねました。
男:「先生に教わったとおりにコンドームを着けていたのですが、妻が妊娠しました」
衛生士:「指にコンドームを着けてもだめですよ!」
以後、今ではしっかり図を使って説明するようになっているそうです。

・エピソード2

タイ人に一度に2つのことを頼んではいけないとよく言われます。 これは店主が経験した話

店主の友人の会社に遊びに行っていた時のこと。 その友人が急に取引先に届け物をせねばならず、使用人に詳しく説明して届けさせることにしました。
その時、何気なく店主が「帰りにタバコを買ってきて、これだよ」といってパッケージを見せました。 使用人、自信ありげに「OK,OK」といって、届け物をシッカリ持って出かけていきました。
それからおよそ30分後、にこやかに笑いながら使用人が帰ってきて、店主にタバコを「これだろ」といって渡してくれました。 でも彼の手には急いで届けなければいけない届け物がシッカリ握られていたのでした。

友人が怒ったのは当然です。
それにしても、「タバコを買うだけなら30分もかからないだろう、何をしていた」。
使用人:「おなかがすいたのでクイッティアオ(タイの麺)を食べてました。」

今はタイ人はとても良くメモをします。 ほとんどの人は小さいメモ帳を持っていてそこにしっかりメモします。
でも、どこに書いたか探すのに時間がかかります(笑)。

・エピソード3

これは今からだいぶ前のはなしなのですが…
タイでの生活ぶりを紹介するHPで必ず書かれていたことです。
それはタイ人メイドとの付き合い方が書かれていました。 その中に「タイ人メイドに、例えば冷蔵庫の中から物を上げてはいけない。」 最初のうちは良いのですが、度重なって慣れてくると冷蔵庫の中のものは何でも自分のものと思うようになり、終いには勝手に物を持って帰ってしまうようになるというものです。 だから物をあげる時には良く注意するように…。
これは今でもよくあることです。 店主の友人の中にも、遊びに来るといくらでも冷蔵庫のビールを飲んでよいと思っている輩がいます。 もちろん金を払うこともなく、了解を取ることもありません。 勝手に冷蔵庫を開け、勝手にビールを飲んでゆく、それも何本も。
日本人としてはなかなか注意するのが難しいんですよね。

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今回ご紹介したのエピソードは相当古くから笑い話として言われていることです。
多分、出本はバンコクに住むタイ人がイサーンの人間を馬鹿にして語り始めたものでしょう。 バンコク出身者は、一部ではバンコキアンと呼ばれ、欧米風の生活様式を取り入れた人が多いように思います。 当然教育程度も高く、所得も多いし、都会的センスに溢れている。 一般のタイ人のイメージとは相当異なる生活様式を持っています。
きっと、そんな彼らがイサーンからやってきた来た人々と自分たちとを区別するためこんな笑い話を作ったのでしょう。 でも、言われてみれば確かに「そう、そう」と納得させられることも多いのですが…。
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タイ人は制服が好き
今から20年ほど前、店主が始めてタイを訪れた時。 朝の出勤時間に、ビシッと多分会社の制服を着込んだ女性たちがテロテロ歩いている姿を見て、何か日本と違う空気を感じたのを覚えています。 制服というものに馴染みが少なく、それゆえに制服というものがあまり好きではない店主にはちょっと衝撃的でした。

日本だったら会社の制服は出勤後着替えるのだと思いますが、タイ人たちは家から着ていってしまいます。まあ会社にロッカーがないというのもその理由なのでしょう。
ただ、その歩き姿が、なぜか自信に満ちている感じがしたのです。
「どう、私なんか制服を着ているんだからね。フン!フン!」といった空気を漂わせながら歩いているのです。
それも、いわゆる官庁や大企業の制服を着ているようにも見えず、ましてエリートというわけではなさそうです。 いわゆる作業着というレベルの制服を着ていても「フン!フン!」空気を振りまきながら歩いているのです。 すれ違うヨレヨレTシャツの人たちはその空気に気圧されるように、心なしか道を譲っているようにさえ見えました。

またこの制服というのがすごい。 まさにアイロンでビシ〜ッと、シワひとつなくプレスされているのです。 そして、みな押しなべてテカテカに光っています。
タイ人はどんなものにもアイロンをかけますが、その時あまり温度というものを意識しません。 何でもビシ〜ッとすればよいので最高温度でかけてしまいます。 だから、すぐにテカテカに光ってしまうんです。
まして、行き帰りに着れば汗をかきますから頻繁に洗濯をし、アイロンをかけます。 だから、ほとんどの人が裏の縫い代までくっきりと白く浮き出てしまっているのです。 日本人が見たら、「もう買い替えた方がいいでしょう」というくらいの状態です。 それでも、制服の人は「フン!フン!」です。

気になってタイ人のコーディネーターにその訳を聞いてみました。
「なぜ、制服を着ている人たちはあんなに自信ありげに歩いているのだろう?」
コーディネーター氏いわく、
「制服を着ている人は、制服があるほど大きな会社で仕事をしているといことを自慢しているんです」
との回答。

タイには階級意識というのがあります。
インドのカースト制度のようなものではありませんが、身分の上下は明確に区別されます。
例えばあいさつをするときにも、身分の下のほうからワイ(合掌)をしてあいさつをします。 身分の下の人は、上の人に対して時に卑屈に見えるほどへりくだった態度で接します。 身分の差に開きが大きい場合、下の人は上の人に話しかけることもできない、などということもあります。

余談ですが、外国人に対しても同様に階級のようなものは意識されています。 幸い、日本人は相当高い地位として認められているようです。

結局、制服を着ている人の「フン!フン!」の根底にはこうしたタイ人の中の階級意識があるということです。 先程のコーディネーター氏のいうとおり、
制服がある会社=大きい会社
大きい会社で働く人=選ばれた人=優越感
というような意識の表現として、制服を着て歩いているのです。
最近は制服を着ていても、「フン!フン!」空気を振りまいている人は少なくなりました。 以前より制服との付き合い方が変わってきたということでしょうか。 ちょっと残念な気もしている店主です。

続いて、街で見かける制服の着こなしについて、店主が不思議に思っていることをご紹介しましょう。
タイ人というのはシャツは大きめサイズのものを、日本人の感覚からするとだらしなく着るというのが一般的です。
ウェストあたりに、パンツやスカートからはみ出したシャツがダボダボとたまっている。 背中の方はシャツのすそがはみ出しているような人もいます。 これは老若男女を問わず、一般的な傾向です。
その最先端を行くのが女子中学生・高校生たち。 最近はグリーンや茶色の制服も出始めましたが、一般的には白いシャツに紺のスカートです。 この少女たちのシャツはもうダボダボを通り越して、腰の辺りまでズリ下がってきているほどです。 それでいて、シャツが腰からはみ出しているという人はほとんどいないので、これは彼女たちなりのオシャレなのでしょう。

ところが、ここからが店主が「不思議」と感じているところなのですが、女子大生、専門学校生となるとこの着こなしが一変するのです。
女子大生たちの制服はほとんどが白いブラウスに黒のスカート、胸元につけたバッジが校章で、これによって学校を判断するというのが一般的です。 この着こなしが、高校生時代から一変して、限りなくピターッとしたブラウスを着るのです。 一時期日本でも流行ったピチTとかチビTとかいわれたTシャツを着ている感じです。 もう、縫い目すら引っ張られ、胸の下からウェスト辺りにはしわができてしまっています。 また、胸のボタンなどはいつ千切れてしまうかと期待するほど、いえ心配になるほど引っ張られています。 当然袷からブラウスの中をうかがえることはいうまでもありません。
こんなファッションで日本を歩いていたら、即刻痴漢の餌食になってしまうことでしょう。 それほど過度にボディーフィットしたブラウスを着ているのです。
これと同じ傾向は、警察官や軍人たちにも見られます。 これじゃ動きにくいでしょうといいたくなるほど、ピッチリ、ピッタリした制服を着ています。 店主の今までの経験ではゆとりあるシャツを着ている警察官というのを見たことがありません。 女子大生にしても、警察官や軍人にしても、校則や規則で規定されているのではないかと思われるほど、全員が同じ着こなしをしているのです。
タイ人のパートナーに聞いても、ルールで決められているわけではなさそうで、制服はただそういう風に着るものだからという答えしか返ってきません。 今店主最大の疑問として未解決のまま残っています。

あまり女子大生ファッションについて細かく書くと、店主が痴漢と思われるかもしれないのですが、もう一点書かずにはいられないことがあるので書いてしまいます。
それはベルト。
女子大生たちは必ず黒のベルトをしています。 普通に市販しているベルトの人もいれば、学校の校章のバックルが付いたベルトを締めている人もいます。 それが、異常なまでに長いのです。
ほとんどの学生がベルトを締めた残りが背骨近くまで回っているのは当たり前。 痩せている人などは背骨を通り越して、1回転と2/3くらいまで届いています。 そして、彼女たちは皆、余って背中の方に回ったベルトをクリップで2〜3箇所挟んで止めているのです。
これはなぜなんだろう??? このベルトはフリーサイズではないのだろうか?
自分のサイズに合わせて切ることは考えないのだろうか?
フリーサイズでないなら、なぜ自分のサイズにあったベルトにしないのだろう?
そして、なぜ余ったベルトをクリップで留めているのだろう?
???のタネはつきません。

こんなことが気になり始めてほぼ5年。 最大の不思議はまだ残されたままです。 どなたか店主の悩みを解決してくださる方はいないでしょうか。
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タイ人は○○人が嫌い!
一般的にタイ人が一番嫌いな民族をご存知ですか?思い浮かびますか?

正解は、韓国人です。
韓国の方がこのメルマガを読んでいたらごめんなさい。 でも本当なんです。 正確に調査したデータではないのですが、仮に広い意味で接客業に携わるタイ人に調査をしたら60%以上、ひょっとしたら80%以上のタイ人が嫌いと答えるといわれています。 実際、私が知っているゴルフ場のキャディーは、ほぼ100%の確率でそういっています。

何故…?
理由は簡単です。
態度が大きく、すぐ怒るから。
その割に金に細かくて、チップを少ししかくれない。
自分がミスショットをしたのに、キャディーの指示が悪いからといって怒る。
ボールが池に入れば、キャディーがボールを見誤ったからロストボールになったといって怒る。 キャディーは、ちゃんと池に入ったと言ったのに…
何度か信じられない光景を見たことがあります。
韓国人プレーヤーが韓国語で厳しくキャディーを怒っている(らしい)。 なんとその客はキャディーに手を挙げたのです。 果ては、キャディーが泣き出して、または本当に怒って、韓国人の客を置いたまま帰ってしまいました。こんな現場を数回見ています。

タイ人たちにとって、こういう人たちは「メ・サバーイ(楽じゃない)」し、彼らと一緒にいることは「メ・サヌーク(楽しくない)」なことだから、嫌うわけです。 店主が愛するタイ人たちは、こうしたある種理不尽な人たちに対して分かりやすい態度をとります。
近づかない――
今のところ、彼女たちキャディーをはじめ、私のタイ人の友人たちは皆、日本人は一番チャイ・ディー(やさしい)といってくれています。 でも、安穏とはしていられません。 傲慢な人、度を過ぎたわがままな人、場所をわきまえない人、旅の恥を平気で掻き捨てる人、タイ人を蔑んで見ている人。
最近そんな日本人が増えたように思えてならないのです。 他人の振り見て我が振りを直すことを真剣に考えて欲しい人が多い昨今のバンコクです。
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タイ人の嫌いなものBest3
2007年はタイのプミポン国王が在位60周年を迎える記念の年です。タイ人の国王を敬愛する姿勢は、日本で天皇陛下を敬愛する姿勢とは比較にならないほどです。ですからタイ人が一番愛するものは国王。その次がお金(笑)。

ではタイ人が嫌いな物事はなんでしょうか。
そのベスト3をご紹介しましょう。 ただ、どうしても広い意味で接客業の人たちや友人から得た情報ですので、必ずしもタイ人全部に適用されるかどうか。でも少なくともタイ人の一端は垣間見えると思います。

まず第3位。
金のない外国人または金払いの悪い人。
どこの国の人でも金払いの悪い人が好きだということはないとは思いますが、タイ人はその傾向が特に強いように感じます。金がある頃はあちこち案内してくれたり、通訳や交渉ごとも進んでやってくれるのですが、金がなくなると連絡もしてこなくなる。そう、しっかりと態度で表すのです。
例えば、店主のよき友人で(とこちらは思っていたのですが…)、タクシーの運転手をしているPongは商品の買出しやゴルフなど、どこに行くにも店主の運転手をしてくれました。そればかりかアパートをかわるときなどには、良い物件を探し出してくれたりしたものです。
こちらも家族ぐるみで食事をご馳走したりしていたのですが、今はこちらから電話しても出ない。没交渉!完全無視!!を決め込みます。
理由は、彼から借金を頼まれた時に断りの言葉として「私も金がないんだ」といった一言、のようにしか思えません。これで1年以上の付き合いは終焉。 こうした例は、店主ばかりでなく、何人もの知り合いから、何度も聞いています。
そういえば、Pongが年がら年中いっていました。「私はインド人が嫌い。彼等はいつもタクシーに乗るときに値切ってくる。タイ人はこういう人は大嫌いです。」

第2位。
高圧的な人または偉そうにする人。
タイは階級社会ですから、金を持っているか自分の仕事にメリットがある人に対しては、時に卑屈に見えるほどへりくだった態度で接します。 階級が上の人は、日本の社会以上に高圧的な態度をとります。でも、これは目下の人間にとって広い意味でいろいろとメリットがあるので許される。 ところが、たいしたメリットがないのに高圧的な態度をとる人には明らかに嫌悪する態度を見せます。
タイ人は、一般的に誇り高い気質を持った国民です。老若男女問わず、自分にたいへんプライドを持っています。ですから、怒鳴られたり、高圧的な態度を取る人たちに対しては、自分のプライドを傷つけられたと感じ、嫌悪するようです。
こうした態度をとる外国人は韓国人と感じています。(これを見て気を悪くなさる方がいらしたら深くお詫び致します。でも、タイ人の本音として受け入れていただきますようお願い致します。)
韓国語は、私たち日本人が聞いても喧嘩しているみたいに聞こえますね。そして彼等は大体大きな声でしゃべる。タイ人にとってはこれは、自分が怒鳴られている(実際そういうケースが多いのですが…)と思い、耐えられないことなのだそうです。
「自分はちゃんと仕事をしているのに(日本人の目から見ると必ずしもそうとはいえませんが)、彼は何かというと私を怒る。こういう人とは仕事を一緒にやっていられない。」韓国系の企業で働いていたタイ人から聞いた話です。彼は仕事に手を抜くようになり、結局退職してしまったそうです。

接客業の人たちに「嫌いな国民はなに人?」と聞くと、ほとんど全てが「Korean」と答えます。これについて、最近店主がチョット気になっていることがあります。
5年ほど前まで、この質問に「日本人」と答える人など一人もいませんでした。ところがこのところ、時たま「日本人」と答える人が出てきているのです。
ある高級レストランのマネージャーから聞いた話。
「昔は日本人はとても優しかった。でもこのごろとても偉そうにする人が多いです。料理や私たちのサービスに文句をつける人が増えています。こういう人には来てほしくない」。心して聞きとめておかなければならないことだと思っています。

そして、栄えあるタイ人が嫌いな物事、第1位は。
「めんどくさいこと」
タイ人の人生観は「サバーイ」と「サヌーク」という言葉で表されます。日本語にすると、「楽して」「楽しく」となるのでしょうか。
めんどくさいことはもちろん楽なことではないし、楽しくもない。だから嫌いなのです。
これは彼等の日常生活の全てを支配しているといっても過言ではないかもしれません。
これまでにも何度もご紹介していますが、タイ人はとても個人主義的な考え方をする人たちです。その根底にあるのがこの「サバーイ」と「サヌーク」という人生観なのです。
実際、彼等の会話を聞いているととても頻繁にこの二つの言葉が出てきます。「サバーイじゃないから行かない」、「あの人と会ってもサヌークじゃないから嫌い」、「この仕事はサバーイじゃないからやらない」 etc.他に判断基準というものがないのかと思うほどです。

タイ人は日本人と違って簡単な理由ですぐに仕事を替えます。それもこの意識の上に立ち、自分の能力に対して給料が安いというプライドが後押しをしているように思えてなりません。

今回ご紹介した「タイ人の嫌いなものベスト3」はタイ人の国民性というか、彼等の人生哲学というか、タイ人の存在=オリジナリティーを主張するものともいえるように思えます。
では、振り返って私たち日本人の嫌いな物事ってなんでしょう。日本人全体が嫌いな物事は???なかなか思いつきません。
それが日本人のオリジナリティーの欠落につながらなければよいと、タイ人を見て考えさせられる店主です。
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タイ人の本当に嫌いなもの
前回、タイ人が嫌いな物事ベスト3と題して書き綴りました。
ところが!
タイ人が本当に嫌っていることを書き漏らしておりました。今回はそれをご紹介しましょう。

それが何か想像できますか?
ヒント:タイではこれを避けるのはちょっと無理ではないか思われることです。
お分かりでしょうか?
正解は日焼け。これは男女、生活環境を問わず、これは嫌いです。
例えばゴルフ場。
男性用ロッカールームでも若い人から年配のプレーヤーまで、顔から首の周りなどに日焼け止めのローション(一番強力なプロテクション効果のあるもの)を、何もそんなに塗らなくたっていいだろうに…、と思うくらい塗りたくります。だから顔派真っ白。着ているシャツは長袖、ズボンは当然長ズボン。帽子も、首筋を日差しを遮るものが付いているものをかぶっている人までいます。
ここまで防備しているのに、ラウンド中はUVカットの傘をさして歩きます。これは熱中症や熱射病を防ぐ意味もあるのですが…。まさに完全武装です。
これをゴルフ場で見るというのは奇妙という言葉以外に表現のしようがありません。途中で汗で地肌が見えてきたりすると、すぐローションを補強。>女性にいたっては、当然これ以上の重装備です。

キャディーでさえユニフォームは長袖・長ズボン。おもしろいのは、手の甲が日焼けしないように袖口に手の甲をカバーする布がついているほど。これにゴルフ用の手袋を両手にはめている者もいます。
当然炎天下を歩くのですから汗をかきます。このため2ホールに1回はメイク直し。厚塗りの上に厚塗りを重ねるから、プレーが終わる頃には顔がバリバリになっているのではないかと思うほどにファンデーションが塗りたくられた状態になっています。

これに対して観光客はお気楽なもの。
欧米や日本からの観光客たちはほとんどが半袖のシャツに半ズボンでプレーしています。店主は帽子が嫌いなので、帽子も被りませんし、傘もさしませんから2週間もバンコクにいると、もう顔は黒光りするほど。よくキャディーから日焼けした顔は格好悪いからローションくらい塗った方がよいといわれるのですが、「日焼け命!」と思っているような店主は一切聞く耳持たず陽に肌をさらしています。
帰国する観光客をバンコクの空港で見ると、もう顔も腕も真っ赤ッカになっています。欧米からの観光客は、これでもかとシミだらけの日に焼けた肌を自慢げにさらしています。

女性たちと話していると、私は色が黒いからきれいじゃないと恥ずかしそうにいいます。それでも、店主よりよっぽど色白なのですが…。どうやらタイ人の「美しさ」の基準は色白かどうかにあるようです。
いくら「小麦色の肌の女性はキュートだよ」といっても、しかめっ面で首を横に振るだけ。この「色白崇拝」は相当浸透しています。
日本でも今年の夏は色白がブームだとか。だからといって、タイ人のように不気味なまでのプロテクションはしないでしょうけれど、色黒大好き派の店主にとってはちょっと寂しくもあります。
健康的に日焼けした、キュートな女性たちに出会うために、バンコクからもう少し田舎に転居しようかな…などと不遜なことを考える今日この頃の店主です。
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おっとビックリ!タイ人の記憶力
以前、タイ人に物を頼むと最後に頼んだことだけやって、最初に頼んだことは忘れてしまうということを書きました。
だからといって、タイ人が物覚えが悪いのかというと、これがそうでもないのです。
そんなエピソードをいくつかご紹介しましょう。

店主の友人で年に3回程度バンコクにゴルフツアーに来る友人4人組がいます。彼等は必ずソンブーンというレストランに行きます。そこは、一時期バンコクで行列ができる店として有名になったところで、今もたくさんの客で賑わってます。たいへん広いレストランで、1日に数百人もの人が入れ替わり立ち代り訪れます。
店主は何度も行っていて、またビールのみとしてすでに顔になっているのですが、その友人たちを最初に連れて行ってから半年ほど経って、2度目に行ったときに数名の店員はしっかり彼等のことを覚えていたのです。だって、テーブルに案内される間に「今日も焼酎を持ってきたの?熱いお湯はいりますか?」と聞いてきたのですから。
店主が、「彼等のこと覚えている」のと聞くと、「半年位前に小俣さんと一緒に来たでしょ、だから覚えているの」と明確な回答。
「この前来たときには持ってきた焼酎のお湯わりと、あの人は日本酒を飲んでたでしょ。最初に持って行ったお湯がぬるいといわれたのが印象に残っているの」。
まさにその通りです。いくら印象に残ったとはいえ、毎日多勢のお客と対応するのに、半年経ってもしっかり覚えているとは…。

店主「あなたは1度来ただけでもしっかり顔を覚えてしまうの?」
店員「たくさんチップをくれた人や、面倒なことをいった人はしっかり覚えているわ。チップをたくさんくれた人にはなるべくその人のテーブルの担当になるようにするため。面倒なことをいった人のところには絶対行かないようにするために覚えておくのよ(笑)。あなたのお友達は、面倒なことをいって、大騒ぎもして、最初は嫌だなと思っていたけど、たくさんチップをくれたからOK(^_-)-☆!」

レストランに関してもっと驚きのエピソードをご紹介しましょう。

バンコクに「フォーチュン」というホテルがあります。このホテルは15年ほど前から店主が定宿としていたところです。ここは大きなショッピングアーケードと直結していて、スーパーもあるのでとても重宝していたのです。
そのアーケード内に「小船」という和食レストランがあります。日本でいうとファミリーレストランの様な日本人よりはタイ人を相手にしているようなところです。店主がフォーチュンホテルに泊まるときにはちょくちょくタイ人の友人とここに行って食事をしていたものです。席はいつも決まっていて、そこでビールを飲んでは賑やかに飲食を楽しんでいました。当然そこそこ有名な日本人でした。

それが、ちょっとした理由からフォーチュンホテル泊まることもなくなったので、、そのレストランにも行かなくなって5〜6年経ったでしょうか。店主がこのホテルのすぐ側にあるアパートを借りたこともあり、久々にそのレストランに行ったのです。すると、店主が頻繁に行っていたころまだ見習いだった女性が、なんと店長になっていたのです。
店に入ると当然のことながら、彼女も店主の顔を覚えていました。
それどころか…
店長「今はもうクロスタービールを出さなくなったのです。ハイネッケンにしますか、シンハーにしますか?」と聞いてきたではありませんか!
彼女はそれほど頻繁に店主のテーブルの担当になったわけではありません。それなのに、6年近く経ってもまだ店主の飲んでいたビールの銘柄まで覚えていたのです。これにはビックリしました。

この他にも、1度利用しただけのコインランドリーのオバチャンから声をかけられたり、ウィークエンドマーケットで1度プレゼント商品を買っただけの店なのに、その前を通るたびにまた買ってねといわれたり。両替に行った銀行員からよくしてもらったりと彼等の記憶力に驚くことといったら数えきれません。それもけっして高学歴の優秀な人ばかりではないというのも驚きです。
恐るべし!タイ人の記憶力!!
これをうまく生かすようになれば、きっと私たち日本人にとって大きな脅威になるに違いないのに…、と思う店主です。
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タイ人は超マニュアル人間だッて本当?
今までこのコラムでタイ人についていろいろ書き綴ってきました。
タイ人は個人主義が染付ついており、基本的にルールは守らない、または自分に都合が良いように理解する。タイ人にいくつか用事を頼むと、最後に頼んだこと以外は忘れている。など、読みようによっては、いい加減極まりない国民のように感じられることをばかりご紹介してきました。今回は、これと正反対の側面をご紹介してまいります。

先日、NHKでトヨタの世界進出の戦略についてのドキュメンタリー番組を放送していました。
その中で東南アジアの拠点となっているタイの工場について紹介していました。
そこでは、社員たちを指導する「トレーナー」を教育する「トレーナーズトレーナー」という資格のタイ人青年に焦点が当てられていました。
トレーナーズトレーナーとは世界一を目指すトヨタが、世界同一品質の製品を作り出すために、新たな技能を伝えるために設けられたポジションです。彼は日本人から技術を学んで、トヨタマンとして国境を超え、アジア各地にトヨタ生産方式を伝えてゆくという重要な役割を持った人間です。その青年の仕事ぶりがいかにもタイ人そのものだったのがとても印象に残りました。

彼はとても几帳面で、規定のマニュアルどおりにしっかりと仕事をしていました。彼自身、自分の仕事ぶりに対して自信を持っているようでした。
ところが、日本のトヨタ本社からやってきた、トレーナーズトレーナーの仕事ぶりをチェックする指導者は、彼のそのマニュアルどおりの指導ぶりにNOといったのです。またその工場を管理する日本人責任者は、マニュアルどおり過ぎて人間味がないとその青年にアドバイスしたのです。
そう、この青年のようなマニュアル一辺倒。ある意味マニュアル至上主義のような仕事ぶりに触れて、普段のいい加減な生活の様子とあまりかけ離れているのでビックリした経験が店主にもあります。

タイ人は仕事をする際、マニュアルがあればそれに100%従って仕事をします。それができない人間は首になっても仕方がないのだそうです。
このためでしょうか、品質管理という面では本当に信じられるのですが、その反面、マニュアルにないことが起きるとフレキシブルに対応できない。また、マニュアルでNOと規定されていることはどんなことがあってもNO!です。そこにはあの「天国の微笑み」どころか、人間味すら感じられなことも多々あります。
飛行機にライターや水を持ち込ませてはいけないとなればどんなことをしても持ち込ませない。
午後5時まではアルコールを売ってはいけないとマニュアルにあれば、きっかり5時になるまで販売しない。
魚の骨を全部抜かなくてはいけないと決められていれば、毛抜きで1本づつ徹底的に抜ききる。
「マニュアル厳守」は枚挙に暇がありません。
そんな風にルールにがんじがらめになっているタイ人が、日常生活では、横断歩道は渡らない。
信号が赤でも車が来なければ平気で道を渡る。
それどころか、自動車専用道路さえも歩道橋を使わずに強行横断する。
順番は守らない。
など、キリがない程ルール違反の行動をするのです。
仕事ではルールやマニュアルに縛られていて、日常生活では法律なんて知ったことかというような行動をとる。
本当に理解に苦しむ人たちです。

あるときタイ人の友人にこの矛盾について聞いたことがあります。
彼は、「法律は守ってもお金がもらえるわけではないけど、マニュアルは守らないと給料がもらえないからね」と、いとも簡単に平然と説明してくれました。
でも、このようにいわれてみれば納得できることがあります。その一例をご紹介します。
タイではお酒は夕方5時以降でないと販売できないということが法律で決められています。ですが、この法律が施行されても、セブンイレブンはこの法律に反対していて、5時前でもお酒を販売していたのです。とても助かりました。そしてこのセブンイレブンの姿勢に合わせて、いくつかのミニマートでも平然とお酒を売る店がありました。
ところが、ある時セブンイレブン本部はこの法律に従うことを宣言しました。その途端、昨日まで売ってくれていた店のスタッフがどんなことがあっても売ってくれなくなりまったのです。当然、他のミニマートでも買えなくなりました。
法律より会社のルールの方が強い…mmmm
ご理解いただけますか。

蛇足ですが、日中にお酒を買うためには町の小さいお店へ。いつでも買えます。
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路地裏のチビッ子ギャングたち
夕方4時半を過ぎると冬のバンコクも日が西に傾き、それまでの強い日差しが弱まって夕のしじまが漂ってきます。 民家の前の縁台には暇そうにしているオヤジさんがタバコをふかし、その隣の家ではオバチャンがこれも縁台に座ってソムタム(辛いパパイヤのサラダ)作りを始めます。 モトサイ(バイクタクシー)の運転手たちは暇つぶしに、瓶の王冠を使ってチェッカーをしています。

そんなドローンとした時間を切り裂くように、どこからともなく子供たちが店主の住むアパートの前の路地に集まってきます。 表のちょっと広い通りから入ったこの行き止まりの路地は子供たちの良い遊び場。
子供たちは学校から帰り、母親の手伝いをしてから三々五々申し合わせたように集まってきます。 最初のうちは2〜3人の子供たちがべチャべチャしゃべったり、鬼ごっこのようなことをしていています。 そのうち、ちょっと年長の、小学校5年生くらいの女の子がやってきます。 年長の分だけ母親のお手伝いの量が多いのでしょう、いつも来るのは一番最後。 サドルの上でお尻を右に左に振りながら精一杯足を伸ばしてペダルをこいでいます。 そう、もっと大きくなっても乗れるように自転車が大きいのです。
それでも、自分の自転車乗りのテクニックを見せるかのように、路地に入ってくると行き止まりまで行って、そのまま細い路地をUターン。 「どうこんなことできる?」と自慢げな表情を見せると、後からついてきた妹分、弟分たち4〜5人がようやく路地に入ってきます。 きっとここまで来る間に追いついてくることができなかったのでしょう。 彼らもお姉ちゃんの真似をしますが、どうしても足を地面につかないとUターンできない。 自転車は小さいのに。 そうするとおねえちゃんから大声が発せられる。 きっと乗り方の指導をしているのでしょう。 「ちょっと見ていて!」といってお手本。 妹分、弟分たち憧れの視線で見つめます。

その中で補助車輪がついた自転車に乗る1年生くらいの女の子。 店主のアパートの駐車場に入るためのちょっとした傾斜を上ったり下りたりし始めました。 新しい遊び場を見つけたのです。 当然、アパートの警備員は「その中に入っちゃダメだよ!」と叱る。 すると、先程の年長のおねんちゃんが妹分に代わって警備員に食って掛かります。 いろいろ子供なりの理屈をコネ、悪態をつき、最後は「ここまでならいいんでしょ!」と境界線を決めて交渉が成立したようです。 年少者たちに遊んでよいエリアを指示し、しばらくはここで自転車の乗り方の練習が始まりました。 自転車を持っていない子は、さっきのおねえちゃんの仕切りで、他の子から自転車を借りて練習です。 もう全員汗びっしょり。 タイでも、子供たちは一生懸命大きい声でしゃべり、一生懸命遊びます。

5時を過ぎる頃、高校生くらいの男性たちがやって来てアパートの隣の空き地に作ったコートでセパタックローを始めました。 すると子供たち、自転車を放り出してコートの脇に放置された古タイヤで遊び始めました。
ここでも、先程の女の子がイニチアチブを握ります。 少年たちに指示してタイヤを並べ替えさせ、そのタイヤで日本でいうとチョンパ(ケンケンパ?)のような遊びをします。 ここでも、一番難しいステップを踏み、一番早くクリアしてみんなの羨望を集めます。 周りにいる大人たちは誰一人危ないからやめなさいなどとは言いません。 見るとも見ないともなく子供たちの遊んでいる様子に目をやっている感じ。

もうあたりは相当暗くなってきていますがまだ飽きることなく遊んでいます。 表の路地では相変わらず縁台に座ったオヤジさんがタバコをふかしています。 でも隣のオバチャンはもうソムタムを作り終えたのでしょうか、姿は見えません。 替わりにどこかのおじさんたちがソムタムをつまみに、ビールを飲み始めていました。 モトサイの運転手たちは客が来たのでしょうチェッカーはそのままに営業にでたようです。 そのうち、近くの自動車工場が簡易のカラオケバーとなって、女性たちのカラオケを歌う声が聞こえてきます。

この歌声が合図のように、例の年長の少女の一声で自転車に乗り子供たちが帰って行きます。 自転車のない子達はその後を走って追いかけて行きます。 もちろん大声で叫びあいながら…きっとまた明日も遊ぼうといっているのだと思います。 これから、路地裏は大人たちの時間に替わっていきます。

どこかで見た光景。
なんだか懐かしく思える子供たちの叫ぶような喋り声。 そう、それはちょうど店主が子供の頃に経験した毎日と同じ…。 バンコクの路地裏では毎日こんな風なことが今も繰り返されているのです。

日本では子供が殺害されるなどつらい事件が続きます。 バンコクの路地裏のような生活がもう一度戻ってくるのだだろうか。 そんな気持ちから、今回このテーマを選びました。
いかがでしたでしょうか。


※画像が暗くてすみません。冬とはいえそれ程遅い夕方ということです。それを表したかったのでストロボをたきませんでした。
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タイ式子育てにちょっとだけ異議あり!
今回は店主が実感しているタイ人たちの子育てぶりについてご紹介しています。
おおらかなタイ人たちの子育てには、私たち日本人としては納得できないことがいくつもあります。その根底にあるものはなんでしょう???

ところで、海外で生活していると普段の生活の中で、日本と違ういろいろな習慣に触れることがしばしばあります。それはその国、その土地の文化が育んできたもので、そこに生活する人々の生活観が感じられるものです。もちろん、その中には彼等の人生観や世界観などが反映されているものもあります。

タイで生活していると、彼等にとっては普通のことが、店主にとっては戸惑うことだったり、中にはびっくりさせられたり、思わず笑ってしまったりということもたびたびです。ところが、これだけはどうしても納得いかないと思うことがあります。タイ人のおおらかと言うか、物事に頓着しないところが大好きな店主ですが、ひとつだけ何とかせ〜よ!といいたくなってしまうのです。
それは子供への躾です。
店主はバンコクではちょくちょく日本食のファミリーレストランに行くのですが、ここではタイ人の家族連れも良く来ています。いわゆるタイのニューファミリーといわれるような年齢層の家族に多いのですが、ここでガキドモ、いいえもっと小さいジャリドモの傍若無人な行動に遭遇することがしばしばあるのです。
例えば、椅子の上に土足で立ち上がるなどは当然のことのように目にしますし、時にはそのままテーブルに上ってしまうことすらあります。もちろんこれは料理が運ばれる前のことですが。
その他にも、他人のテーブルにやってきて食事している人を見ていたり(1人で食事しているところをじっと見つめられるのは嫌なものです)、食事に飽きたジャリドモが大声を上げながらレストラン中を走り回るなんていうことも珍しいことではありません。
これに対して、親たちは叱ろうともしないし、席に呼び戻そうともしない。それどころか「元気が良くてなんて可愛い子なんだろう」というように微笑みながら見ているだけです。店主は「他人の迷惑ということどう思っているのか!」と親たちにいってやりたい。
「あんたたちほど俺はこの子のことを可愛いとは思ってね〜よ!」といってやりたい衝動にも駆られるのですが、レストランの別のタイ人たちの客は迷惑そうな顔ひとつしません。レストランの店員たちでさえ、営業スマイルとは思えない笑顔でこのジャリドモの行動を見ているのです。こんなことですから、タイでは子供に対しては放任するのが一般的なのでしょう。
普段の生活で、子供に対してほったらかしとも見えるほど好きにさせているのは、微笑ましくもあります。今の日本の親たちが子供に対して「あれしてはいけない、これしてはいけない、怪我したらどうするの!」などと干渉しまくるのよりは余程良いと感じています。

実際、親が子供を叱っているという場面にほとんど遭遇したことがありません。また、子供の方も、転んでちょっとすりむいた程度で、ビェ〜ビェ〜泣くこともほとんどないようです。
このコラムで何度もご紹介しているように、タイ人は個人主義的な生活を送る人たちです。自分がよければよい、他人のことは気にしない、そんな姿勢が染込んでいるように思えます。だから、レストランでも自分たちの席は自分たちが楽しめればよいと思っているのかもしれません。その時に、次に来る人たちのことや、周りの客のことなど関係ないのでしょう。
でも、しかし!と店主はいいたいのです。
せめて、お行儀や他人に迷惑をかけないというようなことは教えてあげるべきだと店主は思うのです。そんなことだから、箸の持ち方もおかしいし、紐を蝶々結びもできないのだ(これについてはいつかご紹介します)と憤ってしまうのです。まあ、この二点については親たちもできないのだから致し方ありませんが…。
食事に出かける度に、どうかジャリ連れのファミリーが居ませんよう、平穏に食事ができますようにと祈る店主です。
有限会社 SECOND EFFORT
〒092-0824 東京都八王子市長房町450-53
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